「祖父が保有しているアパートを相続する予定だけど、本当に大丈夫なのかな?このまま進めてちゃんと相続できるのかな…」
アパートの相続は預貯金などの相続とは異なり、周囲に参考にできる情報がなく、どのように進めればいいのか不安になるかと思います。
アパートの相続は、基本的に下記の手順で進めます。
ただし、この手順に沿って「とりあえず相続登記を進めよう」と思っても、多くの工程を1つずつ丁寧に行わないと相続後に後悔する可能性があります。
アパートの相続は事業承継と同じような側面があり、「賃貸経営という一つの事業の社長を交代する」ことと同じです。慎重に行わないと、下記のようなトラブルにつながることが考えられます。
【アパートの相続のトラブル例】
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だからこそ、アパートを相続する可能性がある段階から専門家に相談して、将来を見据えて最適な経路を見つけていくことが大切です。
そこで本記事では、グリーングループの代表である私・山田が、アパートを相続する手順やアパートの相続を検討するときに知っておきたい基礎知識を分かりやすく解説します。
アパートは「とりあえず相続しておこう」と受け取ってしまうと、その後維持や改善工事などで大きな負担がかかるリスクがあります。
相続を始める前に、ぜひこの記事を読み、最適な進め方を理解しておきましょう。
目次
1章 ステップ1:財産調査をしたうえでアパートを相続するべきか判断する
アパートを相続できるとなると「不動産を手に入れた!」と諸手を挙げて歓迎したくなりますが、まずはアパートを相続すべきかどうか検討する必要があります。
相続では、指定した財産のみの相続ができません。アパートや現金、預貯金などのプラスの財産と、借金やローンなどマイナスの財産全てを相続することになります。
そのため、まずは亡くなった人が所有していた財産を調査して、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかを算出してみましょう。
その上で、下記のような基準に沿って、アパートを相続するべきか検討してみてください。
| 相続する財産の状態 | 概要 |
| <プラスの財産が多いとき> 相続する |
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| <マイナスの財産が多いとき> 相続放棄をする |
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例えば、アパートなどの財産が5,000万円あるものの、ローンやその他の借金が1億円あるときは、相続放棄をしたほうが無難といえるかもしれません。
相続放棄を行うには相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所での申立手続きが必要なので「相続するべきかどうか」の判断をできるだけ早めに行うといいでしょう。
また、相続をするかどうかは、どれくらい相続税がかかるかも念頭に置いて検討することが大切です。
相続税とは 亡くなった人から相続人が取得した財産の価額が一定を超えたときに支払う税金です。相続税は原則として現金で一括納付しなければならないので、相続するもの(相続財産)が高額だと大きな負担になる可能性があります。
一例として、合計約9,000万円の財産を相続すると、相続税は500万円程度かかります。これを現金一括で払えるかどうかも考える必要があるでしょう。
「土地やアパート、現金など様々な財産があって整理できない」
「アパートから得る収益、相続税を踏まえて相続放棄していいのか判断できない」
など、相続するべきか迷う場合は、自己判断はせず、相続問題に強いグリーングループにご相談ください。
相続手続き・不動産・税務の各領域が連携しながら「相続をするべきか」を多角的な視点から判断します。また、アパートの売却も考えている場合は、グループ内の不動産担当者が現実的な実勢価格を算出することも可能です。
アパートの相続では「相続するかしないか」の最初の判断が非常に重要です。少しでも不安が残る場合は、まずは私たちにそのお気持ちをお聞かせください。
2章 ステップ2:アパートの情報を調査する
続いて、いきなり相続人を決めるのではなく、アパートに関する情報を調査します。不動産の場合は、把握できていない情報が隠れている可能性があるからです。
下記のステップに沿って、相続するアパートの状態を確認しておきましょう。
【アパートの情報を調査するステップ】
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2-1 アパートの不動産情報を収集する
アパートの相続では、事前に下記のような書類を収集して、アパートの現状を明確にしましょう。
| 必要な書類 | 概要 |
| 不動産登記簿 |
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| 固定資産税評価証明書 |
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| 公図、地積測量図 |
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例えば、不動産登記簿を確認すると、「アパートは亡くなった人の名義ではなかった」といったこともあります。
それだけでなく、固定資産税の滞納や借金を抱えている場合、役所や債権者によってアパートが「差押(さしおさえ)」を受けている危険性があります。
差し押さえのある状態では最悪の場合、競売にかけられて強制的に売却されることも考えられます。
相続人が把握している現状と不動産登記簿の内容にずれがないか確認しておくことで「このまま相続していいのか」を判断する材料になります。
2-2 アパートの価値や確定申告の状況を確認する
アパートの相続ではこの段階で下記のような点も明確にしておくと、トラブルを防ぎやすくなるでしょう。
| アパートの確認事項 | 概要 |
| 確定申告の状況 | 家賃収入に対して行っていた確定申告の状況を調査しておくと、税務上の必要な手続きを見落としにくくなる |
| アパートローンの有無 | アパート購入時のローンが残っている場合は、ローンの残債と連帯保証人を確認しておく |
| 資産価値の査定 | 他の相続人に代償金(現金)を支払って調整するための基準となる資産価値を正しく算出しておく |
アパートを購入した際のローンが残っている場合は、誰が負債を背負うのかを決めていく必要があります。
例えば、次男が連帯保証人になっていても、法律上必ず次男がアパートを相続するわけではありません。だからこそ、この段階でどのような負債があるのかを整理して、遺産分割協議に備えるようにしましょう。
3章 ステップ3:相続人全員で誰が相続するのか決める
相続するアパートの情報が整理できたら、誰がアパートの相続をするのか決めていきます。
遺言がない限り「私が相続する」など勝手に決めることはできず、原則として相続人全員を明確にした後に、遺産分割協議をして決めなければなりません。
ここでは、誰がアパートの相続をするのか決めるステップをしっかりと確認していきましょう。
【相続人全員で誰が相続するのか決めるステップ】
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3-1 戸籍謄本を収集して全相続人を明確にする
誰がアパートを相続するのか決めるには、全相続人を明確にする必要があります。相続人は、亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を収集して確定していきます。
実はアパートの相続を放置した期間が長ければ長いほど、この作業は労力がかかる可能性があります。
「役所で戸籍謄本をもらうだけだろう」と安易に考えて進めようとすると、下記のような理由から行き詰まりやすいのです。
【全相続人の戸籍謄本を集めることが難しい理由】
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例えば、アパートの相続を放置してきた場合は、亡くなったすべての人たちの戸籍を収集しなければなりません。全国各地の役所に問い合わせをして、戸籍を集めるのは時間も費用もかかります。
それだけでなく、全相続人のなかに認知症の人や行方不明の人がいると、手続きが止まってしまいます。
相続手続きは原則として相続人全員の同意が必要なため、一人でも欠けると遺産分割協議ができる段階にならないからです。
このように、今の状況によっては、全相続人の戸籍謄本を収集すること自体が困難なケースがあります。自力では解決策を見出すことが難しいので、専門家の知見を借りながら進めることが大切です。
3-2 遺産分割協議をする
アパートの全相続人が分かったら、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がアパートを相続するのかを決めます。
【遺産分割協議とは】 相続人全員で遺産の分け方を話し合う協議のことです。「誰が、どの財産を、どれくらい相続するか」について具体的に話し合います。 遺産分割協議の実施方法は、相続人全員で行うこと以外は定められていません。全員が1箇所に集合しなくてもメールや電話、LINEなどで進めることも可能です。 |
遺産分割協議では、安易に共有名義にすることは避けて特定の一人に集約させることが大切です。
ここで「兄弟で共有名義にしよう」などと決めてしまうと、将来下記のようなトラブルに発展するリスクがあるのです。
【アパート相続の共有名義でトラブルになった事例】 父親が亡くなり、残されたアパートを長男と次男が2分の1ずつの共有名義で相続しました。最初は家賃を半分ずつ分けていましたが、数年後にアパートが老朽化し、数百万円規模の大規模修繕が必要になりました。 ここで長男は「修繕して貸し続けたい」と主張しましたが、次男は「自分はお金をかけたくないから、アパートを売却したい」と意見が対立してしまったのです。 共有名義になっている場合は大規模な修繕や建て替え、売却などの重要な決定には「共有者全員の同意」が必要です。意見が一致しない限り、売却も修繕もできません。共有名義にしたが故に、身動きが取れない状態になってしまいました。 |
だからこそ、遺産分割協議では「誰に一本化するのか」を話し合い、他の相続人にも不平等感の出ない方法を模索するようにしましょう。
遺産分割協議で話がまとまったら、決定内容をもとに遺産分割協議書を作成して、相続人全員が署名と実印の押印をします。
アパートなど高額な相続財産がある場合の遺産分割協議は揉めやすく、どのようにまとめるべきか判断が難しくなります。また、誰が相続するのかと併せて、特例の活用や将来を見据えた節税対策なども考えていく必要もあります。
「誰にアパートを相続させることが最適なのか判断できない」など不安がある場合は、相続問題に強いグリーングループに一度お話を聞かせてください。
グリーングループはただ相続登記の手続きをするだけでなく、相続手続き・税務・不動産の専門家が一体となり、将来のトラブルを未然に防ぐお手伝いをしています。
- 揉めにくい遺産分割の提案
- 二次相続まで見据えた、損をしないための緻密な節税設計
- アパートの出口戦略までを踏まえた提案
など、お悩みに寄り添うサポートが可能です。アパートの遺産分割協議は専門知識がないと乗り越えられない山がたくさんあります。
「何とか家族だけで解決しよう」と思わないで、電話やLINEで今の状況や不安をお聞かせください。一緒に解決策を探すお手伝いができればと思います。
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※平日9時〜20時 / 土日祝9時〜18時まで営業。年末年始以外は営業しております。
▼遺産分割協議の基礎知識は下記の記事でまとめています
4章 ステップ4:相続登記をする
アパートを誰が相続するのか決まったら、相続登記をします。
相続登記時には固定資産税評価額の0.4%が登録免許税としてかかります。例えば、アパートが5,000万円の評価額だとすると、登録免許税は20万円です。
相続登記の方法は、下記の通りです。
| 手続きする人 | 不動産を相続した人 |
| 手続き先 | 法務局 |
| 費用 | 登録免許税(固定資産税評価額の0.4%) |
| 必要書類 |
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アパートの相続登記は、不動産登記法などの改正により、2024年4月1日から義務化されています。
相続登記の期限は下記のように定められているので、期限内に登記を終わらせるようにしましょう。
| 相続・遺産分割のタイミング | 相続登記の期限 |
| 相続が発生した場合 | 取得を知った日から3年以内 |
| 遺産分割が成立した場合 | 遺産分割が成立した日から3年以内 |
▼相続登記をしないで放置すると、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。詳しくは、下記の記事で解説しているので参考にしてみてください。
5章 ステップ5:相続税の計算・申告を行う
アパートの相続登記が終わったら、相続税の計算・申告を行いましょう。
相続税の申告と納付は、原則として被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
「1章 ステップ1:財産調査をしたうえでアパートを相続するべきか判断する」で触れたように、原則として現金で一括納付しなければなりません。
例えば、手元に相続税を支払う現金がない場合は、この10ヶ月間に不動産を売却して現金を作るなど計画的に進める必要があります。
そう考えると、10ヶ月は意外と短くあっという間に期限が来てしまうことも考えられます。
また、相続税には様々な控除や特例が用意されています。
| 相続税の控除例 | 概要 |
| 相続税の配偶者控除 | 配偶者が取得した遺産について、1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税がかからない |
| 小規模宅地等の特例 | 一定の要件を満たす宅地について、土地の相続税評価額を最大80%減額できる |
控除を使えば相続税を節税できるので、活用できる控除や特例がないか専門家に相談してみるのもおすすめです。
参考:国税庁「配偶者の税額の軽減」
参考:国税庁「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」
相続税について、正確な計算を行いたい方はぜひグリーングループへお気軽にご相談ください。活用できる控除や特例を元に、最善の相続をご提案いたします。
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6章 アパートの相続は判断を誤ると将来の不動産凍結や多額の税金負担を招く
アパートの相続は、単に名義変更を行うだけの手続きではありません。「誰が経営を引き継ぎ、負債を背負い、将来の管理責任を持つのか」という事業承継に近い性質を持っています。
そのため「とりあえず相続しよう」と安易に進めてしまうと、将来トラブルや多額の税金負担を招くことになります。
実際に下記のような複雑な相続の場合は、自力で行おうとしても知見がないと最適解が見えてきません。
【アパート相続の例】 Aさんは将来の母親の相続を懸念していました。2つの不動産は共有名義であり、ひとつは築古で建て替えが必要な状態です。しかも、そこには兄が生活している状態でした。 母の資産総額は合計約9,000万円で、相続税は500万円弱になってしまいます。 また、不動産の名義が共有なので、相続時には母親の持ち分を子どもに相続させるなどの工夫が必要です。築古となったアパートは、空室リスクなども踏まえ、建て替えも検討しなければなりません。 |
アパートが共有名義になっていると、誰かが認知症などで判断能力を失ったときに凍結してしまい、売却も修繕もできなくなります。
そうすると老朽化して空室リスクが目立ち収益の出ないアパートを保有し続け、固定資産税や管理費ばかりがかさんでいく負のループに陥るのです。
それだけでなく、アパートの相続には多額の相続税が発生します。控除や特例を理解して、少しでも手元に現金を残す方法を模索しておかないと、想定外の相続税に苦しめられることになるでしょう。
アパートの相続は、安易な判断が将来のご家族に取り返しのつかない金銭的損失や、トラブルを招きます。
「本当に正しい判断なのか」を確認しながら着実に進めるためにも、専門家の力を借りるようにしましょう。
7章 グリーングループは相続手続き・税務・不動産の3視点から納得できるアパート相続をサポートします
「本当にこのままアパートの相続を進めていいのか不安になってきた」と感じている場合は、相続に関する相談件数が累計55,193件(2025年10月末現在)のグリーングループにまずは今の状態をお聞かせください。
アパートの相続は名義を変えるだけでは完結せず、贈与税や所得税の対策と将来の修繕・売却を見据えた評価、最適な相続経路の選定を同時に検討しなければなりません。
グリーングループでは相続手続き・不動産・税務の各領域が連携しており、専門家の知見を使いながら将来を見据えた最適な方法をご提案します。
また、グループ内の不動産会社と連携しながら現実的な資産価値を正確に査定し、揉めないための公平な基準を提示することもできます。
【グリーングループだからこそできることの一例】
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アパートの相続は「とりあえず相続登記をすればいい」と進めると、将来大きなトラブルに発展する恐れがあります。
「本当にこのまま進めていいのかな?」と少しでも迷ったら、まずは私たちグリーングループにお気軽にご相談ください。
まとめ
本記事では、アパートを相続する手順を詳しく解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇アパートを相続する手順は下記のとおり
- ステップ1:財産調査をしたうえでアパートを相続するべきか判断する
- ステップ2:アパートの不動産情報を調査する
- ステップ3:相続人全員で誰が相続するのか決める
- ステップ4:相続登記をする
- ステップ5:相続税の計算・申告を行う
〇アパートの相続は判断を誤ると将来の不動産凍結や多額の税金負担を残す可能性がある
アパートの相続では、相続を開始する前にご家族の将来を見据えて最適な経路を設計したうえで、相続税対策なども同時に進めていく必要があります。
どのように進めればいいのか迷う場合は自力で何とか進めようとしないで、まずはグリーングループにお気軽にご相談ください。
















