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収入の減少や予期せぬ出費により、住宅ローンの返済が困難になることは誰にでも起こり得ます。しかし、返済が苦しいからといって、すぐに家を手放さなければならないわけではありません。
早期に適切な対処をすれば、今の家に住み続けられる可能性は十分にあります。
特に老後の生活を考えると、住み慣れた家を失うことは避けたいものです。
この記事では、住宅ローンが払えなくなった場合に、今の家に住み続けるための具体的な4つの方法と、状況が悪化する前に取るべき行動について解説します。
住宅ローンが払えない場合の住み続ける方法については以下の記事で解説しています。
目次 ▼
1章 住宅ローン滞納で起こること
住宅ローンの返済が滞ると、金融機関は段階的に手続きを進めます。
最初の督促から最終的に競売に至るまでには一定の期間がありますが、未払いの状態を放置すれば、最終的には強制的に家を売却されることになります。
滞納後の流れと時間的な目安を把握し、手遅れになる前に行動を起こすことが重要です。
ここでは、滞納期間ごとに何が起こるのかを時系列で解説します。
滞納1~2ヶ月 電話やハガキによる督促が始まる
住宅ローンの返済を1ヶ月でも滞納すると、まず金融機関から電話やハガキによる支払いの催促が始まります。
この時点では、返済の遅れに対する確認や入金を促す内容が主です。
うっかり入金を忘れていた場合は、すぐに支払えば大きな問題にはなりません。
しかし、この段階で連絡を無視し続けると、金融機関からの信用を損ない、その後の相談が難しくなる可能性があります。
支払いが困難な場合は、この時点で金融機関に連絡し、事情を説明することが望ましいです。
遅延損害金も発生するため、早めの対応が求められます。
滞納3~5ヶ月 催告書が内容証明郵便で届く
滞納が3ヶ月以上続くと、金融機関の対応はより厳しいものに変わります。
多くの場合、「催告書」が内容証明郵便で送られてきます。
これは単なる督促状とは異なり、「期限までに滞納分と遅延損害金を支払わなければ、ローン残高の一括返済を求め、法的手続きに移行する」という最終通告です。
内容証明郵便で送られることで、金融機関側は「通知した」という法的な証拠を残します。
この催告書が届いた段階は、事態が深刻化しているサインであり、放置すれば競売への手続きが本格的に進んでしまうため、迅速な対応が不可欠です。
滞納6ヶ月以降 保証会社による代位弁済と競売手続きの開始
滞納が6ヶ月程度に達し、催告書にも応じないと、保証会社が債務者に代わって金融機関にローン残高を一括で返済します。
これを「代位弁済」と呼びます。
代位弁済が行われると、債権は金融機関から保証会社に移り、以降は保証会社に対して残債を一括で返済する義務を負います。
分割での返済交渉は極めて困難になり、保証会社は貸付金を回収するために、裁判所へ申し立てを行い抵当権を実行します。
これにより、自宅は差し押さえられ、最終的に市場価格より安価で強制的に売却される「競売」の手続きが開始されます。
詳住宅ローンが払えない場合の競売については以下の記事で解説しています。
2章 住宅ローンが払えない時のNG行動
住宅ローンの返済が困難になったとき、焦りから取ってしまう行動が、かえって状況を悪化させることがあります。
将来の選択肢を狭め、最終的に家を失う事態を早めてしまう可能性もあるため、冷静な判断が求められます。
ここでは、絶対に避けるべき代表的なNG行動を2つ紹介します。
これらの行動は問題の先送りにしかならず、根本的な解決から遠ざかるだけです。
もし当てはまる行動を取りそうになっている場合は、すぐに考えを改め、適切な対処法を検討してください。
2-1 金融機関からの連絡を一切無視して放置する
住宅ローンの返済が苦しくなると、金融機関からの電話や郵便物に対応するのが精神的に辛くなり、つい無視してしまうことがあります。
しかし、これは最も避けるべき行動です。
連絡を無視し続けると、金融機関は「返済の意思がない」と判断し、事務的かつ強制的な手続きへと移行してしまいます。
早い段階で誠実に事情を説明し、返済の意思を示すことで、返済計画の見直し(リスケジュール)などの相談に応じてもらえる可能性が残ります。
<無視を続けることは、金融機関との信頼関係を完全に断ち切り、唯一の交渉の機会を自ら放棄する行為に他なりません。
2-2 返済のために新たな借金をする
目先の住宅ローン返済のために、消費者金融やカードローンなどから安易に借り入れをすることは非常に危険です。
これらの借り入れは一般的に住宅ローンよりも金利が高く、一時的に返済をしのげたとしても、すぐに返済総額が増えてしまい、多重債務に陥る原因となります。
自転車操業の状態に陥り、結局はすべての返済が行き詰まるケースが少なくありません。
根本的な収入の問題が解決しない限り、借金を借金で返す行為は、問題をさらに深刻化させるだけです。
返済が困難な場合は、新たな借金に頼るのではなく、まずは金融機関や専門家に相談することが賢明です。
3章 今の家に住み続けるための4つの対処法
住宅ローンの返済が困難になっても、すぐに諦める必要はありません。
今の家に住み続けるための方法はいくつか存在します。
重要なのは、状況に応じて最適な手段を選択し、手遅れになる前に行動を起こすことです。
住み替えを避けたいと考えるなら、まずは公的・私的な救済策の利用を検討しましょう。
ここでは、自宅を手放さずに済む、あるいは売却後も住み続けられる可能性のある具体的な4つの対処法を紹介します。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、自身の状況と照らし合わせて慎重に検討してください。
住宅ローンが払えない場合の対処法については以下の記事で解説しています。
3-1 銀行に相談して返済額や期間の変更を申し出る
住宅ローンの返済が困難になった場合、最初に取るべき行動は、借り入れをしている金融機関に相談することです。
滞納する前に相談すれば、返済計画の見直し、いわゆるリスケジュールに応じてもらえる可能性があります。
具体的には、一定期間、月々の返済額を減額したり、返済期間を延長して月々の負担を軽減したりする方法があります。
例えば、一時的に利息のみの支払いに変更する元金据え置きといった措置も考えられます。
ただし、返済期間が延びることで総返済額は増加するため、長期的な視点での判断が必要です。
3-2 リースバックを利用する
リースバックとは、所有している家を不動産会社などの第三者に売却し、その後、売却先と賃貸借契約を結ぶことで、そのまま今の家に住み続ける方法です。
この方法の利点は、まとまった売却資金を手にしながら、引っ越しをせずに生活環境を維持できる点です。
売却代金でローンを完済し、残った資金を生活費や将来のために使うことも可能です。
ただし、毎月の家賃が発生するほか、家の所有権は失われます。
また、将来的に家を買い戻す「買戻し特約」が付く場合もありますが、売却価格よりも高くなることが一般的なので、契約内容を十分に確認する必要があります。
3-3 親子間売買を検討する
>親や兄弟、あるいは他の親族に経済的な余裕がある場合、その親族に家を買い取ってもらう「親子間売買」や「親族間売買」も一つの選択肢です。
この方法であれば、第三者に家を売却するわけではないため、売却後も交渉次第でそのまま住み続けられたり、将来的に買い戻したりできる可能性があります。
ただし、売買価格が市場価格と比べて著しく低い場合、差額が贈与とみなされ、贈与税が課される可能性がある点に注意が必要です。
また、買い手となる親族が住宅ローンを組む際には、金融機関の審査が通常の売買よりも厳しくなる傾向があります。
住宅ローンを兄弟に引き継ぐことについては以下の記事で解説しています。
3-4 個人再生の住宅ローン特則を活用する
住宅ローン以外にも複数の借金があり、返済が困難な場合には、裁判所を利用した法的手続きである「個人再生」が有効な手段となり得ます。
個人再生には「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」という制度があり、これを活用することで、住宅ローン以外の債務を大幅に圧縮しながら、住宅ローンは計画通りに返済を続け、家を守ることが可能です。
この手続きを利用するには、安定した収入があるなど一定の条件を満たす必要があります。
手続きは複雑で専門的な知識が求められるため、弁護士や司法書士といった法律の専門家への相談が不可欠です。
4章 あなたの状況に合った専門家の選び方
住宅ローンの返済問題に直面したとき、誰に相談すればよいか分からず、一人で抱え込んでしまうケースは少なくありません。しかし、問題解決には専門家の協力が不可欠です。
あなたの状況や希望によって、最適な相談先は異なります。
返済計画の見直しで解決できそうか、売却を視野に入れるべきか、あるいは法的な手続きが必要かによって、頼るべき専門家は変わってきます。
適切な相談先を見つけることが、解決への第一歩となります。
ここでは、悩みや状況別に、どの専門家を選べばよいのかを具体的に解説します。
4-1 返済計画の見直しや一時的な猶予なら「金融機関」
まだ滞納が始まっていない、あるいは滞納して間もない段階で、一時的な収入減少などが原因である場合は、まず借り入れ先の金融機関に相談しましょう。
返済が困難になった事情を誠実に説明し、返済の意思を示すことで、返済期間の延長や一定期間の元金据え置きといった、返済計画の見直し(リスケジュール)に応じてもらえる可能性があります。
金融機関は、自己破産や競売で貸し倒れになるよりも、条件を変更してでも返済を続けてもらう方が良いと考える場合が多いため、早めに相談することで交渉の余地が生まれます。
4-2 リースバックや任意売却なら「専門の不動産会社」
すでに滞納が続いており、金融機関との交渉だけでは解決が難しい場合は、不動産の売却を視野に入れる必要があります。
特に、競売を避けつつ、より良い条件で売却する「任意売却」や、売却後も賃貸として住み続ける「リースバック」を検討するなら、これらの取引を専門に扱う不動産会社への相談が不可欠です。
専門の会社は、金融機関との交渉ノウハウが豊富で、複雑な手続きを円滑に進めてくれます。
一般的な不動産会社では対応が難しいケースも多いため、任意売却やリースバックの実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。
4-3 複数の借金を抱えているなら「弁護士・司法書士」
住宅ローン以外にもカードローンや消費者金融からの借り入れなど、複数の債務を抱えて返済に行き詰っている場合は、弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談するのが最善です。
これらの専門家は、債務状況全体を整理し、個人再生や自己破産といった法的な手続きの中から、あなたの状況に最も適した解決策を提案してくれます。
特に、家を残しながら借金を整理したい場合は、個人再生の「住宅ローン特則」を利用することになりますが、この手続きは専門家なしに進めることは困難です。
無料相談を実施している事務所も多いため、まずは一度相談してみましょう。
5章 住宅ローンが払えない場合に関するよくある質問
住宅ローンの返済が困難になり、今の家に住み続ける方法を探している方から寄せられる、よくある質問とその回答をまとめました。
Q.住宅ローンの滞納後、家が競売にかけられるまでどのくらいの期間がありますか?
一般的に、住宅ローンの滞納を開始してから6ヶ月~1年程度で競売手続きが開始されます。
金融機関が保証会社に代位弁済を請求するのが滞納3~6ヶ月後で、その後、保証会社が競売の申し立てを行う流れです。
ただし、これはあくまで目安であり、金融機関や契約内容によって期間は前後します。
競売開始までの時間は限られているため、滞納が始まったらすぐに専門家へ相談することが重要です。
Q.リースバックを利用して住み続ける場合、どのような点に注意すべきですか?
売却価格、毎月の家賃、買戻し条件の3点に注意が必要です。
売却価格がローン残高を下回ると、別途返済が必要になります。
また、家賃が周辺相場より高く設定され、支払いが困難になるケースもあります。
将来的に家を買い戻したい場合は、買戻し価格や期間などの条件を契約前に必ず確認しましょう。
複数の会社から見積もりを取り、契約内容を十分に比較検討することが大切です。
Q.任意売却と個人再生、家に住み続けるためにはどちらの方法が適していますか?
家に住み続けることを最優先するなら「個人再生」の住宅ローン特則が適しています。
この制度は、住宅ローン以外の借金を大幅に減額し、住宅ローンは支払い続けることで家を守るための法的手続きです。
一方、任意売却は家を手放すことが前提の売却方法であり、住み続けることはできません。
ただし、買主の合意があれば、一時的に賃貸として住める可能性はあります。
まとめ
住宅ローンの返済が困難になった場合、最も重要なのは問題を放置せず、できるだけ早い段階で行動を起こすことです。
滞納が始まる前や始まった直後であれば、金融機関への相談によるリスケジュールなど、取れる選択肢も多く残されています。
状況が進行してしまった場合でも、リースバックや個人再生といった方法で、今の家に住み続けられる可能性があります。
一人で悩まず、まずは金融機関、不動産会社、弁護士など、自身の状況に合った専門家に相談してください。
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