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急な出費が続いて今月はお金が足りないかも……という状況は誰にも起こり得ることです。しかし、このような突発的状況以外にも、「毎月給料日前になるとお金が足りなくなる」もしくは「いつもお金がない」と感じている人もいるかもしれません。
今回は、お金が足りない時の具体的な対策やお金を借りる際に注意したいことを解説します。
ただし、慢性的にお金が足りない時は、一時的にお金を作ってもまたすぐにお金がないと感じる生活に戻ってしまいます。そのような場合には、一時的な対策ではなく、急な出費に対応できる余力を持つために、お金が足りない原因を特定して長期的な対策を検討しましょう。
- 一時的にお金が足りないときの具体的な対策
- 借入する場合の注意点
- 長期的にお金が足りないときの具体的な対策
目次 ▼
1章 お金が足りないと気づいたらするべきこと
お金が足りないと気づいたとき、どうやって工面しようかと焦りを感じることが少なくないでしょう。しかし、まずは冷静に現状を把握して、お金が足りない原因を特定しましょう。
手元に今あるお金、支払う予定のお金、次の入金予定など、現在の収支の状況をざっくりで良いので書き出してみます。いつまでにどれだけ必要なのかがわかれば、対策が立てやすくなります。
友人・知人へのお祝いや家族の急な病気などでお金に困るという場合は、一時的な対策を行うことでなんとかなるでしょう。
一方、毎月生活費が足りなくなるような状況の場合には、根本的な家計の見直しが必要かもしれません。収入から支出を差し引いた金額がマイナスになる、もしくはほぼ同額というような状況であれば、一時的な対策でお金が足りない状況をしのいでも、すぐまたお金が足りない状況になるのは確実です。
2章 お金が足りない時の対策
お金が足りない時の対策として、一時的に身近でお金を得る方法を紹介します。支払いが近日中に迫っているという場合や、一時的に現金が必要な場合には、このような対策でお金を得ることが考えられます。
2-1 不用品を売ってお金に換える
お金が足りないとき、すぐに行うことができる方法です。自宅にある不用品を、リサイクルショップやフリマアプリで売ってお金に換えます。
リサイクルショップに持ち込む方法は即金性がありますが、その分売却金額が安くなる傾向にあります。高価値なものや希少性のあるものは、専門のリサイクルショップに持ち込むと価値に見合った評価をしてもらいやすくなるでしょう。
メルカリなどのフリマアプリで不用品を売る方法は、リサイクルショップに持ち込むより高額で売却できる可能性が高くなります。ただし、会員登録や出品、売れた物の発送など手数と日数がかかります。即金性の点では、リサイクルショップより劣るでしょう。
2-2 単発の副業やバイトで収入を得る
最近では、単発の副業やアルバイトの求人が増えています。中でも「即日払い」のアルバイトであれば、その日にお金を受け取れます。
給与の支払われ方については、求人情報を見たり面接時に質問したりして、いつどのように支払われるのか事前に確認しましょう。
2-3 勤務先の従業員貸付制度を利用する
従業員貸付制度とは、勤務先の会社から従業員がお金を借りられる制度です。社内貸付制度とも呼ばれており、従業員への福利厚生の一環として導入されています。
ただし、残念ながらすべての会社がこの制度を導入しているとは限りません。従業員貸付制度を導入していない会社もあるため、自身の勤務先で実施しているかどうか確認してみましょう。
2-4 生命保険の契約者貸付制度でお金を借りる
生命保険の契約者貸付制度とは、自身が加入している保険に解約返戻金がある場合に、一定の範囲内でお金を借りることができる制度です。自身がこれまで支払ってきた保険の掛け金の中から借りることになるため、審査が不要で手続きをするだけでお金を借りることができます。
ただし、この制度は比較的貯蓄性の高いタイプの商品に付帯されていることが多く、掛け捨てタイプの保険には見られません。
2-5 公的融資制度を利用する
条件を満たすと国からお金を借りることができる個人向け公的融資制度には、たくさんの種類があります。多く利用されているのは、生活福祉資金貸付制度です。生活福祉資金貸付制度は、利用の目的などによって種類が分かれており、中でもよく利用されるのが下記の融資制度です。
- 福祉資金(緊急小口資金)
福祉資金の中の緊急小口資金は、生活維持が困難で一時的かつ早急に支援の必要な人が融資の対象です。具体的には、休業等により一時的に支援が必要な人などです。最大10万円までの少額融資ですが、他の公的融資制度に比べて融資スピードが早いのが特徴です。
- 総合支援資金(生活支援費・住宅入居費・一時生活再建費)
総合支援資金は3つの種類に分かれており、主に失業などにより継続的に支援が必要な人のための制度です。生活支援費は、生活再建に継続的な支援が必要な人を、住宅入居費は、賃貸契約の締結にかかる敷金や礼金が必要な人を、一時生活再建費は、生活再建に一時的に支援が必要な人をそれぞれ融資の対象としています。
上記以外にも、教育支援資金や不動産担保型生活資金などがあります。利用を検討する際には、お住まいの市町村社会福祉協議会に相談してみると良いでしょう。
2-6 カードローンやキャッシングでお金を借りる
カードローンとは、銀行や消費者金融などが提供している個人向け融資のことを指し、ローン専用のカードを使って借入や返済を行います。 一方、キャッシングとは、クレジットカード会社が提供しているサービスで、クレジットカードに付帯しているキャッシング機能を使って借入や返済を行うことをいいます。
一般的に、カードローンはキャッシングよりも金利が低い傾向にあります。
ただし、カードローンの申し込みは、申込書に借入希望額を記入し、金融機関の審査を受けなければなりません。その点、クレジットカードはすでに手元にある人が多く、その気軽さもあって金利が高めでもキャッシングを利用する人は少なくありません。
カードローンとキャッシングはどちらも便利なサービスですが、使うときには慎重になるべきです。次の章で、カードローンとキャッシングを利用する場合の注意点を解説しますので、借り入れする場合の参考にしてください。
3章 カードローン・キャッシングでの注意点
カードローンの中には即日融資に対応しているものもあります。また、すでに手元にあるクレジットカードのキャッシング枠を利用すれば、手軽に借り入れをすることができます。しかし、カードローンやキャッシングの利用にあたっては次の点に注意しましょう。
3-1 あらかじめ返済の見通しを立てておく
当然のことですが、借り入れをすれば返済時には借りた元本に利息がプラスされます。借り入れする前に、毎月どのくらいの返済額になるか確認して、あらかじめ返済の見通しを立てておくことが大切です。
3-2 金利などの契約内容を確認する
お金を工面することに心が向き、金利など契約内容の確認をうっかりしていたということがないよう気をつけましょう。
また、カードローンの中には、借り入れ始めの一定期間を無利息にしている会社もあります。無利息と聞くと気軽に借り入れしたくなりますが、無利息の期間はカードローン会社によって異なります。自身が借りたカードローンが無利息である期間やそれ以降の金利などは、しっかり把握しておきましょう。
3-3 毎月の返済額を少なくしすぎない
カードローンやキャッシングの毎月の返済額を、少なめに設定している人は多いようです。返済で無理をして生活に余裕がなくなっては困りますが、少なすぎると毎月利息だけ支払って元本が減らないという事態になってしまいます。そのような状態ではいつまで経っても完済できず、ずっと返済を続けることになります。
3-4 キャッシング利用した分ショッピング枠が減る
クレジットカードは、キャッシング枠とショッピング枠を合わせた額が利用限度額になっています。そのため、キャッシング枠を使った分だけ、ショッピング枠の利用限度額が減ります。もちろん、その逆もいえますね。
公共料金などの引き落としにクレジットカードを使っている場合、お金が足りない時にキャッシングをしてその分ショッピング枠が減り、公共料金の支払いができないということがないよう注意が必要です。
3-5 ヤミ金・SNS金融など違法業者を使わない
ヤミ金とは、銀行や消費者金融のような金融機関とは異なり、貸金業としての登録をせずに違法に営業している業者のことをいいます。ヤミ金は、「審査不要」「ブラックOK」「即日借りられます」などの甘い言葉で勧誘してきますが、実際は法外な金利で貸付して脅迫や悪質な取り立て行為を行います。
また、現在ではSNSなどを使って、面識がない人とのお金の貸し借りを誘う書き込みが頻繁に見られます。このような行為は個人間融資と呼ばれ、罰則の対象になります。個人間融資では、個人になりすましたヤミ金業者の可能性もあり、個人情報が悪用されて犯罪被害やトラブルに巻き込まれる危険性もあるため、絶対に利用しないようにしましょう。
4章 長期的にお金が足りないときの対策
毎月給料が入っても支払いをすると少ししか残らない、いつもお金が足りないという場合には、一時的な対策で対処するのは難しいかもしれません。生活にかかる費用を一つ一つ見直し、抜本的な対策を考えることが必要です。
4-1 固定費を見直す
生活する上で固定費は必要なものだから、減らせないと思っていませんか。いつもお金が足りないということは、支出が収入を上回っているということです。対策として、固定費を見直すことは大変有効です。
4-1-1 家賃の安い住まいへ引っ越す
固定費の中で大きな割合を占めるのが、家賃です。生活の基盤となるため、家賃にお金がかかるのは仕方がないと考えがちですが、家賃を安くできれば、固定費を低く抑えることが可能になります。今より安い家賃で住みたいと思える物件がないかどうか、日頃から探す習慣をつけましょう。
ただし、引越しには新居のための費用や引越し代など、まとまった出費を伴います。その点を考慮して検討する必要があります。
4-1-2 光熱費を節約する
光熱費は、比較的節約しやすい固定費です。口座引き落としやクレジットカードで支払いをしていると、毎月の使用料金を目にする機会がない人も多いのではないでしょうか。同居する家族がいる場合は、健康を損ねない範囲での協力を家族にも求めてみましょう。
4-1-3 各種料金を見直す
毎月かかる固定費には、通信費や保険料、サブスクリプション(サブスク)の費用などもあります。サブスクとは、定額料金を支払うことで、一定の期間に商品やサービスを利用できる仕組みのことをいいます。例えば、映画やドラマが見放題の動画配信サービスや、音楽が聴き放題の音楽配信サービスなどがあります。
携帯電話やインターネットなどは、現在契約しているプランを見直したり、不要な保険やサブスクを変更・解約したりして、さまざまな料金の見直しをしてみましょう。
4-2 固定費以外についても見直す
固定費以外の生活費は、固定費よりさらに節約しやすいはずです。この機会を見直すチャンスと捉えて、できるだけ無駄を省きましょう。
4-2-1 外食・買食を減らして自炊する
料理が面倒と感じる人にとって、自炊はハードルが高いかも知れません。しかし、外食・買食を減らし自分で食事を作ることは、健康にも良い影響をもたらします。また、ついコンビニに寄って飲み物やお菓子などを買ってしまうという人も、コンビニに行かないよう自制することで無駄な出費を減らすことができます。
4-2-2 被服費・娯楽費を極力減らす
被服費や娯楽費は、最も節約しやすい費目です。これまで、欲しいと思った物はすぐ買っていたという人は、それが本当に必要なものか考え直す習慣をつけることで、衝動買いを減らすことができます。また、友人に誘われるままに飲みに行ったり、家族のいうままに遊びに出かけたりしていた人も、行く頻度や使うお金の上限を決めることで支出を減らすことができます。
4-2-3 今ある借金を減らす
お金が足りないとカードローンやキャッシングで借り入れをして、給料日にその分を返済するとお金が足りなくなるからまた借りるという悪循環に陥っていませんか。借りたものはその後必ず返済しなければなりません。今ある借金を減らす(新たな借り入れをしない)ことは重要です。
4-3 収入を増やす
お金が足りない時の対策は支出を減らすだけでなく、収入を増やすという方法もあります。もちろん簡単に行えるわけではありませんが、少しずつでも収入を増やすことは長期的な目線で考えた場合に有効です。
4-3-1 転職する
現在の仕事で今後の収入アップが見込みにくい場合は、より高い収入を得られる仕事に転職するのも1つの方法です。給与が現在とほとんど差がない場合でも、自身のスキルを活かせる仕事へ転職することで、将来的な収入アップを狙うことも可能になります。
転職には時間や労力がかかりますが、長い目で見た場合、生涯賃金が増える可能性が期待できます。
4-3-2 継続的にできる副業をする
最近では働き方改革の推進によって、副業を認める会社が増えています。とりわけ本業に関係のある副業の場合、本業でのスキルアップにもつながる可能性がありますね。
身近なところでは、飲食店やコンビニなどで空いた時間にアルバイトをしたり、パソコン操作ができる人は、クラウドソーシングサービスを利用して様々な仕事を受注できる可能性があります。まずは、空いた時間に少しずつ始めてみるのが良いでしょう。
4-3-3 家族にも働いてもらう
特に仕事をしていない家族がいる場合には、短時間のアルバイトなどを始めてもらうのも一つです。たとえば学生の子どもがいる場合、アルバイトで自分の小遣いを稼いでもらったり、収入の一部を家計に入れてもらったりするだけでも良いでしょう。家族皆で家計を支える意識を持つことで、無駄な出費を減らしたり、計画的なお金の使い方を考えたりする習慣をつけることができます。
5章 借り入れが増えて返済ができなくなったら
さまざまな対策をしても、借り入れが増えてしまい返済ができなくなったら、専門家の力を借りて解決することも考えてみましょう。
借金の悩みを解決する手段に、「債務整理」という方法があります。キャッシングの返済ができなくなってきた、住宅ローンの支払いが厳しいなどの状況を、債務整理で解決できる可能性があります。
中でも任意整理という方法は、司法書士などの専門家に依頼して、貸金業者やクレジットカード会社と交渉してもらい、借金を無理なく返済できるようにする手続きです。裁判所を通す必要がなく、債務整理の中でも最もたくさんの人が利用している手続きです。
6章 まとめ
お金が足りない時は焦ったり不安が大きくなったりしますが、まずは手元のお金や必要な金額を整理してみましょう。一時的にお金が足りない場合は、即日払いのアルバイトやカードでの借り入れなどで対処できるでしょう。一方、いつもお金が足りないと感じている場合は、長期的な対策が必要かも知れません。家計を見直して支出を減らしたり、転職や副業で収入アップを狙うなど対策を検討しましょう。
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