「相続登記の方法をネットで調べて、自分でやってみよう」
実は、相続を経験された人の約半分は、最初はそう考えています。
確かに、下記の基準を満たすように時間と手間をかけて1つずつ着実に行えば自分で相続登記ができるケースがあります。
しかし、相続登記はただ書類を書いて、手続きを完了させればいいものではありません。
「トラブルにならないか」「手元に残る資金を最大化できるか」など、さまざまな視点を踏まえて進めないと、下記のようなトラブルに発展する可能性があります。
【相続登記を自分で進めたときに起こり得るトラブル】
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実際に相続登記を始めて、自分で手続きを完了できた人は17.3%しかいないのです。
出典:ベンナビ相続「家や土地を相続したら「相続登記」が義務に!相続経験ない方の約80%が「知らない」」
相続登記を自分で進めるにしても「本当にこのまま進めていいのか」「自分にとって不利にならないのか」などを専門家に相談しながら進めることが大切です。
そこで本記事では、相続登記を自分で進められるかどうかの基準や自分で進めるステップなどをまとめて解説しています。
本当に自分で進められるのか判断するためにも、まずはこの記事を読んでみてください。
目次
1章 相続登記は自分でやるとお得?費用と期間の目安
相続登記を自分でやると、下記のような費用と時間がかかります。
| 自分で相続登記をするときの費用・期間 | 目安 |
| 相続した不動産の調査費用 固定資産税評価額や抵当権の有無、不動産の情報などを確認する費用 | 約2,000~3,000円 |
| 相続登記に必要な書類を集める費用 被相続人、相続人の戸籍や印鑑証明書などを集める費用 | 約1~3万円 |
| 登録免許税 不動産の登記などをするときに国に納める税金 | 課税標準額×0.4% |
| 相続登記にかかる期間 自分で相続登記をするときの時間の目安 | 3ヶ月〜※ |
※1か月程度で完了できる方もいます。
相続登記を自分で行って節約できるのは、司法書士の報酬となる10数万円~です。調査や書類収集の費用や登録免許税は誰が行ってもかかる費用なので、節約できません。
また、自分で相続登記をすると、体感、引っ越し手続きの10倍以上の時間と負担がかかります。
実際にグリーングループで相続を本業としていないデザイン担当の社員が、空き時間を使って相続手続きを進めてみたところ、完了するまでに8ヶ月もの時間がかかりました。
専門家に相談できる環境であっても膨大な時間がかかるので、初めて相続登記をするとなるとそれ以上の時間を要すると考えられるでしょう。
▼相続登記を自分でするのか、司法書士に頼むのか悩んでいる場合は、下記の記事で徹底比較しています。ぜひ参考にしてみてください。
2章 相続登記を自分でやるのはかなり難しい!3つの判断基準
「とりあえず自分で相続登記をしてみたい」と思う場合は、下記の3つの判断基準を満たせるかチェックしてみましょう。時間と労力をかけることができて複雑な状況でなければ、自分で相続登記をすることは可能です。
| 相続登記を自分でするときの3つの判断基準 |
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相続登記を無理に進めても「やっぱりできなかった」「想定以上の税負担がかかった」など思う通りに進まずに、周りから責められる嫌な思いはしたくないものです。
だからこそ、本当に自分で進められるのか判断をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
2-1 相続人が1人のみ・不動産が明確で手続きが複雑でない場合
相続人があなた1人のみで、相続する不動産が明らかになっており手続きが複雑でない場合は、自分でも相続登記を進められる可能性があります。
下記のように、相続登記で負担となる作業や、判断が難しい作業を減らすことができるためです。
| 相続人が1人のみの特徴 | 概要 |
| 相続する不動産を調べる必要がない |
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| 遺産分割協議が不要になる |
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| 相続人の間でトラブルにならない |
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例えば、父が亡くなり母がすでに他界しており、子供1人しか法定相続人がいない場合は、比較的簡単に取り組めます。
一方で、法定相続人が複数名いる場合や、相続する不動産の全容が分からない場合は、要注意です。
例えば、複数の相続人で遺産分割協議を行う場合は、誰が不動産を取得するのかを話し合い、相続人全員が合意したうえで遺産分割協議書を作成しなければなりません。
このようなケースでは、必要書類が一気に増えるため、平日に役所・法務局に何度も足を運んで書類を集めるところからスタートしなければなりません。
また、法定相続人が遠方に住んでいる場合や連絡が取れない場合でも、あなたが何とかして連絡を取り、期日までに手続きを進めなければならなくなります。
2-2 平日に役所や法務局を何往復でもできる時間と気力がある場合
相続登記は、書類を書いて提出すれば終わるものではありません。下記のような場面で、役所や法務局を何往復もしなければならず、これが自力で進めるときの大きな壁になります。
【相続登記で役所や法務局を往復しなければならない場面】
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例えば、相続する不動産の情報や亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を途切れることなく集めるだけでも、対象となる複数の役所に足を運ばなければなりません。
役所は平日の限られた時間しか開庁していないので、その時間内に出向いて必要な作業ができる時間のゆとりが必要です。
また、自力で進めるときに最寄りの役所などの相談を利用することもできますが、1回15~30分程度に限定されています。質問できることは1〜2個と限られているので、疑問を解決しようとすると何度も予約して指定した時間に出向く必要があるのです。
役所によっては相続相談に力を入れていない場合や書類作成のサポートができない場合もあり、疑問を解決するために複数の機関を回ることも考えられるでしょう。
このように、平日の限られた時間内に複数の役所、法務局を継続的に回ってでも、自力で相続登記を進める時間的なゆとり、気力があるのなら自分で取り組むことが検討できます。
2-3 相続登記でミスをして損失が出ても問題ない財力がある場合
相続登記はちょっとしたミスで、税負担が数百~数千万円単位で大きくなるリスクがあります。
とくに自力で進めると下記のようなミスがあり、本来なら支払わずに済んだ税金を納めることになります。
【自力で相続登記をするときによくあるミス】
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例えば、下記のように何となく取った行動が贈与とみなされて、高額な贈与税の支払いにつながる可能性があるのです。
【不動産の相続で贈与税が発生してしまう例】 不動産を特定の1人に単独で相続させる代わりに、その人が自身の現金から他の相続人にお金を支払って不公平をなくそうとしました。 しかし、遺産分割協議書に「代償分割として現金を支払う」という法的な要件を正しく記載することを知りませんでした。 そのため、税務署からは遺産分割とは無関係の単なる個人間の贈与だとみなされ、高額な贈与税が発生してしまいました。 |
「このようなリスクは申請するときに法務局が指摘してくれるのでは?」と思ったかもしれません。法務局は書類の書き方や形式がルールに合っているかを確認する機関です。
「特例が使えなくなり、税金で大損する」「これは贈与になるかもしれない」などの助言をすることはないので、相続人にとって最適な経路でなくても相続手続きが進んでしまうのです。
ここまで読んで「自力で相続登記をするのは難しいかも」と感じたかもしれません。実際に多くの人が「自分で相続登記をしてみよう」と取り組んだものの途中で挫折をして、専門家に駆け込んでいます。
途中で挫折してご相談に来られる人の多くは「こんなに大変なら、最初から専門家に任せておけばよかった」と話します。
相続登記を始める時点で一度相続に特化した専門家集団のグリーングループにお話ししてみませんか? まずはお電話やメール、LINEなど、問い合わせしやすい方法でお気軽にご連絡ください。
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3章 相続登記を自分で進める7つのステップ
相続登記を自分で進める場合は、下記のステップに沿って手続きを行います。
| 相続登記を自分で進めるステップ | 主にやること |
| ステップ1:遺言書の有無を確認する |
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| ステップ2:相続対象の不動産を全て洗い出す |
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| ステップ3:被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集して全相続人を確定させる |
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| ステップ4:遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成する |
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| ステップ5:相続登記に必要な書類を収集する |
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| ステップ6:登記に必要な書類を作成する |
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| ステップ7:法務局に申請して手続きを完了させる |
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自分で相続登記をすると「どれくらい負担になるのか」「自分にはできそうなのか」を判断するためにも、全体の流れを把握しておきましょう。
3-1 ステップ1:遺言書の有無を確認する
まずは、亡くなった人が遺言書を残していないか調べます。遺言書とは、亡くなった後に自分の財産を誰にどのように引き継ぐかなどの意思を、法律で定められた方法に沿って生前に残すものです。
遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って相続手続きをしなければなりません(一部例外があります)。亡くなった人が遺言書を残しているかどうかは、下記の方法で確認できます。
| 遺言書の種類 | 概要 |
| 公正証書遺言 | 全国の公証役場のデータベース(遺言検索システム)に登録されているので、最寄りの公証役場で確認できる ※1989年以降に作成の場合に限る |
| 自筆証書遺言 (法務局保管) | 全国の遺言書保管所(法務局)で「遺言書保管事実証明書」の交付を請求することで、遺言書が保管されているかどうか確認できる |
| 自筆証書遺言 (個人保管) | 亡くなった人の金庫や仏壇の引き出し、銀行の貸金庫などを探す 生前付き合いのあった弁護士や司法書士、税理士などの専門家が預かっているケースもある |
「仏壇の引き出しにあった」「自宅の金庫から出てきた」など個人保管の自筆遺言書は、家庭裁判所で遺言書の状態や内容を確認する手続き(検認)が必要です。
これを終えてからでないと、遺言書の内容に沿って相続できないので注意しましょう。
また、遺言書がある場合は、誰が不動産を相続するのかが明確なので「ステップ4:遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成する」が不要です。
この部分を飛ばして、相続手続きを進めましょう。遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行うので、このステップに沿って進めてください。
遺言書の種類に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
参考:裁判所「遺言書の検認」
3-2 ステップ2:相続対象の不動産を全て洗い出す
続いて、相続の対象となる不動産を全て洗い出します。
亡くなった人からは「不動産は実家しかない」と聞いていても、実際には相続人が把握していない「隠れた不動産」が存在するケースがあります。
後から発覚すると遺産分割協議などをやり直さなければならなくなるので、この時点で下記のような資料を集めて不動産があるのか明確にしておきましょう。
| 必要な書類 | 概要 |
| 固定資産評価証明書 |
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| 登記事項証明書 (不動産登記簿) |
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| 公図、地積測量図 |
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| 所有不動産記録証明書 |
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固定資産評価証明書は、不動産の固定資産税評価額を確認できる書類です。相続登記にかかる登録免許税の計算などに使います。
不動産がある市区町村で取得できますが、市区町村によって名前や記載している事項が異なる場合がありますので、窓口にて確認してください。専門家は、通称として、名寄帳という言葉をよく使いますが、役所によっては正式名所が異なることがあります。
また、公図や地積測量図を確認することで、土地の位置や形状、境界に関する情報を把握できます。ただし、これらの資料だけで境界が確定するわけではありません。
古い土地や山林では境界が不明確なケースも多く、必要に応じて現地調査や測量が必要になることがあります。
【相続する不動産の状況も把握しておくと安心】 相続する不動産を洗い出すときに、不動産によっては下記のような状況も把握しておくと安心です。 <確認しておきたいポイント>
例えば、亡くなった人の住宅ローンが残っていた場合に「団信に入っているからローンは完済されるはずだ」と思い込み、手続きを放置するケースがあります。 手続きをせずに住宅ローンの引き落としが滞ると、保証会社による代位弁済(保証会社が代わりに銀行へローンを返済すること)が行われる可能性があります。 代位弁済が行われてしまうと団信を利用できなくなり、本来であれば免除されるはずだった多額の住宅ローン債務がそのまま相続人に残ってしまうのです。 このようなトラブルを避けるためにも、自分で相続登記をするときは相続する不動産の状況を正しく把握して必要な対処をすることも求められます。 |
3-3 ステップ3:被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集して全相続人を確定させる
続いて、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を全て集め、誰が法的な相続人なのかを確定させます。
「役所で戸籍謄本をもらうだけだから自分でできそう」と考えるかもしれませんが、下記のようなケースでも本当に自分でできるでしょうか?
【自分で全相続人の戸籍謄本を集めることが難しいケース】
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親や子供などの戸籍は自分でも取得できるかもしれませんが、亡くなった人の兄弟姉妹など、面識のない人の戸籍を取得するのは非常に困難です。
戸籍には、第三者による不正取得を防ぐための厳格な取得要件があります。面識のない人の戸籍を取得するには「自分とその人が法的につながっていること」「なぜその戸籍が必要なのか」を証明しなければなりません。
例えば、まず親の戸籍を取得してつながりを証明して「ここで亡くなっているため、相続手続きに必要である」という説明書や追加の証拠書類を提出しなければなりません。
ちなみに、司法書士などの専門家は、業務に必要な範囲で戸籍謄本などを取得できる「職務上請求」を利用できます。転籍を繰り返している場合をはじめ、複雑な戸籍収集をまとめて任せることが可能です。
▼行方不明の相続人がいる場合にどうなるのかは、下記の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
3-4 ステップ4:遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成する
相続人が明確になったら、相続人全員で遺産分割協議を行います。
【遺産分割協議とは】 相続人全員で遺産の分け方を話し合う協議のことです。「誰が、どの財産を、どれくらい相続するか」について具体的に話し合います。 遺産分割協議の実施方法は、相続人全員で行うこと以外は定められていません。全員が1箇所に集合しなくてもメールや電話、LINEなどで進めることも可能です。 |
自分で遺産分割協議をするときは、下記のようなトラブルに注意が必要です。
【自分で遺産分割協議をするときに起こるトラブル例】
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例えば、遺産分割協議で「この持分に不満がある」「共有名義に納得できない」など、不満が出たとしましょう。
相続に関する知見があれば他の方法や和解策などを模索できますが、知見がないと話し合いは前に進みません。
遺産分割協議が成立するまでの間、亡くなった人の遺産は相続人全員の「共有状態」として扱われます。そのため、不動産だけでなく、銀行の預貯金なども原則として引き出すことができません。
遺産分割協議で話がまとまったら、決定内容をもとに遺産分割協議書を作成して、相続人全員が署名と実印の押印をします。
▼遺産分割協議書の作成方法は下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
【法定相続分どおりに相続する場合は遺産分割協議が不要】 法定相続分(遺言書がない場合などに民法で定められている相続人ごとの相続割合に沿って相続すること)どおりの割合で相続するのであれば、遺産分割協議を経なくても手続きを進めることは可能です。 ただし、安易に法定相続分どおりの相続登記(共有名義での登記)をしてしまうことは、取り返しのつかない大損やトラブルを招きます。 手間を省くために安易に法定相続分どおりを選択するのではなく、ご家族にとって最適な経路を見つけることが大切です。 |
3-5 ステップ5:相続登記に必要な書類を収集する
誰が何をどのくらい相続するのか決まったら、相続登記に向けて必要な書類を集めます。主に必要な書類は、下記のとおりです。
| 相続手続きのパターン | 書類 |
| 遺言書がある場合 |
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| 遺産分割協議をした場合 |
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※ご家族の状況によって上記以外にも必要な書類が出てくる場合があります
参考:法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」
書類ごとに取得する方法が異なるため、これだけの書類を集めようとすると時間と労力がかかります。
例えば、遺産分割協議をした場合は、法定相続人全員の印鑑証明書と戸籍謄本(戸籍事項証明書)が必要になります。遺産分割協議をするタイミングでこのような書類も集めていく必要があるでしょう。
相続登記に必要な書類は下記の記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
3-6 ステップ6:登記に必要な書類を作成する
ここまで来たら、相続登記に必要な書類を作成します。作成する主な書類は、下記のとおりです。
| 相続手続きのパターン | 書類 |
| 遺言書がある場合 |
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| 遺産分割協議をした場合 |
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参考:法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」
例えば、下記は登記申請書の見本です。このなかには、誰が相続人なのか、登録免許税(登記を申請するときに納める税金)はいくらなのかなどを記入するところがあります。
少しでも間違えると相続登記が完了しないので、自分で相続登記をするときは1つずつ調べながら進める必要があります。
また「とりあえずこの内容で申請しよう」と安易に申請を完了させると、後から登記した内容を簡単に修正できません。
▼相続登記に必要な登記申請書の書き方、登録免許税の計算方法は、下記の記事で詳しく解説しています。どちらも相続登記を進めるには必要なので、参考にしてみてください。
3-7 ステップ7:法務局に申請して手続きを完了させる
相続登記に必要な書類が全て揃ったら、法務局で登記申請をします。登記申請は下記の3つの方法から選択できます。
【登記申請をする方法】
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法務局は平日しか開いていないため、自分で申請をする場合は仕事を休んで足を運ばなければならないケースもあります。
書類のなかに少しでもミスがあると修正が必要になり、また持ち帰り再度提出に出向くなどの手間が発生します。
審査が完了すると、登記完了証と登記識別情報通知が交付されます。念のため登記事項証明書を取得して、所有者の名義や持分などが申請どおりに変更されていることを確認すれば、相続登記の手続きは完了です。
【相続登記と並行して相続税の納付も進める必要がある】 不動産の相続により相続税が発生する場合は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に納付しなければなりません。 相続登記と並行して準備を進めて、期限内に納付しなければなりません。また、どうすれば手元に残る資金を最大化できるのかも念頭に置いて、特例などが使えないか確認しながら進める必要もあるでしょう。 |
4章 相続登記を自分で進めるときの注意点
ここまで相続登記を自分で進めるステップを解説してきましたが、併せて知っておきたい注意点が2つあります。
| 相続登記を自分で進めるときの注意点 |
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インターネットの情報だけで進めてしまうと、後から「こんなはずではなかった」と後悔する可能性があります。事前に把握しておきましょう。
4-1 手続きに不備があった場合の修正負担が大きい
相続登記は数枚の書類を作成して終わりではなく「3章 相続登記を自分で進める7つのステップ」で触れたようなステップを踏む必要があります。
ミスがあるとそのステップまで戻ってやり直し、再度登記申請書などの書類を提出しなければなりません。
例えば、手書きの戸籍を読み間違えて相続人が1人でも漏れていた場合、遺産分割協議が無効となります。また全相続人に声をかけて、やり直ししなければなりません。
また、遺産分割協議書に少しでもミスがあった場合、修正テープを使って簡単に修正することができません。基本的には相続人全員に訂正印を押してもらう必要があります。
遺産分割協議書の作り直しになれば、再度相続人全員から実印をもらうことになります。修正が続くと「また書類を確認しなければならないの?」と相続人をイライラさせてしまい、関係が悪化することも考えられるでしょう。
修正1つを取っても簡単にできず、負担が大きくなるので、注意が必要です。
4-2 安易に中間省略登記を活用できない
少しでも負担を減らして自分で相続登記をしようとすると、ネット上の情報で目にとまるのが「中間省略登記」です。
【中間省略登記とは】 中間の相続人が最初から1人だけなど一定の条件を満たした場合に、中間の相続人への名義変更を省略して最終的な相続人に直接相続できる方法のこと。 例えば、本来なら「祖父→父→子供」と順番に相続登記をするところを、一定の条件を満たすことで「祖父→子供」と真ん中を飛ばして相続登記ができる。手続きの負担軽減や登録免許税を1回分減らせるなどのメリットがある。 ※専門家に依頼すると土地の登録免許税に関しては特例申請をして、中間省略登記でなくても費用を減らせる可能性があります。 |
中間省略登記を使うには、不動産の相続を特定の1人に集約させる前提を作る必要があります。
しかし、中間省略登記だけを意識して財産を1人に極端に偏らせてしまうと、本来使えるはずの控除や特例を逃し、数十万円~百万円以上の相続税が課税されてしまうリスクがあるのです。
目先の登録免許税を抑えることだけを考えてしまうと、かえって税負担が大きくなる可能性があります。
将来を見据えてシミュレーションを行い、どのような経路で相続登記を進めればいいのかしっかりと考えることが大切です。
5章 自分で相続登記をするにしても一度専門家の話を聞いて本当にその方法でいいのか確認してみませんか?
時間と労力をかけて1つずつ着実に進めれば、自分で相続登記をすることは可能です。ただし、相続登記は単なる名義変更の手続きではありません。
このタイミングで、将来を見据えてトラブルが起こらない対策や手元に残る資金を最大化する節税方法などをしっかりとシミュレーションして、納得できる方法で相続登記を進める必要があるのです。
自分で相続登記の手続きを進めるにしても「本当に相続人はこの人でいいのか」「他にも節税できないか」など、少しでも不安がよぎる場合は相続に関する相談件数が累計55,193件(2025年10月末現在)と多いグリーングループにお話をお聞かせください。
グループ内では相続手続き・不動産・税務の領域が連携しており、各専門家の知見を使いながらご家族のお悩みを解決できる体制が整っています。
将来(二次相続や売却時など)支払うトータルの税金を最小限に抑え、ご家族の手元に最も多くの現金を残すシミュレーションなどもできるので、目の前の状況だけでなく将来を見据えたご提案も可能です。
実際に当初は自分で相続登記を進めようとしていたものの困難だと感じて、ご相談いただいた事例もあります。
| ご家族で相続手続きを進めるなかで大きな壁を感じてご依頼いただいた事例 |
ご依頼者様ご一家は自宅の不動産のほか、複数の金融機関の預貯金や証券が含まれた相続手続きを自分で進めようと考えていました。 しかし、手続きを進める過程で亡くなった母が生前に生前贈与や相続時精算課税制度を利用していたことが判明。今回の相続税申告にどのように影響するのか、専門的な知識がなければ判断が困難な状態でした。 相続税の申告期限までに「何をどうすればいいのか」途方に暮れて、グリーングループにご相談いただきました。 <グリーングループだからこそできたこと>
相続に特化した税理士と日常的に連携する体制を整えているからこそ、課題に対して迅速な対応ができて、1つずつ不安を解消していくことができた事例です。 この事例は下記で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。 |
相続登記は「登記の手続きが完了すること」を目指すのではなく、同時に「税金で損をしない最適な相続ができること」も意識しなければなりません。
「本当にこのまま進めていいのかな」「このままだと相続税はどうなるのかな」など、今抱えている不安や思いをお気軽にお話していただければと思います。
まとめ
本記事では、相続登記を自分で進める基準や、具体的なステップなどをまとめて解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇相続登記を自分でするときの3つの判断基準は下記のとおり
- 相続人が1人のみ・不動産が明確で手続きが複雑でない場合
- 平日に役所や法務局を何往復でもできる時間と気力がある場合
- 相続登記でミスをして損失が出ても問題ない財力がある場合
〇相続登記を自分で進めるステップは下記のとおり
ステップ1:遺言書の有無を確認する
ステップ2:相続対象の不動産を全て洗い出す
ステップ3:被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集して全相続人を確定させる
ステップ4:遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成する
ステップ5:相続登記に必要な書類を収集する
ステップ6:登記に必要な書類を作成する
ステップ7:法務局に申請して手続きを完了させる
〇相続登記を自分で進めるときの注意点は下記のとおり
- 手続きに不備があった場合の修正負担が大きい
- 安易に中間省略登記を活用しない
相続登記は自分でもチャレンジできますが、ただ書類を記載するだけでなく節税対策やトラブル回避などさまざまな専門知識が求められます。
自分で相続登記をしようと考えている場合でも「相続人を誰にするのか」「節税対策は合っているのか」など、ちょっとした疑問や不安を専門家に相談して解決しておきましょう。




















