「相続登記、自分でもできそうだからやってみよう」と思ったものの、具体的に何の書類が必要なのか分からず、立ち止まっていませんか?
結論からお伝えすると、相続登記の必要書類は、相続のケースによって異なります。
このケースには、以下の4つがあります。まずは、ご自身のケースで必要な書類の全体像をチェックしていきましょう。
一見すると、「ネットで調べながら進めれば、自分でもできそう」と思うかもしれません。しかし、実際には「書類に不備が見つかって取得し直さなければいけない」「相続人が複数いて自分のペースで進められない」ということも少なくありません。
さらに、もし以下のような少し複雑な事情が重なっている場合は、書類の数が増えたり、スムーズに集められなかったりと難易度が一気に跳ね上がります。
実際に、グリーングループへご相談いただいた方に、お父様の相続手続きを進めている途中で、お祖母様も亡くなり、2人分の相続手続きを同時に進めなければいけなくなったケースがあります。
相続手続きが2人分に増えた結果、確認すべき相続人や取得する戸籍などの書類が増え、不動産の権利関係も複雑化しました。相続関係の整理や相続人同士の調整が必要となり、ご自身だけで進めることが難しくなったため、グリーングループへご相談いただきました。
この事例の詳細は「」をご覧ください。
このように、相続が重なったり、相続人が増えたりすると、必要書類の確認や収集が複雑になることがあります。そのため、「自分だけでは難しそう」「少し複雑かもしれない」と感じた場合は、無理に一人で進めようとせず、専門家への相談も視野に入れましょう。
そのうえで本記事では、まずは自分で相続登記を進めたい方に向けて、ケースごとに必要な書類や取得方法、スムーズに集めるためのポイントを具体的に解説します。必要書類を漏れなく準備できるよう、一つずつ読み進めてみてください。
なお、相続登記だけでなく、相続全体の手続きの流れや必要書類、期限について確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
目次
1章 【ケース別】相続登記に必要な書類一覧
相続登記の必要書類は、相続の方法によって異なります。
大きく分けて、以下の4つのケースがあります。
それぞれのケースごとに、集める書類や作成すべき書類を整理しました。ご自身が該当するケースをご確認ください。
1-1 ケース1.遺産分割協議による相続登記に必要な書類
遺産分割協議とは、相続人全員が話し合い、どの財産を誰が取得するかを決める方法です。
この遺産分割協議による相続登記に必要な書類を、以下の表にまとめました。まずは、役所や法務局で取得する書類をご紹介します。
◆集める書類
| 不動産取得者の住民票 | |
| 入手先 | 不動産を取得する相続人の住所地の市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通300円 |
| 備考 | 亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの |
| 亡くなった人の住民票の除票(または亡くなった人の戸籍の附票) | |
| 入手先 |
|
| 取得費用 | 1通300円 |
| 備考 | 死亡届から2週間程度かかる ※死亡の記録が反映されている必要があるため |
| 亡くなった人の戸籍謄本(除籍・改製原戸籍(原戸籍)を含む) | |
| 入手先 | 亡くなった人の本籍地の市区町村役場 |
| 取得費用 |
|
| 備考 | 出生から死亡まで連続した戸籍謄本が必要 |
| 固定資産評価証明書 | |
| 入手先 | 対象不動産のある市区町村役場または市税事務所(東京都23区は都税事務所) |
| 取得費用 | 管轄ごとに異なる |
| 備考 | 相続登記申請を行う最新年度のもの (毎年4月1日に更新されます) |
| 登記簿謄本(登記事項証明書) | |
| 入手先 | 法務局 |
| 取得費用 | 1通490~600円(申請方法により異なる) |
| 備考 | 最新情報のもの |
| 相続人全員の戸籍謄本 | |
| 入手先 | 各相続人の本籍地の市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通450円 (コンビニ取得の場合、安くなることがあります) |
| 備考 | 亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの |
| 印鑑証明書 | |
| 入手先 | 住所地の市区町村 |
| 取得費用 | 1通300円 (コンビニ取得の場合、安くなることがあります) |
| 備考 | 遺産分割協議書に押印された印鑑に関するもの |
| 相続放棄申述受理証明書 | |
| 入手先 | 管轄家庭裁判所 |
| 取得費用 | 1通150円 |
| 備考 | 相続を放棄する人がいる場合に必要 |
次に、作成する書類には以下のようなものがあります。
◆作成する書類
| 登記申請書 | |
| 作成する人 | 申請者が作成 |
| 備考 | なし |
| 遺産分割協議書 | |
| 作成する人 | 相続人全員で作成 |
| 備考 | 原則として、自筆の署名と実印の押印が必要となります |
| 委任状 | |
| 作成する人 | 司法書士が作成 |
| 備考 | 司法書士に依頼する場合等に必要 |
| 相続関係説明図 | |
| 作成する人 | 申請者が作成 |
| 備考 | なし |
💡 ポイント
- 遺産分割協議書は相続人全員の署名・実印が必要です。署名漏れや割印忘れがあると法務局で受理されません。
- 協議書と印鑑証明書は必ずセットで準備しましょう。
このように、遺産分割協議による相続登記では、不動産取得者の住民票や亡くなった方の戸籍謄本などの基本書類に加えて、印鑑証明書と遺産分割協議書を準備する必要があります。
◆取得方法や作成方法の詳細は以下の章・項をご確認ください
上記でお伝えした必要書類はすべて、以下の章や項で取得方法・作成方法を解説しています。
2章では、効率よく書類を集められる順番でご紹介しています。上から順番に確認しながら共通書類を準備し、そのうえで、3-1で解説している遺産分割協議による相続登記で追加で必要な書類も準備していきましょう。
もし相続を放棄する人がいる場合や、司法書士に依頼する場合は、「4章 状況に応じて必要な書類の取得方法」もあわせてチェックしましょう。
参考:法務省「登記申請手続のご案内 (相続登記①/遺産分割協議編) 」
1-2 ケース2.法定相続による相続登記に必要な書類
法定相続とは、相続人全員で、民法で定められた割合(法定相続分)に従って不動産を共有の名義で登記する方法です。
法定相続による相続登記で必要な書類を、以下の表にまとめました。まず、役所や法務局で集める書類からご紹介します。
◆集める書類
| 不動産取得者の住民票 | |
| 入手先 | 不動産を取得する相続人の住所地の市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通300円 |
| 備考 | 亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの |
| 亡くなった人の住民票の除票(または亡くなった人の戸籍の附票) | |
| 入手先 | 住民票の除票:亡くなった人の最後の住所地の市区町村役場 戸籍の附票:亡くなった人の本籍地の市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通300円 |
| 備考 | 死亡届から2週間程度かかる ※死亡の記録が反映されている必要があるため |
| 亡くなった人の戸籍謄本(除籍・改製原戸籍(原戸籍)を含む) | |
| 入手先 | 本籍地の市区町村 |
| 取得費用 |
|
| 備考 | 出生から死亡まで連続した戸籍謄本が必要 |
| 固定資産評価証明書 | |
| 入手先 | 対象不動産のある市区町村役場または市税事務所(東京都23区は都税事務所) |
| 取得費用 | 管轄ごとに異なる |
| 備考 | 相続登記申請を行う最新年度のもの (毎年4月1日に更新されます) |
| 登記簿謄本(登記事項証明書) | |
| 入手先 | 法務局 |
| 取得費用 | 1通490~600円(申請方法により異なる) |
| 備考 | 最新情報のもの |
| 相続人全員の戸籍謄本 | |
| 入手先 | 各相続人の本籍地の市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通450円 (コンビニ取得の場合、安くなることがあります) |
| 備考 | 亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの |
| 相続放棄申述受理証明書 | |
| 入手先 | 管轄家庭裁判所 |
| 取得費用 | 1通150円 |
| 備考 | 相続を放棄する人がいる場合に必要 |
続いて、作成する書類には以下のようなものがあります。
◆作成する書類
| 登記申請書 | |
| 作成する人 | 申請者が作成 |
| 備考 | なし |
| 委任状 | |
| 作成する人 | 司法書士が作成 |
| 備考 | 司法書士に依頼する場合等に必要 |
| 相続関係説明図 | |
| 作成する人 | 申請者が作成 |
| 備考 | なし |
💡 ポイント
- 協議書や印鑑証明書は不要ですが、登記後は不動産が共有状態になります。
- 共有名義は将来の売却や遺産分割で不便になる可能性があるため注意が必要です。
◆取得方法や作成方法の詳細は以下の章・項をご確認ください
上記表にある必要書類はすべて、以下の章や項で取得方法・作成方法を解説しています。
2章では、書類を効率よく集められる順番でご紹介しています。上から順番に確認しながら共通書類を準備し、そのうえで、3-2で解説している法定相続による相続登記で追加で必要な書類も準備しましょう。
もし相続を放棄する人がいる場合や、司法書士に依頼する場合は、「4章 状況に応じて必要な書類の取得方法」もあわせてご確認ください。
参考:法務省民事局「登記申請手続のご案内 (相続登記②/法定相続編)」
1-3 ケース3.遺言書による相続登記に必要な書類
被相続人が遺言を残していた場合、その内容に従って相続登記を行います。
※本記事では、「遺言書による相続登記」とは、相続人に不動産を「相続させる」旨が記載された遺言書による相続登記を前提に解説しています。
遺言書による相続登記に必要な書類は、以下表のとおりです。まずは、役所や法務局で集める書類から確認していきましょう。
◆集める書類
| 不動産取得者の住民票 | |
| 入手先 | 不動産を取得する相続人の住所地の市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通300円 |
| 備考 | 亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの |
| 亡くなった人の住民票の除票(または亡くなった人の戸籍の附票) | |
| 入手先 | 住民票の除票:住所地の市区町村 戸籍の附票:本籍地の市区町村 |
| 取得費用 | 1通300円 |
| 備考 | 死亡届から2週間程度かかる ※死亡の記録が反映されている必要があるため |
| 亡くなった人の戸籍謄本(除籍・改製原戸籍(原戸籍)を含む) | |
| 入手先 | 本籍地の市区町村 |
| 取得費用 |
|
| 備考 | 亡くなった人の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本) |
| 固定資産評価証明書 | |
| 入手先 | 対象不動産のある市区町村役場または市税事務所(東京都23区は都税事務所) |
| 取得費用 | 管轄ごとに異なる |
| 備考 | 相続登記申請を行う最新年度のもの (毎年4月1日に更新されます) |
| 登記簿謄本(登記事項証明書) | |
| 入手先 | 法務局 |
| 取得費用 | 1通490~600円(申請方法により異なる) |
| 備考 | 最新情報のもの |
| 不動産を取得する相続人の戸籍謄本 | |
| 入手先 | 各相続人の本籍地の市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通450円 (コンビニ取得の場合、安くなることがあります) |
| 備考 | 亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの |
| 遺言書 | |
| 入手先 | 保管場所による |
| 取得費用 | なし |
| 備考 | 遺言書の種類によって検認が必要な場合があります |
次に、作成する書類には以下のようなものがあります。
◆作成する書類
| 登記申請書 | |
| 作成する人 | 申請者が作成 |
| 備考 | なし |
| 委任状 | |
| 作成する人 | 司法書士が作成 |
| 備考 | 司法書士に依頼する場合等に必要 |
| 相続関係説明図 | |
| 作成する人 | 申請者が作成 |
| 備考 | なし |
💡 ポイント
- 遺言による相続登記の場合は、遺産分割や法定相続の場合とは異なり、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本は必要はありません。(死亡記載のある戸籍謄本のみ準備すればOK)
- 相続登記に関わる人の戸籍謄本は、遺言により不動産を取得する相続人のみ必要となります。(相続人全員の戸籍謄本は不要)
法務局の保管制度を利用していない自筆証書遺言の場合は、封印を開けずに家庭裁判所で「検認」を受けてから提出します。
※公正証書遺言や法務局で保管された自筆証書遺言は、通常「検認」は不要です。
このように、遺言書による相続登記では、2章の共通書類に加えて、遺言書の準備も必要です。
◆取得方法や作成方法の詳細は以下の章・項をご確認ください
さきほどの表でご紹介した必要書類はすべて、以下の章や項で取得方法・作成方法を解説しています。
2章では、効率的に書類を集められる順序で解説しています。上から一つずつ確認しながら共通書類を用意したうえで、3-3で取り上げている遺言書による相続登記に追加で必要な書類もあわせて準備しましょう。
もし司法書士に依頼する場合は、「4-2 司法書士などの代理人に依頼する場合に必要な書類」もあわせてご確認ください。
参考:法務省「登記申請手続のご案内 (遺贈による所有権移転登記 /相続人に対する遺贈編) 」
1-4 ケース4.相続人以外への遺贈による登記に必要な書類
「相続人以外の人(例:孫、友人、福祉団体など)」が遺言によって不動産を取得する場合は、一般的に「遺贈」として扱われます。遺贈の場合は、相続登記ではなく「遺贈による所有権移転登記」を行います。
この場合は、遺言執行者がいるかどうかによって、手続きの進め方や一部必要となる書類が異なります。
遺言執行者とは:
遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人です。遺言によって指定された人や、家庭裁判所によって選任された人が就任します。
- 遺言執行者がいる場合:遺言執行者が登記手続きを進めるため、遺言執行者に関する書類が必要です。
- 遺言執行者がいない場合:受遺者(遺言によって財産を受け取る人)と相続人全員で手続きを進めるため、相続人全員に関する書類が必要です。
ここからは、遺贈による登記に必要な書類をお伝えします。まずは、役所や法務局で集める書類を表にまとめました。
なお、遺言執行者の有無によって異なる書類には、書類名の前に「【遺言執行者がいる場合】」「【遺言執行者がいない場合】」と記載していますので、ご自身に該当するものだけを準備してください。
◆集める書類
| 不動産取得者の住民票 | |
| 入手先 | 不動産を取得する受遺者の住所地の市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通300円 |
| 備考 | 亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの |
| 亡くなった人の住民票の除票(または亡くなった人の戸籍の附票) | |
| 入手先 | 住民票の除票:住所地の市区町村 戸籍の附票:本籍地の市区町村 |
| 取得費用 | 1通300円 |
| 備考 | 死亡届から2週間程度かかる ※死亡の記録が反映されている必要があるため |
| 亡くなった人の戸籍謄本(除籍・改製原戸籍(原戸籍)を含む) | |
| 入手先 | 本籍地の市区町村 |
| 取得費用 |
|
| 備考 | 亡くなった人の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本) |
| 固定資産評価証明書 | |
| 入手先 | 対象不動産のある市区町村役場または市税事務所(東京都23区は都税事務所) |
| 取得費用 | 管轄ごとに異なる |
| 備考 | 相続登記申請を行う最新年度のもの (毎年4月1日に更新されます) |
| 登記簿謄本(登記事項証明書) | |
| 入手先 | 法務局 |
| 取得費用 | 1通490~600円(申請方法により異なる) |
| 備考 | 最新情報のもの |
| 遺言書 | |
| 入手先 | 保管場所による |
| 取得費用 | なし |
| 備考 | 遺言書の種類によって検認が必要な場合があります |
| 不動産の登記済証または登記識別情報 | |
| 入手先 | 一般的に亡くなった人が保管 |
| 取得費用 | なし |
| 備考 | 第三者への遺贈では原則として必要 |
| 【遺言執行者がいない場合】相続人全員の印鑑証明書 | |
| 入手先 | 各相続人の住所地がある市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通300円程度 (コンビニ取得の場合、安くなることがあります) |
| 備考 | なし |
| 【遺言執行者がいない場合】相続人全員の戸籍謄本 | |
| 入手先 | 各相続人の本籍地がある市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通450円程度 (コンビニ取得の場合、安くなることがあります) |
| 備考 | なし |
| 【遺言執行者がいる場合】遺言執行者の印鑑証明書 | |
| 入手先 | 遺言執行者の住所地がある市区町村役場 |
| 取得費用 | 1通300円程度 (コンビニ取得の場合、安くなることがあります) |
| 備考 | なし |
| 【遺言執行者がいる場合】遺言執行者であることを証明する書類 | |
| 入手先 | 書類の種類により異なる |
| 取得費用 | なし |
| 備考 | 遺言書または遺言執行者選任審判書など |
次に、作成する書類には以下のようなものがあります。
◆作成する書類
| 登記申請書 | |
| 作成する人 | 申請者が作成 |
| 備考 | なし |
| 委任状 | |
| 作成する人 | 司法書士が作成 |
| 備考 | 司法書士に依頼する場合等に必要 |
| 相続関係説明図 | |
| 作成する人 | 申請者が作成 |
| 備考 | なし |
💡 ポイント
- 遺言執行者がいる場合は受遺者と遺言執行者、遺言執行者がいない場合は受遺者と相続人全員による共同申請が必要です。
- 遺贈の内容によっては、相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があるため注意しましょう。
◆取得方法や作成方法の詳細は以下の章・項をご確認ください
お伝えした必要書類はすべて、以下の章や項で取得方法・作成方法を解説しています。
2章では、効率的に書類を集められる順序で解説しているため、上から一つずつ確認して共通書類を用意してください。そのうえで、3-4で説明する相続人以外への遺贈の場合に追加で必要な書類もあわせてそろえましょう。
もし司法書士に依頼する場合は、「4-2 司法書士などの代理人に依頼する場合に必要な書類」もあわせてご確認ください。
▼相続人以外への遺贈登記について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
2章 相続登記に共通して必要な書類を準備する方法とポイント
ご自身がどの相続登記のケースに当てはまるか確認できたら、次は必要書類を準備していきましょう。ここでは、相続登記で共通して必要な書類について、取得先や取得時に必要なもの、手数料、注意点などを解説します。
相続登記では、相続のケースによって必要となる書類が異なる一方で、どのケースでも共通して必要な書類があります。まずは、どのケースでも必要となる共通書類から漏れなく準備していきましょう。
なお、ケース別に追加で必要な書類は、「3章 ケースごとに追加で必要な書類の取得方法」でお伝えしますので、あわせてご確認ください。
【相続登記で共通して必要な書類一覧】
| 書類名 | 取得場所 |
| 取得する書類 | |
| 不動産取得者の住民票 | 住所地の市区町村役場 |
| 亡くなった人の住民票の除票(または亡くなった人の戸籍の附票) | 最後の住所地の市区町村役場など |
| 亡くなった人の戸籍謄本(除籍・改製原戸籍(原戸籍)を含む) | 本籍地の市区町村役場 |
| 固定資産評価証明書 | 不動産所在地の市区町村役場 |
| 登記簿謄本(登記事項証明書) | 法務局 |
| 作成する書類 | |
| 登記申請書 | 法務局の様式をもとに作成 |
※書類名をクリックすると該当の詳細へジャンプします。
◆役所に行く前に、まとめて取得できる書類がないか確認しよう
相続登記では、戸籍謄本や住民票など複数の書類を準備する必要があります。役所へ行く前に、同じ市区町村でまとめて取得できる書類がないか確認しておくと、効率よく集められます。
必要書類だけでなく、相続登記を自分で進める手順を知りたい方は、こちらの記事もご一読ください。
2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順
まずは、多くの書類に共通する基本的な取得方法を確認しましょう。
相続登記で必要な書類は、それぞれ取得先や準備するものが異なりますが、市区町村役場や法務局で取得する書類は、基本的な取得の流れが共通しているからです。
まずは、役所や法務局の窓口で取得する方法をお伝えします。
◆窓口の場合
(1)取得先を確認する |
続いて、郵送で請求する際の方法です。
◆郵送の場合
(1)自治体ホームページから交付請求書をダウンロードする |
このように、書類の取得手順は基本的に共通しています。そのうえで、書類ごとに取得先や必要書類、手数料、注意点などが異なるため、ここからご紹介する各書類のポイントを確認しながら準備を進めましょう。
2-2 不動産取得者の住民票を取得する方法とポイント
不動産取得者の住民票は、不動産を取得する人の現在の住所を証明するために必要な書類です。
取得の基本的な流れは「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」をご確認ください。ここでは、住民票を取得する際の取得場所やポイントを紹介しますので、一つずつ確認しながら準備を進めましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 住所地の市区町村役場 ※マイナンバーカードをお持ちの方は、自治体によってはコンビニ交付を利用できます。 |
| 取得できる人 | 本人、同一世帯員、代理人など |
| 必要なもの |
|
💡ポイント
- 相続登記申請では、マイナンバーの記載がない住民票を取得しましょう。
- 自治体によっては、亡くなった人の住民票の除票や戸籍の附票を取得する際に、相続関係が分かる資料の提示を求められることがあります。そのため、相続人の戸籍や住民票などを先に取得しておくと、手続きがスムーズです。
- ご自身の本籍地が分からない場合は、本籍地入りの住民票を取得して確認しておくと、その後の戸籍謄本の取得がスムーズです。
- 相続登記では住民票は1通あれば足りますが、銀行や証券会社などほかの相続手続きでも必要になることがあります。再取得の手間を減らしたい場合は、2通取得しておくと便利です。
住民票は相続登記で最初に準備しておくと、その後の戸籍収集などもスムーズに進められます。
2-3 亡くなった人の住民票の除票(または亡くなった人の戸籍の附票)を取得する方法とポイント
亡くなった人の住民票の除票(または戸籍の附票)は、登記簿に記載された所有者と亡くなった人が同一人物であることを証明するために必要な書類です。
取得の基本的な流れは、「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」をご確認ください。以下では、取得先や取得に必要なもの、ポイントを確認していきましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 住民票の除票:亡くなった人の最後の住所地の市区町村役場 戸籍の附票:亡くなった人の本籍地の市区町村役場 |
| 取得できる人 | 相続人や受遺者など、正当な利害関係がある人 |
| 必要なもの |
|
◆ポイント
- 死亡の記録が反映されている必要があるため、除票または戸籍の附票が取得できるようになるには死亡届出後、2週間程度かかることがあります。
- 亡くなった人の死亡したときの住所と登記簿に記載されている住所が異なる場合は、住民票の除票や戸籍の附票を提出し、住所移転の経緯を証明する必要があります。どちらか一方の書類でも住所移転の経緯が明確になっていれば問題ありません。
- 亡くなった人の本籍地が分からない場合は、住民票の除票を請求する際に、本籍地を確認できるか市区町村役場へ相談してみましょう。その後の戸籍謄本の取得がスムーズになることがあります。
💡 ポイント:住所移転の経緯が証明できない時の対処法
役所では現在、住民票除票が150年保存されますが、法改正(2019年6月20日施行)前に保存期間を経過して廃棄されたものは取得できない場合があります。そのため、登記簿上の住所と亡くなった時点の住所までの経緯が証明できないこともあります。
住所のつながりを証明できないと、法務局は亡くなった人と登記簿に載っている所有者が同一人物と判断できないため、相続登記手続きを受け付けてくれない場合があります。
その場合は、上申書や印鑑証明書、登記済権利証などの追加書類を提出することで手続きできる場合があります。
【住所の経緯が証明できないときに代わりに準備する書類】
(1)上申書(相続人全員の署名と実印による捺印)
(2)相続人全員の印鑑証明書
(3)登記済権利証
上申書には、「住所の移転経緯を証明できなかった理由、登記簿上の名義人と亡くなった人が同一人物で間違いないことを相続人全員が証明する」旨を記載します。
なお、必要となる書類は、登記の方法や遺言執行者の有無などによって異なるため、事前に法務局や専門家へ確認しましょう。
住民票の除票や戸籍の附票は、亡くなった人と登記簿上の所有者が同一人物であることを証明する重要な書類です。住所の履歴を確認しながら、必要に応じてどちらかの書類を準備しましょう。
2-4 亡くなった人の戸籍謄本(除籍・改製原戸籍(原戸籍)を含む)を取得する方法とポイント
亡くなった人の戸籍謄本は、相続が発生したことを証明する書類です。また、相続登記の方法によっては、法定相続人を確定するために必要な書類となります。
亡くなった人の戸籍謄本は、集める範囲が、相続登記の方法によって異なります。
◆遺産分割協議・法定相続による相続登記の場合
→「亡くなった人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本」がすべて必要
◆遺言書による相続登記・相続人以外への遺贈による登記の場合
→「亡くなった人の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本)」のみ(原則1通)
取得の基本的な流れは、「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」がベースとなります。そのうえで、以下でお伝えする取得する場所やポイントを押さえて、準備を進めていきましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 本籍地の市区町村役場 ※令和6年3月1日から始まった戸籍の広域交付制度を利用すれば、本人・配偶者・直系尊属・直系卑属は最寄りの市区町村窓口でも取得できます(郵送請求・代理人請求は対象外)。 ※ただし、一部制度の対象外となる書類があります。 |
| 取得できる人 | 本人、配偶者、直系親族(父母・祖父母・子・孫など)、代理人(要委任状)、受遺者など正当な利害関係がある人 |
| 必要なもの |
|
💡 ポイント
- 転籍や婚姻などに伴い、本籍地の管轄が変わっている場合は、複数の市区町村役場から戸籍を取得する必要があります。
- 出生から死亡まで必要な場合は、申請の際に「出生から死亡まで取得できる戸籍をすべてください」と伝えるとスムーズです。
- 出生から死亡までの戸籍が必要な場合は、現在の戸籍から順に遡って取得するのが一般的です。
亡くなった人の戸籍は、登記の方法によって必要な範囲が大きく異なります。ご自身のケースを確認したうえで、必要な戸籍を漏れなく準備しましょう。
| 【事例】戸籍収集が複雑になるケースもあります |
亡くなった方の戸籍謄本を集める目的は、相続人を正確に確認するためです。しかし、相続人との関係が複雑な場合は、戸籍を集めるだけでも大きな負担になることがあります。 実際に、叔父様の相続手続きについてグリーングループへご相談いただいたケースでは、相続人が全国に20名ほどいることが分かっており、戸籍収集や相続人の確認に大きな手間がかかる状況でした。 そこで、司法書士が全国の役所へ戸籍謄本の請求を行い、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍に加え、相続人の戸籍も収集しました。その結果、集まった戸籍の束は厚さ3〜5cmにもなり、戸籍の確認から相続人の確定まで約2〜3か月かかりました。 このように、相続人が多いケースでは戸籍収集や相続人の確定に大きな手間がかかります。複雑な相続の場合は、専門家に依頼することでスムーズに手続きを進めることができます。 ▼この事例の詳細は、下記記事で解説しています。 |
▼相続人調査(戸籍収集)について詳しく解説した、以下の記事もご一読ください。
▼「戸籍の種類」「戸籍の見方」について、以下の記事では動画付きで詳しく解説しています。
2-5 固定資産評価証明書を取得する方法とポイント
固定資産評価証明書は、登記の手続きをする対象不動産に応じた登録免許税を算出するために必要になります。
取得方法は「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」と同じですが、不動産のある市区町村役場か市税事務所のどちらかで取得する点が異なります。ここからは、具体的な取得先やポイントを押さえていきましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 不動産がある市区町村役場か市税事務所(東京都23区は都税事務所) |
| 取得できる人 | 相続人、受遺者、不動産共有者、代理人(要委任状) |
| 必要なもの |
|
※必要なものや手数料は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
💡 ポイント
相続税の申告や財産評価の基礎となるため、登記手続きをする最新年度分(毎年4月1日に更新)を準備しましょう
固定資産評価証明書は、不動産の所在地を管轄する自治体で取得します。登記手続きでは最新年度の証明書が必要となるため、取得年度を確認したうえで準備しましょう。
2-6 登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する方法とポイント
登記簿謄本は登記申請時に添付する書類ではありませんが、遺産分割協議書や登記申請書の作成の際に、正確な地番や家屋番号の表記を確認するために必要な書類になります。
取得方法は「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」と同じですが、手数料を収入印紙で納付することと、全国の法務局で取得できることが異なります。以下で解説する取得先や取得に必要なものを確認しながら準備していきましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 全国の法務局、またはオンラインで取得可能 |
| 取得できる人 | 誰でも可 |
| 必要なもの |
|
参考:法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」
登記簿謄本は添付書類ではありませんが、申請書類を正確に作成するために役立ちます。地番や家屋番号を確認するため、事前に取得しておきましょう。
2-7 登記申請書を作成する方法とポイント
登記申請書は、法務局へ登記申請する際に必要な書類です。
登記手続きを司法書士に依頼する場合は司法書士が作成しますが、ご自身で登記手続きを行う場合は、法務局のホームページから申請書のひな形をダウンロードし、ご自身の相続ケースに応じて作成する必要があります。
なお、申請書の記載内容は、相続の方法によって異なります。ここからは4つのケースごとに、登記申請書の記入例を紹介します。
ご自身のケースに合った記入例を参考に、作成していきましょう。
2-7-1 遺産分割協議による登記申請書の記入例
以下のケースをもとに、遺産分割協議による登記申請書の記入例を紹介します。
◆ケース概要
- 亡くなった人:(父)山田 太郎
- 相続人:(妻)山田花子、(長男)山田一郎、(次男)山田次郎
- 父が所有していた自宅不動産について相続人全員で遺産分割協議を行い、長男一郎が単独で不動産を取得することに決めた。
【遺産分割による登記申請書の記入例】
遺産分割協議による相続登記では、相続人全員で決めた不動産の取得者を申請書に記載します。遺産分割協議書の内容と申請書の記載が一致するように作成しましょう。
2-7-2 法定相続による登記申請書の記入例
以下のケースをもとに、法定相続による登記申請書の記入例をご紹介します。
◆ケース概要
- 亡くなった人:(父)山田太郎
- 相続人:(妻)山田花子、(長男)山田一郎、(次男)山田次郎
- 遺言書は残されていなかった。遺産分割協議をしないで法定相続分どおりに相続登記を行う。
【法定相続分による登記申請書の記入例】
法定相続による相続登記では、民法で定められた相続割合(法定相続分)にもとづいて不動産を取得する人や持分を申請書に記載します。相続人ごとの持分を正確に確認したうえで作成しましょう。
2-7-3 遺言による登記申請書の記入例
以下のケースをもとに、遺言による登記申請書の記入例をご紹介します。
◆ケース概要
- 亡くなった人:(父)山田 太郎
- 相続人:(妻)山田花子、(長男)山田一郎、(次男)山田次郎
- 父太郎が「自宅不動産を長男一郎へ相続させる」という内容の公正証書遺言を残していた。
【遺言による登記申請書の記入例】
遺言による相続登記では、遺言書の内容にもとづいて不動産を取得する人を申請書に記載します。遺言書の内容と申請書の記載が一致するように作成しましょう。
2-7-4 遺贈による登記申請書の記入例
以下のケースをもとに、相続人以外への遺贈による登記申請書の記入例を紹介します。
◆ケース概要
- 亡くなった人:(父)山田花子
- 受遺者:田中一郎
- 相続人:(長男)山田 太郎、(次男)山田 次郎
- 母花子が「自宅不動産を友人の田中一郎へ遺贈する」という内容の公正証書遺言を残していた。
遺言執行者がいる場合は、下記のように記入します。
【遺贈による登記申請書の記入例(遺言執行者がいる場合)】
遺言執行者がいない場合は、下記のように相続人全員の署名が必要です。
【遺贈による登記申請書の記入例(遺言執行者がいない場合)】
相続人以外への遺贈による登記では、遺言執行者の有無によって登記申請書の記載内容や申請人が異なります。ご自身のケースに合った記入例を参考に作成しましょう。
3章 ケースごとに追加で必要な書類の取得方法
「2章 相続登記に共通して必要な書類を準備する方法とポイント」で共通する書類を集めたら、次は自分のケースに追加で必要な書類を集めていきましょう。
ご自身のケースに該当する項目を確認し、必要な書類を準備しましょう。
ご自身の相続ケースに該当する項目を確認し、2章で紹介した共通書類とあわせて必要な書類を準備しましょう。
3-1 遺産分割協議の場合に追加で必要な書類を取得する方法とポイント
遺産分割協議による相続登記の場合、2章で紹介した共通書類に加え、3種類の追加で必要な書類があります。
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺産分割協議書
- 印鑑証明書
ここからは、それぞれの書類の取得方法や作成方法、準備する際のポイントを解説します。
3-1-1 相続人全員の戸籍謄本
遺産分割協議による相続登記では、遺産分割協議に参加する相続人全員の現在の戸籍謄本が必要です。
これは、相続開始時に相続人が生存していたことを確認するために提出します。
戸籍謄本の基本的な取得方法は、「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」と同じです。以下表では、相続人全員の戸籍謄本について、取得場所や取得できる人、必要なものをまとめているため、確認しながら準備していきましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 各人の本籍地のある市区町村役場 |
| 取得できる人 | 本人、配偶者、父母子孫(直系血族)、代理人(要委任状) |
| 必要なもの |
|
※マイナンバーカード(個人番号カード)、スマホ用電子証明書を搭載したスマートフォンをお持ちの場合は、一部自治体でコンビニ交付サービスも利用可能です。
💡ポイント
- 亡くなった人の戸籍とは違い、いま現在の戸籍謄本のみ取得すればOKです。
- 戸籍は直系親族であれば取得できますが、兄弟姉妹など横の関係の戸籍は原則として取得できません。
遺産分割協議に参加する相続人全員分を漏れなく準備しましょう。
相続人調査(戸籍収集)については、下記の記事でも詳しく解説しています。
3-1-2 遺産分割協議書
遺産分割協議書は、相続人全員で話し合って決めた遺産の分け方を証明するための書類です。
遺産分割協議書には決まった様式はありません。必要な項目を記載し、相続人全員が内容を確認したうえで作成します。
【取得時の基本情報】
| 作成する人 | 相続人全員 ※法定相続人全員の署名・実印での押印が必要 |
| ひな形 | 遺産分割協議書雛形(不動産)ダウンロード ※上記は不動産に関する遺産分割協議書のひな形(Word形式)です。遺産の内容や相続人の状況によって記載内容は異なるため、実際の協議内容に合わせて修正してご利用ください。 |
【記載例】
遺産分割協議書を作成する際に特に注意したいのが、「相続人の漏れ」と「内容の不備」です。
相続人を一人でも見落としたまま協議を行うと、その協議自体がすべて無効になります。その場合、遺産分割協議書を一から作り直すことになります。
また、内容の修正が必要になると、修正のたびに相続人へ署名・捺印をお願いし直す必要があります。特に、不動産を取得する方が手続きを進めている場合、書類の修正や再提出が必要になると、ほかの相続人へ再度対応をお願いしなければならず、負担や気まずさを感じることもあります。
後からのやり直しや親族トラブルを防ぐためにも、相続人の確定と協議書の作成は細心の注意を払って進めましょう。
作成した遺産分割協議書には、次の3-1-3で解説する印鑑証明書を添付して提出します。
3-1-3 印鑑証明書
印鑑証明書は、遺産分割協議書に押印した実印が本人のものであることを証明するために必要な書類です。
そのため、遺産分割協議書に署名・押印する相続人全員分の印鑑証明書を準備する必要があります。
印鑑証明書は、相続人本人が住民登録している市区町村の窓口で取得するか、マイナンバーカードを利用したコンビニ交付などを利用します。窓口での取得方法は、「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」と同じです。準備する際は、以下の取得先やポイントを押さえておきましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 各相続人が住所を置いている市区町村役場 |
| 取得できる人 | 本人(または委任状を持った代理人) |
| 必要なもの |
|
※マイナンバーカード(個人番号カード)、スマホ用電子証明書を搭載したスマートフォンをお持ちの場合は、一部自治体でコンビニ交付サービスも利用可能です。
💡ポイント
実印登録をしていない場合は、先に住所を置いている市区町村役場で「実印登録」の手続きをする必要があります。
相続登記において印鑑証明書の有効期限の定めはありません(何年前のものでも登記自体は可能)。
ただし、金融機関の預金解約などと併用する場合は「発行から3〜6ヶ月以内」を求められることが多いです。
3-2 法定相続の場合に追加で必要な書類を取得する方法とポイント
法定相続による相続登記では、2章で紹介した共通書類に加え、相続人全員の戸籍謄本が必要です。
相続人全員の戸籍謄本は、相続開始時に相続人が生存していたことを確認するために提出します。
戸籍謄本の基本的な取得方法は、「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」と同じです。下記でお伝えする、取得場所や取得できる人、ポイントなどを押さえながら準備しましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 各人の本籍地のある市区町村役場 |
| 取得できる人 | 本人、配偶者、直系血族(父母、祖父母、子、孫など)、代理人(要委任状) |
| 必要なもの |
|
※マイナンバーカード(個人番号カード)、スマホ用電子証明書を搭載したスマートフォンをお持ちの場合は、一部自治体でコンビニ交付サービスも利用可能です。
💡ポイント
- 亡くなった人の戸籍とは違い、相続人は現在の戸籍謄本のみ取得すれば足ります。
- 戸籍は直系親族であれば取得できますが、兄弟姉妹など横の関係の戸籍は原則として取得できません。
このように法定相続による相続登記では、相続人全員の戸籍謄本を準備する必要があります。必要な書類をそろえたうえで、次の手続きへ進みましょう。
3-3 遺言書による相続に追加で必要な書類を取得する方法とポイント
遺言書による相続登記では、2章で紹介した共通書類に加え、「不動産を取得する相続人の戸籍謄本」と「遺言書」が必要です。
ここからは、それぞれの書類の準備方法や注意点を解説します。
3-3-1 不動産を取得する相続人の戸籍謄本
遺言書による相続登記では、遺言によって不動産を取得する相続人の戸籍謄本が必要です。
遺言によって不動産を取得する人が決まるため、相続人全員分ではなく、不動産を取得する相続人の戸籍謄本のみ準備すれば足ります。
戸籍謄本の基本的な取得方法は、「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」と同じです。取得場所やポイントを押さえて準備していきましょう。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 不動産を取得する相続人の本籍地がある市区町村役場 |
| 取得できる人 | 本人、配偶者、直系血族(父母、祖父母、子、孫など)、代理人(要委任状) |
| 必要なもの |
|
※マイナンバーカード(個人番号カード)、スマホ用電子証明書を搭載したスマートフォンをお持ちの場合は、一部自治体でコンビニ交付サービスも利用可能です。
💡ポイント
- 亡くなった人の戸籍とは違い、相続人は現在の戸籍謄本のみ取得すれば足ります。
- 戸籍は直系親族であれば取得できますが、兄弟姉妹など横の関係の戸籍は原則として取得できません。
不動産を取得する相続人を確認したうえで、必要な戸籍謄本を準備しましょう。
3-3-2 遺言書
遺言書による相続登記の場合、亡くなった人が残した遺言内容を証明するために、「遺言書」が必要です。なお、本章では、相続人へ「相続させる」と記載された遺言書による相続登記について説明します。
遺言書の種類によって、相続登記前に必要となる手続きが異なります。
【遺言書の種類】
(1)自筆証書遺言・・・亡くなった人が手書きで残している遺言書
(2)秘密証書遺言・・・公証人役場で内容を秘密にして作成した遺言書
(3)公正証書遺言・・・公証人役場で証人2名のもと作成した遺言書
上記のうち(1)自筆証書遺言(法務局の保管制度を利用していないもの)、(2)秘密証書遺言の遺言書の場合は、相続登記の手続き前に家庭裁判所で「検認」という手続きを行う必要があります。封がされている場合は開封せずに、家庭裁判所で検認の手続きを行ってください。
なお、(3)公正証書遺言書と、法務局の保管制度を利用していた自筆証書遺言の場合は、検認手続きを行う必要はありません。
遺言書の検認については、下記の記事でも詳しく解説しています。
遺言書の種類によっては、相続登記の前に検認などの手続きが必要になる場合があります。まずは手元の遺言書の種類を確認し、必要な手続きを進めましょう。
3-4 相続人以外への遺贈の場合に追加で必要な書類を取得する方法とポイント
相続人以外への遺贈による登記では、2章で紹介した共通書類に加えて、「遺言書」と「不動産の登記済証または登記識別情報」が必要です。また、遺言執行者がいるかどうかによって、追加で準備する書類が異なります。
【遺贈の場合に必要な書類の全体像】
◆共通して必要
- 遺言書
- 不動産の「登記済証」または「登記識別情報」
- 相続人全員の印鑑証明書
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺言執行者の印鑑証明書
- 遺言執行者の資格を証明する書類
まずは共通して必要な書類を確認し、その後、ご自身のケースに応じて遺言執行者が「いる場合」「いない場合」に必要な追加書類を確認しましょう。
3-4-1 【共通して必要】遺言書
相続人以外への遺贈による登記では、亡くなった人が第三者へ不動産を譲る意思を確認するため、遺言書を提出します。
遺言書の種類によっては、相続登記前に「検認」という手続きが必要になるケースがあります。
自筆証書遺言(法務局の保管制度を利用していないもの)や秘密証書遺言の場合は、相続登記を申請する前に家庭裁判所で「検認手続き」を行う必要があります。
検認が必要な遺言書は、検認後に発行される「検認済証明書」が付いた状態で提出します。
【遺言書の種類と検認の要否】
| 遺言書の種類 | 内容 | 検認 |
| 公正証書遺言 | 公証人役場で証人2名のもと作成した遺言書 | 不要 |
| 自筆証書遺言 (法務局保管制度を利用したもの) | 亡くなった人が手書きで作成し、法務局で保管されていた遺言書 | 不要 |
| 自筆証書遺言 (自宅等で保管していたもの) | 亡くなった人が手書きで作成し、自宅などで保管していた遺言書 | 必要 |
| 秘密証書遺言 | 公証人役場で内容を秘密にして作成した遺言書 | 必要 |
なお、登記申請時には遺言書の原本を提出しますが、手続き完了後に返却してもらうことが可能です。
遺言書の検認については、下記の記事でも詳しく解説しています。
3-4-2 【共通して必要】不動産の登記済証または登記識別情報
相続人以外への遺贈による登記では、登記済証(権利証)または登記識別情報が原則として必要です。
通常の相続登記では、相続によって不動産を取得するため、登記済証や登記識別情報の提出は不要です。一方、相続人以外への遺贈では、登記義務者(亡くなった人の相続人や遺言執行者)と登記権利者(受遺者)が共同で登記申請を行うため、本人確認の意味で必要になります。
どちらを準備するかは、不動産の取得時期によって異なりますが、いずれも通常は不動産の所有者である亡くなった人が保管しています。
【登記済証と登記識別情報の違い】
| 登記済証 (権利証) |
|
| 登記識別情報 |
|
なお、登記済証や登記識別情報は再発行ができません。万が一、紛失している場合は、以下の方法で手続きを進めることがあります。
・法務局からの事前通知を利用する方法
法務局から登記義務者(相続人全員または遺言執行者)へ本人確認の通知が送られます。通知を受け取った人が期限内に回答することで、本人の意思による登記申請であることを確認し、手続きを進めます。
・司法書士による本人確認情報を利用する方法
司法書士が登記義務者と面談し、本人確認を行ったうえで「本人確認情報」を作成し、登記済証や登記識別情報の代わりとして提出する方法です。
ただし、本人確認情報の作成には司法書士への依頼費用が発生します。
権利証が見つからない場合は、手続き方法によって必要な対応が異なるため、早めに法務局や専門家へ確認しましょう。
登記済証(権利証)と登記識別情報の違いや紛失した場合の対応については、下記記事で詳しく解説しています。
3-4-3 【遺言執行者がいない場合】に追加する2種類の書類
遺言執行者がいない場合は、受遺者と相続人全員が共同で登記申請を行います。
そのため、「相続人全員の印鑑証明書」と「相続人全員の戸籍謄本」が追加で必要です。
遺言執行者や相続人全員が「登記義務者」として添付する印鑑証明書は、不動産登記令により「作成後3ヶ月以内」のものでなければならないと厳格に定められていますので、注意してください。
印鑑証明書と戸籍謄本の取得方法は「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」と同様です。このケースでは、相続人全員の協力が必要になるため、以下でお伝えする「取得できる人や相続人に協力してもらえない場合の対応」もあわせて確認しておきましょう。
【相続人全員の印鑑証明書取得時の基本情報】
| 取得場所 | 各相続人の住所地がある市区町村役場 |
| 取得できる人 | 各相続人本人、代理人(要委任状) |
| 必要なもの |
|
※マイナンバーカード(個人番号カード)、スマホ用電子証明書を搭載したスマートフォンをお持ちの場合は、一部自治体でコンビニ交付サービスも利用可能です。
※受遺者が取得する場合は、相続人から委任を受ける必要があります。
【相続人全員の戸籍謄本取得時の基本情報】
| 取得場所 | 各相続人の本籍地がある市区町村役場 |
| 取得できる人 | 各相続人本人、配偶者、直系血族、代理人(要委任状)など |
| 必要なもの |
|
※マイナンバーカード(個人番号カード)、スマホ用電子証明書を搭載したスマートフォンをお持ちの場合は、一部自治体でコンビニ交付サービスも利用可能です。
※受遺者が相続人の戸籍謄本を取得できない場合もあるため、相続人本人に準備を依頼することが一般的です。
しかし、相続人との連絡が取れない、協力を得られないといった場合は、必要書類をそろえられず、登記手続きを進められない可能性があります。
💡ポイント:相続人の協力を得るのが難しい場合
相続人の協力を得るのが難しい場合は、家庭裁判所へ申し立てて遺言執行者を選任してもらう方法もあります。
遺言執行者が選任されると、相続人に代わって遺言内容の実現に必要な手続きを進めることができます。
遺言執行者がいない場合は、相続人の協力が必要になるため、事前に連絡を取り、必要な書類を準備できる状態か確認しておきましょう。
3-4-4 【遺言執行者がいる場合】に追加する2種類の書類
遺言執行者がいる場合は、遺言執行者と受遺者で登記手続きを進めるため、「遺言執行者の印鑑証明書」と「遺言執行者であることを証明する書類」の2種類を追加で準備します。
印鑑証明書の取得方法は、「2-1 役所や法務局で書類を取得する際の共通手順」でお伝えしたやり方と同じです。
これらの書類は、基本的に遺言執行者が準備します。そのため、受遺者の方はご自身で取得する必要はありませんが、必要書類や準備状況を遺言執行者へ確認しておくと、手続きをスムーズに進められます。
【遺言執行者の印鑑証明書取得時の基本情報】
| 取得場所 | 遺言執行者の住所地がある市区町村役場 |
| 取得できる人 | 遺言執行者本人、代理人(要委任状) |
| 必要なもの |
|
※受遺者が取得する場合は、遺言執行者から委任を受ける必要があります。
遺言執行者の立場を証明するために、下記の書類も提出します。
【遺言執行者であることを証明する書類】
・遺言書で指定されている場合
→遺言執行者の指定が確認できる遺言書
・家庭裁判所で選任された場合
→家庭裁判所が交付する遺言執行者選任審判書
遺言執行者がいる場合は、遺言執行者が中心となって登記手続きを進めます。受遺者は必要書類について遺言執行者や専門家へ確認するとスムーズです。
| 「何から手を付ければ…」と迷ったら、 専門家に相談するのが安心への近道です |
「必要書類はなんとなく分かってきたけれど、自分は何から手をつければいいのか分からない」と迷ったら、無理に一人で進めようとせず、早めに専門家へ相談することをおすすめします。 実際にグリーングループへご相談いただく方の多くは、「何から手をつければいいか分からない」という状態からスタートされています。 あるご相談者様も、ご家族間で争いがあったわけではありませんが、「自分だけで手続きを進めるのは難しそう」と感じ、ご相談に来られました。 当初は必要書類や手続きの流れが分からず不安を抱えていらっしゃいましたが、ご状況を確認しながら必要な書類や進め方を一つずつ整理したことで、安心して手続きを進められるようになりました。 ▼この事例について詳しく知りたい方は、「」をご覧ください。 グリーングループでは、ご自宅から相談できる「90分無料オンライン相談」を実施しています。 無料相談では、司法書士や行政書士といった有資格者が直接お話を伺いながら、相続関係や不動産の状況を確認したうえで、「あなたの場合に必要な書類」や今後の手続きの流れを分かりやすく整理します。 まずは「自分の場合に何が必要なのか」を確認するだけでも大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。 電話で気軽に聞きたい方はこちらをクリック |
4章 状況に応じて必要な書類の取得方法
相続登記では、基本的な必要書類に加えて、相続の状況や手続き方法によって追加で書類が必要になる場合があります。
以下のケースに当てはまる場合は、必要な項目を確認してください。
- 法定相続または遺産分割協議による相続登記で、相続人の中に家庭裁判所で相続放棄の手続きをした人がいる場合は、「4-1 相続放棄をした人がいる場合に必要な書類」を確認してください。
- また、相続登記の手続きを司法書士などの代理人へ依頼する場合は、相続の方法にかかわらず、「4-2 司法書士などの代理人に依頼する場合に必要な書類」をご確認ください。
これらはすべての相続登記で必要になる書類ではありません。自身の状況に当てはまる場合のみ確認しましょう。
4-1 相続放棄をした人がいる場合に必要な書類
相続人の中に「相続放棄」をした人がいる場合、相続放棄が受理されていることを証明するために「相続放棄申述受理証明書」が必要です。
💡ポイント:「相続放棄申述受理”通知書”」ではだめなのか
かつてはできませんでしたが、家庭裁判所から送付される”通知書”をそのまま提出することも可能です(ただし、通知書は原本還付できない場合があります)。確実に手元に残したい場合は証明書を取得しましょう。
※実際のお手続きでは複数の”証明書”があった方が同時に手続きをすることができるため、証明書の取得をおすすめします。
相続放棄申述受理証明書は、窓口、または郵送で申請することができます。具体的な取得方法は以下のとおりです。
【取得時の基本情報】
| 取得場所 | 相続放棄の申述を受理した家庭裁判所 |
| 取得できる人 | 本人、利害関係人 |
| 必要なもの |
|
※相続放棄した本人以外の相続人が取得する場合は、利害関係を証明する書類が必要です。
◆取得する方法
(1)相続放棄が受理された家庭裁判所を確認する
相続放棄申述受理通知書などで、管轄裁判所や事件番号を確認します。
(2)申請書を準備する
家庭裁判所の窓口またはウェブサイトから「相続放棄申述受理証明申請書」を取得し、必要事項を記入します。
(3)家庭裁判所へ申請する
窓口へ提出するか、必要書類をそろえて郵送します。
(4)証明書を受け取る
審査後、窓口または郵送で交付されます。
※交付までの日数は家庭裁判所によって異なるため、事前に確認すると安心です。
参考:東京家庭裁判所「相続放棄申述受理証明書の申請方法について」
このように相続放棄した人がいる場合は、通常の相続登記に加えて「相続放棄申述受理証明書」の準備が必要です。
▼相続放棄した人がいる場合の相続登記については、下記記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
4-2 司法書士などの代理人に依頼する場合に必要な書類
相続登記の申請を司法書士などの代理人に依頼する場合は、代理人へ手続きを委任したことを示す「委任状」が必要です。司法書士に依頼する場合だけでなく、相続人のうち一人に手続きを任せる場合にも委任状が必要になることがあります。
委任状は、代理人が用意した書類に、手続きを依頼する人(申請人)が署名・押印して作成します。
このように、相続登記を本人以外の人が代理で申請する場合は、誰に依頼するかにかかわらず委任状の準備が必要です。
5章 提出すると相続関連の手続きがスムーズになる書類
「相続関係説明図」を提出すると、戸籍謄本などの原本を返却してもらえるため、その後の相続手続きをスムーズに進められます。
相続関係説明図とは、亡くなった人(被相続人)と相続人の関係を図で整理し、相続関係を確認しやすくするための書類です。提出は法律上の義務ではありませんが、提出することで戸籍謄本などの原本還付を受けられるため、実務上は作成・提出されることが多い書類です。
相続関係説明図は、以下のように戸籍に記載されている情報をもとに作成します。
戸籍謄本などは、相続登記以外にも、預貯金の解約や名義変更などの相続手続きで使用することがあります。そのため、特別な事情がない限りは、相続関係説明図を作成して提出しておくと、その後の手続きを円滑に進めやすくなります。
6章 相続登記の必要書類を自力で集めるのは大変!
ここまで、相続登記に必要な書類を解説してきましたが、実際のところ、ご自身だけで必要書類をそろえて手続きを完了させるのはかなりハードルが高いのが現実です。
自力で必要書類を集めるのが大変な理由には、おもに以下の3つがあります。
【相続登記に必要な書類を自力で集めるのが大変と感じる理由】
◆一つでも不備が見つかると、修正や手続きをやり直す負担が大きいから ◆戸籍を集めて確認するだけでも手間がかかるから また、古い戸籍は手書きや旧字体で記載されていることもあり、必要な戸籍が揃っているか判断するのも簡単ではありません。 ◆関係者との書類のやり取りや調整が必要になるから |
例えば、「相続人が自分一人だけで、不動産も1件、亡くなった人の本籍地は変わっておらず、平日に役所や法務局へ何度も行ける」という状況であれば、自力で手続きを進められるでしょう。
一方で、相続人が複数いる、田舎の役所から戸籍を取り寄せる必要がある、ご高齢の相続人がいてサポートも必要といった状況では、一気に負担が大きくなります。
実際に、グリーングループにご相談いただいた事例でも、放置されていた不動産の手続きを進めようとしたところ、相続人が206人にまで増えていた複雑なケースがありました。
| 実際にグリーングループに相談いただいたお客様の事例 |
◆必要な戸籍が想定以上に増えたケース この事例では、小さな畑の相続登記を進めるため戸籍を調査したところ、過去の相続が放置されていたことで相続人が「206人」にまで膨らんでいたことが判明しました。 これは、相続手続きを行わないまま次の世代へ相続が発生する「数次相続」によって、相続人の範囲が広がったことが原因です。 相続人が多数に及んだため、通常の話し合いによる解決が難しく、最終的には裁判手続きによって名義変更を行いました。 |
ここまで極端なケースではなくても、次のような状況では書類集めや役所とのやり取りに時間がかかり、自力での手続きが難航しやすくなります。
- 仕事や家事で忙しく、平日の日中に役所や法務局へ行く時間が作れない
- 高齢の親族の代わりに書類集めを手伝わなければならない
- 田舎の役所からの取り寄せが必要である
相続登記の必要書類を取得する難易度は、ご自身の家庭環境やライフスタイルによって大きく異なります。まずは、ご自身のケースが無理なく自力で進められるのかを見極め、そのうえで必要に応じて専門家への相談も視野に入れながら進めましょう。
7章 相続登記を専門家に依頼したほうがよいケース
ここまでご紹介したように、相続登記は必要書類を集めるだけでも多くの時間と手間がかかります。そのため、少しでも「難しそう」と感じたら、最初から専門家へ依頼したほうが、結果的に早く手続きを終えられることがほとんどです。
特に、次のようなケースでは専門家へ依頼したほうが、結果的に時間や費用、精神的な負担を抑えられる可能性があります。
【時間的制約があるケース】
- 平日に法務局や役所に行く時間を確保できない
- 不動産の売却など、相続登記を早く終えたい事情がある
【相続人関係が複雑なケース】
- 相続人が複数人いる
- 相続手続き中にさらに相続が発生している(数次相続)
- 戸籍の収集範囲が広い
- 海外在住の相続人や未成年の相続人がいる
【不動産・登記の状況が複雑なケース】
- 不動産が複数ある
- 未登記の建物がある
- 相続登記が長期間放置されていた
- 登記簿上の氏名・住所と現況が一致していない
相続登記は、シンプルなケースであれば自分で進められることもあります。
しかし、自分で進め始めたものの、必要書類の不足や登記申請書の不備により、書類の集め直しや申請のやり直しが発生し、かえって時間がかかるケースも少なくありません。最初から専門家へ依頼すれば、このような二度手間を避けながら、スムーズに手続きを進められるでしょう。
もし、少しでも不安を感じる場合は、無理に一人で進めず、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
8章 自分でできるか迷ったら、まずはグリーングループの無料相談をご利用ください
ここまで読んでいただいた中で、「自分で進められそう」と感じた方もいれば、「自分のケースは専門家に相談したほうがよいのだろうか」と迷っている方もいるでしょう。
そのような場合は、まずグリーングループの無料相談をご利用ください。
グリーングループでは、ご相談者様の相続関係や不動産の状況を確認し、自分で進められるケースなのか、専門家へ依頼したほうがよいケースなのかも含めてご案内しています。
これまでにも相続関係や不動産の状況が複雑なケースでも、多くのご相談をいただき、手続きをサポートしてきました。ここでは、その一部をご紹介します。
| 実際にグリーングループに相談いただいたお客様の事例 |
◆3代にわたる未登記の相続を解決したケース 父の相続をきっかけに調査したところ、10年以上前に亡くなった母やその前に亡くなった祖母名義の不動産が名義変更されていないままであることが判明しました。 3代分の相続が未完了で、対象となる不動産は10件以上あり、ご自身で進めるには複雑な状況でした。 そこでグリーングループは、相続人や必要書類の確認から、複雑な相続関係の整理、登記手続きまで一括してサポートしました。途中で発生した氏名表記の違いなどの問題にも対応し、依頼者様の負担を抑えながら、約4ヶ月で所有者を変更することができました。 この事例の詳細は、「」をご覧ください。 |
| 実際にグリーングループに相談いただいたお客様の事例 |
◆20名以上の相続人が関わる複雑な相続登記を解決したケース この方は、叔父の相続手続きを進める中で、兄弟やいとこなど相続人が約20名にのぼることが判明しました。さらに、未登記の不動産も含まれており、ご自身で相続人の確認や手続きを進めることが難しい状況でした。 そこでグリーングループでは、相続人の調査や戸籍収集、相続人への連絡、遺産分割協議に向けた調整から、未登記不動産の登記手続きまで必要な手続きを進めました。 その結果、多くの相続人が関わる複雑なケースでも、当初希望していたご兄弟3名で不動産や金融資産を相続する内容で合意でき、1年以上にわたる手続きを無事に完了することができました。 この事例の詳細は、「」をご覧ください。 |
このように、グリーングループでは、長年放置されていた案件や、相続人が極めて多いケースであっても、専門的なノウハウとネットワークを活かして最後まで対応いたします。
専門家に相談すべきか迷ったら、90分無料相談をご活用ください 「自分のケースは、専門家に頼むほど複雑なのだろうか」 そう迷われた時点で、一度ご相談いただくのが一番の近道です。 グリーングループの無料相談では、無理に依頼をおすすめすることは一切ありません。 法務局がチェックするポイントや、ご自身のケースでの手続き難易度を客観的にお伝えし、自分で進めるかプロに任せるかを判断するための材料を透明性を持ってお話しします。 自宅から気軽にご参加いただける90分の無料オンライン相談(全国対応・土日も受付)も実施しています。 「分からないことをちょっと聞いてみたい」「とりあえず今の状況を整理したい」という軽い気持ちでのご相談も、もちろん歓迎しております。ぜひお気軽にご相談ください。 電話で気軽に聞きたい方はこちらをクリック |
まとめ
相続登記に必要な書類は、大きく分けると以下の2種類です。
- 役所で取得する書類:戸籍謄本・除籍・住民票の除票・戸籍の附票・固定資産評価証明書・納税通知書など
- 自分で作成する書類:相続関係説明図(家系図)、遺産分割協議書、登記申請書、財産調書など
さらに、相続のパターン(遺産分割協議・法定相続分・遺言書・遺贈)によって必要書類は変わります。
2024年から相続登記は義務化され、相続開始を知った日から3年以内の申請が必須です。正当な理由なく放置すると過料の対象となる可能性もあります。
書類の不備や取得漏れがあると、法務局で登記を受け付けてもらえません。相続登記を円滑に進めるためには、以下の点を意識しましょう。
- まずは法定相続人を確定する(戸籍の収集)
- 財産(不動産)の評価額を固定資産評価証明書で確認
- 遺産分割協議書や遺言書の内容を正しく書式化する(署名・実印押印・割印)
- 不安がある場合は司法書士に相談する
相続登記は「一生に一度か二度」の手続きでありながら、相続税の申告や将来の財産管理にも直結する重要なステップです。
早めに必要書類を準備し、確実に手続きを進めましょう。
相続登記の手続きや手順について、もうすこし詳しく知りたい人は以下の記事をご確認ください。
本記事を読んでいただくことで、少しでも相続登記が円滑に行われ、放置されて遺産分割協議が困難になったり、所有者が不明になったりする不動産が少しでも減ってほしいと願っております。
よくあるご質問
どんなパターンでも必要なものは、
・被相続人の出生から死亡までの戸籍一式
・被相続人の戸籍附票
・相続人全員の戸籍
・新たに登記名義人となる人の戸籍附票
・固定資産評価証明書or固定資産税課税明細書
・収入印紙
・登記申請書
・返信用封筒
があります。
そのほか、必要な書類や手続き方法について、詳しくは下記リンク先をご参考にしてください。
▶相続登記の必要書類について詳しくはコチラ
・必要書類の収集費用:1~3万円
・登録免許税:固定資産評価額に0.4%をかけた金額
・司法書士に支払う報酬:10数万円〜(自分で行う場合はかからない)






























