相続税還付とは?相続税がもどるケースと還付請求の手続き

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相続税の申告後、納税した額が本来支払うべき額より多かった場合、相続税を返還してもらうことが可能であり、それを「相続税還付」と呼びます。

国税庁の統計情報によると、令和2年の相続税還付額は約12億2,000万円(※)もあったようです。
というのも、相続税の計算は複雑であり、算出方法の誤りや法改正情報の行き違いによって、多く申告してしまうケースは少なくないのです。

しかし、払いすぎた相続税があったとしても、国税庁や税務署が「相続税の還付が可能です」と教えてくれるわけではありません。

還付を受けるためには、自身で正確な相続税額を再調査し、税務署に対して更正の請求を行う必要があります。

ここでは、相続税を払いすぎてしまう原因や、相続税の還付を受けるための手続きなどについて解説します。

(参照)相続税 申告・課税状況|国税庁


1章 相続税の還付とは?

相続税の還付とは、相続税を払いすぎた場合に払いすぎた分を返還してもらうことを言います。

ただし、相続税を払いすぎていたからと言って税務署などから「還付金があります」というような通知はありません。

還付を受けるためには「相続税の更正請求」という手続きをする必要があります。税務署に更正請求が認められて初めて、還付を受けることができるのです。

相続税は、所得税などの他の税金よりも算出が難しい傾向にあり、不動産の評価額に誤差が出てしまうことは少なくありません。

実際、令和2年の相続税の還付額は約12億2,000万円にも上りますが(※)、この金額はあくまで、納税者自らが更正請求をして還付された額です。

本来であれば還付を受けられたにも関わらず、気づかない、もしくは手続きをしないまま放置し、還付を受けられないケースも多くあるでしょう。

(参照)相続税 申告・課税状況|国税庁

1−1 相続税還付の期限は5年

相続税の還付を受けるには、相続税の申告期限から5年間に更正の請求する必要があります。

相続税の申告期限は、相続が開始した日(被相続人が亡くなった日)、もしくは相続開始を知った日から10ヶ月です。

つまり、相続税の還付を受けるための更正請求の期限は、相続が開始した日(被相続人が亡くなった日)、もしくは相続開始を知った日から10ヶ月と言えます。

期限の例
相続開始(被相続人が亡くなった日)
もしくは、相続開始を知った日
2022年2月1日
相続税の納税期限2022年12月1日
相続税の更正請求の期限2027年12月1日

1−2 相続税の還付金があっても税務署から通知は来ない

「もし、相続税を納税しすぎていても、税務署から連絡が来るだろう」と思っている方も多いのではないでしょうか。

税務署は、申告漏れがあった場合や納税額が少ない場合には通知をしても、払いすぎているような場合には通知をしてくれません。

税務署の仕事はあくまで、納税の不足分を調査することであり、払いすぎたへのフォローはしていないからです。

そのため、相続税の還付を受けるためには、自身で申告内容を見直して、更正請求をするしかありません。

払いすぎているかも?と思う方は、相続税に詳しい税理士に調査を依頼するのが良いでしょう。


2章 相続税の還付金が発生しやすいケース|相続税を払いすぎる3つの原因

相続税の還付金が受けられるのは、相続税を払いすぎてしまった時です。

ここでは、相続税を払いすぎてしまう3つの原因について解説します。

2−1 土地の評価が異なっていた

相続税を計算するには、対象となる財産の評価を算出する必要があります。

現金であれば、額面がそのまま評価額となるので難しくありませんが、土地のような不動産の場合、立地や土地の形、土地の利用方法によって価値の算出方法が異なるため、土地の評価額にブレが生じます。

そのため、申告時の土地の評価額が、本来よりも高く設定され、相続税を支払いすぎてしまうケースが多くあります。

2−2 税理士の力量不足で本来より申告額が多くなった

前述したように、土地の算出方法は非常に複雑で、難しいものです。また、相続税に関する法律は毎年のように改正されているため、常に最新の法令を知っておく必要があります。

そのため、適切な評価額を算出するためには、「土地評価」と「相続税」に関する豊富な知識と経験が必要です。

極端な話、どれだけ正確な納税をするかどうかは税理士の力量にかかっていると言っても過言ではありません。

なぜなら、税理士とひとくちに言っても、得手不得手があるからです。企業の税務については敏腕な税理士であっても、相続税についてはさっぱりという人もいるでしょう。

相続税の申告時に依頼した税理士が、相続税の経験が少なく、力量不足だったことで申告額が多くなってしまうケースも少なくありません。

2−3 自身で申告して使えるはずの特例や控除を使わなかった

相続税には様々な特例や控除があります。

以下は、よく使われるメジャーなものです。

  • 配偶者控除
  • 小規模宅地の特例
  • 配偶者の税額控除
  • 相次相続控除
  • 未成年者控除
  • 障がい者控除
  • 贈与税額控除

上記以外にも、細かい控除・特例もあります。

このような特例・控除を利用することによって相続税を大幅に減額することも可能です。

しかし、使い忘れてしまったとしても、税務署は教えてくれません。税務署の仕事はあくまで「申告漏れがないか・違法な脱税がないか」を確認することだからです。

相続税に詳しい税理士に依頼をしていれば、利用漏れはあまり心配する必要はありませんが、自身で申告している場合や相続税に疎い税理士に依頼している場合には利用漏れがあり、本来より納税額が多くなってしまっているケースがあります。


3章 相続税の還付を受けるためには土地の評価を見直そう

相続税の還付金が発生するほとんどが、相続財産に土地が含まれるようなケースです。

特に、以下のようなケースでは、土地の評価にブレが生じやすく、多く納税してしまっている可能性があります。

  • 広大な土地
  • 周囲に墓地や騒音の元となる要素がある土地
  • 土地の形状がいびつ
  • 駐車場や賃貸などに使われている土地
  • 私道が含まれる土地
  • 田畑や山林
  • 空き地

それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

3−1 広大な土地

「広い土地」というだけで、評価額を高くしてしまいがちですが、用途や立地などによって細かく特例が使えたり、評価額が下がったりします。

土地が広ければ広いほど、評価方法が複雑になるため、相続税を高く見積もってしまうケースが多くあります。

3−2  周囲に墓地や騒音の元となる要素がある土地

一般的に、土地は国土交通省が提示している路線価や使用用途を基準に評価しますが、それ以外にも細かい要素が絡み合います。

周囲に墓地や騒音のもとになる要素(線路の近くなど)がある場合、その点も加味され、評価額が下がることがありますが、これらは見逃されやすく、相続税を高く支払ってしまうことが多くあります。

3−3 土地の形状がいびつ

土地の形状がいびつ、土地内で高低差がある、入り口が狭いなど、土地が通常とは異なる場合には土地の評価が下がることがあります。

これも見逃されやすい要素の一つです。

3−4 駐車場や賃貸などに使われている土地

駐車場や賃貸など、貸付事業に利用されている土地の場合、借地権や借家権の残存などが加味されるため、評価の算出方法が一般的な土地と異なります。

また、小規模宅地の特例が適用され、最大で50%減額することができます。

それを知らず土地の評価を算出してしまうケースは少なくありません。

3−5 私道が含まれる土地

土地内に私道が含まれる場合、特殊な計算方法を用います。また、私道の中でも、共有の私道や単有の私道などによっても算出方法が異なります。

私道を含む場合の評価の算出は非常に複雑で、評価額に誤差が生じてしまうケースがあります。

3−6 田畑や山林

田畑や山林も、特有の計算方法を用いるため、非常に複雑です。

また、保安林に指定されている山林であれば、物納(相続税を土地で納めること)することも可能です。

田畑のような農地については、農家を引き継ぐのであれば相続税の納税を有そしてもらえるなどの特例もあります。

農地の納税猶予とは?|農地を相続するなら知っておくべき特例

このように山林や田畑の相続税の計算は非常に複雑であり、誤った納税をしてしまう可能性が高くなります。

3−7 空き地

利用用途が明確ではなく、何もせず放置しているような土地の場合、評価額が下がりやすい傾向にあります。

また、算出方法も特殊であり、しっかりと知識を持っていなければ正確な評価額を算出できない土地の一つです。


4章 相続税の還付を受けるための手順

ここでは、相続税の還付を受けるまでの手順について解説します。

4−1 相続税の経験豊富な税理士を探す

相続税の還付は、一般の方が完璧に計算できるような簡単なものではありません。自身の支払った相続税に疑問を感じたら、まずは税理士に相談しましょう。

ただし、相談する際は、必ず「相続税の実務経験が豊富か」をしっかりと確認してください。具体的には、相続税に関する案件を年間30件以上受任している実績があれば安心でしょう。

前述したとおり、税理士にも得手不得手があり、税金の専門家とは言え相続税にはあまり詳しくない税理士もいます。

HPなどで確認し、これまでの実績や解決事例を事前に確認しておくのがよいでしょう。

また、相続税の還付が可能か無料で査定してくれたり、完全成功報酬制だったりと、依頼人の負担を軽減する体制を取っている税理士事務所もあるので、そのあたりも確認のポイントになります。

自身で探すのが難しい場合は、相続税還付のスペシャリストを紹介することもできるので、グリーン司法書士法人までご連絡ください。

4−2 以前申告した際の書類を見直す

依頼する税理士が決まったら、以前に申告した際の書類を持参しましょう。

その内容を見て、税理士が相続税の還付が可能かどうかを確認してくれます。

4−3 相続税申告書を正しく修正する

以前の申告書類や、相続財産の情報をもとに、現地調査をして土地の評価を見直したり、利用できる特例がないか確認したりして正確な相続税を算出し、相続税申告書を修正します。

4−3 税務署に更正の請求をする

相続税申告書が作成できたら、更正の請求書を作成し、管轄の税務署に提出します。

更正の請求書の作成や税務署への提出は、依頼した税理士が行ってくれるのが通常です。

公正の請求書の例

(参照)国税庁|https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/pdf/28sozoku10.pdf

4−4 還付金が振り込まれる

 更正の内容を税務署が審査し、問題がないと認められると、3〜6ヶ月程度で「相続税の更正通知書」が送付され、通知が届いた後2〜3日程度で還付金が振り込まれます。

相続税申告書の修正のための現地調査などを含めると、税理士に依頼してから1年〜1年半程度はかかると考えておくのが良いでしょう。


まとめ

相続税は、他の税金に比べ算出方法が複雑であり、算出結果も税理士によって異なるのが現実です。

そのため、本来支払うべき金額よりも多く納税してしまうことも少なくありません。

それは、評価額の算出が難しい土地があったり、依頼した税理士の力量不足だったりと原因は様々です。

多くの税理士事務所では無料査定を行っています。

もし、自分の納税額に疑問を感じたら、相続に詳しい税理士に相談してみましょう。

自身で探すのが難しい場合は、相続税還付のスペシャリストを紹介することもできるので、グリーン司法書士法人までご連絡ください。

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