自己破産したらカーリース継続利用は可能?自己破産後の申し込みも解説

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

借金返済の知識

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自己破産とは債務整理の方法のひとつで、裁判所に申し立てを行って一定範囲以外の財産の処分を行いその対価によって債務者への返済に充て、それでも残ってしまった債務については免責受けて債務をゼロにすることができるというものです。

この自己破産を行った場合に、現在使用しているカーリースを継続して利用することや、新たにカーリースの申し込みを行って利用することはできるのでしょうか。

ここでは、自己破産した際にカーリースの契約はどうなるのかについて解説していきます。

 この記事を読んでわかること
  • 自己破産した場合カーリスの利用継続や新規契約は困難になる
  • カーリース利用中に自己破産した際にしておくべきこと
  • 自己破産後にカーリースを利用する際の注意点

1章 自己破産した場合カーリース利用継続や新規契約は困難になる

カーリースを利用中に自己破産した場合と、自己破産後にカーリースの申し込みを行う場合では、カーリース会社はそれぞれ異なる対応がなされます。

ここでは、この2つのケースについて解説していきます。

1-1 カーリースの利用中に自己破産した場合

カーリースの利用中に自己破産した場合には、カーリース会社は以下のような対応を行います。

1-1-1 自動車の返却を求められる

カーリースを利用中に自己破産した場合には、一般的にカーリース会社は使用している自動車の返却を求めます。

リースされている自動車の所有権はカーリース会社にあるため、月々のリース料金の支払いができなくなった利用者は、自動車を返却しなければなりません。

1-1-2 自己破産した後の期間のリース料金の支払いは免除される

一般的なカーリース契約の場合には、契約期間中の解約はできないケースがほとんどです。

しかし自己破産をした場合には、カーリースの契約期間が終了するまで支払う予定だったリース料金は破産債権として扱われるため支払い義務がなくなり、自己破産後の契約期間のリース料金の支払いは免除されます。

1-1-3 連帯保証人がいる場合には契約を継続できるケースもある

一般的に自己破産すると、その時点でカーリースを継続して利用することはできなくなります。

ただし、最初にカーリースの契約を行った際に連帯保証人を立てておいた場合には、引き続きカーリースを利用できる可能性があります。

このような場合には、カーリースの利用料金は連帯保証人が支払うことになります。

1-2 自己破産後にカーリースの申し込みを行った場合

基本的に自己破産の手続きを行ってから概ね7年間は、カーリースの契約をすることは困難であると考えておいた方がよいでしょう。

カーリースの契約を行う際には審査があり、自己破産などの金融事故の履歴が個人情報信用機関に登録されていると、カーリース契約の審査に通ることができないからです。

このように金融事故の情報が個人信用情報機関に登録されることを、「ブラックリストに載る」といいます。

一般的に自己破産の手続きを行うと、概ね7年間のあいだブラックリストに載ってしまうため、この期間が経過し情報が消去されてからでないと新たにカーリース契約を行うことは難しいといえるでしょう。

2章 カーリース利用中に自己破産した場合にしておくべきこと

カーリースを利用中に自己破産をした場合には、必ず以下のことをしておきましょう。

2-1 車の返却時に受領証をもらっておく

自己破産をした後には、リースしていた自動車を返却する必要がありますが、その際に必ず受領証を発行してもらうようにしましょう。

この受領証はリースしていた自動車を返却したという確かな証拠となるため、必ず受け取りその後も大切に保管しておきましょう。

2-2 自動車を勝手に処分しない

カーリースの契約期間が長期に及んでいた場合、リース車の残価が低くなっていることが考えられます。

このような場合には、カーリース会社から自動車の返却を求められないことが稀にあります。

しかし、カーリース会社が自動車の返却を求めない場合であっても、自己判断で自動車を売却したり譲渡したりしてはいけません。

それはリース契約が解約となった時点で、使用権も失われてしまうためです。

自己破産した際に手元に残ったリース車は財産目録に記載し、処分については破産管財人に任せる必要があります。

したがって、カーリース会社が自動車の返却を求めない場合であっても、自己判断で自動車を売却したり譲渡したりしてはいけません。

3章 自己破産後に車を利用したい場合の対処法

自己破産後にどうしても自動車を利用したい場合には、以下の方法で対処しましょう。

3-1 自動車を現金一括で購入する

自己破産後であっても自動車を利用したいと思った場合には、自動車を現金一括で購入するという方法があります。

ただし自己破産後は自己資金が乏しいことが多いため、現金一括での自動車の購入は難しいことが考えられます。

しかし、探せば激安中古車もあるため、このような自動車であれば現金一括で購入することも不可能ではありません。

3-2 家族名義でカーリースを申し込む

リースした自動車を家族も使用する機会があるならば、家族名義でカーリース契約を行い共有することで自動車を利用することが可能になります。

一部のカーリース会社では、生計を同一にする家族であれば契約者本人以外であっても自動車を利用できると定められていることがあるからです。

ただし、生計を同一にしていても単身赴任などの理由で別居している場合には、リースした自動車の保管場所に注意する必要があります。

3-3 自社審査のカーリース会社を利用する

カーリース会社の多くは信販会社が審査を行いますが、カーリース会社の独自の審査である「自社審査」を採用しているところもあります。

この自社審査の場合には、個人信用情報機関にカーリースを利用する人の情報を照会することがありません。

そのため、過去に自己破産などの債務整理の経験がある人でも、現在は安定した収入がある、勤続年数が長いなどの条件を満たせば、審査を通過しカーリースを利用できる可能性があります。

3-4 自己破産から概ね7年が経過し個人信用情報機関の情報が消えるのを待つ

自己破産などの金融事故の情報は、個人信用情報機関に情報が残ります。

この情報は概ね7年間で消去されるので、情報が消去されるのを待ってからカーリースを申込む​ことで、その時点での本人の収入や勤続年数などの属性にもよりますが、カーリース契約を行うための審査を通過できる可能性が高くなります。

3-5 レンタカーを利用する

常に自動車を使用するわけではないという人は、自動車が必要になった時のみレンタカーを使用することで、自動車を利用することができます。

レンタカーを利用すると、自動車を保管しておく駐車場を確保する必要がない、保険料やその他の維持費を大幅に削減できるというメリットがあります。

ただし、レンタカーを借りる際にも支払いがクレジットカードのみという場合もあります。

自己破産していると今まで使用していたクレジットカードは強制解約され、自己破産から概ね7年間は新しいクレジットカードを作ることはできません。

そのため、現金での支払いに対応しているレンタカー会社を利用する必要があります。

3-6 公共交通機関を利用する

単純に便利だから、小回りが利くからといった理由で自動車を利用していた場合にカーリースが利用できなくなった方は、公共交通機関の利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

目的地に到着するまでに時間かかるというデメリットはありますが、特に電車についていうと渋滞に巻き込まれる可能性がないため、ほぼ定刻に目的地に到着できるというメリットがあります。

また、他の公共交通機関を使用した場合であっても、ほとんどの場合カーリースを利用する際の料金より低価格で目的地に到着できるというメリットもあります。

4章 自己破産後にカーリースを利用する際の注意点

自己破産した後にカーリースを利用する際には、以下の点に注意しましょう。

4-1  最終的に車を購入するよりも費用が高額になる可能性もある

カーリースを利用する際には、リース料が必要です。

リース料は車の価格や契約費用、契約中の事故などの相談・対応におけるサポート料などの総額に、一定の利率を掛けた金額になります

リース料の月額は、上記の金額を契約期間で割った金額となります。

契約年数長いと、リース料利率が低くなり、月数も増えますので、カーリース料の月額は安くなる仕組みです。

ただしカーリースには購入代金などに金利が付くので、リース料の総額を考えると一括払いでの購入よりも費用が高額になるでしょう。

また、カーローンで車を購入した場合の利率によっては、リース料の総額のほうが高額になる可能性があります。

4-2 契約期間中に解約すると違約金が必要になることもある

カーリース会社とカーリースの契約を結んだ場合、原則として契約期間中の解約や契約内容の変更は認められないケースがほとんどです。

何らかの事情で契約期間中に解約を行うと、違約金を支払う必要が出てくることもあります。

4-3 カーリースの申し込みを行う際に自分の個人信用情報を確認しておく

自己破産後にカーリースの契約を結ぶ場合には、事前に個人信用情報機関から自分の金融事故の情報が消えているか確認しておくことで、カーリース契約をスムーズに進めることが 可能です 。

個人信用情報の開示は、基本的に本人のみが請求できます。

開示請求の手続きは、インターネット、郵送のそれぞれの方法で行えます。

個人信用情報機関開示請求の手続方法開示請求手数料
CICインターネット・郵送・窓口インターネット:500円
郵送:1,500円
JICCインターネット・郵送・窓口インターネット:データで受け取る場合は1,000円、郵送で受け取る場合は1,300円
郵送:1,300円
KSCインターネット・郵送インターネット:500円
郵送:セブンイレブンの場合1679円、ローソン・ミニストップ・ファミリーマートの場合1,800円

5章 自己破産する際に利用しているカーリースがどうなるのかを知りたい場合は専門家へ相談を

ここでは、自己破産をするとカーリースがどのような扱いになるのかについて解説してきました。

自己破産すると個人信用情報機関に事故情報が登録されるため、今まで利用していたカーリースの継続利用ができなくなったり 、新たにカーリースの申し込みをしても審査に通らなかったりします。

このような状態は、個人信用情報機関に登録された金融事故情報が抹消されるまでの概ね7年間続いてしまうのです。

しかし安易に自己破産を選択する前に専門家に相談するこで、任意整理で債務を整理することができる可能性があります。

任意整理を行うと、カーリースを継続して利用したり新たにカーリースの審査に通ったりできる可能性が高まるでしょう。

多くの債務問題を取り扱っているグリーン司法書士法人では、初回の相談を無料で行っています。

また相談はメールや電話でも行うことができるので、他の専門家と比較すると気軽に相談できるというメリットもあるので、債務の問題にお悩みの方は、ぜひグリーン司法書士法人にご相談ください。

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