個人再生の履行テストとは?期間や積み立てたお金の用途について解説

   司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

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個人再生の履行テストとは?期間や積み立てたお金の用途について解説

この記事は約 6 分で読めます。

個人再生の手続きをする際、「履行テスト」というテストを行うことがあります。

履行テストとは、申立人が個人再生の手続きをした後に、返済を行うことができるかをテストするもので、専用口座に指定された金額を毎月振込みます。

もし、履行テストに失敗してしまうと、個人再生が認められなくなってしまう可能性があるので慎重に行うようにしましょう。

この記事では、個人再生における履行テストについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

1章 個人再生における履行テストとは

履行テストとは、個人再生を申し立てた人が、手続き後に再生計画に則って返済を続けられるかどうかを確認するためのテストです。

個人再生では収入や財産の額に応じて借金を圧縮し、圧縮した借金を原則3年で返済する再生計画を立てますので、個人再生をするからには、その再生計画を完遂しなければいけません。

そのため、裁判所は履行テストを用いて、申立人に再生計画を完遂できるだけの返済能力があるのかを客観的に確認するのです。

なお、履行テストをきちんとクリアしなければ個人再生は認められません。

1−1 履行テストの方法

履行テストは、テスト用の口座に毎月期日までに指定された金額を振り込むことで行います。

銀行口座は、自身で用意する場合と個人再生委員が用意する場合があります。

振り込む金額は、再生計画案で取り決めたものであり、圧縮後の借金額によって変動しますが、原則3年で返済しますのでおおよその金額は算出できます。

例えば、圧縮後の借金額が100万円であれば、3年間(36回)で返済しますので、月々の返済額はおおよそ2.8万円となります。

個人再生における返済額の決定方法について、詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ

2章 履行テストの期間と期日

ここでは、履行テストの期間と期限について解説します。

2−1 【履行テストの期間】原則は認可決定まで

履行テストの細かい期間は裁判所の運用によって異なりますが、3〜6ヶ月が一般的です。

東京地方裁判所が履行テストの期間を申立て直後から6ヶ月間としており、これと同じ運用にしている裁判所も多いようです。

履行テストの期間中しっかりと期日を守り、申立人に十分な返済能力があると認められた時には、期間を待たずに終了することもありますが、ほとんどの場合は認可決定が出るまで履行テストが続きます。

2−2 【履行テストの期日】初回の期日は申立て日から1週間以内

履行テストの期日は、毎月同じ日に決められていることがほとんどです。

初回の期日は、申立て日から1週間以内であることが多く、その日が毎月の期日となるでしょう。

なお、1回目の支払いは個人再生の手続きを開始するかどうかを判断する重要な材料になります。支払えない場合、手続きの開始決定が出ない可能性もあるので注意しましょう。

2−3 一括払いは認められていない

手元にまとまったお金がある場合、毎月支払うのではなく、一括で支払いたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、履行テストは【毎月支払いができるか】を確認するためのテストですので、一括払いは認められていません。

3章 履行テストに失敗したらどうなる?

個人再生の手続きが完了すると、その後は3年間程度返済が続きます。半年程度の支払いもできないとなると、裁判所からは「個人再生をしても、返済を続けられない」と判断されるでしょう。

そのため、履行テストに失敗してしまうと個人再生の認可が降りなくなってしまう可能性が高いでしょう。

3−1 どうしても払えない時の対処法

履行テスト中に、病気や事故などでどうしても支払いができなくなってしまうケースもあるでしょう。

その場合には、依頼している専門家や個人再生委員にその旨をしっかりと伝えるようにしてください。

必ずしも裁判所が事情を汲んでくれるとは限りませんが、何も連絡をしないよりは心証がよいでしょう。

どのような理由であっても、決して無断で支払いを怠るようなことはしないようにしてください。

3−2 履行テストがクリアできるよう準備をすることが大切

履行テストを失敗してしまうと、個人再生が認められなくなってしまいます。

そのため、申立て後から開始しますので、申立て前に履行テストにクリアできるよう収支準を整えておくことが大切です。

依頼する司法書士事務所・法律事務所によっては、申立て前に依頼費用を積み立てる期間を設けていることもあります。

依頼費用の積み立てを練習にして、履行テストを完遂できるか調整してみるのがよいでしょう。

もし、まだ履行テストの支払いが難しいそうと不安に思うのであれば、まだ申し立てるのは早いかもしれません。専門家と相談しながら申し立てるタイミングを決めるのが良いでしょう。

実際に裁判所へ申し立てた後は、いかなる理由があっても絶対に履行テストだけは完遂しなければならない厳格なものとなります。言い訳は効かないと思って強い覚悟で臨むのが良いでしょう。

4章 履行テストで積み立てたお金はどうなる?

履行テストで積み立てたお金は、テスト終了後に返還されます。没収されることはないのでご安心ください。

だからといって積み立てたお金をすべてプライベードなものに使ってはいけません。

ここでは、積み立てたお金の使い道について解説します。

4−1 返済に充てる

積み立てたお金は、個人再生の手続き後の返済に充てるようにしましょう。

また、手続き後の最初の返済は通常の2倍程度になることがあります。

一定額貯蓄があれば、毎月の返済も安心です。返済期間中に万が一返済額を準備できない事態となった場合に、ストックがあるとそれで対応できるので残しておきましょう。

4−2 個人再生委員への報酬

個人再生の手続きでは、個人再生委員という手続きのサポート・監視をする人(弁護士)が選任されることがあります。

個人再生委員が選任されると報酬が発生し、その報酬額は20~30万円と決して安いものではありません。大阪の場合、基本的に30万円を納付するよう指示されます。

個人再生委員が選任された場合には、履行テストで積み立てたお金の返還時に報酬分が差し引かれます。

5章 個人再生手続きは、グリーン司法書士法人にお任せください

履行テストは個人再生においてとても重要なものです。もし失敗してしまうと、個人再生が認められなくなってしまう可能性があります。

グリーン司法書士法人では、履行テストを成功できるよう、返済計画の立案や家計の見直しなどのサポートも行っております。

初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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