【無料ダウンロード】財産目録で相続争い防止!作成方法と記載内容を解説

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司法書士中川 徳将

 監修者:中川 徳将

この記事を読む およそ時間: 9
 この記事を読んでわかること

  • 財産目録とは何か
  • 財産目録の作り方
  • 財産の内容や内訳を調べる方法

相続が発生した際に、遺産の内容が明確でないと相続人が困ってしまいます。

なぜなら財産が明確になっていないと「誰かが財産を隠しているのでは?」と疑心暗鬼になりトラブルになってしまったり、「遺産分割後に借金が発覚し、借金を引き継いでしまう」可能性があります。

そのようなトラブルを回避するためには、財産を一覧で判別できるようにまとめた「財産目録」を作成しておくことが有効です。

財産目録は必ず作成しなければいけないものではありませんが、作成しておくことで、相続手続きがスムーズに進むため、作成しておくことをおすすめします。

この記事では財産目録についてや、財産目録が必要なケース、財産目録の作り方について解説しています。記事内にはサンプルも載せておりますので、ぜひ活用してください。

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1章 財産目録とは

財産目録とは、財産を一覧にまとめたものです。

預貯金、不動産、証券などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も一覧にします。

財産目録を作成するのは以下のようなケースがあります。

  1. 相続人に財産を明確に示すために自身で作成する
  2. 相続人が亡くなった人の遺産を把握するために作成する
  3. 遺言執行者が、遺言執行前に作成する

このうち、財産目録の作成が義務付けられているのは、遺言執行者が遺言執行前に作成するケースのみです。

遺言執行者は財産目録の作成が義務付けられていますが、一般的には必ず作成しなければならないものではありません。

しかし、財産目録を作成しておくことで、自身が亡くなった後の相続手続きがスムーズになります。残された家族のためにも、作成することをおすすめします。

1-1 財産目録を作成するメリット

財産目録を作成するメリットは以下の通りです。

①相続人に遺産の内容を明確に伝えることができる

相続が開始した際、遺産の内容がわからないと、相続人は何から始めて良いか分からず、困惑してしまいます。

財産目録で遺産が一覧できれば、遺産分割の協議もしやすくなります。

また、遺産に借金がある場合でも、相続放棄の判断を早期にできるでしょう。相続放棄には、相続開始から3ヶ月以内という期限があるので、早期に判断できるのでとても安心です。

【相続放棄の期限は3ヶ月】期限の延長方法と期限過ぎた場合の対処法

②相続財産調査がスムーズになる

遺産の内容が不明確であれば、残された家族は一から相続財産の調査を行う必要があります。また、遺産の全容を把握していないと、遺産分割協議を進めることができません。

相続財産の調査を司法書士や弁護士などの専門家に依頼すれば当然費用がかかります。相続財産調査の費用相場は、5〜20万円と決して安価ではありません。

財産目録により、あらかじめ「どこに、どんな財産がどれくらい」あるかわかっていれば、相続発生後の調査もスムーズにできます。

仮に専門家に調査を依頼する場合でも、調査費用が安くなります。

相続財産とは?【簡単】正しく理解するために知っておくべき基礎知識

③相続人間のトラブルを防ぐことができる

相続では「ちょっとしたことが原因」でトラブルになることがあります。

たとえば財産の内容がわからないとなれば、「誰かが財産を隠しているのでは?」「生前に財産を使い込んだ人がいるのではないか」など、相続人同士で疑心暗鬼になり、トラブルの原因となることも少なくありません。財産目録があれば、疑心暗鬼にならず無用なトラブルを防ぐことができます。

遺産相続トラブルが起こる9つのケース|ケース別の対策と対処法

④財産を把握することで生前対策がしやすくなる

財産目録が役に立つのは、相続発生後だけではありません。

あらかじめ、自身の財産を財産目録としてまとめておくことで、節税対策など生前の対策がしやすくなります。

自身の財産を可視化することで「相続税対策」や「認知症対策」への道筋が見えやすくなり、生前対策への行動が促されます。

認知症/相続対策は事前準備が決め手!知らないと損する相続対策4選
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2章 財産目録の作り方

財産目録の形式は特に決まっていません。ノートに手書きで作成するのも良いですし、EXCELなどで作成しても構いません。自身が作成しやすい方法で作成しましょう。

ここでもサンプルをご用意しておりますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

以下は、財産目録の記載例です。

財産目録の記載例

ひな型(サンプル)の無料ダウンロードはこちら・・・財産目録

2-1 財産目録作成時に気をつけること

財産目録を作成するときは以下のことに気をつけましょう。

2-1-1 マイナスの財産についても明記する

プラスの財産だけでなく、マイナスの財産についても記載しましょう。プラスの財産よりも、マイナスの財産が後から発覚するほうがトラブルになりがちです。

借金は相続します!正しい対処法とトラブルを予防・回避するポイント

2-1-2 財産が特定できるように記載する

不動産なら、地番や家屋番号、預貯金なら金融機関名、支店、口座番号など、相続人が財産目録を見ただけで「どこに何が、どれくらいあるか」が分かる情報を記載しておくことが大切です。

2-1-3 不動産の評価額と、評価を算出した日や基準などを記載する

遺産分割協議や、相続税の申告には不動産の評価額の算出が必要ですので、評価額についても記載しておきましょう。

なお、不動産などは、評価した時期や評価方法によって評価額が変動します。そのため、「いつ(評価をした日)」「何を基準に(固定資産税評価額、相続税評価額など)」評価したかを明記しておきましょう。

2-1-4 特記事項があれば記載しておく

不動産が共同名義であれば、共有持分について、賃貸物件があれば、賃貸借状況、定期預金の利息など、一覧に書ききれない特記事項については別途項目と設けて記載するようにしましょう。

2-2 財産目録に記載すべき内容

財産目録には、以下のような内容を記載しましょう。

2-2-1 不動産の情報

不動産は、登記事項証明書に記載されている情報(地番・家屋番号・地積など)を記載しておきましょう。

また、評価額については、評価した日と評価の基準の情報は重要ですので、それについても忘れずに記載してください。

【記載例】

所在地番・家屋番号地目・種類・構造地積・床面積(㎡)備考評価額
大阪府大阪市中央区●●●丁目●番●号宅地130.5共有持分の1/230,000,000(固定資産税評価額による)
【不動産の相続手続き】正しい方法とかかる費用を司法書士が徹底解説

2-2-2 預貯金・現金の情報

預貯金は、金融機関の情報だけでなく、支店・種類・口座番号など、一目で口座情報が分かるように記載しておきましょう。

また、相続開始後に財産目録を相続人が作成する場合は、定期預金・定額預金・貯蓄預金などの定期性の預金に関しては相続開始時点での経過利息も記載しておくのが良いでしょう。

【記載例】

金融機関支店種別口座番号備考残高
A銀行高麗橋支店普通12345675,000,000
相続手続きで銀行預金をスムーズに引き出す方法と預金口座の調べ方

2-2-3 株などの有価証券の情報

有価証券は、取り扱いの証券会社や発行会社(銘柄)、証券番号など、容易に証券が特定できるよう情報を記載しておきましょう。

また、取引相場がある場合は、短期間で価格が大きく変動する可能性があるので、どの時点で算出した額かを明記しましょう。

【記載例】

証券会社発行会社・銘柄種別証券番号数量価額
●●証券大阪支店株式会社●●株式(上場)9876543500株1,000,000
(●年●月●日時点)
株の相続方法とは?注意点や節税方法まで解説まとめ【イラスト付】

2-2-4 自動車・バイクの情報

自動車やバイクは、ナンバー(登録番号)や車体番号、車種、型式に加え、査定額を記載しましょう。

査定額は、買取業者などの査定額を記載すれば問題ありません。

【記載例】

登録番号車名型式車体番号備考査定額
大阪300あ1234トヨタ クラウンABC-00012345671,000,000

2-2-5 その他の財産の情報

上記以外に、ゴルフの会員権や、高級時計など、資産価値のあるものを記載しておきましょう。

【記載例】

種別名称等所在等登録番号備考価額
会員権●●ゴルフクラブ会員権大阪府大阪市中央区●●●会員番号123451,000,000
動産ロレックス ●●●●自宅300,000

2-2-6 債務の情報

借金の情報も忘れずに記載しましょう。

記載する際は、債権者やローン名など債権が特定できるよう情報を記載しましょう。

種別債権者ローン完済予定日連帯保証人残額
借入金A社●●●●●年●月大阪太郎1,000,000
借金は相続します!正しい対処法とトラブルを予防・回避するポイント

2-2-7 みなし相続財産の情報

生命保険金や死亡退職金などのみなし相続財産は、相続財産には含まれませんが、相続税の対象になります。また、遺産分割協議で生命保険金・死亡退職金の取得を加味することもあるので、記載しておくのが良いでしょう。

保険会社等種別・商品名受取人証券番号備考保険金額
グリーン生命生命保険大阪太郎123456710,000,000
株式会社グリーン死亡退職金大阪花子5,000,000
みなし相続財産とは?当てはまるもの一覧と注意点・節税方法を解説!

3章 財産の内容を調べる方法

財産目録には、なるべく正確な金額を記載する必要があります。それぞれ、しっかりと調査しておくようにしましょう。

財産内容の調べ方は以下のとおりです。

財産調査方法
預貯金銀行で残高証明書を発行する
不動産

不動産権利証や役所で名寄せ調査して確認する

評価額については、それぞれ以下の方法で確認が可能です。

相続税の心配をしている人【必見】土地の路線価の見方と評価方法

株などの有価証券証券会社で残高証明書を発行
自動車・バイク車検証を確認
評価額については、買取業者等の査定額を参照する
借金ローンの明細や、契約書を確認する。
金融機関の場合は、残高証明書を取得

4章 専門家に依頼することも検討しよう

財産目録は、自身で作成することも可能ですが、項目や記載内容が多くかなりの労力を要します。

また、財産が多岐にわたる場合は、自身で調べるのが難しいこともあるでしょう。

司法書士などの専門家に依頼すれば、財産目録の作成をサポートしてくれるだけでなく、財産の調査も行ってくれます。

自身で作成することに不安があれば、専門家へ相談することをおすすめします。

なお、グリーン司法書士法人では、財産目録作成のサポートを20,000円〜で承っております。初回相談は無料ですので、お気軽にご利用ください。

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