
いつかは訪れる親の死。そしてはじめての「遺産分割協議」
遺産分割協議とは、家族が亡くなった後、遺産の分け方を話し合うことです。
遺産分割協議では「誰が、どの財産を、どれくらい相続するか」を相続人全員で話し合って決める必要があります。
「遺産分割協議」という言葉を耳にしたことはあっても実際に行うとなると
- 何からはじめたらいいの?
- どこに注意しないといけないの?
- いつまでにしなきゃならないの?
など、わからないことが沢山あると思います。
本記事では、遺産分割協議の大原則のルールや注意点、手続き方法までしっかりと理解できるよう丁寧に説明させていただきます。
遺産分割協議は死後10ヶ月以内に終えることがベストです。
なぜなら、相続税が発生する場合、相続税の申告期限が死後10ヶ月以内となっており、期限内に遺産分割協議を済ませないと、減税の特例が受けられない等のデメリットがあるからです。
また、相続税が発生しない場合であっても、遺産分割協議を長期間放置すると以下のようなリスクが発生する可能性があります。
- さらなる相続が発生し、相続関係が複雑になる
- 一部の相続人が認知症になったり、病気になり遺産分割協議できなくなる
- 保険金や給付金など、本来相続できた財産が時効により請求できなくなる
いざという時、本記事が財産をスムーズに、そして円満に承継するための一助となれば幸いです。
目次
1章 遺産分割協議とは「遺産の分け方を話し合うこと」
遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合う協議のことをいい、「誰が、どの財産を、どれくらい相続するか」について具体的に話し合うことです。
相続人全員で協議を行う必要がありますが、全員が一ヶ所に集まって話し合う必要はなく、電話やメール、手紙などの方法により協議を進めることもできます。
「誰が、どの財産を、どれくらい相続するか」については、家庭事情、財産の種類や額をふまえ、次の4つの方法を組み合わせて、全員が納得できる遺産の分け方を決定することになります。
【現物分割】
相続財産を現物のまま分割する方法です。たとえば不動産は妻、預貯金は長男、株券は長女に分配するような方法です。手続きが比較的簡単というメリットがありますが、デメリットとして、取得する財産ごとの価格差が生じる可能性があります。
【換価分割】
不動産や株式などを売却して、その代金を相続人に分割する方法です。
平等もしくは柔軟に分配できるメリットはありますが、売却に時間がかかる場合があること、売却によって税金や手数料が発生し、手取り分が減る可能性があることには注意が必要です。
【代償分割】
相続分の以上の財産を取得する相続人が、ほかの相続人に代償金を支払う方法です。
妻が自宅3000万円を取得する代わりに、長男、長女に各750万円を渡す場合などです。
【共有分割】
遺産分割協議で決めた割合や法定相続分に応じた割合で財産を共有する方法です。
ただし、売却するにも全員の同意が必要になったり、後日に共有(3名)から単有(1名)にするには、多額の税金や費用がかかる可能性もあるので注意が必要です。
2章 遺産分割協議が必要なシーン
遺言書があるときは「誰が、どの財産を、どれくらい相続するか」が決められているため、遺産分割協議をおこなう必要はありません。
また、相続人間で意見が分かれている場合や話し合いができない場合など、円滑に協議をすすめることができない時は、遺産分割調停を家庭裁判所に申し立てることも検討しなければなりません。
遺産分割協議が必要になるかどうかの判断は次のフローチャートをご利用ください。
相続人全員で話し合いができない場合は、遺産分割協議をすすめることができないため、遺産分割調停を検討する必要があります。
遺産分割調停になると弁護士費用などがかかるほか、長期化すると解決まで数年かかることもあるため注意が必要です。
3章 遺産分割における大原則のルール
ここでは遺産分割における大原則のルールを説明させていただきます。
3-1 相続人全員で協議を行う必要がある
遺産分割協議は、相続人全員が参加する必要があります。相続人全員が参加していないと、遺産分割協議は「無効」となるため、必ず相続人全員で行いましょう。
遺産の分け方の変更など、協議のやり直しを行う場合も同様に、相続人全員の合意が必要になります。
不動産の名義変更や相続税の申告を行った後に協議のやり直しを行う場合、本来支払う必要のない税金や費用を負担しなければならない可能性があるため注意が必要です。
3-2 何も相続しなくても借金は平等に責任を負う
遺産分割協議において「不動産や預貯金など一切相続しないと決まった人」も、借金については相続分に応じた責任を負うことになるので注意が必要です。
借金がある場合や借金の疑いがあるにもかかわらず、何もプラスの財産を承継しない人は、遺産分割協議に参加しなくて済む「相続放棄」の手続きを行うことも検討しましょう。
なお、相続放棄の手続きは、相続発生から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し立てする方法で行う必要があります。
相続放棄について詳しくはこちら
3-3 「遺産分割協議書」の作成が必要
遺産の分け方が決まれば、次に遺産分割協議書を作成しなければなりません。
遺産分割は、財産の承継を決める重要な協議であるため、たとえ仲のよい家族であっても記録文書として遺産分割協議書を作成しておかないと、後日の相続トラブルに発展する可能性があります。
万が一、遺産分割協議書を作成しないうちに、さらなる相続が発生したり、認知症にかかる人が出てくると作成が困難になる可能性もあるので注意が必要です。
また、預金、不動産などの名義変更等の相続手続きや、相続税申告の手続きにおいても、遺産分割協議書は必要になるので、話し合いがつけば速やかに遺産分割協議書を作成しておきましょう。
3-4 遺産分割は名義変更・遺産の分配がゴール
遺産分割協議書を作成することが遺産分割のゴールではありません。預金の解約や不動産の名義変更などの遺産の分配を行ってはじめて遺産分割は終了します。
なかには、遺産分割協議書を作成したところで面倒になって、財産の名義変更や遺産の分配を保留または放置される方がいらっしゃいますが、いざ相続手続きを行う際に、協議書の不備が見つかるなどスムーズに手続きできない可能性もあるので、油断せずに最後まで遺産分割を完了させましょう。
4章 遺産分割協議を行う前に知っておきたい注意点
ここでは、遺産分割協議を行う前に知っておきたい注意点をいくつかご紹介させていただきます。
4-1 2次相続についても検討して協議を行うようにする
高齢の母(または父)が相続人になる場合は、将来起こりうる2次相続についても検討したうえで遺産分割協議を行う必要があります。
例えば、2次相続について深く検討せず高齢の父や母にひとまず全財産を取得させる内容で遺産分割協議した場合、次のような問題が生じる可能性があります。
【ケース①相続した財産について適切な管理や処分ができなくなる可能性がある】
高齢の母(または父)が認知症などの病気により判断能力が不十分になった場合は、せっかく相続した財産も適切かつ有効に管理処分できなくなる可能性があります。
認知症などにより判断能力が低下した場合、程度によっては契約行為などができなくなるため、家庭裁判所の監督のもと、成年後見制度の利用が必要になることもあるので注意が必要です。
【ケース②2次相続の際に相続税が高額になる可能性がある】
高齢の母(または父)がすでに多額の資産を所有している場合、さらに財産が増えることになるので、2次相続の際にかかる相続税が高額になる可能性があります。
すでに所有している資産の額やご年齢、今後取りうる節税対策など、総合的に検討したうえで、遺産分割内容を決定されることをオススメします。
【ケース③2次相続の際に相続人の構成が変わる可能性がある】
相続した高齢の母(または父)に母違いの子供(父違いの子供)がいる場合、2次相続では相続人の構成が変わる可能性があります。
ご自身で判断が難しい場合は、司法書士や弁護士など専門家の意見を聞いてみてもいいでしょう。
4-2 相続税が発生する可能性がある場合の注意点
2次相続についても検討したうえで、遺産分割協議を行う必要があることは先述しましたが、今回の相続について相続税が発生する場合も、遺産分割協議の内容について検討する必要があります。
相続税は「遺産総額ー基礎控除額」で計算した金額が1円以上あれば原則発生します。
基礎控除額は「3000万円+法定相続人の数✕600万円」で計算するため、仮に相続人が2名の場合は遺産総額が4200万円以内であれば相続税はかからず、相続税申告も必要ないということになります。
【基礎控除額】相続人数別一覧
相続人1名・・・3600万円
相続人2名・・・4200万円
相続人3名・・・4800万円
相続人4名・・・5400万円
基礎控除額を越える相続財産がある場合でも、「相続する人」「相続する財産」の内容よっては相続税の減税や特例制度を利用することで、相続税が課税されない(または減額できる)ことがあるので、減税や特例の制度をふまえて遺産分割協議の内容について検討する必要があるのです。
ただし、相続税を少なくすることだけを考えて、遺産分割協議をすすめると、後日のトラブルや結果として不利益になることもあるので注意が必要です。
例えば、次のような税務的なメリットのみ焦点をあてて、高齢の母に相続させたケースです。
4-3 相続人に認知症など判断能力が不十分な人がいる場合の注意点
認知症などにより、判断能力が不十分な人が参加した遺産分割協議は、無効と判断される可能性があるため注意が必要です。
判断能力(意思能力)の程度によっては、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらい、成年後見人が本人に代わって遺産分割協議を行う必要があります。
成年後見人とは?こちら
4-4 相続人に未成年者がいる場合の注意点
相続人に未成年者がいる場合は、親(両親がいれば2名とも)が代わりに遺産分割協議に参加することになります。
しかし、親自身も未成年者と同様に相続人である場合、立場的に利益が相反する関係となるため、未成年者の代わりに遺産分割協議に参加することは法律上禁止されています。
このようなケースでは、利益相反する親の代わりとなる「特別代理人」を家庭裁判所で選任してもらい、選任された特別代理人が未成年者の代わりに遺産分割協議を行います。
なお、利益相反関係となる未成年者(子供)が複数名いれば、それぞれ別の「特別代理人」を選任してもらう必要があります。
4-5 相続人間の信頼関係がない場合の注意点
相続人間に信頼関係がないと、様々な場面で不安に思ったり、心配しなければならないことになります。
例えば、本当は財産を隠しているのではないかなどと、疑心暗鬼になってしまうこともあるでしょう。
そのように相続人間の信頼関係がない場合は、中立的な立場の司法書士や弁護士を立てて、相続財産の承継をサポートしてもらい、分配まで行ってもらう方法もあるので検討してみましょう。
5章 遺産分割協議のスムーズな進め方
本章では、遺産分割協議のスムーズな進め方について、説明したいと思います。
まずは全体の流れを確認してみましょう。
STEP①相続人を特定にしよう
相続人全員が参加していない遺産分割協議は無効になってしまうので、はじめに相続人をしっかりと特定することが非常に大切です。
具体的な特定方法としては、戸籍謄本を取り寄せて確認することになりますが、なかにはご自身達が考えている以外の相続人が判明することもあります。
どのみち戸籍謄本は預金や不動産等の相続手続きに必要な書類でもあるので、他に相続人がいる心配がなかっても、まずは戸籍謄本を取得しましょう。
相続人を特定する際の3つのポイントは次のとおりです。
ポイント①・・・相続の優先順位を確認しよう
相続の優先順位は以下のとおりです。
相続順位や相続割合について詳しく知りたい方はこちらの記事へ
ポイント②・・・死亡から遡って出生までの戸籍謄本を取得しよう
亡くなった家族の死亡時点の戸籍謄本から、出生した時点の戸籍謄本まで、遡って取得していくことになります。
戸籍謄本は、出生から死亡までの間に法改正や結婚、転籍などがあるため、一人あたり3~6通程度あることになります。また、相続の権利があることを証明するため、相続人となる人の現在の戸籍謄本も必要となります。
ポイント③・・・戸籍謄本の見方や読み取る部分を知っておこう
戸籍謄本から情報を読み取って、従前の戸籍(本籍地)はどこにあったのか、そして誰が相続人となるのかを判断する必要があります。
戸籍謄本は基本的に親と子で構成されており、本籍地や氏名、生年月日、身分事項(出生、死亡、婚姻、養子縁組など)が記録されています。
戸籍謄本の読み取るポイントは次のとおりです。
戸籍の取得方法は次のとおりです。
戸籍の取得方法 | |
取得する理由 | 相続が発生したことや相続関係を証明するため |
取得できる窓口 | 本籍がある(あった)市区町村役場 ※郵送可 |
取得できる人 | 本人・配偶者・直系血族・代理人 |
手数料の目安 | 戸籍謄本・・・・・・・・・・・1通 450円 除籍謄本、改製原戸籍謄本・・・1通 750円 |
必要なもの | 申請書(窓口または役場HPからダウンロード) 本人確認書類・代理の場合は委任状・郵送の場合は定額など |
STEP②相続財産を調査しよう
遺産分割協議を行うにあたって、相続財産の全容を明らかにする必要があります。
なぜなら相続財産が明確になっていなければ、遺産分割協議をやり直すことになったり、相続人間の疑心暗鬼を生み、後日の相続トラブルに発展する可能性もあるからです。
相続財産には次のとおり「プラス財産」と「マイナス財産」があります。
プラスの相続財産 | ||
現物財産(現金・預貯金など) | 不動産(土地・家屋など) | 不動産上の権利(借地権など) |
動産(自動車・貴金属など) | 有価証券(株式・国債・会員権など) | その他債権(売掛金・貸付金など) |
知的財産権(著作権など) | 生命保険金(故人が受取人のもの) | 他のプラス財産(電話加入権・故人が経営していた会社の株式など) |
マイナスの相続財産 | ||
負債(借金・ローンなど) | 保証債務(連帯保証など) | 損害賠償債務(不法行為など) |
公租公課(未納の税金など) | 買掛金(営業上の未払代金など) | 未払債務(医療費・施設利用費など) |
なお、以下の財産については法律上相続財産とはみなされません。
相続財産とみなされないもの | ||
祭祀財産(墓地・仏壇・遺骨など) | 香典・葬儀費用・埋葬料 | 生命保険金(故人以外が受取人のもの) |
相続財産の種類が明確になれば、次に財産の資料や手がかりとなるものを探します。
まずは故人の自宅を中心に金庫や引き出し、棚、仏壇など、大事なものを保管していそうな場所を重点的に探します。銀行で貸金庫の契約をしている場合は貸金庫内に大切な資料が残っている可能性が高いです。
相続財産の手がかりとなるものは次のような資料です。
【相続財産の資料や手がかりとなるもの】
・預金通帳、キャッシュカード、銀行、証券会社等からの郵便物
・不動産の権利証、登記簿謄本、売買契約書、納税通知書
・借用書、請求書、確定申告書の控え
STEP③相続人全員で話し合おう
相続人が特定され、相続財産が明確になれば、次に「誰が」「どの財産を」「どれくらい相続」するかについて話し合いましょう。
相続人全員で協議を行う必要がありますが、全員が一ヶ所に集まる必要はなく、電話やメール、手紙などの方法により話し合いを進めることもできます。
遺産分割協議を円滑に行うためのポイントは「相続財産の詳細を全て開示すること」です。
相続財産の詳細をあやふやにすると疑心暗鬼となり、相続トラブルに発展する可能性が少なくありません。不動産の価値、預貯金の残高など、証拠資料も開示して話し合いをすすめましょう。
STEP④遺産分割協議書を作成しよう
話し合いがまとまれば遺産分割協議書を作成し、相続人全員が実印を押して印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書には、後日のトラブル防止や名義変更などの手続きを円滑に行うため「誰が、どの財産を、それくらい相続するか」を明確に記載しておく必要があります。
遺産分割協議書のイメージと書き方は次のとおりです。
遺産分割協議書の作成方法を詳しく知りたい方はこちらの記事へ
6章 遺産分割協議で悩んだら最適な専門家へ相談しよう
遺産分割協議について、悩みや不安がある場合は専門家に相談することをおすすめします。
相談先となる専門家は主に「司法書士、税理士、弁護士、行政書士」となりますが、それぞれの専門家には「得意分野」と「依頼できる範囲」が決まっているため、「相続の内容や状況」と「悩みや不安の種類」によって、あなたに合った専門家を選択する必要があります。
また、「相続」は専門性が高いため、資格があっても「相続」に精通しているとは限らないので、注意が必要です。(例えば、弁護士と言っても、離婚や交通事故を専門にしていたり、税理士でも法人顧問を主に取り扱っている事務所も少なくありません。)
こちらの記事も合わせてご覧ください。
【最適な相談先の選び方】
- ご自身の悩みや不安を解消するのに適した専門家を選ぶ
- 専門家のうち「相続」に力を入れている事務所を探す
6-1 相続に関わる専門家の得意分野と業務範囲
相続に関わる主な専門家は「司法書士、税理士、弁護士、行政書士」となりますが、得意分野や業務範囲は異なるため、はじめに各専門家の業務範囲を確認しましょう。
専門家に依頼したい項目 | 相続手続きに関わる専門家 | ||||
司法書士 | 税理士 | 弁護士 | 行政書士 | ||
① | 相続人の調査(戸籍収集) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
② | 相続財産の調査 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
③ | 遺産分割協議書の作成 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
④ | 相続手続き全般の委任 | ◯ |
| ◯ |
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⑤ | 相続不動産の名義変更 | ◯ |
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⑥ | 遺言の検認手続 | ◯ |
| ◯ |
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⑦ | 特別代理人の選任申立て | ◯ |
| ◯ |
|
⑧ | 相続放棄の申立て | ◯ |
| ◯ |
|
⑨ | 遺産調停の申立て | ◯ |
| ◯ |
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⑩ | 所得税の準確定申告手続き |
| ◯ |
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⑪ | 相続税の申告手続き |
| ◯ |
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⑫ | 遺産相続紛争の代理交渉 |
|
| ◯ |
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上記の表を確認いただけばわかるように、専門家によって依頼できる業務の範囲は異なります。
それぞれの専門分野を考えると大まかな判断基準としては次のとおりとなります。
- 遺産相続争いがある場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・弁護士
- 遺産相続争いがない場合、相続財産に不動産がある場合・・・司法書士
- 相続税申告が必要な場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・税理士
- 一部の書類作成のみ依頼したい場合・・・・・・・・・・・・行政書士
次にそれぞれの専門家の特徴などを詳しく見てみましょう。
6-2 相続手続きについての悩みは司法書士へ相談するのがベスト
司法書士は遺産分割協議書の作成から相続手続き、不動産の名義変更、家庭裁判所での手続きなど、相続に関して幅広く対応することができます。
特に遺産争いになっておらず、相続財産に不動産が含まれる場合は、ベストな相談先と言えるでしょう。
6-3 相続税についての悩みは税理士へ相談するのがベスト
相続税については税金の専門家である税理士へ相談するのがベストです。
相続税については、様々な控除や特例の制度があるので、相続税に詳しい税理士に相談することをおすすめします。
国税庁の調査によると、相続税が課税される割合は全体の8.1%となっているようです。(国税庁:平成28年度の相続税申告状況)
6-4 紛争・トラブル・没交渉になったときは弁護士へ相談するのがベスト
相続人間でトラブルや没交渉になっている場合の相談先は弁護士がベストです。
遺産争いが起こっている場合は、弁護士に代理人になってもらい、遺産分割交渉や調停を検討する必要があります。調停や審判に発展することも想定して、事前に弁護士に相談しておくようにしましょう。
6-5 遺産分割協議書の作成の悩みは行政書士へ相談するのがベスト
遺産分割協議書の作成についてのお悩みがあるときは、行政書士に相談するのがベストです。
遺産分割協議書の作成のみ依頼することもできるので、費用をできるだけ安く抑えたいときはベストな相談先と言えるでしょう。
なお、家庭裁判所の手続きや不動産の名義変更、相続税申告についても合わせて相談したいときは、ワンストップで司法書士もしくは税理士に相談するほうが良いでしょう。
まとめ
ここまでお読みいただいて遺産分割協議の手続き方法や注意点など、ご理解いただけたでしょうか。
遺産分割協議は上手に進めないと、次のような問題が発生する可能性があります。
- 相続トラブルに発展する
- のちに分配方法を後悔する
- 無駄な税金を払うことになる
大切な家族が残してくれた財産をスムーズに、そして円満に承継するため、本記事を参考にしていただき、必要な部分は司法書士や税理士などの専門家の力を借りて上手に遺産分割協議をすすめてください。