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私はこれまで司法書士として、住宅ローンが払えなくなってしまった人の相談やサポートを行ってきました。
今回は、私の経験の中でも特に印象に残っている事例を紹介します。
目次 ▼
相談者との出会い
ある日、30代の女性が「住宅ローンに関する相談をしたい」と事務所に訪れました。
田中さん(仮名)は、共働きで数年前に住宅を購入したものの夫の失業により収入が減り、住宅ローンの支払いが難しいとの状況でした。
問題の分析
田中さんの相談をうけ、直近の家計状況を分析したところ、確かに家計に余裕はありませんでした。
ただ相談時点では田中さんのご主人の再就職先が決まりそうとのことで、家計状況が改善される可能性もありました。
一方で、田中さんは妊娠や出産を希望しており、田中さん本人の収入状況も予測しにくい状況でした。
加えて家計状況の分析によりわかったことですが、住宅ローンの返済が難しくなっただけでなく、クレジットカードの分割払いやリボ払いの利用が増え、今後は住宅ローン以外の返済も難しくなる恐れがありました。
個人再生の提案
私は田中さんに住宅ローン特例付き個人再生を行えば、住宅を手元に残しつつ他の借金を大幅に減額できると説明をしました。
同時に、今後数年間はクレジットカードの利用や新たな借り入れを行えないため、家計改善をしなければならないと説明をしました。
解決への道
田中さんも提案内容を受け入れてくれたので、個人再生のサポートを行いました。
手続きは複雑であり、家計改善をするために田中さんやご主人の個人的な部分まで踏み込み、今後の生活のアドバイスをさせていただきました。
相談者の反応
個人再生の手続きが完了したとき、田中さんご夫婦は希望に満ち溢れた表情をしており「この人たちなら大丈夫だろう」と私まで嬉しくなりました。
実際、手続きが完了してからご主人の再就職も無事決まり、家計に余裕が生まれたと報告をいただきました。
まとめ
この経験を通じて、司法書士として借金問題の相談に応じるときには、様々な事情を考慮して相談者様にベストな提案をすることが重要だと感じました。
お金に関する相談は、個人の事情や価値観も大きく影響してくることが多く、相談者様の気持ちや希望に寄り添いつつ、必要なアドバイスを行う大切さを実感しました。
よくあるご質問
- 住宅ローンが払えないときはどうすればいいですか?
- 住宅ローンを払えないときの対処法は、下記の通りです。
・融資を受けている金融機関に相談する
・団体信用生命保険の対象範囲内ではないか調べる
・民間の保険の適用範囲内ではないか調べる
・生活を見直し支出を抑える
・住宅ローンの借り換えを検討する
・新型コロナによる収入減少の場合は金融機関の専門窓口へ相談する
・リバースモーゲージの活用を検討する
・リースバックの活用を検討する
・個人再生を利用する・専門家に相談する