
【この記事でわかること】
- 相続登記を司法書士に依頼した場合の費用は誰が払うのか
- 相続登記の司法書士報酬を支払うタイミングはいつか
- 相続登記にかかる費用を抑える方法
- 相続登記を依頼する司法書士を選ぶ基準
相続登記を司法書士に依頼した場合の費用を誰が払うかは、法律によって決められていません。
相続人同士の話し合いで自由に決められますが、一般的には不動産を相続する人が払うケースが多いです。
相続登記の依頼費用を抑えたいのであれば、相続登記の申請を自分でする、過去の相続で使用した書類を流用するなども検討しましょう。
本記事では、相続登記を司法書士に依頼したときの費用は誰が払うのか、いつ払うのかを解説します。
相続登記の費用相場については、下記の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
目次
1章 相続登記を司法書士に依頼したときの費用は誰が払う?
相続登記を依頼する際にかかる司法書士の費用を誰が払うかは、法律などで決められているわけではありません。
したがって、相続人同士の話し合いで自由に決定できます。
詳しく解説していきます。
1-1 不動産を相続する人が払うことが一般的
相続登記の費用は、不動産を実際に相続する人が払うケースが多いです。
相続登記とは、亡くなった人から相続人へ不動産の名義変更をする手続きですので、実際に不動産を所有する人が払うというのは理解しやすいでしょう。
なお、不動産の相続方法には「換価分割」と呼ばれる相続不動産を売却して代金を遺産分割する方法もあります。
換価分割する場合も売却前に相続登記をする必要がありますが、この場合は最終的に相続登記にかかった費用を売却代金と相殺することが一般的です。
したがって、換価分割の場合は相続人全員で司法書士費用を負担しているとも考えられます。
1-2 不動産を相続しない人が払うことも可能
相続登記の費用を払う人は法律で決められているわけではないので、不動産を相続しない人が支払っても問題ありません。
例えば、下記のようなケースでは不動産を相続しない人が司法書士の費用を払う場合もあります。
【不動産を相続しない人が司法書士の費用を払う例】
- 父が亡くなり、遺産は自宅不動産がほとんどである
- 相続人は母親(配偶者)と長男・長女
- 母が自宅不動産を受け継ぎ、そのまま住み続ける
- 父の遺産に預貯金は少なく母も年金暮らしで余裕がない
上記のケースでは、老後の資金に不安を抱えている母親の代わりに、長男や長女が登記費用を負担することもあります。
このように、相続登記の費用を誰が負担するかはケースバイケースなので、相続人同士でよく話し合っておくことが大切です。
【配偶者居住権を適用すれば遺された配偶者の老後も安定しやすい】
遺産のほとんどが自宅不動産を占めるケースや配偶者が自宅不動産を受け継ぐと預貯金を相続できない場合は、配偶者居住権を設定するのもおすすめです。
配偶者居住権とは、遺された配偶者が自宅に住み続けられる権利であり、適用すると負担付所有権という形で子供に自宅を相続させながらも、配偶者は居住権に基づいて自宅に住み続けることができます。
配偶者は居住権のみを相続できるようになるので、預貯金も相続しやすくなる仕組みです。
加えて、配偶者居住権で設定した自宅の居住権は配偶者が亡くなったときに消滅するので、二次相続対策にもつながります。
2章 相続登記の司法書士費用を支払うタイミング
相続登記の司法書士費用を支払うタイミングは、依頼先の事務所によって異なりますが、下記のケースが一般的です。
- 依頼時に払う(先払い)
- 書類収集費用や登録免許税など実費のみ先に払う
- 登記申請が完了した後に払う(後払い)
なお、当メディアを運営しているグリーン司法書士法人では、報酬部分の先払い、実費を後日精算にしております。
遺産のほとんどが不動産を占めているケースなどでは、後払いのご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
3章 相続登記の費用の内訳・相場
相続登記をする際には、登録免許税や書類収集費用などの実費や司法書士への費用がかかります。
それぞれの内訳と相場は、下記の通りです。
4章 相続登記にかかる費用を抑える方法
相続登記にかかる費用を少しでも抑えたいのであれば、自分で相続登記の申請をすることを検討しても良いでしょう。
他には、過去の相続で使用した戸籍謄本類を保管している場合、その書類を流用すれば費用を節約可能です。
相続登記にかかる費用を少しでも抑える方法は、下記の通りです。
- 自分で相続登記の申請をする
- 過去の相続で使用した書類を使う
- 複数の司法書士法人に相談する
それぞれ詳しく紹介していきます。
4-1 自分で相続登記の申請をする
相続登記は司法書士に依頼するだけでなく、自分で手続きすることも可能です。
自分で相続登記の申請をすれば、書類収集費用や登録免許税などの実費負担のみですみます。
ただし、相続登記の申請は法務局にて行う必要がありますし、慣れていない人が不備なく手続きを完了させるのは非常に大変です。
平日日中に仕事をしていて役所や法務局に行くのが難しい人やミスなく確実に手続きを完了させたい人は、費用がかかってでも司法書士に依頼してしまうのが良いでしょう。
【2024年から相続登記が義務化されました】
従来、相続登記は義務化されておらず、相続人の意思によって行うとされていました。
しかし、2024年4月からは相続登記が義務化されたため、相続発生から3年以内に相続登記をしない場合には10万円以下の過料が科される恐れがあります。
なお、相続登記の義務化は過去に発生した相続においても適用されます。
そのため、まだ相続登記が済んでいない土地をお持ちの人は早めに手続きをすませましょう。
相続登記は自分でも行えますが、司法書士に依頼すれば数万円程度で代行可能です。
グリーン司法書士法人でも相続登記に関する相談をお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。
4-2 過去の相続で使用した書類を使う
過去に相続が発生しており登記申請をした経験があれば、戸籍謄本などの書類を流用できる場合もあります。
登記申請の必要書類の中でも改製原戸籍謄本や除籍謄本などの書類は内容が変化しないため、次の相続でも流用可能です。
書類収集費用も軽減できますし、新たに収集が必要な書類の枚数も減るため司法書士の報酬も抑えられる可能性があります。
4-3 複数の司法書士事務所・法人に相談する
相続登記の司法書士報酬は依頼する事務所や法人ごとに異なるため、複数の司法書士事務所や法人に相談し、見積もりをしてもらいましょう。
- 料金体系が明確
- 他事務所・法人より依頼費用が安い
- 担当者が親身になってくれる
上記のように、費用面や担当者との相性を基準に自分に合う事務所や法人を選ぶと良いでしょう。
5章 相続登記を依頼する司法書士を選ぶ基準
相続登記を司法書士に依頼する場合、先ほど解説したように複数の事務所や法人に相談して自分に合う専門家を見つけるのが大切です。
具体的には、下記の基準をもとに選ぶのが良いでしょう。
- 相続に関する知識・経験が豊富である
- 担当者が親身に話を聞いてくれる
- 費用が明確でわかりやすい
- 他の専門家との人脈がある
それぞれ詳しく解説していきます。
5-1 相続に関する知識・経験が豊富である
相続登記や相続手続きを司法書士に依頼するのであれば、相続について実績豊富な司法書士を選びましょう。
司法書士の業務は多岐にわたるため、すべての司法書士が相続に精通しているわけではないからです。
登記申請だけでなく、相続手続き全般や認知症対策、二次相続対策まで相談に乗ってくれるような司法書士を選ぶのが良いでしょう。
相続手続きについての実績は、事務所や法人の公式HP上に記載されていることが多いです。
HPを確認し「年間の依頼実績〇件」「累計依頼実績〇件以上」など具体的に、過去の実績が記載されている事務所や法人を選ぶことをおすすめします。
5-2 担当者が親身に話を聞いてくれる
司法書士に相続登記や相続手続きを依頼する場合、初回無料相談などで親身になって話を聞いてくれる専門家がいる事務所や法人を選びましょう。
話を聞いてくれない、質問をしたときの対応に疑問が残る場合は、別の事務所や法人に相談することをおすすめします。
5-3 費用が明確でわかりやすい
相続手続きを専門家に依頼する場合、事務所の公式HPを確認し、費用について調べておきましょう。
司法書士事務所や弁護士事務所の多くでは、公式HP上に一般的なパッケージプランの費用を紹介していることが多いです。
ただし、相続手続きは個々の事情によって費用が変わる場合もあるので、HPに書かれている費用のみで判断するのではなく、見積もり依頼や初回相談無料をすることをおすすめします。
5-4 他の専門家との人脈がある
相続登記や相続手続きを依頼する司法書士を選ぶ場合、他の専門家との人脈があるかも基準のひとつにしておくと良いでしょう。
というのも、相続手続きは司法書士のみで完結できない場合もあるからです。
例えば、相続税申告は税理士に依頼する必要がありますし、万が一相続トラブルに発展すれば弁護士が間に入らなければならないケースもあります。
また、相続不動産の売却や活用を考える際には、不動産会社やハウスメーカーの協力が必要な場合もあるでしょう。
このように、相続手続きや相続不動産の活用、売却には様々な専門家の協力が必要となるので、横のつながりが豊富な司法書士を見つけるのが重要です。
なお、グリーン司法書士法人はグループ会社に不動産会社もあります。
相続不動産の活用や売却の相談にも乗れますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
相続登記を司法書士に依頼した場合の費用を負担する人は、法律では決められていません。
一般的には、不動産を相続する人が司法書士費用を払うケースが多いです。
とはいえ、法律上の決まりはないので、相続人同士の話し合いで全員納得できれば、不動産を受け継がない人物が相続登記の費用を負担しても良いでしょう。
相続登記の費用を抑えるのであれば、過去の相続で使用した戸籍謄本類を流用する、複数の司法書士事務所・法人に見積もり依頼をしてもらうのがおすすめです。
グリーン司法書士法人でも相続登記をお受けしています。
初回相談は無料、オンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。