住宅ローンを支払えない時の救済措置|返済できない時にすべきこと

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

住宅ローン問題
住宅ローンを支払えない時の救済措置|返済できない時にすべきこと

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 この記事を読んでわかること

  • 住宅ローンの支払いが難しいときの救済措置
  • 住宅ローンの支払いが難しくなったときにすべきこと
  • 住宅ローンの支払いが難しくなっても絶対すべきでないこと

住宅ローンの支払いが厳しくなった場合にも、救済措置はあります。住宅ローンは多くの家庭にとって大きな負担であり、時には支払いが困難になる場合もあるでしょう。

特に2020年以降の新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し、家計が圧迫される家庭では、支払いが一層厳しくなっています。特に注意が必要なのは、滞納の放置や、カードローンなどを利用した住宅ローンの支払いなどです。

これらの行動は長期的には更なる問題を引き起こし、最悪の場合、住宅の競売に至るリスクがあります。今回の記事では、住宅ローンの支払いが難しい場合に利用できる救済措置や、返済が困難になった際の具体的な対応策について見ていきましょう。

1章 住宅ローンの支払いが難しいときの救済措置はある?

住宅ローンの支払いが厳しくても、救済措置はあります。新型コロナウイルス感染の影響による経済状況の悪化に関しては、今ならまだ、それぞれの金融機関に相談できる余地があるでしょう。状況に応じて、負担を軽減する提案が出される可能性が高いです。

フラット35に関しては、支払いが難しい人に対して、個々の状況に応じて返済猶予の措置があります。詳しく見ていきましょう。

1-1 新型コロナウイルス感染の影響による経済状況の悪化は金融機関に相談できる

新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの家庭が経済的な困難に直面しました。住宅ローンの支払いが困難になるケースも、少なからず発生しています。

金融機関はそれぞれの基準で、コロナ禍で収入が減少した人々に対して、返済条件の緩和や猶予を提供してきました。たとえば、元金据え置きや返済期間の延長といった救済策があり、これにより当面の返済額を軽減できます。

ほかの事情による支払い困難と比べても、これまでは比較的親身な対応が見られました。ただし、5類に移行したコロナの影響や対応が、今後どれほど続くかは不明です。

現時点では金融機関ごとに差はあるにせよ、ある程度の措置を取ってもらえる可能性があるので、早期の相談が賢明です。

なお、住宅ローンが払えなくなった場合に、危機を回避する方法について、以下の記事で解説しています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。

1-2 フラット35は支払いが難しい人向けの返済猶予手続がある

フラット35は、全期間固定型の住宅ローンであり、独立行政法人住宅金融支援機構が提供する商品です。

フラット35を利用している方が返済困難になった場合、以下のような救済措置が提供される可能性があります。これらの措置は、利用者の経済状況に応じて柔軟に対応されるのが一般的です。

救済措置説明
返済期間の延長・返済期間を最長15年延長できる
・結果として、毎月の返済額を減額できる
元金据え置き・一定期間、元金の支払いを猶予する
・利息のみの支払いとなり、月々の負担を軽減する
ボーナス返済の停止・ボーナス返済の一時停止により、急な出費に対応しやすくする
返済額の変更・利用者の収入減少に応じて、月々の返済額を調整する
・収入が回復したら元の返済額に戻す
その他特別措置・個別の事情(失業や病気など)に応じて特別に対応をする

ただし、これらの措置は支払いの免除ではなく、一時的な措置であるため、最終的な返済総額が増加する可能性があり、慎重な判断が必要です。フラット35の利用者は、まずは早期に金融機関に相談し、自分に最適な解決策を見つけましょう。

なお、およそ3%といわれる住宅ローン破綻率ですが、破綻する人の傾向について、以下の記事で解説しています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。

2章 住宅ローンの支払いが難しくなったときにすべきこと

住宅ローンの支払いが難しくなったときに、すべきこととしては、主に次の5つが挙げられます。

  • 金融機関への相談
  • 返済期間・返済額の見直し
  • 住宅ローンの借り換え
  • 家計の見直し
  • 住宅売却の検討

それぞれの内容を、詳しく見ていきましょう。

2-1 金融機関への相談

住宅ローンの支払いが難しいと感じた場合、まず行うべきは金融機関への相談です。相談により、返済条件の見直し(リスケジュール)などの選択肢が提供される場合があります。

たとえば、借入期間の延長や元金返済措置などです。元金返済措置とは、一定期間元金の支払いを猶予(免除ではない)し、利息のみを支払う方法です。これにより、毎月の返済額を一時的に減らせます。

2-2 返済期間・返済額の見直し

返済期間を延長することで、1回あたりの支払い額を減らせます。たとえば、元々の返済期間が30年だった場合、これをさらに延長することで、月々の支払い負担を軽減できます。

ただし、返済期間が延びることで利息総額が増え、結果的に総支払額は増加するため、長期的な返済計画をしっかりと立てることが重要です。また、元金据置きやボーナス返済の見直しなども選択肢として考えられます。

金融機関と相談して適切なリスケジュールを行うことは、家計の負担を軽減し、生活を安定させるために重要です。特に、返済が難しいと感じた段階で早めに行動すれば、返済不能からの差押え、競売などの最悪の事態を避けられます

2-3 住宅ローンの借り換え

住宅ローンの借り換えは、金利が下がった場合に総返済額を減らす効果的な方法です。借入時の金利をより低い金利に変更したり、固定金利から変動金利に変更することにより、毎月の返済額を減少させられます。

ただし、借り換えには事務手数料や登記費用などのコストが発生するため、これらの費用を考慮したうえで判断する必要があります。

借り換えのメリットを最大限に引き出すためには、借入残高が1,000万円以上あり、残りの返済期間が10年以上ある場合が目安となります。また、借り換え後のローンの金利差が1%以上ある場合には、総支払額を大幅に削減できるでしょう。

ただし、比較的最近、住宅ローンを組んだ人はそもそも低金利であり、また変動金利で借りた人も変動金利はかなり低金利のため、借り換え効果が薄いのでご注意ください。

2-4 家計の見直し

住宅ローンの支払いが困難な場合、最初に取り組むべきは家計の見直しです。支出の見直しを行い、節約できる項目を見つけましょう。

たとえば、電気やガスなどの公共料金の節約や保険の見直しで、月々の支出を減らせます。また、家計簿を利用して収入と支出を詳細に把握すれば、無駄な出費を発見しやすくなるでしょう。

家計の見直しには、固定費の削減も欠かせません。通信費やサブスクリプションサービスの契約を見直し、必要のないものを解約していけば、毎月の固定支出を減らせます。また、保険料の見直しも有効です。

2-5 住宅売却の検討

住宅ローンの支払いがどうしても難しい場合、住宅売却もひとつの方法です。アンダーローンの状態、つまり住宅の市場価値がローン残高を上回る場合は、通常売却を通じてローンを一括返済でき、余剰金が残ります。

しかし、オーバーローン、つまり住宅の市場価値がローン残高を下回る場合は、任意売却が賢明な選択肢です。任意売却は、競売よりも市場価格に近い金額で住宅を売却できるため、ローン残高を減らせます。

また、任意売却では引越し時期を調整できるなど、生活再建の計画が立てやすいというのもメリットです。さらに、売却による諸費用は売却代金から賄えて、新たな出費を抑えられます。

競売に比べて任意売却は、生活環境への影響が少なく、周囲に事情を知られずに物件を売却できます。ただし、任意売却には金融機関の同意が必要であり、手続が複雑であるため、専門家に相談するのが賢明です。

なお、任意売却の詳細や通常売却との違い、メリットデやメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、参考にご覧ください。

任意売却を検討しているみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人に、お気軽にご相談ください。当司法書士法人ではケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。

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3章 住宅ローンの支払いが難しくなったときにすべきでないこと

住宅ローンの支払いが難しくなったときでも、次に挙げる2項目は絶対にすべきではありません。

  • 住宅ローンの滞納を続ける
  • カードローンなどの借入をして住宅ローンを支払う

個別に、内容を見ていきましょう。

3-1 住宅ローンの滞納を続ける

住宅ローンの滞納を続けることは、非常に危険です。金融機関から電話や書面で督促が始まり、遅延損害金も発生して返済総額に加算されます。

遅延損害金は、通常の利息よりも高利率(15%程度)で設定されるので、最終的には返済額が大幅に増加する要素となるでしょう。滞納が3か月以上続くと、一括返済を求められる可能性が高まります。

また、信用情報に「異動」、すなわち通常とは異なる事故情報として記録されます。これは俗にブラックリスト入りと呼ばれ、新たなローン契約やクレジットカードの発行は困難になるでしょう。

最悪の場合、住宅が競売にかけられ、通常の市場価格よりも安く売却されるリスクがあります。そうならないよう、滞納が発生した時点で速やかに金融機関に連絡し、支払い計画の見直しや返済条件の変更を相談しましょう。

3-2 カードローンなどの借入をして住宅ローンを支払う

住宅ローンよりもカードローンの金利の方が圧倒的に高いため、遅かれ早かれ破綻するのは確実です。カードローンの金利は通常、年率14%~20%と非常に高く、返済負担が急激に増加します。

本当に一時的な資金不足で、確実に返す当てがあるならともかく、基本的にはおすすめできません。また、カードローンによる借入が増えると、多重債務に陥る危険性もあります。

特に、収入が安定しない状況でのカードローン利用は、返済不能に陥る可能性が高くなります。カードローンで一時的に凌いでも、利息が高いため、元本がなかなか減らず、最終的にはさらに多額の借金を抱える事態に陥るでしょう。

このような事態を避けるためにはカードローンを利用する前に、まず金融機関に相談して、返済計画の見直しやほかの救済策を検討してもらいましょう。

住宅ローンの返済のために、カードローンを利用しようとしているみなさんは、新たに借入をせずに解決する方法を検討しましょう。ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。当司法書士法人では借金問題に関する個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。

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まとめ

住宅ローンの支払いが困難になった場合、まず最初に取るべき行動は金融機関への相談です。早期の相談により、返済計画の見直しや返済猶予などの救済措置を受けられます。

一時的な経済的困難を乗り越えるための、時間と余裕を確保できるでしょう。また、家計の見直しや副業による収入増加も有効な対策です。これらの方法を活用すれば、家計を健全な状態に保ち、住宅ローンの返済を続けられます。

一方で、住宅ローンの滞納の放置や、高利のカードローンを利用して支払いを続けるのは避けるべきです。これらの行動は、財産の競売や信用情報の悪化につながり、生活に深刻な影響を及ぼします。

最終的な手段として、住宅の売却も考慮すべきです。特に、オーバーローンの状態では、任意売却が競売よりも有利な選択肢となります。任意売却は、市場価格に近い価格で売却できるため、残債の減少や新たなスタートを切るための資金確保に役立つでしょう。

任意売却を検討している場合や、住宅ローン意外にも大きな借金を抱えてお困りの場合は、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。当司法書士法人では個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。

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