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【簡単解説】家族信託した不動産の売却方法と注意点

【簡単解説】家族信託した不動産の売却方法と注意点
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 5

【この記事でわかること】

  • 家族信託した不動産は売却できるのか
  • 家族信託を利用している不動産を売却する方法
  • 家族信託を利用している不動産を売却するときの注意点

家族信託とは、信頼する家族に財産の管理や運用、処分を任せる制度です。
信託財産にできる財産は預貯金や株式だけでなく、不動産も含まれます。

家族信託した不動産を売却できるかは、信託契約の内容によります。
信託契約書に売買に関する内容を記載していた場合は、受託者が不動産を売却可能です。

一方、信託契約書に売買について記載されていない場合は、契約内容の変更が必要となるのでご注意ください。

本記事では、家族信託した不動産は売却できるのか、売却方法について詳しく解説していきます。
不動産を家族信託する方法は、下記の記事でも詳しく解説しているので、よろしければお読みください。

※投稿担当者様:未公開記事「家族信託 不動産」と内部リンクつないでください。


1章 家族信託とは

家族信託の基本的な仕組み

家族信託とは、信頼する家族に自分の財産の管理や運用、処分を任せる制度です。
家族信託は、柔軟な財産管理をできる点が特徴であり、不動産も信託財産に組み入れられます。

信託契約の内容によっては、家族信託した不動産を受託者が売却できる場合もあります。
次の章では、家族信託した不動産の売却可否について詳しく見ていきましょう。

家族信託とは|メリット・デメリットや活用事例をわかりやすく解説

2章 家族信託した不動産は売却できる?

家族信託した不動産を売却できるかは、信託契約書の内容によります。
家族信託した不動産の売却についての取り扱いは、下記の通りです。

  • 売買に関する内容が信託契約書に記載されていれば売却できる
  • 信託契約書に記載されていない場合は契約内容を変更する必要がある
  • 信託不動産に抵当権がついている場合は銀行と協議する必要がある

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 売買に関する内容が信託契約書に記載されていれば売却できる

信託契約書を作成、締結したときに売買に関する内容を盛り込んでいた場合は、受託者が不動産を売却できます。

後述しますが、信託契約の内容変更には手続きと費用がかかりますし、そもそも委託者の認知症の症状によっては変更自体が難しい場合があります。
そのため、家族信託を利用する際には様々な可能性を考慮し、今すぐに信託不動産の売却を考えていなくても売却について信託契約に盛り込んでおくと安心です。

このように、信託契約書を作成する際には、様々なケースや可能性を考慮しなければなりません。
漏れのない信託契約書を作成したいのであれば、家族信託に精通した司法書士や弁護士に相談してみましょう。

家族信託の相談は司法書士がおすすめな理由とは?報酬相場も紹介

2-2 信託契約書に記載されていない場合は契約内容を変更する必要がある

家族信託の契約書に不動産売却について記載していなかった場合、そのままの状態では受益者が売却することはできません。

売却するには、信託契約の内容に不動産の売却に関する内容を追加する必要があります。
信託契約の内容を変更するには、受託者だけでなく委託者や受益者の同意も必要ですし、変更登記の手続きも必要です。

信託契約の内容変更時に委託者が認知症で判断能力を失っている場合は、契約内容を変更できなくなってしまうのでご注意ください。

家族信託は認知症発症後でも利用できる?軽度なら可能?基準を解説

2-3 信託不動産に抵当権がついている場合は銀行と協議する必要がある

信託不動産に抵当がついている場合は、銀行と協議しなければならない点にも注意しなければなりません。
具体的には、ローンの残債を完済し抵当権を外してもらい、その後に売却手続きを進めていく必要があります。

売却手続き自体は信託契約に記載されていれば受託者が行えますが、ローンの残債完済は原則として債務者である委託者が行わなければなりません。
したがって、委託者が認知症になり判断能力を失っている場合は、ローンを完済して抵当権を外してもらうことができず売却できない恐れもあります。

とはいえ、信託不動産に抵当権がついているケースは、それほど多くありません。
委託者の多くは高齢であり、すでに住宅ローンを完済しているケースがほとんどだからです。
万が一、住宅ローン完済後も抵当権の抹消登記をし忘れている場合は、家族信託の手続き前にすませておきましょう。

抵当権抹消とは?手続き方法や必要書類・費用を登記のプロが簡単解説
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3章 家族信託を利用している不動産を売却する方法

家族信託している不動産を売却するには、①信託不動産そのものを売却する方法②信託不動産の受益権のみを売却する方法の2種類があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1 信託不動産そのものを売却する方法

信託契約の内容などの条件を満たしていれば、信託不動産も通常の不動産と同様に売却できます。
ただし、通常の不動産売却と異なり、所有者である委託者ではなく管理者である受託者が売主となり売却活動や買主との売買契約を結びます。

3-2 信託不動産の受益権を売却する方法

信託不動産そのものを売却するのではなく、受益権のみを売却しても実質的には不動産を売却したときと同じ効果を得られます。
信託受益権とは名前の通り、信託財産が生み出す利益を受け取る権利です。

例えば、信託不動産の賃料を受け取る権利などが信託受益権に該当します。


4章 家族信託を利用している不動産を売却するときの注意点

家族信託した不動産を売却し利益が発生した場合、所得税や住民税は受託者ではなく受益者に課税されるのでご注意ください。
他にも、信託不動産を売却する際には、下記の点に注意しましょう。

  • 信託不動産の売却益にかかる所得税・住民税は受益者に課税される
  • 信託不動産の売却代金はそのまま信託財産となる
  • 信託受益権を売買すれば節税対策になる

それぞれ詳しく解説していきます。

4-1 信託不動産の売却益にかかる所得税・住民税は受益者に課税される

信託不動産を売却し利益が出た場合は、通常の不動産売却と同様に所得税と住民税がかかります。
しかし、信託不動産売却時にかかる所得税と住民税は、受託者ではなく受益者が負担します。

家族信託の基本的な仕組み

例えば、上記のように父親が委託者兼受益者の場合、信託不動産の売却益にかかる税金は父親が負担します。

土地を売却したときの譲渡所得税とは?計算方法と節税方法を解説

4-2 信託不動産の売却代金はそのまま信託財産となる

信託不動産の売却代金は、そのまま信託財産に組み込まれ、受託者に管理や運用、処分の権限が与えられます。
受託者の財産とならないことや委託者が管理するわけではないことを理解しておきましょう。

家族信託の基本的な仕組み

例えば上記のケースで、受託者である息子が信託不動産を売却した場合、売却代金は信託財産となります。
売却代金の所有権は委託者である父にあり、受託者である息子はあくまでも管理や運用、処分をするだけです。

4-3 信託受益権を売買すれば節税対策になる

本記事の3章で解説したように、信託不動産を売却する方法は2種類ありますが、信託受益権を売却した方が節税できる可能性があります。
というのも、受益権のみの売買であれば、不動産取得税や登録免許税はかからないからです。

不動産取得税や登録免許税の概要、税率は、それぞれ下記の通りです。

税金概要税率
不動産取得税不動産を取得したときにかかる税金固定資産税評価額×3%
(宅地の場合。さらに特例措置が適用され、税金が下がる場合もある)
例:3,000万円の不動産を取得した場合は90万円
登録免許税不動産の名義変更をしたときにかかる税金固定資産税評価額×2.0%
(要件を満たすと特例が適用される)
例:3,000万円の不動産の名義変更をした場合は60万円

売却した信託不動産の価値によっては、数十万円から100万円近い不動産取得税や登録免許税がかかることも珍しくありません。
そのため、買主側が少しでも不動産売買時の税金を節税したいなどの事情があるならば、受益権のみの売却を検討しましょう。

不動産の名義変更にかかる税金を詳しく解説【事例別】
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まとめ

信託不動産を売却できるかは、信託契約の内容によります。
信託契約書に売却に関する記載がなければ、受託者が信託不動産を売却できないのでご注意ください。

家族信託の利用は長期にわたることも多く、利用中に状況が変わることも多くあります。
そのため、家族信託の契約を結ぶ際には、様々な状況に対応できる信託契約書を用意しなければなりません。

自分たちで漏れのない契約書を作成することが難しい場合は、家族信託に詳しい司法書士や弁護士に相談するのが良いでしょう。

グリーン司法書士法人では、家族信託についての相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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