和解提案書を無視するのは危険!対応しないと起こる3つのことを解説

司法書士渡邊優太

監修者:グリーン司法書士法人   渡邊優太
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4454号 / 大阪府行政書士会所属 会員番号第17260997号 【保有資格】司法書士・行政書士

借金返済の知識
和解提案書を無視するのは危険!対応しないと起こる3つのことを解説

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 この記事を読んでわかること
  • 和解提案書の基本情報
  • 和解提案書を無視すると起きること
  • 和解提案書が届いた際の対処法

「和解提案書が届いたが、適切な対応がわからない」

「和解提案書を無視してしまっているが、このままでも大丈夫なのか知りたい」

上記のような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。結論から言うと、債権者から届いた和解提案書を無視し続ければ、不利益を被る可能性が高いです。ただし、和解提案書が届いた時点で時効を迎えている可能性もあります。そのため、すぐに債権者に連絡してしまうと、本来であれば消滅していたはずの借金の返済義務が残るかもしれません。

そこで本記事では、和解提案書の記載内容や発送する債権者の意図を解説した後、無視すると起きることを説明します。具体的な対処法も紹介しているので、和解提案書が届いて困っている方はぜひ参考にしてください

1章 和解提案書とは?どのような内容が記載されている?

和解提案書は、「すぐに連絡してくれれば、滞納している金額を割引します」「返済条件を相談して借金完済をサポートします」といった内容が記載されている書類です。文章量が多いうえに専門用語が多いので、内容を理解できずに無視してしまう人もいます。

そこでここでは、まず一般的な和解提案書に記載されている内容を解説します。その後、不利益を被らないためにも、発送する債権者の意図についても紹介します。和解提案書について詳しくない方は、ぜひご覧ください。

1-1 一般的な和解提案書に記載されている内容

和解提案書は債権者が独自に作成する書類なので、決まったフォーマットが存在するわけではありません。ただ、一般的な和解提案書には以下のような内容が記載されています。

  • 現在の債務残高
  • 遅延損害金の額
  • 期限の利益の喪失日
  • 新しい返済計画
  • 減額のための条件

1-2 和解提案書を送ってくる債権者の意図

和解提案書が届いた際に不利益を被らないためには、債権者の意図を把握することが大切です。債権者の目的がわかれば、適切な行動を取りやすくなるためです。債権者が和解提案書を発送する理由には、以下のようなものがあります。

  • 単に債務者が払わないから
  • 法的手段を取るのは手間がかかるから
  • 強制執行が空振りに終わったから
  • 信用情報で他社の債権も焦げ付いていることに気づいたから
  • 時効が迫っているから
  • 債権回収会社が取得した
  • 引っ越しなどによって経済状況が変わった可能性があるから

裁判所に申し立てて強制執行を行っても、債務者に財産がなければ空振りに終わります。しかし、1回の申し立てに対して強制執行は1回しか認められておらず、2回目の強制執行をするには再度手続き行わなければなりません。

そして2回目の強制執行も空振りに終わる可能性があるので、法的手段と比べると手間がかからない和解提案を選択するケースも。また、少しでも回収したいという思いから、和解提案書を発送することもあります。

2章 和解提案書を無視すると発生する3つのこと

和解提案書は借金を滞納してから長期間が経過してから発送されるケースが多いため、届いても無視してしまう人も多いです。しかし冒頭でも述べた通り、和解提案書を無視すると、債務者にとって不都合な以下のような出来事が生じてしまいます。

  • 督促が続く 
  • 遅延損害金が増え続ける
  • 差押えを受ける可能性がある 

ここでは、和解提案書を無視すると発生することを詳しく解説しているので、事前に確認しましょう。

2-1 督促が続く 

債権者はお金を回収したいため、和解提案書を無視したままだと電話やメール、手紙による督促が続きます。定期的に督促の連絡が届けば、大きなストレスとなるでしょう。

また、債権者による自宅への訪問は貸金業法によっても禁止されていません。そのため、和解提案書を無視し続けている場合、債権者が自宅に訪問して督促を行う可能性があります。

その結果、周囲に借金の事実を知られて生活しにくくなったり、家族に迷惑がかかったりするかもしれません。和解提案書を無視することによって日常生活に支障をきたす可能性もあるため、無視せず早急に対応しましょう。

2-2 遅延損害金が増え続ける

和解提案書を無視している間は借金を滞納しているため、遅延損害金が増え続けます。遅延損害金とは、借金を期日までに支払わなかったときに発生するお金です。契約書によって定められている利率(14.6%~20%が一般的)や借入総額、延滞日数などによって遅延損害金額は変動します。

たとえば遅延損害金の年率が20%で借り入れた20万円を、期限から30日遅れて返済する場合の遅延損害金の計算方法は以下の通りです。

20万円×20%×30日÷365日=3,287円

借入総額が大きかったり、長期間にわたって延滞したりしていれば、遅延損害金が100万円以上になることもあります。返済を滞納している状態では遅延損害金を支払えないケースが大半なので、和解案に応じて返済計画を見直しましょう。

なお、遅延損害金の年率が20%を超える数値に設定されている場合は、違法の可能性があります。そのまま連絡すると法律で定められている以上の遅延損害金を支払うことになるかもしれないので、弁護士・司法書士に相談してください。

2-3 差押えを受ける可能性がある 

和解提案書を無視し続けると、預貯金や給与、住宅などの財産を差し押さえられるかもしれません。差押えとは、債権者が裁判所を通じて債務者の財産や給与から強制的に取り立てる手続きです。

具体的には、給与の一部が入金前に差し引かれたり、不動産や車が競売にかけられたりします。生活に必要な一部の財産のみ差押えの対象から外れているものの、財産を差し押さえられるとさらに生活が困窮する恐れがあります。

差押えを受けた後に生活を立て直すのは時間がかかるため、和解提案書が届いたらなるべく早く行動して差押えを回避しましょう。

3章 借金が帳消しになる?和解提案書が届いた際の対処法

遅延損害金によって返済額が増加したり、財産を差し押さえられたりするため、和解提案書が届いたら無視せず対応する必要があります。しかし、適切な対処法を知らないまま対応すれば、不利益を被るかもしれません。もし和解提案書が届いたら、以下の対処法から適切なものを選択しましょう。

  • 時効の援用や過払い金の有無を確認する
  • 自分で対応する
  • 放置しないで専門家に相談する

ここでは、それぞれの対処法について詳しく解説します。適切に対応すれば借金が帳消しになる可能性もあるため、債務者に連絡する前に必ずチェックしてください。

3-1 時効の援用や過払い金の有無を確認する

和解提案書が届いたら、まずは時効の援用ができるか確認しましょう。和解提案書に記載されている期限の利益の喪失日が5年以上前の日付であれば、時効の援用によって借金が帳消しになる可能性が高いです。

なお、過去に債権者から裁判を起こされているケースに限り、判決が確定した日から10年経過しないと時効が成立しません。裁判を起こされているかどうかは、和解提案書の文面から確認できることもあります。事件番号が記載されていれば、裁判されていると考えていいでしょう。

もし時効を迎えているのであれば、債権者に回答書を送付するのはやめましょう。なぜなら、時効の更新(中断)事由である「支払いの約束」に当てはまるためです。そのほかにも電話で返済の意思があることを伝えたり、滞納している借金の一部を返済したりするのも時効の更新事由に該当します。これらの行動をすることによって、時効を迎えていたにもかかわらず、借金を帳消しにできなくて今後も返済義務が残ってしまうのです。

またかなり珍しいですが、過払い金が発生しているケースもあります。お金が返ってくる可能性もあるので、時効の援用の可否と合わせて過払い金の有無も確認しましょう。ただし、自力で時効援用の手続きを進めると失敗して借金の返済義務が残るかもしれません。

そのうえ、過払い金の有無を自身で確認するのは難しいです。そのため、和解提案書が届いて困ったことがあればすぐに弁護士・司法書士に相談しましょう。

3-2 自分で対応する

時効が成立していない場合は、和解提案書の内容をチェックして対応する必要があります。あなたにとって不利益になる内容が含まれている可能性もあるので、和解提案書の内容を詳細に確認することが大切です。

もし家計状況と照らし合わせて返済条件が現実的なのであれば、債権者と和解して借金問題の解決を目指してください。一方で、和解提案書の内容で返済計画を立てるのが難しい場合は、自己破産や個人再生といった債務整理も検討しなければなりません。

なお少しでもお金を回収したい債権者が、債務者にとって良い条件の和解案を提示するケースもあります。個人再生や任意整理よりも負債額が減少し、返済負担を抑えながら借金問題の解決を目指せるので、条件が良ければ和解提案を受け入れましょう。

3-3 放置しないで専門家に相談する

「時効の援用や過払い金の有無がわからない」「提示されている条件が良いのか悪いのかわからない」など、和解提案書が届いてから悩んでいる方もいるのではないでしょうか。疑問点や不明点が多くて、和解提案書を放置してしまう方がいるのも事実です。

しかし、和解提案書を放置すると、遅延損害金が膨らんだり、財産を差し押さえられたりする恐れがあります。そのため、和解提案書が届いて困ったら、弁護士・司法書士に相談して適切な対応を確認しましょう。

専門家は時効の援用や過払い金の有無の確認、時効援用をする際の手続き、債務整理のサポートなど幅広く対応可能です。無視し続けて不利益を被らないためにも、専門家に相談して状況に合った最適な行動を把握しましょう。

4章 和解提案書が届いたら弁護士・司法書士に相談しよう

和解提案書への対応を誤ると、財産が差し押さえられたり、時効を迎えていた借金の支払い義務が生まれたりなど、債務者が不利益を被る恐れがあります。最初に適切な行動をするためにも、和解提案書が届いたらすぐに弁護士・司法書士に相談しましょう。

弁護士・司法書士は和解提案書の内容を客観的に評価できるため、返済条件や家計状況に合わせて最適なアドバイスを提供可能です。また時効援用や債務整理を行う場合は、手続きを行って借金問題の解決をサポートします。

経験豊富な専門家が多数在籍するグリーン司法書士法人でも、和解提案書が届いた方へのお手伝いを行っています。無料相談も実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

債権者が借金の回収を目的に送ることが多い和解提案書。和解提案書を無視すると、以下のような債務者にとって不都合なことが起きます。

  • 督促が続く 
  • 遅延損害金が増え続ける
  • 差押えを受ける可能性がある 

そのため、和解提案書が届いたら放置するのではなく、「時効の援用ができるかを確認」「時効が成立している場合は手続きを実施」「可能な場合は自力で対応」など、状況に合わせて行動する必要があります。

もし適切な対応がわからないのであれば、すぐに弁護士・司法書士に相談しましょう。グリーン司法書士法人では、時効を迎えているかの確認や援用の手続きなど、和解提案書に関する問題をトータルでサポートしています。無料相談も実施しているので、まずはお気軽にご連絡してみてはいかがでしょうか。

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