お金がなくても一人暮らしはできる!費用の内訳・相場や節約方法

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 登録番号第10262380号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
お金がなくても一人暮らしはできる!費用の内訳・相場や節約方法

この記事は約 14 分で読めます。

 この記事を読んでわかること
  • 一人暮らしにかかる初期費用・生活費の目安
  • 引っ越し費用や家具・家電を安く抑えるコツ
  • 毎月の生活費を節約する具体的な方法
  • 借金がある場合の対処法(債務整理について)

転職や進学などをきっかけに、一人暮らしを始める方は多いでしょう。しかし、「貯金がほとんどない」「初期費用が払えない」といった理由で、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

お金がなくても、一人暮らしを始めることは可能です。大切なのは、費用の内訳を正しく理解し、無理のない方法で準備を進めることです。

今回は、一人暮らしにかかる費用の相場や内訳を解説するとともに、初期費用を抑える方法や生活費の節約術についても紹介します。また、すでに借金がある方に向けた解決方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1章 お金がなくても一人暮らしはできる

「貯金がないと一人暮らしは無理」と考えがちですが、実際には工夫次第でスタートすることは十分可能です。

例えば、

  • 初期費用を抑えた物件を選ぶ
  • 引っ越し費用を節約する
  • 必要最低限の家具・家電から揃える

といった方法を組み合わせることで、まとまった資金がなくても一人暮らしを始めることができます。

また、最近では

  • 敷金・礼金ゼロ物件
  • フリーレント物件(一定期間家賃無料)

など、初期費用を抑えやすい選択肢も増えています。

重要なのは、無理のない範囲でスタートし、徐々に生活を整えていくことです。

2章 一人暮らしにかかる費用の内訳・相場

一人暮らしを始めるにあたり、まず知っておきたいのが「どのくらいのお金が必要なのか」という点です。費用の全体像を把握していないと、想定外の出費により生活が苦しくなる可能性があります。

一人暮らしを始めるにあたってかかる費用は、大きく分けて次の3つです。

  • 引っ越し費用・初期費用
  • 家具・家電などの準備費用
  • 毎月の生活費

これらを事前に理解しておくことで、「どこを節約できるか」「どこにお金をかけるべきか」が見えてきます。

2-1 引っ越し費用・初期費用

賃貸契約に必要な初期費用には、主に次のようなものがあります。

敷金家賃1〜2か月分
礼金家賃1〜2か月分
仲介手数料家賃0.5〜1か月分
管理費・共益費家賃の5~10%
前家賃(翌月の家賃)家賃1か月分
保証会社費用家賃0.5〜1か月分
火災保険料1〜2万円程度
鍵交換費用1〜2万円程度

たとえば、家賃3万円のところに住む場合、

敷金:3万円
礼金:3万円
仲介手数料:3万円+消費税=3万3,000円
管理費・共益費:1,500円
前家賃:3万円
火災保険料:約1万円
鍵交換費用:約1万円
保証会社費用:約1万5千円

初期費用合計:約16万円
(敷金・礼金・仲介手数料などそれぞれの費用の有無や金額によっても異なります。)

なお、物件によっては、賃貸契約の中にさまざまなオプションサービスが含まれていることがあります。内容をよく確認し、不要なサービスが含まれている場合は、申し込みの段階で外せないか相談することで、初期費用を抑えられる可能性があります。

これらの初期費用に加えて、引っ越し費用も必要です。一人暮らしの場合、引っ越し費用の目安はおおよそ3万〜10万円程度で、荷物の量や移動距離によって変わります。

そのため、初期費用と引っ越し費用を合わせると、一般的には家賃の4〜6か月分ほどの資金が必要になるケースが多いといえるでしょう。

2-2 新生活の準備費用(家具・家電)

一人暮らしを始めるにあたっては、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジといった家電のほか、寝具やカーテン、照明器具など、日常生活に欠かせないアイテムを一通り揃える必要があります。これらをすべて新品で購入する場合、少なくとも10万〜20万円程度が目安となります。

ただし、選ぶ製品のグレードや購入先によって費用は大きく変わります。また、最初からすべてを完璧に揃えようとするのではなく、「まずは生活に最低限必要なものだけを用意し、足りないものは後から買い足す」という考え方が現実的です。

無理のない範囲で優先順位をつけながら準備を進めることが、新生活をスムーズにスタートさせるポイントといえるでしょう。

2-3 新生活の生活費

総務省の2025年家計調査によると、34歳以下の単身(勤労者)世帯の月の消費支出は約18万円でした。その内訳は、おおよそ次のとおりです。

  • 家賃 35,000円
  • 食費 42,000円
  • 光熱水道費 8,100円
  • 交通・通信費 22,000円
  • 家具・家事用品 6,000円
  • 被服 6,500円
  • 医療 7,000円
  • 教養・娯楽 25,000円
  • 交際費 13,000円

家賃、食費、水道光熱費の3つの項目で、家計の半分近くを占めていることがわかります(都市部では家賃が高いため、さらに高額になる可能性があります)。

収入とのバランスを意識しながら、無理のない家賃設定や生活スタイルを考えていくことが、一人暮らしを安心して続けるためのポイントといえるでしょう。

3章 一人暮らしにあたり引っ越し費用・初期費用を用意できないときの対処法

「初期費用が用意できない=一人暮らしは無理」と考えてしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。初期費用は固定されたものではなく、物件選びや契約条件、タイミングによって大きく変動するものです。

この章では、単なる節約術ではなく、「現実的に負担を減らすための考え方と具体策」を解説します。

3-1 家賃が安い物件を探す

家賃は毎月発生するため、最も重視すべきポイントです。たとえば、都市部で物件を借りる場合(東京23区内)、ワンルームや1Kでも8万円以上が相場になります。家賃が安い物件を探す際は、都市部や人気のエリアを外して考える必要があるでしょう。

一方で、勤務先から交通費の全額支給が望めないような場合には、交通費や利便性に注意して物件を選ぶことも重要になります。

また、家賃の判断基準としては、次の点に注意して検討するとよいでしょう。

  • 手取り収入の25〜30%以内に抑える
  • 管理費・共益費込みで考える

3-2 敷金・礼金・仲介手数料の安い物件を探す

家賃だけでなく、それ以外の初期費用にも目を向けることが大切です。特に、初期費用の中でも削減効果が大きいのが、敷金・礼金・仲介手数料といった項目です。

前述のとおり、賃貸物件を借りる際には、これらに加えて前家賃なども含めたまとまった費用が必要になりますが、物件によっては、敷金・礼金や仲介手数料が無料、あるいは低めに設定されているものもあります。

具体的には、次のような選択肢を検討してみるとよいでしょう。

  • 敷金・礼金ゼロの物件を選ぶ
  • 仲介手数料が無料または半額の不動産会社を利用する
  • 初期費用キャンペーン中の物件を探す

ただし、これらの費用が抑えられている場合でも、その分が家賃に上乗せされているケースもあるため、トータルでの負担を確認することが重要です。

また、敷金がない物件では、退去時に原状回復費用を別途請求されることがあります。思わぬ出費を防ぐためにも、契約書の「原状回復特約」の内容や、どのような費用が発生する可能性があるのかについて、事前に不動産会社へ確認しておくと安心です。

3-3 フリーレント付きの物件を探す

フリーレントとは、入居後の一定期間について家賃が無料になる制度のことです。無料期間は半月〜3か月程度と物件によって異なりますが、1か月無料とするケースが多く、一人暮らしを始める際の初期負担を軽くするのに役立ちます。

ただし、フリーレント付きの物件では、「短期解約違約金」が設定されていることが一般的です。一定期間内に退去すると違約金が発生するため、転勤の可能性がある方や、短期間で引っ越す予定がある方は注意が必要です。自分の生活プランに合っているかをよく考えたうえで検討しましょう。

3-4 引っ越し費用を節約する

引っ越し費用は見落とされがちですが、意外とかかるため注意が必要です。時期や移動距離、荷物の量によって変動しますが、単身者の場合はおおよそ3万〜10万円程度が目安とされています。

費用を抑えるためには、次のような工夫が効果的です。

  • 繁忙期(3〜4月)を避ける
  • 平日や時間指定なしのプランを選ぶ
  • 複数の引っ越し業者から見積もりを取る(相見積もりは必須です)
  • 単身パックを利用する
  • 荷物が少ない場合は、レンタカーを借りて自分で運ぶ
  • 事前に不要品を処分し、荷物の量を減らす

これらを意識するだけでも、引っ越し費用を大きく抑えられる可能性があります。無理のない範囲で取り入れてみましょう。

3-5 家具・家電を安くそろえる

家具や家電は、まずは生活に必要な最低限のものから揃えるのがポイントです。最初からすべてを用意する必要はなく、実際に生活しながら必要に応じて買い足していけば問題ありません。

家電であれば、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・電気ケトルがあれば、ひとまず日常生活は問題なく送ることができます。

一方で、ベッドやテーブルなどの家具、布団やカーテン、食器類なども必要になりますが、現在使っているものを持ち込めば購入費用は抑えられます。ただし、その分引っ越し費用が高くなる可能性もあるため、全体のバランスを考えて判断することが大切です。

また、費用を抑えて揃える方法として、次のような選択肢もあります。

  • リサイクルショップを利用する(保証付きの商品がある場合もあります)
  • フリマアプリを活用する(相場より大幅に安く購入できることもあります)
  • 家電レンタル(月額制)を利用する
  • 新生活シーズンのセット販売(冷蔵庫や洗濯機などがまとめてお得になることがあります)

新品にこだわらず、自分の予算に合った方法を選ぶことで、費用を大きく抑えることができます。

4章 一人暮らし後の生活費を抑える方法

一人暮らしで毎月の生活費を抑えるためには、支出をうまくコントロールすることが欠かせません。「結局は節約か……」と思われるかもしれませんが、無理な我慢ばかりが必要というわけではありません。

節約というと、「好きなことを我慢するもの」というイメージを持たれがちです。しかし実際には、支出の仕組みを少し見直すだけで、無理なくお金が残る状態をつくることができます。

この章では、日常生活に取り入れやすく、負担を感じにくい方法を中心に、生活費を抑えるための具体的なアイデアを紹介します。

4-1 水道光熱費を節約する

水道光熱費の節約は基本的な対策ですが、まずは「使い方」を少し意識することが大切です。無理のない範囲で、できることから取り入れてみましょう。

【電気代】
エアコンの設定温度は、夏は無理のない範囲で下げる、冬は20℃を目安にしましょう(経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」より)。また、冷房時にはレースカーテンで日差しを遮る、扇風機で空気を循環させる、室外機の周りに物を置かない、フィルターをこまめに掃除するなどの工夫も、電気代の節約につながります。

【ガス代】
お風呂ではシャワーを出しっぱなしにしない、食器を洗うときもお湯を流し続けないようにするなど、日常のちょっとした意識でお湯の使用量を減らすことができます。

【水道代】
節水シャワーヘッドを活用したり、洗濯はまとめて行うようにすることで、水の使用量を抑えることができます。

4-2 自炊を心掛ける(完全自炊でなくてOK)

総務省の家計調査によると、単身世帯の平均食費は約42,000円とされています。生活費の中でも比較的大きな割合を占めており、見直しによる節約効果が期待できる項目です。

ただし、食費を抑えることに意識が向きすぎて、栄養バランスが崩れてしまっては本末転倒です。外食を減らして自炊を取り入れることで、食費を抑えながら健康的な食生活を維持しやすくなります。

とはいえ、毎日自炊を続けるのは負担に感じる方も多いでしょう。無理に「完全自炊」を目指す必要はなく、次のような方法を取り入れながら、自分に合った無理のないスタイルを見つけることが大切です。

  • 週2〜3回だけ自炊する(少量パックの食材を活用する)
  • 数品だけ作り置きする(食材を無駄なく使い切れるメニューにする)
  • 冷凍食品や総菜を上手に取り入れる

できる範囲で自炊を取り入れるだけでも、食費の節約につながります。無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。

4-3 コンビニの利用を控える

コンビニは便利ですが、日常的に利用していると出費がかさみやすい点には注意が必要です。完全に利用をやめるのは現実的ではありませんが、回数を意識して減らすだけでも、食費の節約につながります。

例えば、1日500円程度の利用を控えるだけでも、1か月で約1万5,000円の節約になります。また、コンビニでの「ついで買い」が減ることで、無駄な出費を防ぐ効果も期待できます。

無理なく続けるためには、次のような工夫を取り入れてみましょう。

  • 外出時はマイボトルを持参する
  • 日常の買い物はスーパーを利用し、コンビニは緊急時に限定する

4-4 格安SIMを活用して通信費を節約する

通信費の負担が大きいと感じるときは、格安SIMを活用しましょう。大手キャリア通信会社から格安SIMに乗り変えたり、お得なプランを選択したりなどの工夫で、通信費を節約することができます。

また、自分の利用量に合わせて容量の少ないプランに切り替えたり、不要なオプションを解約するなどの見直しも節約効果があります。

ただし、住んでいる地域や通信会社によっては、つながりにくい、速度が遅いなどのデメリットもあるようです。 自分の状況に合ったプランやサービスを検討しましょう。

4-5 付き合いを見直し交際費を節約する

交際費は人間関係に関わるため、見直しにくい支出のひとつです。しかし、なんとなく参加している飲み会や、見栄で付き合っている集まりがある場合は、一度立ち止まって考えてみることも大切です。

「本当に参加したいのか」「今の生活に無理はないか」といった視点で見直すことで、必要な支出とそうでない支出を整理できます。

とはいえ、すべての付き合いを減らす必要はありません。たとえば、参加する飲み会の回数を月◯回までと決めたり、夜の飲み会をランチやカフェに置き換えたり、自宅での集まりにするなど、負担を抑えながら関係を続ける方法も検討してみましょう。

4-6 生命保険・医療保険を見直す

すでに保険に加入しているものの、一人暮らしを始めて家計に余裕がない場合は、すぐに解約するのではなく、まずはプランの見直しを検討してみましょう。保障内容を調整することで、保険料を抑えられる可能性があります。

一般的に、一人暮らし(独身)の保険料は月1万円未満、もしくは高くても2万円未満の方が多い傾向にあります。現在の保険料がそれよりも大きく上回っている場合は、収入に見合っているかを確認することが大切です。

また、現在の保障額が本当に必要かどうかも見直してみましょう。たとえば、医療費が高額になった場合でも、「高額療養費制度」により、1か月あたりの自己負担額には上限が設けられています。こうした公的制度も踏まえたうえで、過不足のない保障内容になっているかを検討することが重要です。

4-7 車を所有している場合は手放すことを検討する

車は便利な一方で、維持するために多くの費用がかかります。具体的には、次のような支出が継続的に発生します。

  • 自動車保険料
  • 車検・点検費用
  • メンテナンス・修繕費用
  • 駐車場代
  • 自動車税
  • ガソリン代や高速道路の通行料

さらに、車の購入費用を分割で支払っている場合には、これらの維持費に加えて毎月のローン返済も必要になります。

通勤などでどうしても車が必要な場合を除き、レンタカーやカーシェアリングを利用したり、公共交通機関で代替できる場合は、手放すことで大きな節約につながる可能性があります。

なお、節約を続けても生活が苦しい場合や、すでに借金の返済が負担となっている場合は、無理に節約だけで解決しようとする必要はありません。次章で解説する「債務整理」の手続きを行うことで、生活を立て直すことができます。

5章 お金がない原因が借金なら債務整理を検討しよう

生活が苦しい原因が「収入の少なさ」ではなく「借金の返済」にある場合は、節約だけでは解決が難しい可能性があります。そのような場合には、「債務整理」を検討することも重要です。

債務整理は、借金の減額や免除を受けられる制度であり、適切に利用すれば生活の立て直しにつながります。この章では、代表的な3つの債務整理の手続きについて紹介します。

5-1 任意整理

「任意整理」とは、裁判所を通さずに債権者と交渉し、借金の返済条件の見直しを交渉する方法です。裁判所を介さない分、比較的気軽にできる手続きです。

また、任意整理は、整理の対象に含める債権者を選ぶことができるため、自動車ローンや保証人付きの債務を除外したい場合にも柔軟に対応できます。

【任意整理の特徴】
対象支払いが困難な債務のみの選択が可能
メリット将来利息のカット、毎月の返済額軽減
デメリット信用情報への登録(ブラックリスト)

5-2 個人再生

「個人再生」とは、大幅に減額してもらった借金を原則3年間で完済するよう再生計画案を作成し、裁判所に認可をもらう手続きです。

住宅ローンの支払いを続けながら整理することも可能です。

【個人再生の特徴】
対象安定した収入がある個人
メリット大幅な債務の減額が可能・住宅の維持が可能
デメリット官報公告の掲載、信用情報への登録(ブラックリスト)、手続きが複雑

5-3 自己破産

「自己破産」とは、税金の滞納分などを除いた借金の返済義務を法的に免除してもらう手続きです。生活再建の最終手段として利用されることが多く、収入がない人でも申立が可能です。

【自己破産の特徴】
対象収入や返済能力がない人
メリット借金が全額免除される
デメリット財産の処分、官報公告の掲載、信用情報への登録(ブラックリスト)、一定の職業制限(一時的)

まとめ

一人暮らしは、まとまったお金がなくても始めることができます。重要なのは、費用の内訳を理解し、無理のない範囲でスタートすることです。初期費用は物件選びや工夫によって大きく抑えることができ、生活費も日々の意識次第でコントロールできます。

ただし、借金が原因で生活が苦しい場合は、無理に我慢を続けるのではなく、債務整理という選択肢も検討すべきです。不安を抱えたまま一人で悩まず、早めに専門家へ相談することが、安心して新生活をスタートするための第一歩といえるでしょう。

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