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- 親にお金を借りるときの適切な伝え方
- 親にお金を借りるときに避けるべきこと
- 親にお金を借りると贈与税が発生する可能性とそのワケ
- 親に借りたお金が贈与と判断されないようにする方法
親にお金を借りることは、多くの人にとってデリケートな問題です。しかし、適切な方法で親にお金を借りれば、お互いに納得のいく結果を得られます。
今回の記事では、親にお金を借りる際の効果的な伝え方や、気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。また、親からの借入が贈与税にどのように影響するのかについても触れています。
加えて、贈与税のリスクを避けるための具体的な方法も見ていきましょう。親との関係を良好に保ちつつ、お金を借りるための参考にしてください。
目次 ▼
1章 親にお金を借りるときの伝え方
親にお金を借りるときの伝え方として、主に次の3項目がポイントとなります。
- お金を借りる理由を具体的に伝える
- 親にお金を借りられない場合のデメリットを詳しく伝える
- 返済計画を具体的に説明する
それぞれを詳しく見ていきましょう。
1-1 お金を借りる理由を具体的に伝える
親にお金を借りる際は、具体的な理由を伝えるのが重要です。たとえば、資格取得のための講座費用が必要である場合、「この資格の取得でキャリアアップにつながり、将来的に収入が増える」と説明します。
具体的な講座名や期間、費用を示す資料を用意すると説得力が増します。また、「資格取得後は専門性が高まり、良い仕事に就ける可能性が広がる」と前向きな姿勢を示しましょう。
急な冠婚葬祭のためにお金が必要な場合も、正直に事情を説明し、返済期限を明確にするのが大切です。交通違反の罰金を支払うために借りる場合、「罰金を支払わないと法的な問題になる」と正直に伝えます。
これらの具体的な説明を通じて、親に安心感を与え、納得してもらうことが重要です。
1-2 親にお金を借りられない場合のデメリットを詳しく伝える
親からお金を借りられない場合(交渉が失敗した場合)のデメリットを具体的に伝えれば、親の理解を得やすくなります。たとえば、資格取得のための講座を受けられないと、キャリアアップの機会を失う可能性があります。
また、急な冠婚葬祭の費用を賄えないと、友人や知人との関係に影響が出るかもしれません。交通違反の罰金を払えないと、法的な問題に発展するリスクがあります。
これらの状況は、将来的なさまざまな精神的負荷を増加させる可能性があるため、具体的に説明することが大切です。加えて、親からの借入を拒否されれば、ほかの高金利の借入手段に頼らざるを得なくなるリスクもあります。
これらのデメリットを具体的に説明し、親に納得してもらえるよう努めましょう。
1-3 返済計画を具体的に説明する
返済計画を具体的に説明すれば、親に対する信頼感を高められます。まず、借りる金額と返済開始時期を明確にしましょう。たとえば、「100万円を借り、毎月給料から2万円を振り込みで返済する」と具体的に伝えます。
また、「返済期間は4年2か月で、50回に分けて返済する」といった詳細な計画を示すのが重要です。加えて、「初任給が入ったらすぐに返済を始める」など、具体的な返済開始時期を明示するとよいでしょう。
無理のない堅実な返済計画を立てれば、親に安心感を与えられます。また、返済に充てる資金が確実にある事実を示すために、収入源や返済に充てる予定の資金を具体的に説明します。
それによって、親も返済してくれるだろうと安心でき、借入を承諾しやすくなります。
2章 親からお金を借りるときにしてはいけないこと
親からお金を借りる際に絶対にしてはいけないこととして、次の4項目が挙げられます。
- 借りることを当然だと思わない
- 借金の理由について嘘をつかない
- ギャンブルや投資目的でお金を借りない
- 借金の返済のためにお金を借りない
個別に詳しく見ていきましょう。
2-1 借りることを当然だと思わない
親からお金を借りるのを当然だと思うのは避けるべきです。親子の間柄とはいえ、借金はあくまで借金であり、返済の義務があります。
お金を借りる際には感謝の気持ちを忘れず、親に対する礼儀を欠かさないのが重要です。特に親に対して「当然貸してくれるだろう」という態度をとると、親との関係が悪化するリスクがあります。
また、親に精神的な負担をかけることにもつながります。親も必ずしも経済的な余裕があるわけではなく、老後の資金などが必要な場合もあるため、慎重な相談が求められます。
このように、貸してくれて当然だという態度は、家庭内の信頼関係を損なう可能性があるため、絶対に避けましょう。
2-2 借金の理由について嘘をつかない
親からお金を借りる際に、借金の理由について嘘をつくのは絶対に避けるべきです。嘘をつけば、一時的にお金を借りられたとしても、後に真実が明らかになったときに親子関係が破綻するリスクがあります。
嘘をついてお金を借り、その後の行動が親に疑念を抱かせる結果となり、信頼を失う可能性が高いです。
親は子供のためを思ってお金を貸すので、誠実に対応するのが何より大切です。正直に本当の理由を丁寧に伝え、計画的に返済する意志を示してこそ、親も安心して貸すことができるでしょう。
2-3 ギャンブルや投資目的でお金を借りない
親からお金を借りる目的がギャンブルや投資であれば、そもそも借りるべきではないでしょう。これらの目的はリスクが高く、失敗した場合に返済の見通しが立たなくなる可能性が大きいです。
親に対して、ギャンブルや投資のためにお金を借りたいと正直に伝えるケースは少ないでしょうが、万が一嘘をついて借りた場合、後にその事実が発覚したときの信頼の喪失は計り知れません。
また、親自身もそのような目的にお金を貸すことを良しとしない場合が多いです。
2-4 借金の返済のためにお金を借りない
既存の借金返済のために、親からお金を借りるのは避けるべきです。このような行為は、借金の連鎖を生むだけであり、最終的には自分も親もさらに困難な状況に陥る可能性が高まります。
親も子供のためにと考えて貸してくれるかもしれませんが、根本的な問題が解決されないかぎり、借金の問題は繰り返されるでしょう。そういう状況になったなら、まずは専門家に相談し、債務整理を検討するのが賢明です。
なぜなら、まとまったお金を親が肩代わりして払う場合、それは老後の蓄えが大幅に減少することを意味します。将来において、親に何かあった際の資金が乏しくなるわけです。
それならば、借金の総額、返済月額をともに負担軽減できる任意整理や個人再生を行った方がベターです。
親の視点からいえば、借金を親が肩代わりすると子供は味をしめてしまいます。しかも、完済できたのでクレジットスコアが上がるので、限度枠が増え、金融業者も新たな借入の営業アプローチをかけるでしょう。
その結果、一度味を占めた子供はまた同じことを繰り返しがちです。しかし親の資産は有限なので、いつまでも続きません。
そうなるとそれまでの援助は水の泡で、しかも通常の債務整理ではなく、もっともきつい自己破産が必要になるかもしれません。そうなる前に、任意整理か個人再生で、強制的に新たな借入をできなくする方がはるかに賢明です。
債務整理を依頼すれば専門家が代理人となり、債権者からの督促を止められます。債務整理の主な種類ごとの特徴やメリット、デメリットについては、以下の表にわかりやすくまとめてあります。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
特徴 | 裁判所を通さずに、債権者と直接交渉して借金の減額や返済計画の見直しを行う方法 | 裁判所に申立てを行い、借金の減額と返済計画の認可を得る方法 | 裁判所に申立てを行い、全ての借金を免除してもらう方法 |
メリット | ・手続が比較的簡単で費用が安い ・裁判所への申立て記録が残らない ・家族や勤務先に知られない | ・借金を大幅に減額できる ・ローン支払中の住宅や車などの財産を守れる ・将来、再び借金問題に陥る可能性が低い | ・借金が全て免除される ・新しい生活をスタートできる |
デメリット | ・減額できる金額は債権者との交渉次第 ・将来、再び借金問題に陥る可能性がある | ・裁判所への申立て記録が残る | ・裁判所への申立て記録が残る ・官報に掲載される ・一定期間、クレジットカードやローンを利用できない ・一定期間、就業制限を受ける |
適したケース | ・債務額が大きくなく、将来的に返済できる見込みがある場合 ↓ 借金をなくせる任意整理とは?メリット・デメリットや向いている人 | ・一定収入はあるが債務額が大きく、任意整理では難しい場合 ↓ 小規模個人再生とは|給与所得者再生との違いやメリット・デメリット | ・債務額が非常に大きく、他の方法では返済が難しい場合 ↓ 自己破産とは?メリット・デメリットや手続きの流れを徹底解説 |
以下の返済シミュレーションツール【バーチャル債務整理】を使えば、借金問題の解決のために債務整理を行った場合に、借金がどれくらい減るのかの目安がわかります。
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3章 【注意】親からお金を借りると贈与税が発生する場合がある
親からお金を借りる場合、贈与税が発生する可能性があります。たとえば、きちんとした借用書がない場合、借金の返済が証明できず贈与とみなされるケースです。
また、親が子供の借金を肩代わりした場合も同様に贈与税が発生する可能性があります。加えて、無利息でお金を貸した場合、利子相当分が贈与とみなされるケースもありえるでしょう。
これらのケースでは、税務署からの指摘を受けるリスクがあります。親子間の金銭の貸し借りであっても、適切な書類を整備し、妥当な利息の設定が重要です。
特に、大きな金額を借りる場合には、税務署からの確認を受ける可能性が高くなります。そのため、親子間の金銭貸借については慎重な対応が求められます。
また、贈与税の課税基準や控除額についても理解しておくことが重要です。たとえば、年間110万円を超える贈与については課税対象となります。このような知識を持っておけば、後々のトラブルを避けられます。
以下に、親からお金を借りても贈与税がかからない、主なケースをまとめておきましょう。
3-1 親からお金を借りても贈与税がかからないケース
・借用書を作成しているケース
親からお金を借りる際に、返済期日や利息を明記した借用書を作成している場合、借金と認められ贈与税は発生しません。借用書は法的な証拠となり、税務署に対しても有効です。
・利息を設定しているケース
無利息でお金を借りると、その利息相当分が贈与とみなされる場合があります。適切な利息を設定して返済すれば、贈与税の対象外となります。
・返済を口座振り込みで行うケース
現金でのやり取りではなく、銀行口座を通じて返済を行えば、金銭の流れが明確になり、贈与ではなく借金とみなされます。
・借入額が110万円以下のケース
年間110万円以下の借入であれば、かりに贈与とみなされても贈与税の基礎控除内であり、課税対象にはなりません。
4章 親からお金を借りるときに贈与と判断されないようにする方法
親からお金を借りるときに贈与と判断されないようにする主な方法として、次の3項目が挙げられます。
- 借用書を作成しておく
- 利息を設定しておく
- 返済は口座振り込みで行う
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
4-1 借用書を作成しておく
親からお金を借りる際には、借用書を作成しておくのが重要です。借用書には、借入金額、利息、返済期限などの詳細を明記します。
それによって、税務署に対しても借金であるとの証明が可能です。特に高額の借入の場合、借用書の有無は贈与税の課税判断に大きな影響を与えます。
親子間であっても、口約束だけでは税務上のトラブルが発生する可能性があります。借用書を作成すれば、借金であることを明確にし、贈与とみなされるリスクを避けられるでしょう。
また、借用書には双方の署名をしっかりと行い、必要に応じて第三者の証人を立てるのも有効です。こうした手続は、親子間の信頼関係を保ちつつ、税務リスクを回避する手段として役立つでしょう。
4-2 利息を設定しておく
親からお金を借りる際には、適切な利息を設定しておくのも重要です。無利息での貸し借りは、その利息相当分が贈与とみなされる場合があります。
適切な利息を設定し、利息の支払いを行えば、借金である事実を明確にできます。利息を設定することにより、親子間の貸し借りが市場のルールにもとづいて行われていることを示せます。
それによって、税務署からの指摘を受けるリスクの軽減が可能です。また、利息の設定は借用書に明記し、定期的に利息の支払いを記録として残すことが大切です。
親からの借入であっても、通常の金融取引と同様に取り扱えば、贈与税の課税対象外にすることができます。
4-3 返済は口座振り込みで行う
親からお金を借りた場合の返済は、必ず口座振り込みで行うようにしましょう。現金手渡しでは証拠が残りにくく、税務署に対して借金の返済を証明できない場合があります。
銀行口座の利用で、返済の記録が明確に残り、税務上のトラブルを避けられます。特に大きな金額の返済については、銀行振り込みが必須です。
振込明細は、借金の返済の証拠として非常に重要です。また、定期的な返済計画にもとづいて、返済スケジュールを遵守しましょう。
それによって、借金としての性質を明確にし、贈与とみなされるリスクを回避できます。親からの借入であっても、ビジネスライクに対応すれば、税務署からの信頼を得られるでしょう。
まとめ
親からお金を借りる際には、具体的な理由を明確に伝え、返済計画をしっかりと説明することが重要です。また、借りることを当然と思わず、感謝の気持ちを持って親に接する姿勢が大切です。
嘘をつかず、正直に状況を伝えれば、親との信頼関係を保ちながら必要なお金を借りられます。
また、親からお金を借りる際には贈与税のリスクも考慮する必要があります。きちんとした借用書を作成し、利息の設定により、贈与税の対象とならないようにしましょう。
返済は口座振り込みで行い、証拠を残すのも重要です。これらのポイントを押さえれば、親からの借入が贈与とみなされるリスクを避け、税務上のトラブルを回避できます。
なお、借金の返済のために親からお金を借りるのは、あらゆる観点から最悪の選択です。そのような状況に陥っているなら、新たな借入をせず、すみやかに債務整理を行い、借金総額と返済の負担を減らし、生活を再建するのがベストです。
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