借金500万円を住宅ローンに上乗せは原則できない!例外はある?

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

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 この記事を読んでわかること
  • 借金500万円を住宅ローンに上乗せは原則的にできないこと
  • 借金500万円を住宅ローンに上乗せできる例外的ケースがあること
  • 借金500万円を住宅ローンに上乗せするメリットとデメリット

すでにある借金500万円を、住宅ローンに上乗せすることはできるのでしょうか? 

住宅ローンを利用してマイホームを手に入れるのは、多くの人にとって重要なライフイベントです。
しかし、同時に多額の借金を抱えている場合、その借金を住宅ローンに上乗せできればよいのにと思う人もいるでしょう。借金500万円を住宅ローンに上乗せするのは、原則として認められていませんが、例外的なケースも存在します。

今回の記事では、借金を住宅ローンに上乗せするメリットとデメリット、そしてその例外的なケースについて詳しく解説します。住宅ローンと既存の借金の返済の両立に悩んでいるみなさんは、ぜひ参考にしてください。

1章 借金500万円を住宅ローンに上乗せすることは原則できない

借金500万円を住宅ローンに上乗せするのは、通常の住宅ローンでは原則として認められていません。これは住宅ローンが住宅の購入や建築を目的としたローンであり、ほかの借金を含めることが禁止されているからです。

借金の上乗せは、返済能力の判断を厳しくするため、金融機関にとってリスクが高まります。また、住宅ローンの金利は通常の個人ローンよりも低いため、借金を上乗せするのは不公平と見なされるという考え方も否めません。

そのため、ほとんどの金融機関は借金の上乗せを拒否します。加えて、借金を上乗せすれば、ローンの返済期間が延びるので、総返済額が大幅に増加するリスクがあります。

結果として、家計の負担が増加し、将来的な経済的リスクも高まるでしょう。したがって、住宅ローンに借金を上乗せするのは基本的には、避けるべきです。

なお、一般的におよそ3%といわれる住宅ローン破綻率ですが、破綻する人の傾向について、以下の記事で解説しています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。

1-1 借金500万円を住宅ローンに上乗せできる例外的ケース

金融機関によっては、特別な条件を満たす場合にかぎり、借金500万円を住宅ローンに上乗せできる例外的なケースもあるにはあります。ただし、もともと借金を500万円抱えている人は、毎月の返済が10〜15万円程度はかかって来るのが一般的です。

それで収支が問題ないのであればよいですが、多くの場合は自転車操業で増えてきたのでしょう。つまり、借金500万円の上乗せが認められる金融商品であったとしても、返済計画が現実的なものかどうかに関して、専門家に診断を受けることが推奨されます。

場合によっては、上乗せローンをしても耐えきれない可能性があります。そうした場合は、上乗せが認められたとしても家計が破綻する確率が極めて高くなるでしょう。

住宅ローンの上乗せを検討するなら、まずは専門家に相談し、自分の状況が例外的なケースに該当するかどうかを診断してもらうのが先決です。適切なアドバイスを受ければ、リスクを最小限に抑え、最適な金融商品を選べます。

なお、住宅ローンが一時的に払えない場合に、猶予がもらえるかどうかや対処法について、以下の記事で解説しています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。

2章 借金500万円を住宅ローンに上乗せするメリット

借金500万円を住宅ローンに上乗せする場合の主なメリットとしては、次の3項目が挙げられます。

  1. 毎月の返済負担を軽減できる
  2. 返済回数が決まっているため完済を目指しやすい
  3. 頭金を用意できなくても住宅を購入・建築できる

それぞれのメリットの内容を見ていきましょう。

2-1 毎月の返済負担を軽減できる

借金500万円を低金利の住宅ローンに上乗せできれば、毎月の返済負担を大幅に軽減できます。通常の個人ローンよりも住宅ローンの金利は低いため、返済総額も減少するでしょう。

たとえば、個人ローンの金利が5%であった場合、住宅ローンの金利が1.5%であれば、返済額の差は大きいです。それによって、家計の負担が軽くなり、ほかの生活費や貯蓄に回せるお金が増えます。

また、返済負担が軽減されれば、経済的な安定感も向上します。このような条件下では、計画的に資金を運用でき、生活の質を維持しながら借金の返済が可能です。

加えて、低金利の住宅ローンに借金を上乗せすれば、毎月の返済額が小さく抑えられます。それによって、経済的な負担を減らしつつ、計画的な返済が可能です。

しかし、このようなローンを利用するには、金融機関の審査が必要であり、信用力が求められます。専門家のアドバイスを受けながら、最適なローンを選ぶのが重要です。

なお、住宅ローンの審査と配偶者の信用情報などの関係性について、以下の記事で詳しく解説しています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。

2-2 返済回数が決まっているため完済を目指しやすい

住宅ローンに借金500万円を上乗せすれば、返済回数が決まっているため完済を目指しやすくなります。通常の個人ローンでは返済期間が短く、毎月の返済額が高くなる場合があるでしょう。

しかし、住宅ローンの場合は返済期間が長期に設定されるため、毎月の負担が軽減されます。それによって、計画的な返済が可能となり、完済までの道のりが明確になるのです。

また、返済回数が決まっていれば、将来的な資金計画を立てやすくなります。たとえば、30年ローンの場合、月々の返済額が明確であり、生活費や貯蓄とのバランスを考えた計画が立てやすいです。

加えて、返済計画を立てる際に、ボーナスや臨時収入を返済に充てれば、完済のスピードを早められます。それによって、借金のストレスを軽減し、精神的な安定感を得やすいでしょう。

また、金融機関との信頼関係を築けば、将来的な融資も受けやすくなります。完済を目指しやすい返済計画を立てるのは、家計の健全化にもつながるといえるでしょう。

なお、住宅ローンを組む際に心がけるべき「住宅ローン破綻」の回避について、以下の記事で解説しています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。

2-3 頭金を用意できなくても住宅を購入・建築できる

そもそも借金がある人には、頭金など用意できる余裕などないのが常でしょう。借金500万円を住宅ローンに上乗せできるなら、頭金を用意できなくても住宅を購入・建築できるので、それ自体大きなメリットです。

通常、住宅購入や建築には頭金が必要ですが、それを準備するのは多くの人にとって負担が大きいものです。しかし、借金を住宅ローンに上乗せする場合では、頭金なしで住宅を購入できます。すぐに住宅を手に入れたい人にとって大きなメリットです。

また、頭金を用意するために長期間貯蓄を続ける必要がなくなり、早期に住宅を購入できます。それによって、賃貸住宅の費用を節約し、資産を増やせます。加えて、住宅の早期購入は、将来的な資産価値の上昇を見込めるため、経済的にも有利です。

また、家族の生活環境を早期に整えられて、子供の教育や生活の安定に寄与します。ただし、このようなローンを利用する際には、将来的な返済計画をしっかり立てるのが重要です。

なお、住宅ローンはすでに借金があると組めないのかどうかや、審査を申し込む際の注意点とポイントなどについて、以下の記事でも詳しく取り上げています。併せてお読みください。

3章 借金500万円を住宅ローンに上乗せするデメリット

借金500万円を住宅ローンに上乗せするのはメリットもありますが、次のような2つのデメリットもあります。

  • 住宅ローンへの上乗せに対応していない金融機関もある
  • 住宅ローンの審査が厳しくなる

個別にデメリットの内容を見ていきましょう。

3-1 住宅ローンへの上乗せに対応していない金融機関もある

借金500万円の住宅ローンへの上乗せに対応していない金融機関も多く存在します。多くの金融機関では、住宅ローンの目的を住宅購入や建築に限定しており、ほかの借金を上乗せすることを認めていません。

金融機関は借り手の返済能力を厳しく審査するため、借金の上乗せは審査基準を満たさない場合が多いです。住宅ローンの上乗せが認められない場合、借り手は別途個人ローンを利用しなければならず、総返済額が増加します。

また、住宅ローンに借金を上乗せすれば、返済期間が長期化し、将来的な返済負担が増大するリスクも否定できません。そのため、借金を上乗せするのが難しい金融機関を選んだ場合、住宅購入計画自体が頓挫する可能性があります。

なお、住宅ローン審査の際に、異動情報が信用情報機関に登録されている、いわゆるブラックリストに載っている場合について、以下の記事で掘り下げて解説しています。そちらも併せて、参考にしてください。

3-2 住宅ローンの審査が厳しくなる

借金500万円を住宅ローンに上乗せする場合、住宅ローンの審査が一層厳しくなります。元々、住宅ローンの審査は借り手の返済能力を詳細に評価するため、収入、雇用状況、信用情報などがチェックされます。

すでに審査がギリギリの状況であれば、追加の借金を上乗せするのは難しくなります。上乗せされた借金は返済負担を増加させるため、金融機関は貸し倒れリスクを回避しようとするからです。

また、総借入額が増えれば、返済負担率が高くなり、審査基準を満たさなくなる可能性があります。このため、借金を上乗せすることにより審査に通過できなくなり、住宅購入や建築計画が頓挫するリスクもあるでしょう。

特に、収入が不安定な場合や、ほかの借入が多い場合は、審査が一層厳しくなります。加えて、信用情報に問題がある場合は、上乗せはまず認められないでしょう。

したがって、借金を上乗せする前に、現在の返済能力や信用情報をしっかりと確認するのが重要です。専門家の診断を受けながら、計画的に進めましょう。

信用情報については、以下の記事で取り上げています。信用情報の調べ方(開示請求手続の方法)もわかりやすく解説しているので、併せて参考にご覧ください。

まとめ

借金500万円を住宅ローンに上乗せするのは、基本的には金融機関によって認められていないため、借金の返済方法を工夫する必要があります。しかし、特定の条件を満たす場合には、例外的に上乗せが認められるケースもあります。

たとえば、収入が安定している場合や、担保価値が高い物件を購入する場合などです。専門家に相談し、最適な選択が重要です。一方で、住宅ローンに借金を上乗せするデメリットも考慮する必要があります。

金融機関によっては上乗せに対応していない場合が多く、審査も一層厳しくなります。審査が通らない場合、住宅購入計画自体が頓挫するリスクもあります。

加えて、返済期間が長期化すれば、総返済額が増加し、家計の負担が増える可能性もあります。こうしたリスクを避けるためにも、返済計画をしっかりと立て、専門家の診断を受けながら進めましょう。

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