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クレジットカードを利用している人の多くは「総量規制」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、クレジットカードにはキャッシング枠とショッピング枠があり、両方利用している場合どうなるのかな?と疑問を持ったまま、クレジットカードを日常的に利用している方も多いと思います。
この記事では、総量規制とクレジットカードの関係について、またショッピング枠はどうなるのかなどの点も含め、わかりやすく解説していきます。
- 総量規制とクレジットカードの関係について
- ショッピング枠は総量規制の対象にならない
- 総量規制に関する注意点
目次 ▼
1章 総量規制とクレジットカードの関係
総量規制とクレジットカードの関係は、下の表のようになります。
クレジットカードの枠 | 内容 | 総量規制 |
---|---|---|
キャッシング枠 | クレジットカードで借入れができる枠 | 対象になる |
ショッピング枠 | 商品やサービスの購入に利用できる枠 | 対象外 |
クレジットカードのキャッシング枠は、貸金業者のカードローンなどと同じく総量規制の対象となります。そしてショッピング枠は、総量規制の対象外となります。
1−1 総量規制とは?
まず、総量規制について確認しておきましょう。総量規制とは、「貸金業者に対して年収の3分の1を超える貸し付けを禁止する」という貸金業法で定められたルールです。遵守しない場合は金融庁より処分を課せられるため、融資額の管理は厳格に行われています。ここでいう貸金業者とは、消費者金融業者だけではなく、クレジットカード会社や信販会社なども含まれます。これら貸金業者のカードローンやキャッシングなどを利用する場合、総量規制の上限を超える借り入れはできないことになっています。
1−2 借り入れは年収の3分の1までとされている
総量規制のルールでは、ご自身の年収の3分の1を超える貸し付けは禁止されています。
つまり、仮に年収が300万円である場合、借り入れできる金額は、すべての貸金業者からの借入金額の合計額が100万円までとなります。ここで注意したいのは、複数の貸金業者から借入をする場合、その合計金額とされている点です。また、年収の3分の1以内とはいえ、必ずしも100万円借り入れできるわけではありません。実際に利用できる枠(限度額)は、審査によって決められるからです。
1−3 総量規制は貸金業者からの借り入れに適用される
総量規制は、貸金業者からの借り入れに適用されます。銀行からの借り入れには適用されません。銀行は貸金業者とは別の法律が適用されるため総量規制の対象にならないのです。
だからといって、銀行ならいくらでも借り入れができるのかというとそんなことはありません。銀行でも総量規制を意識した取り組みを行っており、返済能力を超えた貸付を行わないよう注意を払っています。
2章 総量規制の対象となる借り入れの種類
すべての借り入れが総量規制の対象になるわけではありません。総量規制の対象となる借り入れには、消費者金融や信販会社、クレジットカード会社のカードローンやキャッシングが該当します。
2−1 クレジットカードのキャッシング枠は総量規制の対象
貸金業者のカードローン以外にも、クレジットカードのキャッシング枠を利用した借り入れは、総量規制の対象になります。
2−2 カードローンの審査では他社での借り入れも確認している
カードローンを申し込む際に提出した、ご自身の収入証明書類(源泉徴収票、給与明細書、確定申告書など)から、カード会社は申込者の年収を調査します。また、信用情報機関を通して他社での借り入れ状況も確認することができます。
3章 総量規制の対象外となる借り入れの種類
総量規制の対象とならない借り入れはいくつかあります。貸金業者とは別の法律が適用されている銀行のようなケース以外にも、主に高額の借り入れが総量規制の対象からは除外されています。
3−1 銀行のカードローン
1章でも触れましたが、銀行のカードローンは総量規制の対象にはなりません。銀行は銀行法という法律のもと業務を行なっており、貸金業法は適用されないからです。
ただし、銀行も総量規制に対して独自のルールを作るなどして貸し付け金額を設定しています。そのため、総量規制をオーバーしたら銀行で借りればよいと考えても、銀行内の自主規制によって希望どおり借り入れができない可能性があります。
3−2 住宅ローンや自動車ローン
住宅ローンや自動車ローンも総量規制の対象にはなりません。そもそも、これらのローンは貸付金額が高額であることが多く、総量規制の対象から除外される貸付に含まれます。
3−3 おまとめローンや借り換えローン
複数の金融機関からの借り入れをひとつの返済先にまとめる「おまとめローン」は、総量規制対象外のローンです。低金利のローンに一本化して、返済負担を軽減することを目的としているため、例外貸付に該当します。
同様に、より低い金利のローンに借り換える「借り換えローン」も総量規制対象外のローンにあたります。
3−4 奨学金や高額療養費の貸付
奨学金の貸与をしている日本学生支援機構や大学などの機関は、貸金業者ではないため、総量規制は適用されません。
また、高額療養費制度とは、支払った医療費がひと月で上限額を超えた場合に、その超えた部分が支給される制度です。総量規制の性質になじまない貸付として除外されています。
総量規制の対象外となる「例外貸付」や「除外貸付」については、下記の記事で詳しく解説しています。詳しく知りたい方はご覧になってください。
3−5 クレジットカードのショッピング機能も総量規制の対象外
すでに述べましたが、クレジットカードのショッピング機能は総量規制の対象外にあたります。
クレジットカード会社は貸金業者の1つです。貸金業者が発行するカードの、キャッシング枠の利用は借り入れになりますが、ショッピング枠の利用は借り入れには該当しません。ショッピング枠は、その場で支払いをせず利用後にまとめて引き落としされるため、カード会社からお金を借りているように感じる人もいるかもしれません。しかし、ショッピング機能は、商品やサービスを利用する際に代金が立て替えられる仕組みです。借り入れではなく立て替えにあたるため、同じクレジットカードの利用でもショッピング機能は総量規制の対象にはならないのです。
ショッピング機能が総量規制の対象にならないからといって、安易に利用すると後になって支払いが難しくなる可能性があります。ショッピングでクレジットカードを利用する際は、後の支払いのことも考えて慎重に利用することが大切です。
4章 総量規制に関する注意点
この章では総量規制に関する注意点を解説します。
4−1 必ずしも年収の3分の1まで借りられるとは限らない
総量規制とは、年収の3分の1を超える貸し付けを禁止するルールと解説しました。だからといって、年収の3分の1まで誰もが借り入れできるということではありません。
たとえば、年収300万円の人が総量規制によって設定される上限は100万円になります。しかし、実際の利用可能枠(限度額)は、申し込みを受けた金融機関の審査によって決まります。つまり、同じ年収300万円の人でも、限度額が100万円の人もいれば、50万円の人もいるという可能性があります。
4−2 総量規制を超えると追加融資は受けられなくなる
借り入れの合計額が総量規制を超えると、現在利用中のカードローンは借入可能額が0円になり、追加で借り入れをすることはできなくなります。ただし、返済をして借入残高が総量規制の範囲内に減ると、カードローンの限度額内でまた借り入れができるようになります。
4−2-1 融資が受けられなくてもヤミ金や個人間融資は利用しない
借入額が総量規制を超えてしまい、これ以上借りられないという状況になることがあるかもしれません。そのような場合、貸してくれるところがあればどこでもいいから借りたくなるでしょう。
しかし、どんなに困った状況であっても、ヤミ金や個人間融資を利用してはいけません。個人間融資とは、SNSなどで知り合った面識のない相手と、お金の貸し借りを行うことをいいます。ヤミ金や個人間融資の利用はトラブルに巻き込まれるリスクが高いため、絶対に利用しないと決めましょう。
その場しのぎの借り入れと返済を繰り返す状態を、自転車操業といいます。自転車操業の状態から抜け出す方法や対処法などについて、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考になさってください。
5章 適切な資格を持った人に相談しましょう
クレジットカードで総量規制いっぱいの借金をして、生活費はショッピング枠の利用でなんとか翌月に支払っている。そんな状況の場合は、現状から抜け出す解決方法を探るべきでしょう。借金返済のための借金をする自転車操業を続けていると、いずれは多重債務に陥ってしまいます。
司法書士などの専門家に相談すると、自力での返済は可能かどうかといったことや債務整理での解決が適切かどうかなど、アドバイスを受けることができます。
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