「父が亡くなり、初めて相続登記をすることになった。相続登記は義務化されていると聞いたけど、どういうことだろう」
「相続登記をしないでずっと放置している不動産がある。これも相続登記の義務化の対象なのかな?放置し続けるとどうなるの?」
相続が発生すると、耳にする機会が増える「相続登記の義務化」。どのようなことなのかよく分からない方も多いかと思います。
相続登記の義務化とは、相続(遺言を含む)により不動産を取得した相続人に対し、定められた期限内に相続登記をすることを法律上の義務としたものです。
実際に、相続登記の義務化を機に相続登記を完了させる人が増えています。
グリーングループへの相談でも、30年放置した不動産の相続登記を、まとめて全て終わらせた方もいらっしゃいます。
中には「義務化されたことは分かったけれど、よく分からないしこのままもう少し放置しようかな」と考える方もいるでしょう。
しかし、放置を続けることは専門家としておすすめできません。定められた期限内に相続登記をしないと10万円以下の過料を繰り返し科せられる可能性があるからです。
それだけでなく、下記のように子供や孫に大きな負担を残すことになるのです。
【相続登記を放置すると起こること】
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本記事では、相続登記の義務化の基礎知識と登記をしないリスクなどをまとめて解説します。
相続登記の義務化とはどのようなものか、なぜ今相続登記をしなければならないのか正しく理解して、一歩を踏み出しましょう。
また、以下の動画では「相続登記はどこまで自分で進められる?」「費用や期限で見落としやすい点は?」といった、実務の秘伝ノウハウを、グリーンの代表・山田が動画でわかりやすく解説しています。
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目次
1章 相続登記の義務化とは
冒頭でも触れたように、相続登記の義務化とは、相続(遺言を含む)により不動産を取得した相続人に対し、定められた期限内に相続登記をすることを法律上の義務としたものです。
| 相続登記の義務化の概要 | |
| 施行日 | 2024年4月1日 |
| 対象者 | 相続や遺言によって不動産を取得した人 |
| 行うべきこと | 取得した不動産の相続登記(亡くなった人の名義になっている不動産を相続した人の名義に変更する)をする |
| 罰則 | 正当な理由なく指定の期限を過ぎると10万円以下の過料の対象になる可能性がある |
以前は相続登記が義務化されておらず任意で行うものでしたが、誰が所有しているのか分からない「所有者不明土地」の増加が社会問題になっています。
2024年の国土交通省調査によると、全国の土地のなかで不動産登記簿のみでは所有者の所在が判明しない土地の割合は23%にも及びます。
このままでは治安の悪化や適切な防災対策ができないなどの懸念があり、民法や不動産登記法等を改正して、2024年4月1日から相続登記が義務化されたのです。
亡くなった人から土地や家、田んぼなどの不動産を相続した場合は「自分が相続したと理解して終わり」ではなく、適切な手続きをして相続人の名義に変更するところまで行うことを認識しておきましょう。
参考:法務省「相続登記の申請義務化について」
参考:法務省「不動産を相続したらかならず相続登記!令和6年4月1日から義務化されました」
参考:政府広報オンライン「所有者不明土地 相続や住所等の変更の未登記により全国で発生」
1-1 相続登記の義務化は過去分も対象に含まれる
相続登記の義務化は、2024年4月1日より前に不動産を相続した場合も対象になります。
2024年4月1日より前に相続した不動産がある場合は、2027年3月31日までに相続登記をしなければなりません(正当な理由がない場合)。
例えば、2020年に亡くなった父から土地を相続していたものの、名義は父のままの状態で放置していたとしましょう。
「2024年よりも前の相続だからこのまま放置していいだろう」は通用せず、2027年3月31日までに相続登記をする必要があります(正当な理由がない場合)。
過去分の相続登記の期限は迫っているので後回しにするのではなく、できるだけ早く手続きを進めることが大切です。詳しくは下記の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
1-2 相続登記の罰則
相続登記の義務化では正当な理由なく相続登記の期限を過ぎると、下記のように10万円以下の過料が科せられる可能性があります。
【期限までに相続登記をしないで過料が科せられる流れ】
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例えば、相続登記の期限を過ぎても登記をせず放置していると、申請義務違反だとみなされる可能性があります。
申請義務違反の場合は、相当の期間を定めて相続登記の申請を促す催告が届きます。それでも相続登記をせずに放置をすると、10万円以下の過料を科せられる可能性があるでしょう。
「4-1 繰り返し過料を科せられる可能性がある」で詳しく解説していますが、この過料は相続登記をするまで繰り返し科せられる恐れがあります。
「一度10万円を払えば相続登記をしなくても済む」という趣旨のものではないので、期限までに相続登記を完了させるように進めることが大切です。
▼相続登記の過料が科せられる範囲や罰則については、下記の記事でも解説しています。「過料の対象になりそうか」不安な場合は、ぜひ参考にしてみてください。
「相続登記が義務化されたことは分かったけれど、何から手をつければいいのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
ここで焦って自己判断のまま進めてしまうと、「子供や孫に税負担がのしかかる」「共有名義にしたせいで不動産が凍結する」といった後悔につながりかねません。
相続に関する相談件数が累計55,193件(2025年10月末現在)と実績豊富なグリーングループに、どのようなリスクがあるのか、どう進めればいいのかをまずは気軽に聞いてみませんか。
2章 相続登記の義務化の期限
相続登記の義務化では、下記のように「いつまでに相続登記をしなければならないのか」明確な期限が設けられています。
| 相続・遺産分割のタイミング | 相続登記の期限 | |
| 2024年4月1日より前に不動産を相続した場合 | 2027年3月31日まで | |
| 2024年4月1日以降 | 相続が発生した場合 | 取得を知った日から3年以内 |
| 遺産分割が成立した場合 | 遺産分割が成立した日から3年以内 | |
※取得を知った日から3年以内+遺産分割が成立した日から3年以内=6年間の猶予があるわけではありません。
例えば、今後父が亡くなり「〇〇に土地を相続させる」と遺言を残した場合は、相続人は不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
また、遺産分割協議(誰がどの財産を相続するのかを話し合って決めること)をした場合は、遺産分割が成立した日から3年以内に相続登記を行う必要があります。
遅れてしまうと、過料の対象となる可能性があります。相続が発生したときには「いつまでに相続登記をしなければならないのか」を確認するようにしましょう。
相続登記の期限に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
参考:法務省「相続登記の申請義務化について」
参考:法務省「不動産を相続したらかならず相続登記!令和6年4月1日から義務化されました」
3章 相続登記の義務化を放置することは基本的に認められない
「相続登記が義務化されたことは分かったけれど、正当な理由を見つけてもう少し放置できないかな」と、考えた方もいるでしょう。
相続登記の義務化では正当な理由が認められると、定められた期限内に相続登記をしなくても過料通知の対象にはなりません。
しかし、正当な理由には下記のような事情が必要になるので、誰でも認められるわけではないのです。
【正当な理由】
(1)相続登記の義務に係る相続について、相続人が極めて多数に上り、かつ、戸籍関係書類等の収集や他の相続人の把握等に多くの時間を要する場合 (2)相続登記の義務に係る相続について、遺言の有効性や遺産の範囲等が相続人等の間で争われているために相続不動産の帰属主体が明らかにならない場合 (3)相続登記の義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情がある場合 (4)相続登記の義務を負う者が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に規定する被害者その他これに準ずる者であり、その生命・心身に危害が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくされている場合 (5)相続登記の義務を負う者が経済的に困窮しているために、登記の申請を行うために要する費用を負担する能力がない場合 |
例えば、「手続きが難しくて分からなかったから放置していた」「面倒だったから放置した」といった個人的な事情は、正当な理由とは認められにくいと考えられます。
この場合は義務化の期限を過ぎると、10万円以下の過料を科せられる可能性があるでしょう。このように、相続登記の義務化は基本的に放置をして許される制度ではありません。
▼相続登記義務化の過料の対象にならない「正当な理由」の具体例は、下記の記事でもまとめています。ぜひご覧ください。
実際にグリーングループでは、相続登記の義務化を機に、長年放置した不動産の相続登記をお手伝いしたことがあります。合わせてご覧ください。
【相続の話がまとまらない場合は相続人申告登記が検討できる】 不動産の遺産分割の話し合いがなかなかまとまらず、義務化の期限に間に合わない場合は、一時的な措置として相続人申告登記が検討できます。 相続人申告登記は、法務局に「自分が相続人の一人である」と申し出ることで、暫定的に相続登記の申請義務を果たしたことになる制度です。 ただし、その後に遺産分割が成立した場合は、成立日から3年以内に遺産分割の内容に沿った相続登記を行う必要があります。また、相続人申告登記は正式に所有者が決まったことを示すものではないため、該当する不動産の利活用もできません。 あくまでも一時的にその場をしのぐための措置であり、専門家としてはあまりおすすめできません。期限内に遺産分割の話し合いをまとめ、正式な相続登記を行うことを目指しましょう。 |
4章 相続登記の義務化を放置するリスク
ここまで読み「相続登記をするのは面倒…正当な理由もないけど、このままもう少し放置しようかな」と考えてしまうのは危険です。
放置すると、下記のようなリスクがあります。事例つきでまとめているので、ぜひ確認してみてください。
| 相続登記の義務化を放置するリスク |
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4-1 繰り返し過料を科せられる可能性がある
1つ目は、繰り返し過料が科せられる可能性があることです。「1-2 相続登記の罰則」でも触れたように、期限内に相続登記をしないと10万円以下の過料が科せられる可能性があります。
ここで注意すべきなのは、この過料は一度10万円を払えば相続登記しなくてよくなるというものではないという可能性がある点です。相続未登記の状態が改善されない限り、下記のように何度でも過料が科せられる恐れがあります。
例えば、期限内に相続登記をせず10万円以下の過料が科せられたとしましょう。その後も相続登記を放置し続ける場合は、数年後に10万円、その数年後に10万円と、継続的にお金を支払い続けるリスクがあるのです。
このように、相続登記を放置し続ける限り、本来払う必要がなかった過料を科せられ続けるリスクがあるので、期限内に完了させることが重要です。
▼相続登記の過料については、下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
▼相続登記の義務化をしないとどうなるのかは、下記の記事でも詳しくまとめています。
4-2 費用と手間がどんどん膨らむ
2つ目は、費用と手間がどんどん膨らむことです。
相続登記を放置していると、本来相続登記の手続きをするべきだった親や兄弟が亡くなり、その相続権が次の世代へとどんどん枝分かれしていきます。
例えば、4人兄弟が先祖代々の土地を放置してそれぞれに4人の子どもがいた場合、下記のように最終的には相続人が16人に膨れ上がります。
相続人が16人になっても、相続登記を完了させるためには「関係者全員分の戸籍」と「全員の合意」が必要です。
顔や名前、連絡先も知らない人たちに連絡を取り、誰が不動産を相続するかの話し合いをまとめることはできますか。想像しただけでも、時間と手間がかかることが分かるでしょう。
また、相続人が増えて相続登記が複雑になるほど、専門家に依頼する費用負担も増えます。
最初の世代ですぐに依頼すれば、一般的に数十万円程度で済みます。しかし放置すると、費用が数倍から10倍以上に跳ね上がるケースもあるのです。実際の事例をご紹介します。
【小さな畑を放置したことで206人まで相続人が増えた事例】 先祖代々の小さな畑の名義変更を何世代にもわたって放置し続けていました。いざ畑の名義変更をしようとしたときには、顔も名前も知らない関係者が206人になっていました。 ここまでくると一人ひとりに連絡を取り遺産分割の合意を得ることは事実上不可能です。話し合いができない以上、不動産の名義を動かすための最終手段は「裁判」しか残されていませんでした。 結果として名義変更したい人が原告となり、顔も知らない206人全員を相手取って一人ひとり訴状を作成し裁判を起こすことになり、莫大な手間と費用がかかってしまいました。 |
相続登記は放置すればするほど複雑になり、登記しようと思ったときには子供や孫に大きな負担がかかります。
次の世代に負担を残さないためにも、相続登記は放置しないで早く取りかかることが重要なのです。
▼行方不明の相続人がいる場合にどうなるのかは、下記の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
4-3 不動産の利活用ができない
3つ目は、不動産の利活用ができないことです。
亡くなった人名義のまま相続登記(名義変更)をしていないと、下記のようなことができません。
【相続登記が完了しないとできないこと】
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今は不動産の売却や貸し出しを考えていないかもしれませんが、このまま相続登記をせずに月日が流れると共有名義人の中に、認知症などで判断が難しい方が出てくる可能性があります。
遺産分割協議は意思能力(本人が意味や結果を正しく理解できること)があることが大前提となるので、名義変更の手続きができなくなる恐れがあるのです。
例えば、下記のように安易に母と子供の共有名義にしてしまうと、母が認知症になったときに実家が凍結する可能性があります。
【母と子供で共有名義にした例】 父親と母親が実家を1/2ずつの共有名義で持っており、先に父親が亡くなりました。話し合いを先送りにして「とりあえず父親の持ち分を子供に相続させて共有名義にしておこう」と安易に相続登記をしました。 月日が流れて母が認知症になって判断能力を失ってしまった場合、売却や処分に必要な同意が取れなくなり、実家が完全に凍結して手出しができなくなってしまいます。 |
解決策として、家庭裁判所に申し立て、認知症の方に代わって契約行為などを行う「成年後見人」を選任してもらう方法もあります。しかし、費用負担が大きく、活用が難しいケースもあるでしょう。
必要なタイミングで不動産を利活用するためにも、相続登記をして名義を変えておく必要があります。
▼認知症が相続に与える恐ろしい影響は、下記の記事で詳しく解説しています
| 義務化された相続登記、放置は危険です |
相続登記を放置すると、過料を科せられたり、不動産が使えなくなったりする恐れがあります。 「難しそうで不安」「何をすればいいか分からない」という方も心配いりません。まずはお電話ください。相談実績累計55,193件のグリーングループが、今のお気持ちやご状況をじっくりお伺いします。 書類やパソコンが苦手でも、電話一本で専門家が分かりやすくご説明します。 電話で気軽に聞きたい方はこちらをクリック |
5章 すでに相続登記を終えた人は82.8%との調査結果も!これを機に相続登記しよう
「相続登記の義務化によって、本当に相続登記をする人は増えているの?」と感じるかもしれませんが、法務省の調査では相続登記の義務化を機に登記件数が増えていることが分かっています。
| 年度 | 登記件数 |
| 2020年度(義務化開始前) | 約114万件 |
| 2023年度 | 150万件超 |
| 2024年度(12月末まで) | 約120万件(前年度同期比:約9%増加) |
また「訳あり不動産相談所」が行った「相続登記の実態調査」では、82.8%の人が相続登記を終えたと回答しています。
参考:訳あり不動産相談所「【相続登記の実態調査】不動産を相続したことがある500人にアンケート調査」
参考:訳あり不動産相談所公式サイト
つまり、相続登記の義務化を機に、放置していた相続登記を完了させている人が着実に増えているのです。
今、相続登記をしないと子供や孫に大きな負担を残すことになり、将来のトラブルにつながることも考えられます。
多くの人が相続登記と向き合っているタイミングです。相続登記の一歩を踏み出しましょう。
▼相続登記を司法書士に依頼したほうがいい理由は、下記の記事でも詳しくまとめています。ぜひご覧ください。
6章 相続登記を適当に行うと多額の相続税負担が発生するリスクがある
いざ相続登記を始めるときに「とりあえず手続きを済ませる」と安易に考えることだけはおすすめできません。
相続登記のタイミングで安易な判断をしてしまうと、本来は発生しなかった多額の相続税負担が発生する可能性があるからです。
ここでは、相続登記を適当に行うとどのようなリスクがあるのかご紹介します。後から後悔しないためにも、事前に把握しておきましょう。
| 相続登記を適当に行うと多額の相続税負担が発生するリスク |
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6-1 二次相続で多額の相続税を支払うことになる
相続登記をするときに配偶者が不動産を相続(配偶者は1億6,000万円まで税金がかからない)して相続税を抑えようとすると、配偶者である母が亡くなったときに二次相続で多額の相続税がかかるケースがあります。
二次相続とは、一度目の相続の後に残された配偶者が亡くなったときに発生する2回目の相続のことです。下記の図では、配偶者である母が亡くなり、長男、長女が行う相続が二次相続に該当します。
一次相続で配偶者に寄せすぎると二次相続では「基礎控除が減る」「配偶者控除が使えない」などが起こり、相続税の負担がのしかかるのです。
| 二次相続での負担 | 概要 |
| 基礎控除額が減る | 相続税には「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の基礎控除があるが母が亡くなり法定相続人が減るため控除額が少なくなる |
| 配偶者控除が使えない | 1億6,000万円まで税金がかからない配偶者控除が使えない |
| 登録免許税の二重払いになる | 一次相続で登記費用(登録免許税)を払い、二次相続で子供名義にするための登記費用を払う必要がある |
下記は、二次相続で子供に大きな相続税負担を残してしまった例です。
一次相続の相続登記の段階でしっかりと計画を立てて進めないと、子供が相続税を支払うための現金を工面しなければならない事態に陥るのです。
| 二次相続で子供に大きな相続税負担を残してしまった例 | |
| 一次相続 |
→配偶者控除(1億6,000万円まで控除)により相続税は0円 |
| 二次相続 |
→数百万円単位の莫大な相続税を現金で支払わなければならない |
このように、相続登記をするときに将来を見据えた設計ができるかどうかによって、将来の税負担が大きく変わります。
6-2 本来使えるはずだった特例を逃してしまう
相続登記を進めるときには、現状に応じて下記のような特例、控除が活用できるケースがあります。
| 相続税の控除・特例の例 | 概要 |
| 相続税の配偶者控除 | 配偶者が取得した遺産について、1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多いほうの金額まで相続税がかからない |
| 小規模宅地等の特例 | 一定の要件を満たす宅地について、土地の相続税評価額を最大80%減額できる |
| 配偶者居住権 | 配偶者居住権を設定することで、自宅の所有権部分の評価額を抑えられ、結果として相続税負担を軽減できる場合がある |
| 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 | 一定の要件を満たして空き家を売却した場合に譲渡所得(売却益)から最高3,000万円(一部条件では最高2,000万円)の控除を受けられる |
参考:国税庁「配偶者の税額の軽減」
参考:国税庁「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」
参考:国税庁「配偶者居住権等の評価」
参考:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
例えば、亡くなった親と同居していた親族がいる場合、その同居していた親族が全相続すれば「小規模宅地等の特例」を有効活用できるケースがあります。
6,000万円の実家、預貯金2,000万円を兄弟2人で相続したとしましょう。親と同居している兄に不動産の相続登記を一本化すれば、相続税が発生しません。
しかし、安易に「兄弟の共有名義で相続しよう」とすると、小規模宅地等の特例を使える範囲が限定的になってしまうのです。
| 状況 | 概要 |
| 兄に一本化して 特例を適用したケース |
→遺産総額(3,200万円)が基礎控除(4,200万円)を下回るため相続税は0円 |
| 兄弟の共有名義にして 特例を適用したケース |
→遺産総額(5,600万円)が基礎控除(4,200万円)を1,400万円上回り相続税の対象になる |
ご家族にとって、最も利益を残せる方法を判断して、相続登記を進めていくことが大切です。
▼相続登記を司法書士に依頼したほうがいい理由は、下記の記事でも詳しくまとめています。ぜひご覧ください。
7章 将来を見据えて最適な相続登記をするならグリーングループにご相談ください
義務化された相続登記は、期限内に書類を提出すれば終わりというものではありません。将来、誰の名義にするか、どう分けるかまで見据えて判断する必要があります。
「将来後悔しない相続登記がしたい」「今の家族に最適な方法が知りたい」という方は、相談実績累計55,193件(2025年10月末現在)のグリーングループにお気持ちをお聞かせください。
私たちは、相続手続き・不動産・税務の専門家が連携し、将来の売却や税金対策まで見据えたご提案ができます。実際の事例をご覧ください。
| 【解決事例】2世代分の相続手続きが未完了だったケース |
ご依頼主様の兄弟が亡くなり相続手続きを進めたところ、それ以前に亡くなった父・母の相続手続きも一部未完了だったことが判明。7,000万円超の預貯金や複数の不動産があり、相続税の申告期限も迫るなか、ご自身での対応は困難とご相談いただきました。 司法書士・行政書士・税理士が並行して対応し、6ヶ月での完了という見通しを立てて、複雑な権利関係を整理。相続税申告まで無事に終えることができました。 ご依頼主様の「心残りをなくして、すべてをスッキリさせたい」という思いを大切にしながら、相続に特化した司法書士と税理士が緊密に連携して迅速な対応ができた事例です。 ▼この事例は下記に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください |
相続登記に共通の正解はありません。誰と一緒に進めるかで、将来のトラブルや負担を防げるかどうかが決まります。まずは、今の不安を私たちにお聞かせください。
まとめ
本記事では、相続登記の義務化の基礎知識と、相続登記を進めたほうがいい理由などをまとめて解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇相続登記の義務化とは、相続(遺言を含む)により不動産を取得した場合に、相続人は定められた期限内に相続登記をすることが法律上の義務になった
〇相続登記の義務化は過去分も対象に含まれる
〇定められた期限内に相続登記をしないと、10万円以下の過料を科せられる可能性がある
〇相続登記の義務化の期限は下記のとおり
- 2024年4月1日より前に不動産を相続した場合:2027年3月31日まで
- 2024年4月1日以降:相続が発生した場合:取得を知った日から3年以内
- 2024年4月1日以降:遺産分割が成立した場合:遺産分割が成立した日から3年以内
〇相続登記の義務化を放置するリスクは下記のとおり
- 繰り返し過料を科せられる可能性がある
- 費用と手間がどんどん膨らむ
- 不動産の利活用ができない
〇相続登記の実態調査では82.8%の人が相続登記を終えたと回答している
〇相続登記を適当に行うと多額の相続税負担が発生するリスクは下記のとおり
- 二次相続で多額の相続税を支払うことになる
- 本来使えるはずだった特例を逃してしまう
相続登記はただ手続きを完了させるのではなく、ご家族の将来を見据えて最適な経路を検討する機会です。安易に相続登記を進めて後から後悔しないためにも、知見のある専門家と一緒に進めていきましょう。























