相続税の無申告・過少申告がばれない方法はない!理由について解説

相続税の無申告・過少申告がばれない方法はない!理由について解説
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司法書士日野 修亮

 監修者:日野 修亮

この記事を読む およそ時間: 5
この記事でわかること

  • 相続税の無申告や過少申告がばれない方法はあるのか
  • 相続税の無申告・過少申告が税務署にばれる理由
  • 相続税の無申告・過少申告によるペナルティ
  • 相続税を正しく節税する方法

相続税は「申告しなければばれないのでは?」「税務署はいくら遺産を受け取ったかなんて把握しないはず」と考えてしまうこともあるでしょう。

結論を言えば、税務署は個人の資産状況や収入をある程度把握しているので、相続税の無申告や過少申告はばれる可能性が高いでしょう。
相続税の無申告や過少申告がばれると、追徴課税が課せられることもあるのでご注意ください。

本記事では、相続税の無申告がなぜばれるのか、ばれた場合のペナルティについて解説します。


1章 相続税の無申告・過少申告がばれない方法はない

相続税の無申告や過少申告を「うまく隠せるのでは」と考える方は少なくありません。
しかし、結論から言えば、税務署にばれない確実な方法は存在しませんし、税務署は高確率で相続税の無申告や過少申告に気付きます。

国税庁は膨大なデータを突合しながら、相続人の資産変動を継続的に把握しているからです。

相続税の無申告や過少申告などを行うと、無申告加算税や過少申告加算税などのペナルティが上乗せされ、負担が大幅に増える可能性もあります。
また、相続開始後すぐに調査が入らなくても安心はできず、無申告が疑われる場合、数年後に税務署が動くこともあります。

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2章 相続税の無申告・過少申告が税務署にばれる理由

相続税の無申告や過少申告を税務署に知られてしまうきっかけは、主に以下の通りです。

  • 不動産の名義変更手続きでばれる
  • 死亡保険金の受け取りでばれる
  • 相続した株の売却でばれる
  • 税務署は富裕層の収入・資産状況を把握している

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 不動産の名義変更手続きでばれる

相続が発生すると、不動産の名義変更を行う際に、登記情報は自動的に法務局から税務署へ共有されます。
固定資産税評価額は税務署が把握しているため、不動産を相続した事実や相続した不動産の資産価値を隠すことはできません。

また、2024年4月からは相続登記が義務化されたため、相続税の課税負担から逃れるために相続登記をしないで放置することもやめましょう。

2-2 死亡保険金の受け取りでばれる

税務署は、相続発生により家族や親族が受け取った死亡保険金の金額もある程度把握しています
生命保険会社は、保険金の支払い記録を税務署に提出しているためです。

銀行口座に大きな入金があれば金融機関からの情報とも照合されるため、「保険金を受け取ったのに相続税を申告していない」と判断される恐れがあります。

生命保険金に相続税はかかる?非課税枠や税金の計算方法について

2-3 相続した株の売却でばれる

株式を相続し、その後に売却すれば、証券会社から税務署に取引情報が通知されます。
株取引はすべてマイナンバーで紐づいているため、売却益が出れば「故人から受け継いだ株式を売却している=相続税の申告が必要」と税務署に判断されます。

なお、株を売らなかったとしても、名義変更手続きの段階で相続が税務署に把握されることは避けられません。

株の相続について知ろう:注意点と節税方法をイラスト付で解説

2-4 税務署は富裕層の収入・資産状況を把握している

税務署は、個人の収入状況や資産状況をある程度把握しているため、相続発生時にどれくらいの遺産があったかも把握しています。

特に、相続税が高額になりやすい富裕層については、重点的に情報収集が行われており、過去の贈与の有無や資産の移動、定期預金の解約履歴などを総合的に調査分析しています。
相続財産の中で一部だけを申告しなかったとしても、口座残高の増減や家族間の金銭移動などから容易に推測が可能であり、「出処を説明できないお金」は必ず調査の対象になるのでご注意ください。


3章 相続税の無申告・過少申告によるペナルティ

相続税の無申告や過少申告を税務署に指摘されると、以下のようなペナルティが発生することがあります。

  • 無申告加算税
  • 過少申告加算税
  • 延滞税
  • 重加算税

それぞれ詳しく解説していきます。

3-1 無申告加算税

無申告加算税とは、相続税を期限までに申告しなかった場合に課せられる税金です。
無申告加算税の税率は、自主的に申告した場合と税務署に指摘を受けた後に申告した場合で下記のように税率が変わります。

申告時期 税率
自主的に申告した 追加で納めた税金の5%
税務調査後に申告した 追加で納めた税金の15%(50万円以内)
追加で納めた税金の20%(50万円を超える部分)

3-2 過少申告加算税

過少申告加算税とは、申告税額が本来納付すべき金額よりも少なかった際に発生する税金です。
期限内に相続税の申告は完了したものの、修正申告で相続税を納めるときなどにかかります。

過少申告加算税の税率は、自主的に申告した場合と税務調査を受けてから申告した場合で、以下のように異なります。

申告時期 税率
自主的に申告した かからない
税務調査の事前通知を受けてから税務調査を受けるまでに申告した場合
  • 5%(当初の納税額もしくは50万円のいずれか多い方に収まる部分)
  • 10%(上記を超える部分)
税務調査を受けてから申告した場合
  • 10%(当初の納税額もしくは50万円のいずれか多い方に収まる部分)
  • 15%(上記を超える部分)

3-3 延滞税

延滞税とは、相続税の納付が遅れたときに発生する課税される税金であり、税率は以下の通りです。

延滞期間 税率
納付期限の翌日から2ヶ月後まで 7.3%
納付期限の翌日から2ヶ月を経過した日以降 14.6%

なお、延滞税の税率は原則であり、令和7年の税率は2.4%と8.7%となっています。

3-4 重加算税

相続税を脱税するために、意図的に財産隠しや偽装を行うと、以下の税率の重加算税がかかります。

申告書の提出状況 税率
申告書を提出していた 35%
申告書を提出していなかった 40%
相続税を申告しない場合のペナルティとは?税務署にバレる理由も解説

4章 相続税を正しく節税する方法

相続税はばれないように隠すのではなく、法律に基づいて正しく節税することが最も安全であり確実です。
具体的には、相続財産を適切に評価したり、控除や特例の適用を漏れなく受けることが大切です。

それぞれ詳しく解説していきます。

4-1 相続財産について適切に評価する

相続税は財産の評価額に基づいて計算されるため、適正な相続税評価額を算出することが相続税の節税対策につながります。

特に、不動産の相続税評価額の計算方法は非常に複雑であり、地形や接道状況によって減額補正も可能です。
そのため、土地の形状や面積によっては、補正により、相続税評価額が数百万円単位で変わることも珍しくありません。

相続税評価額の計算はケースバイケースですので、相続に強い税理士に計算してもらうことも検討しましょう。

相続した不動産の固定資産税評価額の調べ方|注意点も解説

4-2 控除や特例の適用を漏れなく受ける

相続税には、相続人を保護し、生活基盤を守るための各種控除や特例が用意されています。これらの適用を受けられれば、相続税を大幅に節税することも可能です。

代表的な相続税の控除や特例は、主に以下の通りです。

  • 配偶者控除
  • 小規模宅地等の特例
  • 生命保険金の非課税枠
  • 未成年者控除
  • 障害者控除
  • 債務控除

特に「小規模宅地等の特例」は節税効果が非常に大きく、自宅に住んでいた相続人が引き続き居住する場合には、土地の評価額を最大80%減額できます。
ただし、適用を受けるには要件があるため、税理士に相談しながら相続手続きや相続税申告を進めることをおすすめします。

死後でも行える相続税の節税方法7つ|申告時の注意点も解説

まとめ

相続税の無申告や過少申告は、金融機関や生命保険会社、法務局などからの情報により、時間が経っても高い確率で税務署に把握されてしまいます。
無申告や過少申告を税務署に指摘されると、追徴課税が課せられる恐れもあります。

相続税を節税したいのであれば、控除や特例の適用を受けるなど正しい方法で対策しましょう。
相続税の申告や節税には、専門的な知識が必要となる場合もあるので、相続に精通した税理士に相談するのもおすすめです。

グリーン司法書士法人では、相続手続きについての相談をお受けしています。
初回相談は無料、信頼できる税理士の紹介も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

相続税を申告しないとばれますか?

相続税の無申告がばれないことはほぼありません。
税務署は、相続人の銀行口座の動きや不動産の名義変更、生命保険金の受取情報、証券会社の取引記録など多くのデータを収集・把握しているからです。
特に、近年はマイナンバー制度が導入されたことで、相続に関連するお金の動きはほぼすべてデータとして税務署側に届くと考えて良いでしょう。

相続税の税務調査に選ばれやすい家庭の特徴はなんですか?

相続税の税務調査はランダムではなく、調査の対象になりやすい家庭はある程度決まっています。
具体的には、以下のような家庭は税務調査に選ばれる傾向があります。
明確な選定基準 があります。以下のような家庭は調査の対象となりやすい傾向があります。
・現金・預金が多い家庭
・資産内容が複雑な家庭(不動産・株式・法人保有など)
・生前贈与を繰り返していた家庭
・不自然な控除が多い家庭

タンス預金の存在は税務署にばれますか?

タンス預金は「銀行を通していないから安全」と誤解されがちですが、相続時には高い確率で露見します。
税務署は、以下のような点を重点的に確認しているからです。
・亡くなる直前に「不自然な多額の出金」がないか
・通帳の残高と生前の生活レベルが合っているか
・入院中や認知症だった時期に大金が引き出されていないか
・資産に比べて申告額が少なすぎないか
また、現金を隠していても、相続人の誰かが遺産分割や申告の際に不信感を抱き、結果として発覚するケースもあります。

相続時に過去の生前贈与についてばれますか?

生前贈与も、税務署には高確率で把握されています。
特に、以下のようなケースは発覚しやすいのでご注意ください。
親名義の通帳から毎年決まった日に子の口座へ定期的に振り込んでいた
・子供の名義の預金口座を親が管理していた
・多額の贈与を繰り返していた
・不動産・株式など名義変更が必要な財産を贈与した
税務署は相続開始前5〜10年分の金融資料を確認することが一般的であり、通帳の過去の入出金はすべて遡って調査されます。

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