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- クレジットカードの使い過ぎで多重債務になるケース
- 多重債務を放置した場合のリスク
- クレジットカードによる多重債務を防ぐ方法
- 自力返済が難しい場合の債務整理の選択肢
クレジットカードは、多くの方が利用する便利な決済手段です。外出先の店舗だけでなく、ネットショッピングやサブスクの支払いなどで利用している方も多いでしょう。
一方で、便利さゆえに「気づかないうちに使いすぎてしまう」というリスクもあります。
「クレジットカードだけで多重債務になることはあるの?」
「返済が難しくなったらどうなるの?」
と、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、クレジットカードの使い過ぎで多重債務に陥るケースや放置するリスク、対処方法について解説します。
目次 ▼
1章 クレジットカードの使い過ぎで多重債務に陥るケース
多重債務というと、「消費者金融からたくさん借りている状態」をイメージする方が多いかもしれません。しかし、クレジットカードの使い過ぎだけで多重債務に陥ることも少なくありません。
クレジットカードには、買い物代金を後払いにする「ショッピング機能」と、お金を借りる「キャッシング機能」があります。さらにリボ払いなどの支払い方法を利用すると、支払いが長期化しやすく、借入残高が増えやすい仕組みになっています。
そのため、気づかないうちに支払いが重なり、毎月の返済額が生活費を圧迫するほど大きくなってしまうこともあります。
ここでは、クレジットカードの使い過ぎによって多重債務に陥る主なケースを見ていきましょう。
1-1 クレジットカードを使いすぎてしまい返済できなくなる
クレジットカードは、現金での支払いに比べて、実際にお金を使っている感覚が希薄になりがちです。
たとえば次のように、何となく日常で使用しているだけでも、翌月の請求額が予想以上に高くなることがあります。
- インターネットショッピング 3万円
- サブスクやアプリの課金 1万円
- 日常生活での買い物 6万円
- 公共料金や通信費の引き落とし 5万円
合計15万円
思ったより高額で引き落としが難しいとわかると、リボ払いへの変更やキャッシング、もしくは別のカードで支払うなどの対策をする方もいます。しかし、結果的には借入れが増えるだけで、このようなことを繰り返していると悪循環に陥る可能性があります。
1-2 リボ払いを使いすぎてしまう
リボ払い(リボルビング払い)は、利用額に関係なく毎月の支払いを一定額にする仕組みです。一見すると支払いが楽になるように思えますが、実際には次のような特徴があります。
- 支払額を一定にできる → 毎月の負担が軽く見えて、返済が楽に感じる
- 手数料が高い → 年15%前後であることが多い
- 元金が減りにくい → 返済しても終りが見えず、支払いが長期化する
このようなリボ払いを繰り返していると、残高が把握できなくなったり、他のカードも利用したりしてしまうなど、多重債務の原因になることがあります。
2章 クレジットカードの使い過ぎによる多重債務を放置するリスク
クレジットカードの支払いが厳しくなっても、「そのうちお金ができたら返そう」と放置してしまう方は少なくありません。
しかし、支払いの遅れをそのままにしていると、遅延損害金の発生や信用情報への登録(ブラックリスト)、最終的には裁判や差押えなど、状況が悪化していく可能性があります。返済が滞ると、クレジットカード会社も貸金業者と同様に、法律に基づき回収手続きを進めます。
この章では、クレジットカードの支払いを滞納した場合に起こり得る主なリスクを解説します。
2-1 遅延損害金が発生する
支払期限を過ぎると、「遅延損害金」が発生します。これは利息とは異なり、返済の遅れに対するペナルティであり、通常の金利よりも高く設定されています。
遅延損害金はカード会社が設定している実質年率で計算され、年率14.6%程度であることがほとんどです。
たとえば、100,000円の利用で30日滞納した場合、1,200円の遅延損害金が発生します。
100,000円 × 14.6% ÷ 365日 × 30日=1,200円(遅延損害金)
| 利用額 | 年率 | 遅延日数 | 遅延損害金 |
|---|---|---|---|
| 100,000円 | 14.60% | 30日 | 1,200円 |
2-2 クレジットカード会社から督促を受ける
支払いが遅れると、カード会社から電話やSMS、郵送通知などで督促が行われます。初期の段階では、「支払いを確認できません」という案内が届く程度ですが、滞納が続くと強い督促になる可能性があります。
督促に応じず無視していると、債権者から一括請求を受ける可能性があります。
2-3 信用情報機関に事故情報が登録されてしまう
支払いの延滞が続くと、信用情報機関に「延滞」の情報(事故情報)が登録される可能性があります(ブラックリスト)。
- ◆信用情報機関とは?
- 消費者の個人信用情報(クレジットや消費者ローンなど金銭借入れに係わる取引内容)を管理し、加盟会員企業からの照会に応じて、個人信用情報を提供する機関です
日本の主な信用情報機関には、次のようなものがあります。
| 信用情報機関 | 主な加盟会社 |
|---|---|
| CIC(シー・アイ・シー) | クレジットカード会社 |
| JICC(日本信用情報機構) | 消費者金融 |
| KSC(全国銀行個人信用情報センター | 銀行 |
事故情報が登録されると、クレジットカードの新規作成が難しくなったり、ローン審査に通りにくくなったりといったリスクが生じます。また、現在契約中のクレジットカードの利用も、停止になる可能性があります。
これまで借りては返してを繰り返していた方も、新たな借入れができなくなることで限界が訪れるでしょう。
2-4 クレジットカードの残債を一括請求される
督促を無視して滞納を続けていると、カード会社から「期限の利益の喪失」を理由に、遅延損害金を含めた残高全額を一括請求される可能性があります。
- ◆期限の利益の喪失とは?
- 期限の利益とは、借金などの債務を負った人が、期限が到来するまで返済をしなくてもよいという権利(利益)のこと。契約違反などで、その権利を失うことを「期限の利益の喪失」といいます
2-5 訴訟・差押えされてしまう
それでも支払いが行われない場合、法的手段に移行する可能性があります。裁判所から支払督促や訴状が届いても、何の対応もしないでいると欠席のまま判決が出てしまいます。
最終的に、裁判所の判決や仮執行宣言つき支払督促によって、「強制執行」が行われる可能性があります。強制執行では、預貯金や給与が差し押さえられる可能性があり、ここまでくると回避は困難です。
返済が難しい場合は、裁判になる前に対応することが重要です。
3章 クレジットカードの使い過ぎによる多重債務を回避する方法
クレジットカードは、使い方を誤ると多重債務の原因になることがあります。しかし、あらかじめいくつかのポイントを意識すると、借入が増えすぎるリスクを減らすことも可能です。
重要なのは
- リボ払いを利用しない
- キャッシングを利用しない
- カードの枚数を増やしすぎない
などの基本的な管理です。
この章では、クレジットカードの使い過ぎによる多重債務を防ぐための具体的な方法を紹介します。
3-1 リボ払いを利用しない
リボ払いは一見便利ですが、15〜18%の高額な手数料がかかったり、支払いが長期化しやすかったりというデメリットがあります。
特に次のような場合は注意が必要です。
- 初期設定がリボ払いになっている
- 自動リボに登録している
- 複数カードでリボ払いを利用している
できるだけ、手数料がかからない一括払いや分割払いを利用するようにしましょう。
3-2 キャッシング機能を利用しない
キャッシングが常態化してしまうと、つい借金という意識が薄らぎがちです。しかし、クレジットカードキャッシングの金利は、年15〜18%程度と高めに設定されています。
コンビニや金融機関のATMなどで、気軽に借入れできますが、気づかない内に借入額が膨らんでしまうことに注意が必要です。
3-3 クレジットカードを作りすぎない
クレジットカードの枚数が増えると、利用限度額が増え、どのカードでいくら使ったのかなどの管理も複雑になります。
このような問題を避けるためにも、クレジットカードは必要な枚数だけ持つようにしましょう。すでに何枚も所有している場合は、解約して枚数を減らすことも考えましょう。
3-4 クレジットカード利用額・支払日などを管理しておく
多重債務を防ぐためには、クレジットカードの利用状況や支払日を把握することが大切です。たとえば、次のような管理方法があります。
- 利用額の確認 → アプリ・明細
- 支払日の確認 → カレンダー
- 限度額 → 定期的にチェックする
利用額と支払日を管理することで、支払いが厳しくなる前に対策を取ることができます。
4章 クレジットカードの自力返済が難しい場合は債務整理を検討しよう
「カード会社に相談しても支払いが難しい」「以前から借金があり、借りては返すことを繰り返している」といった場合には、債務整理を検討することも一つの方法です。
債務整理とは、借金を減額したり支払いに猶予を持たせたりすることで、借金の悩みを解決できる手続きです。クレジットカードの債務も対象になります。
債務整理には主に次の3つの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。そのため、ご自身の状況に合った方法を選択することが重要です。なお、クレジットカードの返済が難しくなった方の多くは、「任意整理」によって解決を図っています。
4-1 任意整理
「任意整理」とは、裁判所を通さずに債権者と交渉し、借金の利息や返済方法などを見直すことで、返済の負担を軽減する手続きです。将来利息のカットなどが認められると、毎月の返済額が抑えられ、家計の負担が軽くなったと感じられる方も少なくありません。
債務整理の方法の中でも、比較的利用されることが多いのが任意整理です。ただし、任意整理では原則として元金そのものが減額されるわけではないため、借入額が高額な場合には適さないケースもあります。
また、任意整理は、整理の対象とする債権者を選ぶことができる点も特徴です。そのため、自動車ローンや保証人が付いている債務を対象から外したい場合などにも、柔軟に対応することができます。
| 対象 | 支払が困難な債務のみの選択が可能 |
|---|---|
| メリット | 将来利息のカット、毎月の返済額軽減 |
| デメリット | 信用情報への登録(ブラックリスト) |
4-2 個人再生
「個人再生」とは、大幅に減額された借金を原則3年間で返済する内容の再生計画案を作成し、裁判所の認可を受けて返済を進めていく手続きです。
具体的には、借金の元本をおおむね5分の1程度まで減額できる可能性があり、再生計画どおりに返済を完了すれば、減額された分の借金については支払う必要がなくなります。
また、住宅ローンを抱えている場合でも、住宅ローン特則を利用することで、自宅を手放さずに借金を整理できる可能性がある点も大きなメリットです。
ただし、減額された借金を継続して返済していく必要があるため、一定の安定した収入があることが前提となります。そのため、無職の場合や収入が不安定な場合には、利用が難しいケースもあります。
| 対象 | 安定した収入がある個人 |
|---|---|
| メリット | 大幅な債務の減額が可能、住宅の維持が可能 |
| デメリット | 官報公告掲載、信用情報への登録(ブラックリスト)、手続きが複雑 |
4-3 自己破産
「自己破産」とは、税金など一部の債務を除き、借金の返済義務を法的に免除してもらう手続きです。
原則として借金の返済義務がなくなるという大きなメリットがあります。一方で、持ち家や車など一定以上の価値がある財産は処分の対象となる可能性があるため、失うリスクがある点には注意が必要です。
また、ギャンブルや浪費など、法律で定められた「免責不許可事由」に該当する行為がある場合には、免責が認められない可能性もあるため、事前に専門家へ相談することが大切です。
| 対象 | 収入や返済能力がない人 |
|---|---|
| メリット | 借金が全額免除される |
| デメリット | 財産の処分、官報公告掲載、一定職業制限(一時的)、信用情報への登録(ブラックリスト) |
まとめ
クレジットカードは便利な決済手段ですが、使い方を誤ると多重債務の原因になる可能性があります。中でも、リボ払いやキャッシングの多用、カードの作りすぎなどが重なると、借入額が膨らんでしまう可能性があります。
また、支払いが難しくなったまま放置していると、遅延損害金の発生やブラックリスト登録、引いては訴訟や差押えといったリスクに及ぶこともあります。
もし「自力での返済が難しい」と感じたら、早めに専門家に相談することが大切です。早期に相談することで、任意整理など比較的負担の少ない方法で解決できる可能性もあります。
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多重債務についてよくあるご質問
- クレジットカードは何枚程度持つのが良いでしょうか?
- 明確な決まりはありませんが、一般的には2〜3枚程度に抑えると管理しやすいといわれています。
カードが増えるほど利用限度額が増え、支払日がバラバラになり、利用額を把握しにくくなるといったリスクがあります。
- 多重債務になったらどの段階で司法書士・弁護士に相談すべきでしょうか?
- 次のような状況になった場合は、できるだけ早く相談することをおすすめします。
・リボ払いの残高が増え続けている
・借金の総額が把握できない
・支払いが生活費を圧迫している
・滞納が始まりそう
早めに相談することで、解決方法の選択肢が広がる可能性があります。









