自分名義の家に親が住むケースとは?メリット・デメリットを解説

自分名義の家に親が住むケースとは?メリット・デメリットを解説
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この記事でわかること

  • 自分名義の家に親が住むケースには、どんなものがあるか
  • 自分名義の家に親が住むメリット・デメリット
  • 自分名義の家に親が住むときにかかる税金
  • 自分名義の家に親が住むときのトラブルを回避する方法

親を自分名義の家に住まわせれば、高齢になった親の住まいや暮らしを安定させながら、将来の相続対策もしやすくなります。
一方で、資金の出どころや名義の設定を誤ると、贈与税や相続トラブルにつながる恐れもあるので、慎重に判断しなければなりません。

本記事では、自分名義の家に親を住まわせる代表的なケースや、メリット・デメリット、税金の取り扱いについて解説します。


1章 自分名義の家に親が住むケースとは

「自分名義の家に親が住んでいる」「これから住む予定がある」というケースは、相続対策や家族の生活支援の観点から考えると、決して珍しいことではありません。
しかし、名義と実際の利用者が異なる場合、相続税や贈与税、所得税などの課税関係が複雑になりやすく、思わぬ税負担やトラブルにつながることもあります。

本章では、自分名義の家に親を住まわせる場合の代表的な5つのパターンを解説します。

1-1 子供が相続した家に親が住み続ける

まず最初に考えられるものは、親の一方が亡くなり、子供が実家を相続し、残された親がそのまま住み続けるケースです。
この場合、家の所有者は子供、使用者は親となりますが、通常の使用貸借の範囲であれば、無償で住まわせていても贈与税は課税されません。

親の一方が亡くなったとき、子供に実家を相続させることで、二次相続の負担を軽減しやすくなるメリットもあります。
誰が実家を相続すべきか判断がつかないときには、相続に詳しい税理士などに相談するのも良いでしょう。

1-2 親が購入した子供名義の家に親が住む

親が資金を出し、子供名義で住宅を購入し、そこに親が住むケースもあります。
この場合、親が出した資金は子供への贈与として扱われ、贈与税の課税対象になります。

金額によっては贈与税の負担が重くなるため、住宅取得等資金の非課税特例の適用を受けられるかも確認しておきましょう。
必要に応じて、住宅取得前に税理士に相談しておくことをおすすめします。

1-3 親名義の住宅を子供が購入し親が住み続ける

他には、親名義の家を子供が時価で購入し、その後も親が住み続けるケースも考えられます。
親子間の売買であっても、売買価格が適正であれば、原則として贈与税はかかりません。
一方で、市場価格より著しく安い価格で購入すると、差額部分が贈与と認定される可能性があるのでご注意ください。

また、親側には譲渡所得税が発生する場合があるので、事前に税理士に相談しておくと良いでしょう。

1-4 子供が親のために家を購入する

子供が自己資金で家を購入し、親に無償で住まわせるケースもあります。
この場合、家はあくまで子供の財産であり、親への贈与には該当しません。

ただし、親が固定資産税や修繕費などを負担していると、実質的な権利関係が曖昧になり、トラブルが起きる可能性があります。
親子間であっても、簡単な覚書や使用貸借契約書を作成しておくと安心です。

1-5 子供が所有する賃貸用不動産に親が住む

最後に考えられるのは、子供が賃貸用として所有する物件に、親を入居させるケースです。
本来第三者に貸す物件であった場合、相場並みの家賃を設定しないと、家賃相当額が贈与と判断されるリスクがあるので注意しましょう。

一方で、適正家賃を受け取っていれば贈与税の問題は生じにくくなりますが、子供側には不動産所得として所得税や住民税が課税されます。
家賃の取り扱いや金額によって、税金の取り扱いが変わってくるので、自己判断ではなく事前に税理士に相談しておくと良いでしょう。

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2章 自分名義の家に親が住むメリット

自分名義の家に親が住む形は、税務面だけでなく、生活面や相続面においても一定のメリットがあります。
本章では、代表的なメリットを整理して解説します。

2-1 親の住まいを安定させられる

子供名義の家に親を住まわせることで、親の住居や暮らしを長期的に安定させやすくなります。

賃貸住宅の場合、家主の事情で更新できなかったり、高齢を理由に入居を断られたりする可能性がゼロではありません。
一方、子供が所有する住宅であれば、そうした外部要因に左右されにくく、「この家に住み続けられる」という安心感を親に与えられます。

また、親を無償で住まわせる場合、親の収入が年金中心になっても家賃負担がないため、生活費の見通しを立てやすくなるはずです。

2-2 親の生活状況を把握しやすくなる

子供が住宅の所有者として関われば、住宅の管理や修繕のタイミングで、親の生活状況を把握しやすくなります。
例えば、水回りの不具合やバリアフリー化の必要性などといった住環境の変化は、親の身体状況と密接に関係しています。

また、子供が住宅を管理すれば、「最近あまり連絡がない」「電気や水道の使用状況が極端に変わった」といった異変にも気付きやすくなるでしょう。

2-3 子供が住宅を管理しやすい

家が子供名義であれば、売却や賃貸、リフォームといった判断を、親の判断能力が低下した後でもスムーズに行えます。
例えば、将来親が施設に入所することになった場合、空き家となる住宅をすぐに売却したり、賃貸に出したりといった活用が可能です。

これが親名義のままだと、認知症などにより判断能力が低下した場合、自宅を売却する際に成年後見制度の利用が必要となり、手続きやコストの負担が発生します。
あらかじめ子供名義にしておけば、こうした手間を避けやすくなるでしょう。

2-4 親名義で不動産を所有するより相続トラブルを回避しやすくなる

不動産が親名義のままだと、親が亡くなった際に「誰が家を相続するか」という問題が発生することも多々あります。
特に、子供が複数いる場合、同居していた子供と、別居していた子供との間で意見が対立するケースも少なくありません。

最初から家が子供名義であれば、その不動産は相続財産に含まれないため、「親の家をどう分けるか」という議論自体が起こりにくくなります。
結果として、相続人同士の話し合いがシンプルになり、トラブルを避けやすくなります。


3章 自分名義の家に親が住むデメリット

自分名義の家に親を住まわせることには、メリットがある一方で、事前に理解しておかないと不利になる点もいくつか存在します。
本章では、自分名義の家に親が住むことで生じるデメリットを解説します。

3-1 贈与税などがかかる場合がある

自分名義の家に親が住む場合でも、資金の出どころや取引内容によっては、贈与税が課税されるケースもあります。

例えば、親が住宅取得資金を負担し、子供名義で家を購入した場合、実質的には「親から子供への贈与」と判断される可能性があります。
また、子供が所有する賃貸用物件に親を無償で住まわせる場合、家賃相当額が贈与と認定されるリスクもあるので注意しなければなりません。

3-2 他の子供が反発する恐れがある

一人っ子ではなく子供が複数いる場合、自分名義の家に親が住む形に対して、他の兄弟姉妹が不満を持つことがあります。
特に、親が資金を出して子供名義の住宅を取得した場合や、実家を子供に贈与してそこに親が住む場合には、不公平感が生じやすくなります。

将来的に「実質的な生前贈与ではないか」「他の兄弟姉妹にも同様の援助があるのか」といった疑念が生じ、相続時の争いに発展するケースもあるでしょう。
相続トラブルを防ぐには、家族間で事前に話し合うことや、援助内容を記録として残しておくことが大切です。

3-3 親が入院・亡くなった後に住宅が空き家になる恐れがある

親が住んでいる間は問題がなくても、将来、施設入所や死亡により住宅が空き家になる可能性があります。
空き家になると、固定資産税や維持管理費が継続的に発生し、防犯や老朽化などのリスクも生じます。

そのため、子供側は親が住まなくなったとき、「自分で住むのか」「賃貸に出すのか」「売却するのか」といった判断をしなければなりません。
活用方針が決まらないまま放置してしまうと、資産価値の低下につながるため、あらかじめ出口戦略を考えておくことが重要です。

3-4 住宅ローン控除が適用されない恐れがある

自分名義の家に親を住まわせた場合、住宅ローン控除の適用を受けられない恐れがあります。
住宅ローン控除は、購入者本人が居住する住宅であることが要件となっているからです。

そのため、子供が購入した家に自分では住まず、親のみが居住する場合、住宅ローン控除が適用されない可能性が高いでしょう。
「将来は自分が住む予定」と考えていても、取得後一定期間内に居住していなければ適用を受けられないケースもあります。
住宅ローン控除を前提に資金計画を立てている場合は、事前に要件を確認しておかないと想定より負担が大きくなる恐れがあるのでご注意ください。


4章 自分名義の家に親が住むときの税の取り扱い

自分名義の家に親が住む場合、状況によって関係する税金の種類や課税の有無が変わってきます。
「無償で住まわせているだけだから税金はかからない」と考えてしまうと、後から問題になるケースもあるので注意しましょう。

本章では、自分名義の家に親が住むときの税の取り扱いについて解説します。

4-1 所得税

自分名義の家に親を住まわせ、親から家賃を受け取っている場合には、その家賃収入は不動産所得として課税対象になります。
不動産収入と必要経費を計算し、確定申告をしなければならないのでご注意ください。

一方、無償で住まわせている場合、原則として子供側に所得税は課税されません。
このようなケースでは、親子間での使用貸借と考えられ、賃料収入がないためです。

4-2 固定資産税

固定資産税は、1月1日時点に不動産を所有している人物に課税される税金です。
そのため、名義が子供であれば、親が住んでいたとしても子供に固定資産税の納税義務があります。

実務上は、親が固定資産税相当分を負担するケースもありますが、税法上の納税義務者が変わるわけではないことを理解しておきましょう。
固定資産税を誰が実際に支払うかについては、親子間で取り決めをしておくことをおすすめします。

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4-3 相続税

家がすでに子供名義であれば、その家は親の相続財産には含まれません。

一方で、子供名義の住宅を取得した際の資金の出どころには注意する必要があります。
親が資金を出して子供が住宅を取得していた場合、贈与時期によっては、その贈与財産が相続税の課税対象に含まれる場合があります。
他にも、親が住宅取得資金を贈与したときに、贈与税の申告をしていなければ、贈与の事実そのものを税務署に否認される可能性もゼロではありません。

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4-4 贈与税

自分名義の家に親が住む場合、以下のようなケースでは贈与税がかかることがあります。

  • 親が住宅取得資金を負担し、子供名義で取得した場合
  • 親が市場価格より著しく低い家賃で住んでいる場合
  • 親名義の不動産を時価より安く子供が取得した場合

一方で、子供が自己資金で購入した家に親を無償で住まわせるだけであれば、通常は贈与税はかかりません。

贈与税が発生するかどうかはケースバイケースであり、お金の流れと取引価格の妥当性によって判断されます。
書面での契約や記録を残しておくことや、税理士などの専門家に相談することで、将来のトラブルを回避しやすくなります。

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5章 自分名義の家に親が住むときのトラブルを回避する方法

自分名義の家に親が住む形は、親子双方にとってメリットがある一方で、事前の準備が不十分だと将来トラブルに発展する恐れがあります。
トラブルの原因の多くは、「家族間の認識のズレ」や「証拠が残っていないこと」から生じます。

本章では、トラブルを防ぐために実践しておきたいことを解説します。

5-1 現状・将来についてよく話し合っておく

まず重要なことは、「なぜこの形にするのか」「将来どうするのか」を親子で共有しておくことです。

例えば、親を住まわせる前に以下のようなことを決めておくと安心です。

  • この家は最終的に誰が所有するのか
  • 親が住めなくなった場合、売却するのか賃貸に出すのか
  • 固定資産税や修繕費は誰が負担するのか
  • 家賃の設定はどうするのか

兄弟姉妹がいる場合には、全員で共有しておくと、後々のトラブルを回避しやすくなります。

5-2 取り決めたことを書面に交わしておく

親子同士の取り決めであっても、口約束で済ませるのではなく、書面に残しておくことをおすすめします。
口約束だけでは、時間が経つにつれて認識がずれてしまうからです。
場合によっては、親が認知症などで判断能力を失ってしまい、口約束の内容を忘れてしまう恐れもあるでしょう。

そのため、親子間で取り決めた内容は、簡単な書面でも良いので形に残しておきましょう。
公正証書にする必要は必ずしもなく、日付と署名押印があるだけでも、後日の証拠になります。

5-3 生前贈与をするのであれば専門家に相談する

親が資金を負担して、子供が自分名義の家を取得する場合など、実質的に生前贈与にあたるケースでは必ず専門家に相談しておきましょう。

専門家に相談すれば、暦年贈与と相続時精算課税のどちらを選択すべきか、住宅取得等資金の非課税特例の適用を受けられるのかなどアドバイスをしてもらえます。

他にも、生前贈与を行う場合には、遺言書の作成もあわせて検討しましょう。
遺言で「特別受益の持戻し免除」を定めておけば、将来の相続時に贈与分を相続財産に戻さなくて済むため、相続トラブルを回避しやすくなります。

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まとめ

自分名義の家に親が住む形は、親の住まいや暮らしを安定させやすい一方で、贈与税や家族間のトラブルなどのリスクも伴います。

重要なことは、「誰が資金を出したのか」「無償か有償か」「将来どうするのか」を明確にし、家族で共有しておくことです。
あわせて書面での取り決めや、必要に応じた相続対策を行うことで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

自分たちで準備することが難しい場合や、どのような形で相続対策を進めるか悩んだ場合には、司法書士や弁護士などの専門家に相談するのも良いでしょう。

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