【西田美桜先生のやさしい相続講座】第5回:遺言書がある場合・ない場合で何が変わる?

facebookでシェアする Twitterでシェアする このエントリーをはてなブックマークに追加する LINEでシェアする
この記事を読む およそ時間: 7

第5回:遺言書がある場合・ない場合で何が変わる?

〜相続の流れはここで大きく分かれます〜

これまでの回で、

  • 相続とは何か
  • 誰が相続人になるのか
  • 相続財産の内容
  • 相続放棄という制度

について解説してきました。

今回は、相続の流れを大きく左右する
「遺言書」について、もう少し踏み込んでお話しします。

相続でお悩みの方は、今すぐ無料相談!相続相談実績4,762件。今すぐ無料相談したい方はこちら

遺言書とは何か?

遺言書とは、亡くなった方が生前に

「自分の財産を、誰に、どのように引き継いでほしいか」

を記した文書です。

法律上、有効な形式で作成されていれば、原則としてその内容が優先されます。

西田美桜先生
西田美桜先生
相続では「法定相続分」という目安がありますが、
遺言書がある場合は、それよりも遺言の内容が優先されます。
つまり、財産の分け方を自分で決められるということです。


遺言書がある場合の流れ

有効な遺言書がある場合、
原則として相続人同士で分け方を話し合う必要はありません。

たとえば、

  • 妻にすべての財産を相続させる
  • 自宅は長男へ
  • 預金は子ども3人で均等に

などと具体的に書かれていれば、その内容に従って手続きを進めます。

西田美桜先生
西田美桜先生
実務では、遺言書があることで
「誰が何をもらうか」の争いが起きにくくなります。
これは非常に大きなメリットです。


遺言書がない場合は「遺産分割協議」

一方、遺言書がない場合には、相続人全員で分け方を決める必要があります。

これを遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)といいます。

相続人全員が合意しなければ成立しないため、
家族・親族関係によっては、これが大きな壁となることもあります。

西田美桜先生
西田美桜先生
相続人が複数いる場合、感情的な対立が起きやすいのはこの場面です。
遺言書があるかどうかで、精神的負担は大きく変わります。


遺言書の種類と違い

遺言書には、主に次の形式があります。

① 自筆証書遺言

遺言者が全文を自分で書く形式です。

メリット

  • 費用がかからない
  • 手軽に作成できる

デメリット

  • 形式不備で無効になることがある
  • 紛失・改ざんのリスク
  • 家庭裁判所での「検認」が必要(※)

※検認とは、家庭裁判所で遺言書の内容や状態を確認する手続きです。

西田美桜先生
西田美桜先生
実務では、「日付が抜けている」「押印がない」などの理由で無効になるケースもあります。
本人はしっかり遺言を遺したつもりでも、法律上は成立していないことがあるのです。

自筆証書遺言で特に多い失敗例

  • 財産の特定があいまい(例:「預金を渡す」だけ)
  • 不動産の表示が不正確
  • 「気持ち」だけ書いて具体的な分配がない
  • 一部だけ書いて他の財産が抜けている
西田美桜先生
西田美桜先生
「長男に自宅を任せる」と書いてあっても、どの不動産なのか特定できなければ手続きが進みません。
財産の表示は非常に重要です。

② 公正証書遺言

公証役場で、公証人という法律の専門家が作成する遺言書です。

メリット

  • 形式不備が起きにくい
  • 原本が公証役場に保管される
  • 家庭裁判所の検認が不要

デメリット

  • 費用がかかる
  • 証人が2名必要
西田美桜先生
西田美桜先生
私は実務上、公正証書遺言を強くおすすめすることが多いです。
特に財産が複数ある場合や、相続人どうしの関係に不安がある場合は、
公正証書遺言の方が安全です。

なぜ公正証書遺言を勧めるのか?

理由は大きく3つあります。

① 無効リスクが極めて低い

公証人が法律に基づいて作成するため、形式不備の心配がほぼありません。

② 紛失しない

原本が公証役場に保管されます。

③ 手続きがスムーズ

検認が不要なため、相続開始後の流れが速いです。

西田美桜先生
西田美桜先生
相続が始まった後は、できるだけ手続きを簡潔にしたいものです。
公正証書遺言は、その負担を大きく減らしてくれます。


遺言書があっても争いは起こる?

遺言書があれば絶対に安心、というわけではありません。

たとえば、

  • 特定の子に大きく偏った内容
  • 理由が何も説明されていない分配

このような場合、不満が残り、トラブルの元となることがあります。

西田美桜先生
西田美桜先生
遺言書は「法律的に正しい」だけでなく、「家族への配慮」がとても重要です。
内容をどう書くかは、専門家と相談しながら検討する価値があります。


生前対策としての遺言書

遺言書は、亡くなった後のための書類ですが、実は生前対策として非常に重要です。

  • 内縁のパートナーに財産を渡したい
  • 特定の子に事業を承継させたい
  • 不動産を分けにくい場合

こうしたケースでは、遺言書が事実上不可欠になります。

西田美桜先生
西田美桜先生
「うちは仲がいいから大丈夫」と思っていても、
相続は環境や状況で大きく変わります。
遺言書は“家族への最後のメッセージ”とも言えます。

相続でお悩みの方は、今すぐ無料相談!相続相談実績4,762件。今すぐ無料相談したい方はこちら

まとめ

今回のポイントは、

  • 遺言書があると原則その内容が優先される
  • 遺言書がない場合は遺産分割協議が必要
  • 自筆証書遺言にはリスクがある
  • 公正証書遺言は安全性が高い
  • 内容の書き方が非常に重要

という点です。

西田美桜先生
西田美桜先生
遺言書は「作るかどうか」だけでなく、「どう作るか」がとても大切です。
不安があれば、早めにご相談ください。

次回予告

第6回:遺産分割協議とは?
〜話し合いで気をつけるべきポイント〜

グリーン終活の窓口

お知らせ

Youtubeチャンネルアート

グリーングループ代表・山田愼一のYouTubeチャンネル
「司法書士やまちゃんのらくらく相続」好評更新中!
高齢のご両親がいらっしゃる方、ご自身の資産を減らさず家族に受け継がせたい方など、相続・生前対策を考えている皆様にとって耳寄りな情報を、「相続のプロ」がわかりやすく解説しています。ぜひチャンネル登録してご覧ください!

司法書士西田美桜

 監修者:西田美桜