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生命保険で生前贈与を行う方法まとめ【メリット・デメリットも紹介】

生命保険で生前贈与を行う方法まとめ【メリット・デメリットも紹介】
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司法書士中川 徳将

 監修者:中川 徳将

この記事を読む およそ時間: 6

生命保険を活用して生前贈与を行えば、将来の相続財産を減らせるので相続税節税につながります。
また、生命保険金は受取人固有の財産として扱われるので相続トラブルを回避しやすいメリットもあります。

特定の人物にまとまった現金を遺したい人や受贈者の年齢が若く贈与されたお金を簡単に使えないようにしたい人に、おすすめできる生前贈与方法です。
ただし、生命保険を活用して生前贈与を行うときには、元本割れやインフレなどのリスクを考慮しておく必要があります。

本記事では、生命保険を活用して生前贈与を行うメリットやデメリット、注意点をわかりやすく解説していきます。


1章 生命保険で生前贈与を行う方法

生命保険や生前贈与に詳しくない方からすれば、生命保険を活用して生前贈与を行う方法のイメージがつきにくいかもしれません。
生命保険を活用して生前贈与を行う方法は、いくつかあります。
本記事では、代表的な2つの方法を紹介していきます。

1-1 生前贈与を想定した生命保険に加入する

生命保険には様々な種類があるので、その中でも生前贈与を想定した保険に加入するようにしましょう。
具体的には、以下のタイプの保険は生前贈与を行いやすいです。

  • 契約者:贈与者
  • 受取人:受贈者
  • 生存給付金が毎年受け取れるタイプ

例えば一次払いの保険料が800万円であり、受取人は毎年100万円の生存給付金を8年間受け取れる生命保険を活用すれば、暦年贈与と同様に贈与税を節税しつつ生前贈与可能です。

1-2 贈与されたお金を保険料支払いに使用する

生前贈与に向いた生命保険を活用しない場合には、暦年贈与を行い贈与されたお金を保険料支払いに充てる方法が有効です。
具体的には、以下の手順で生前贈与と生命保険料の支払いを行います。

  1. 贈与者Aが受贈者Bに110万円贈与する
  2. 受贈者Bは110万円を保険料支払いに充てる(被保険者は贈与者A、受取人は受贈者B)
  3. 贈与者Aが亡くなったときに受贈者Bは死亡保険金を受け取る

上記のように、贈与されたお金を保険料支払いに充てれば、受贈者が資金を使い込むリスクを減らせます。
例えば、子供や孫などの受贈者が幼い年齢で「金銭感覚を狂わせたくないけれど、暦年贈与で生前贈与したい」と考える場合におすすめの方法です。

更に加入する生命保険によっては運用益も期待できるので、贈与された金額よりも受け取れる死亡保険金が増える可能性もあります。

このように、生命保険を活用して生前贈与を行う方法はいくつかあります。
次の章では、生命保険で生前贈与を行うメリットを確認していきましょう。

【暦年贈与とは】相続税をしっかり節税!概要と効果を分かり易く解説
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2章 生命保険で生前贈与を行うメリット

1章で解説したように生命保険で生前贈与を行えば、税金面や運用益などで恩恵を受けられます。
加入する生命保険や贈与の金額を適切に設定すれば、満足のいく生前贈与ができる可能性も高いです。
生命保険で生前贈与を行うメリットは、主に以下の6つです。

  1. 相続税の節税になる
  2. 受贈者はまとまった現金を受け取れる
  3. 受贈者の贈与資金使い込みを防げる
  4. 相続トラブルを減らせる
  5. 運用益が生じる可能性もある
  6. 相続放棄をしても保険金は受取可能

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 相続税の節税になる

生前贈与をして生命保険に加入しておけば、相続財産を減らせるので、結果として相続税の節税に繋がります。
贈与税には1年で110万円の基礎控除額が用意されているので、毎年利用すれば大幅に相続税を減らせる可能性もあります。

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2-2 受贈者はまとまった現金を受け取れる

生命保険を活用して生前贈与を行えば、受贈者は被保険者が亡くなったタイミングでまとまった現金を受取可能です。
例えば、亡くなった方の財産に不動産や株式などが多いケースでも保険金を納税資金として充てられるなどのメリットがあります。

2-3 受贈者の贈与資金使い込みを防げる

生命保険を活用すれば、任意のタイミングで受贈者に資金を渡せます。
そのため、年齢が若い子供や孫への生前贈与を行うときにもおすすめです。

若いうちに多額の生前贈与を受け取ってしまうと、金銭感覚がくるってしまうなどの心配があります。
受贈者が30歳になったタイミングなどで受け取れる生命保険に加入すれば、受贈者の使い込みを防げますし、本当に必要なタイミングで贈与されたお金を使えます。

2-4 相続トラブルを減らせる

贈与されたお金で保険料を支払ったとしても、生命保険金は受取人の固有財産として扱われます。
そのため、財産を遺したい人物を受取人にした生命保険を用意しておけば、生命保険金を遺留分の支払いや遺産分割協議のハンコ代に利用できます。
結果として、相続トラブルを回避しやすくなり、自分の希望する相続を実現しやすです。

2-5 運用益が生じる可能性もある

加入する生命保険の種類によっては、運用益が生じる可能性もあります。
運用益が生じれば、贈与された金額以上のお金を受け取れるので、現金や預貯金をそのまま贈与されるよりお得です。

運用益が出やすい保険を選ぶのは専門知識が必要な場合もあるので、専門家と相談して保険を選ぶのがおすすめです。

2-6 相続放棄をしても保険金は受取可能

生命保険金は受取人の固有財産として扱われます。
そのため、亡くなった方の財産を相続放棄したとしても生命保険金に関しては、問題なく受取可能です。

例えば、自分が会社を経営していて相続財産には借金も多そうな場合には、生命保険を活用して生前贈与を行っておくのも選択肢のひとつです。

なお、相続放棄は手続きが複雑、かつ期限も決まっているので、必要に応じて相続に詳しい司法書士や弁護士等への相談もご検討ください。

このように、生命保険を活用した生前贈与には様々なメリットがあります。
次の章では、デメリットについても確認していきましょう。

生命保険が相続対策になる4つの理由と相続対策のポイント
相続放棄をしても生命保険金は受取り可!例外と受け取りにかかる税金

3章 生命保険で生前贈与を行うデメリット

生命保険で生前贈与を行うときには、デメリットも考慮しておく必要があります。
メリットとデメリットを把握した上で、自分に合う生前贈与の方法を選ぶのが大切です。
デメリットは、主に以下の4つです。

  1. 契約満了まで時間がかかる
  2. 元本割れの恐れがある
  3. インフレが起きた際には保険金が目減りしてしまう
  4. 特別受益の持ち戻しを主張される恐れがある

それぞれ詳しく解説していきます。

3-1 契約満了まで時間がかかる

生命保険は満期まで年数がかかるものが多く、不測の事態などには対応しにくいです。
暦年贈与を活用して保険料の払い込みを行おうと計画したとしても、急な病気やケガ、死亡などで払い込みができなくなる可能性もゼロではありません。

払い込みが途中でできなくなると、保険を解約する必要が生じ、結果として元本割れを起こす恐れもあります。

3-2 元本割れの恐れがある

生命保険の種類によっては運用益が生じる可能性がある一方で、元本割れをしてしまう恐れもあります。
先ほど解説したように不測の事態で途中解約した場合には元本割れする可能性が高いですし、他にも外貨建て保険や変額保険にも元本割れリスクがあるので、加入時には注意が必要です。

3-3 インフレが起きた際には保険金が目減りしてしまう

満期まで長い年数がかかる生命保険に加入するときには、インフレリスクも考慮しなければなりません。
満期までにインフレが起き、相対的に貨幣の価値が下がった場合には、加入時に予想していたよりも保険金の価値が下がってしまう恐れがあります。

結果として、生命保険以外の方法で生前贈与や運用をしておけばよかったと感じるケースもあるでしょう。

3-4 特別受益の持ち戻しを主張される恐れがある

受贈者以外の相続人が生前贈与に不公平感を持つと「特別受益の持ち戻し」を主張する恐れがあります。
特別受益の持ち戻しとは、生前贈与された金額を相続財産に加えて、相続分を決定することです。
特別受益の持ち戻しが発生すると、生前贈与を受け取った相続人は相続分を減らされる恐れがあります。

特別受益とは|持ち戻しの計算方法や具体例・トラブル回避のための対策

4章 生命保険で生前贈与を行うときの注意点

続いて、生命保険で生前贈与を行うときの注意点を解説していきます。
生命保険を活用して生前贈与を行うケースでは、年間110万円の基礎控除額を利用する「暦年贈与」を行うケースが大半です。
暦年贈与を行うときには、税務署に定期贈与と指摘されないことが重要です。

税務署に暦年贈与と判断してもらうための注意点を確認していきましょう。

4-1 毎年贈与契約書を作成する

暦年贈与されたお金で生命保険に加入するのであれば、毎年贈与契約書を作成しておきましょう。
暦年贈与と判断してもらうためには、毎回贈与を行っていた証拠を残すのが大切だからです。

そのため、贈与の金額や贈与者、受贈者が同じであったとしても贈与の都度、契約書を作成しなければなりません。
贈与契約書の作成は司法書士や弁護士にも依頼できるので、手間やミスを減らしたいのであれば依頼がおすすめです。

生前贈与するときは契約書を作ろう!ケース別の書式を無料ダウンロード

4-2 基礎控除額を超えた贈与を行う

毎年の贈与の証拠を残すために、贈与契約書の作成だけでなく、贈与税の申告および納付を行っておくのも効果的です。
贈与税の申告や納付を毎年行っておけば、きちんと納税していると証明できます。
例えば、111万円を贈与して基礎控除を超えた1万円分のみを申告、納税するイメージです。

毎年、贈与税の申告や納付を行うのであれば、年間110万円の基礎控除額を少しだけオーバーするように贈与を行うこともご検討ください。


5章 生命保険以外で生前贈与を行う方法

最後に生命保険以外で生前贈与を行う方法を3つ紹介します。

  1. 暦年贈与
  2. 控除や特例を活用した贈与
  3. 相続時精算課税制度

生前贈与には様々な方法があり、それぞれメリットやデメリットがあります。
そのため必ずしも生命保険を活用して生前贈与を行う必要はありません。

それぞれ詳しく解説していきます。

5-1 暦年贈与

本記事の1章で、暦年贈与されたお金を保険料支払いに充てる生前贈与を紹介しましたが、必ずしも生命保険への加入する必要はありません。
贈与税には年間110万円の基礎控除が用意されており、基礎控除内の贈与であれば、財産の種類や贈与の目的に関わらず贈与税はかかりません。

受贈者である子供が既に成人している、生命保険の運用益が見込めないなど生命保険を活用する必要性が薄い場合には、暦年贈与を行って生前贈与を行うのがシンプルでおすすめです。

5-2 贈与税の控除や特例を活用した贈与

贈与税には一定の要件を満たせば利用できる控除や特例が用意されています。
控除や特例を利用できれば、贈与税を大幅に節税できるので、生前贈与を行う前には利用できる制度がないか確認しておきましょう。
贈与税の控除や特例は、主に以下の通りです。

  • 教育資金の贈与税の非課税措置(1,500万円控除)
  • 結婚、子育て資金の贈与税の非課税措置(1,000万円控除)
  • 住宅取得等資金の非課税措置(1,000万円控除)
教育資金贈与は特例で非課税になる?使うメリットと贈与の方法を解説
住宅資金贈与の税金はタイミングが大事!申告方法や注意点とは?

5-3 相続時精算課税制度

相続時精算課税制度を活用すれば、2,500万円までの贈与を非課税にできます。
また、2,500万円を超える贈与に関しても、贈与税の税率は一律20%で計算可能です。

生前贈与を生命保険以外で行う方法。相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、60歳以上の親もしくは祖父母から18歳以上の子供や孫に贈与したときに活用できます。
制度を活用すると、相続発生時に贈与された財産を全て相続財産に合算して相続税を計算します。

相続発生時に値上がりしそうな不動産や株式などの生前贈与を検討している方に、おすすめな制度です。

相続時精算課税制度とは?メリデメから手続方法まで専門家が徹底解説
【相続時精算課税制度に基礎控除枠が追加されます】

これまで相続時精算課税制度を利用すると、毎年の贈与税の基礎控除額110万円は利用できませんでした。
しかし、2024年1月1日以降は相続時精算課税制度を選択した人にも毎年110万円の基礎控除額が与えられます。
相続時精算課税制度に基礎控除額が導入されたことにより、下記のメリットがあります。

  • 毎年110万円以下の贈与であれば贈与税の申告および納税は不要
  • 毎年110万円以下の贈与であれば贈与財産を相続税の加算対象に含めなくて良い

贈与者の年齢によっては毎年の基礎控除額を利用して贈与すれば、贈与税および相続税を大幅に節税できるでしょう。
制度改正により相続時精算課税制度を利用すべきかお悩みの人は、相続に精通した税理士に相談するのがおすすめです。

生前贈与で失敗したくない方へ。生前贈与に詳しい司法書士が「契約書作成」から「登記申請」までトータルサポート

まとめ

生前贈与の方法はいくつかありますが、その中のひとつが生命保険を活用する方法です。
例えば、暦年贈与したお金を用いて受贈者が生命保険に加入すれば、将来まとまった現金を受け取れます。

暦年贈与を用いた相続税節税効果もありますし、受贈者が幼く生前贈与によって金銭感覚を狂わせたくない方にもおすすめです。
一方で、生命保険は満期まで年数がかかるものも多く、長期間資産が凍結されてしまう運用方法でもあります。
元本割れリスクやインフレリスクなども考慮したうえで加入するようにしましょう。

生命保険を活用して生前贈与を行うときには、毎年贈与契約書を作成し、贈与の証拠を残しておくのが大切です。
贈与契約書の作成は自分で行うこともできますが、必要に応じて司法書士や弁護士等の専門家に相談するのも良いでしょう。

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