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遺言執行者は単独で相続登記できる!相続法の改正内容を紹介

遺言執行者は単独で相続登記できる!相続税法の改正内容を紹介
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司法書士中川 徳将

 監修者:中川 徳将

この記事を読む およそ時間: 5

遺言執行者とは、遺言書に書かれた内容を実現するために相続財産の管理や手続きを行う人物です。
遺言執行者は権限や義務が曖昧な状態でしたが、2019年に相続法が改正されたことにより、単独で相続登記や遺贈登記を行えるようになりました。

遺言執行者が単独で登記申請を行えるようになったことにより、相続人や受遺者が行っていた必要書類の収集や登記申請書の作成にかかる手間を軽減できました。
また、相続人全員と受遺者で協力して相続登記を行わなくて済むため、登記申請時にトラブルが発生しにくいのもメリットといえるでしょう。

本記事では、遺言執行者が相続登記を行う流れを解説します。
相続登記については、下記の記事でも解説していますので、ご参考にしてください。

相続登記とは【司法書士が徹底解説】放置するリスクから手続きの流れまで

1章 遺言執行者は単独で相続登記を行える

故人が遺言書作成時に遺言執行者も選任していた場合、遺言執行者が単独で相続登記を行えます。
また、遺言執行者だけでなく相続人が相続登記を行うことも認められています。

ただし、遺言執行者が単独で相続登記できるのは2019年7月1日以降に作成された特定財産承継遺言のみです。

特定財産承継遺言とは

特定の財産を特定の相続人に相続させると記載した遺言です。
例えば、「預貯金は長女Aに相続させ、不動産は長男Bに相続させる」と記載された遺言書は特定財産承継遺言にあたります。

2019年7月1日に相続法が改正されたことにより、遺言執行者が特定財産承継遺言に限り単独で相続登記を行えるようになりました。
一方で、2019年7月1日より前に書かれた特定財産承継遺言は遺言執行者は相続登記を行えず、不動産を相続した相続人が相続登記をしなければなりません

遺言執行者とは|誰がなれる?選任方法や仕事内容を徹底解説【完全版】
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2章 遺贈登記は遺言執行者しか単独で行えない

法定相続人以外に財産を相続させる遺贈による登記は、受遺者のみで行うことはできず、単独登記できるのは遺言執行者のみです。
万が一、遺言執行者がいない場合には、相続人全員および受遺者で登記申請を行わなければなりません。

「愛人に不動産Aを相続させる」と遺言書に記載していたとしても、遺言執行者を選任していなかった場合には法定相続人と受遺者(愛人)の足並みが揃わず遺贈登記が行えない、もしくは時間がかかる恐れもあります。
不動産を法定相続人以外の人物に遺したいと考えている場合には、遺言書の作成と合わせて遺言執行者の選任も必ず行っておきましょう。

【遺贈とは?】遺贈の方法・相続との違い・知っておくべき注意点

3章 遺言執行者による相続登記の流れ

遺言執行者が相続登記を行うには、下記の流れで進めていきましょう。

  1. 必要書類を収集する
  2. 登記申請書を作成する
  3. 法務局にて登記申請をする
  4. 登記完了を確認する

それぞれ詳しく解説していきます。

STEP① 必要書類を収集する

遺言執行者が単独で相続登記する際の必要書類は、下記の通りです。

  • 登記申請書
  • 故人の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本
  • 不動産を取得する相続人の戸籍謄本
  • 故人の住民票(除票)または戸籍の附票(除附票)
  • 公正証書遺言もしくは検認済みの自筆証書遺言・秘密証書遺言
  • 相続関係説明図
  • 不動産を取得する相続人の住民票または戸籍の附票
  • 不動産の固定資産評価証明書または納税通知書

遺言書に書かれた内容に従って相続登記をする場合、亡くなった人の生まれてから死亡までの連続した戸籍謄本を収集する必要がありません。
遺言書は他の相続手続きでも使用しますが、登記申請完了後に返却してもらえるのでご安心ください。

STEP② 登記申請書を作成する

必要書類の収集が完了したら、登記申請書の作成をしましょう。
遺言書による登記申請書のサンプルは、下記の通りです。

登記申請書の見本/遺言があった場合

なお、戸籍謄本は相続関係説明図があれば原本を返却してもらえますが、遺言書などその他の必要書類に関しては、下記のように準備しておけば登記完了後に原本を返却してもらえます。

戸籍関係書類以外の書類の原本を返してもらうための準備方法

遺言書は不動産の登記手続きだけでなく、預貯金や株式など様々な相続手続きで必要になるので、必ず準備しておきましょう。

STEP③ 法務局にて登記申請をする

登記申請書および必要書類の準備が完了したら、法務局に登記申請をします。
登記申請方法は、下記の3種類があります。

  1. 窓口での申請
  2. 郵送での申請
  3. オンライン申請

オンライン申請は登録作業が必要で手間がかかるので、専門家以外が申請を行うのであれば窓口もしくは郵送での手続きがおすすめです。

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STEP④ 登記完了を確認する

登記申請を行った後は、完了まで待ちましょう、
登記申請書や添付書類に不備があった場合には、申請から1~2週間後に法務局から連絡が届くので、指示に従いましょう。

なお、郵送で登記申請した場合でも、窓口まで行き不備の対応を求められる場合もあります。
完了予定日まで連絡がなかった場合には、不備なく登記が完了しているので、完了書類の受取をしましょう。
完了書類の受取および確認の流れは、下記の通りです。

  1. 完了書類の受取をする
  2. 完了書類の確認をする
  3. 名義変更されているか登記事項証明書を取得して確認する
  4. 登記識別情報通知を大切に保管する
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4章 相続法改正により遺言執行者に追加された権限・義務

2019年の相続法改正により、遺言執行者は相続登記以外にもいくつかの権限と義務が追加されました。
それぞれ詳しく解説していきます。

4-1 遺言書の内容を相続人に伝える(通知義務)

遺言執行者は、相続が発生し業務が開始したタイミングで相続人に下記を通知することが義務付けられました。

  • 遺言執行者へ就任したこと
  • 遺言書の内容を実現するための業務を開始すること
  • 遺言書に書かれた内容
  • 相続財産の内容

遺言執行者が遺言書に書かれた内容を相続人に伝える義務を持ったことで、財産を多く引き継ぐように遺言書に書かれた相続人や受遺者が他の相続人に遺言書の内容を伝えなくてすむようになりました。
特定の人物に財産を多く受け継いでもらうために遺言書を作成する場合には、遺言執行者を選任しておき、相続人間のトラブルや面倒を避けることも検討しましょう。

4-2 第三者に任務を代行してもらえる(復任権の拡大)

相続法の改正により、遺言執行者が自分の責任の範囲内で第三者に遺言執行の業務を行わせる権利(復任権)が認められるようになりました。
相続法改正以前は復任権が認められなかったので、亡くなった人の家族や親族が遺言執行者となった際に法的な知識が不足していて遺言書の内容を実現するのに、時間や手間がかかるケースもありました。

復任権が認められたことにより、遺言執行者に選任された人物が司法書士や弁護士など相続の専門家に依頼できるようになりました。

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5章 遺言執行者を専門家に依頼するメリット

遺言執行者は遺言書の内容を実現するための業務を行う人物であり、相続や法律に関する専門的な知識や経験が必要になることも多いです。
また、相続人や受遺者間のトラブルを避けるために遺言執行者を選任するのであれば、利害関係のない第三者を選任しておくのが良いでしょう。
遺言執行者を専門家に依頼するメリットは、主に下記の3つです。

  1. 遺言書の内容を確実に実行できる
  2. 相続手続きをスムーズに進められる
  3. 相続人同士のトラブルを避けられる

それぞれ詳しく解説していきます。

5-1 遺言書の内容を確実に実行できる

遺言執行者を選任すれば、確実に遺言書の内容を実行してもらえます。
遺言書を作成するだけでは、遺言書の内容通りに遺産分割が行われるとは限りません。

遺言書が作成されていたとしても、相続人全員が合意すれば遺産分割協議を行い、遺言書と異なる内容で遺産を受け継いでも問題ないからです。
専門家が遺言執行者になれば、手続きにも慣れているので、速やかに遺言書の内容を実現できます。

5-2 相続手続きをスムーズに進められる

遺言執行者を選任していなかった場合、遺言書に書かれた内容で遺産分割を行うとしても、法定相続人全員と受遺者が協力して相続手続きを進めなければなりません。
しかし、自分にとって不利な内容の相続手続きに協力したくないと考える相続人も中にはいるはずです。

遺言執行者がいれば、相続人全員で手続きを行う必要はなくなりますし、必要書類の収集も行ってもらえます。

5-3 相続人同士のトラブルを避けられる

第三者である専門家を遺言執行者として選任しておけば、相続人同士の余計なトラブルも避けやすくなります。
遺言執行者を選任していなかった場合、財産を多く受け取る相続人が他の相続人に対し、遺言書の内容を説明しなければなりません。

  • 「遺言書は正式なのか」と他の相続人から疑われる
  • 「自分にとって都合の良い遺言書を書かせたのではないか」と非難される

専門家が遺言執行者として就任すれば、上記の疑いや批判は避けられますし、遺言書の内容を他の相続人に伝える心理的なストレスからも解放されます。

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まとめ

2019年の相続法改正により、遺言執行者が単独で相続登記や遺贈登記を行えるようになりました。
遺言執行者が選任されていなかった場合は、不動産を相続した相続人もしくは相続人全員と受遺者で登記申請をしなければなりません。

特に、遺贈登記の場合は相続人と受遺者の関係性によっては足並みが揃わず、登記申請ができない、もしくは時間がかかる可能性もあるでしょう。
余計なトラブルの発生や登記手続きの手間を減らすためにも、遺言書作成時には遺言執行者も必ず選任しておきましょう。

相続人間のトラブルを回避し、相続手続きをスムーズに完了させるには、遺言執行者を専門家に依頼することもご検討ください。

グリーン司法書士法人では、遺言書の作成や遺言執行者に関する相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですのでまずはお気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

遺言執行者は相続人でもなれますか?

遺言執行者は、遺言の内容を実現するための相続手続きを単独で行う義務・権限を持つ人です。
遺言執行者は未成年者や破産者以外であれば誰でもなることができ、資格などは不要です。
そのため、相続人の1人が遺言執行者になっても問題ありません。
▶遺言執行者について詳しくはコチラ

遺言執行者は単独登記できますか?

遺言執行者は権限や義務が曖昧な状態でしたが、2019年に相続法が改正されたことにより、単独で相続登記や遺贈登記を行えるようになりました。
▶遺言執行者の単独登記について詳しくはコチラ

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