国民健康保険料の滞納で差し押さえられた!解除・回避の方法を解説

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

借金返済の知識
国民健康保険料の滞納で差し押さえられた!解除・回避の方法を解説

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 この記事を読んでわかること

  • 国民健康保険料滞納による差押えを解除する方法
  • 国民健康保険料滞納から差押えまでの流れ
  • 国民健康保険料滞納から差し押さえられるのを回避する方法

国民健康保険は、自営業やフリーランスの方なら必ず加入の義務があります。

その支払い額は前年度の収入額によって決まります。もしも前年度に収入がなくても、4万〜8万円は必ず支払わなければならないものです。

借金の返済に追われていたり、毎月の収入が不安定だったりすると、国民健康保険料の支払いはとても負担に感じることでしょう。しかし、国民健康保険料を滞納すると金融機関からの借金に比べて差押えまでの期間が短いので注意しなければなりません。思いもよらないタイミングで差し押さえられた、という声もあります。

この記事では、国民健康保険料の滞納による差押えを解除する方法や、差押えにならないようにする方法について解説します。

1章 国民健康保険料の滞納による差押えを解除するには?

国民健康保険料を滞納すると、最終的には預貯金や給料、不動産などの財産が差し押さえられます。もしも給与や生活費を管理する預貯金口座を差し押さえられたら、一刻も早く解除してもらわなければなりません。

この章では、差押えが解除されるためにはどうすればよいかについて解説します。

1−1 滞納している保険料と延滞金を全額支払う

差押えが解除されるのは、原則として滞納している国民健康保険料と延滞金を完済した時です。

差押えは現金化しやすい財産から行われるのが多いため、預貯金が差押えされて口座凍結してしまうケースがよくみられます。

しかし、預貯金や給与の支払いに使われている口座が差し押えられて凍結したとしても、滞納分が引き落とされれば凍結は解除されて振込や入金ができるようになります。

例えば、保険料を延滞金と合わせて30万円支払わなければならない場合を考えてみましょう。差し押さえられた口座へ仮に35万円入っていれば、差押えとして引き落とされるのは30万円のみです。残りの5万円については、出金や引き落としができます。

もしも口座預金が30万に足りなければ、口座の全額が引き落とされた次に給与や不動産など他の財産が差押えられることになります。

給与が差押えになると、会社の経理へ連絡されて給与が口座へ振り込まれる前に保険料が差し引かれ、全ての金額を払い終えるまで解除されません。

持ち家などの不動産を差し押さえられた場合は、勝手に売却できなくなるため、任意売却したければ市区町村の窓口に相談が必要です。もし不動産が差し押さえられたままになると、最終的には公売にかけられて売れた金額を支払いへ充当します。公売は競売と同様、市場価格よりも低い金額で売却されるうえ、持ち家ならば売却が決まると明け渡さなければなりません。

1−2 役所へ解除してもらうよう交渉する

滞納で差し押さえられたのが給与や年金などが預金口座へ入金されたタイミングだった場合、生活費が引き出せず困窮してしまいます。こういったケースでは、差し押さえた市区町村へ交渉することで解除できる可能性があります。 

交渉では、以下の内容を伝えて誠意のある姿勢でのぞみましょう。

  • 滞納に対する謝意
  • 滞納理由
  • 滞納額を支払う意思
  • 返済計画
  • 家計の状況

自営業では急に口座を差し押さえられると、経費や給与に必要な金額が支払えなくなって仕事に支障をきたすこともあるでしょう。

もしも地域の民主商工会(民商)に入会していれば、相談すると交渉に協力してくれるケースもあります。

2章 国民健康保険の滞納から差押えまでの流れ

差押え自体は、国民健康保険料の支払いを1〜2か月滞納したくらいでは行われません。しかし滞納が続くと、まず国民健康保険の交付が行われなくなり、最後には受給資格を失います。

差押えは、滞納から2年以内に実行される可能性が高いです。金融機関からの借入れなどの差押えよりも、期間はずっとスピーディに事が進むということを覚えておきましょう。

STEP① 居住している市区町村から督促状が送られる

国民健康保険の納付期限が過ぎてから20日以内に、居住している市区町村から督促状が送付されます。督促状が届いた時点で滞納した保険料と延滞金を支払えば問題ありませんが、法律上では発送してから10日以降から滞納処分ができるようになります。

実際には、督促状が発送されて10日後に差押えされることはほとんどありません。督促状送付後も支払いがなければ、電話での督促や催告書の送付などが続けられます。

STEP② 短期被保険者証を交付される

滞納している期間が6か月〜1年を過ぎると、それまでの国民健康保険証から「短期被保険者証」へ切り替えられます。短期被保険者証は通常の健康保険証の有効期限が1年あるのに対して6か月と短く、期限が切れたら更新と納付相談のために市区町村へ足を運ばなければなりません。

STEP③ 資格証明書を交付される

滞納してから1年以上経過すると、短期被保険者証ではなく「資格証明書」の交付に代わります。資格証明書では、医療機関で提示しても医療費が全額自己負担となります。

役所で申請すれば自己負担額の7割が給付されるものの、滞納が続いている場合は滞納している健康保険料に充当されることになるので、実際のところ負担は変わりません。

STEP④ 健康保険の資格を失う

資格証明書の交付後も滞納した国民健康保険料の支払いがない場合は、健康保険を受給する資格を失います。

医療機関での支払いが全額自己負担になるのはもちろんですが、次のような公的支援も受けられなくなるのです。

  • 入院費など高額になった医療費の助成
  • 出産一時金の支給
  • 葬祭料の支給 など

国民健康保険料の滞納で、本来受けられるべきサービスも受けられなくなってしまう恐れがあります。

STEP⑤ 財産を差し押さえられる 

健康保険の資格を失うまでにも督促は書面・電話などで続けられていたはずです。それでも支払う意思が見られない悪質な滞納者に対しては、差押えが実行されます。

差押え前には「催告書」や「差押予告書」が送付されますが、差押えの実行日は記載されていません。差押えはある日突然行われることになります。

3章 国民健康保険滞納により差し押さえられる財産

国民健康保険料を滞納して差し押さえられる財産としては、次のようなものが挙げられます。

  • 預貯金
  • 給与
  • 生命保険
  • 有価証券(株、国債など)
  • 不動産
  • 株式

すぐに現金化できるものが優先的に差押えられるため、この中では預貯金口座を差し押えられるケースが多いです。

給与の場合、差押えできる金額の範囲は定められています。所得税や地方税、社会保険料が控除された上で10万円+家族1人あたり45,000円を引かれた額が差押えできる限度額です。さらに、ボーナスや退職金も差押えの対象になります。

なお、国民健康保険料を滞納して差し押さえられるのは納税義務者である世帯主です。もし世帯主が社会保険に加入していても、配偶者や子供が国民健康保険料を延滞して差し押さえられる財産は世帯主名義であり、配偶者・子供名義の財産ではないため注意しましょう。

4章 国民健康保険料の滞納による差し押さえを回避する方法

国民健康保険料の時効は2年ですが、それまでに書面や電話で督促された際に時効は延長されるため、時効の消滅で逃げ切ろうとするのは実質不可能です。

国民健康保険料の滞納は金融機関からの借金滞納と違い、差押えを裁判所に申し入れる必要がありません。

そのため国民健康保険料を滞納したら、すぐに差押えを回避するよう行動するべきです。

この章では、国民健康保険料を滞納した場合にできる対処方法について解説します。

4−1 相談窓口で分割払い・減免の相談をする 

次のような状況で国民健康保険料を滞納している場合は、役所の窓口で支払いについて相談できます。

  • 本人や家族の病気や怪我が理由で就労できない
  • 退職や廃業によって収入が前年度より大きく減少した
  • 災害で廃業するなど大きく収入が減少した

滞納している分の分割払いや現在の収入に合わせて減免などの対応をしてもらえるでしょう。

4−2 今ある借金問題を解決する

滞納の理由が借金の返済で生活が苦しいことなら、分割払いや減免の相談に応じてもらえません。税金や保険料の支払いは、他の債務よりも優先しなければならないことが法律で決められているからです。

借金で生活に負担がかかっているならば、まずは一刻も早く借金問題から解決させなければなりません。借金の負担が減れば、保険料を支払いやすくなります。

5章 借金問題でお困りならグリーン司法書士法人へ債務整理をご相談ください

もしも借金の返済や高額な利息に困って国民健康保険料の支払いを滞納しているならば、債務整理を検討することをおすすめします。

債務整理とは、債権者との話し合いによって借金を減額したり、裁判所への手続きを通して債務を免除したりして借金問題を解決する方法です。

債務整理には、次の3つの方法があります。

任意整理債権者と直接交渉して支払いできる金額・期間を交渉する
個人再生借金を5分の1〜10分の1に減額し、原則3年で返済する
自己破産裁判所に申し立てることですべての借金の返済が免除される手続き

いずれの方法も、自力で進めるにはかなりの知識や時間が必要です。グリーン司法書士法人では、債務整理の豊富な経験があるスタッフがご相談を承りますので安心してお任せいただけます。

相談料・着手金は無料です。お電話やメール、オンラインでもご相談可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

しかし、残念ながら国民健康保険料の滞納に関しては債務整理で解決できません。債務整理はあくまで借金問題を解決するための手続きであること、借金が解決すれば保険料を支払う計画も立てやすくなることを覚えておいてください。

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