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遺言執行者しかできないこと・遺言執行者以外でもできることとは?

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司法書士山中泉

 監修者:山中泉

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遺言執行者とは、遺言の内容を実現するための相続手続きを単独で行う義務・権限を持つ人です。
遺言執行者は、相続財産調査や相続人調査を行う権限などを持っていますが、相続人や受遺者のかわりに相続税申告は行えないのでご注意ください。

本記事では、遺言執行者ができないこと、遺言執行者のみできることを解説していきます。
遺言執行者については、下記の記事で詳しく解説しているのでご参考にしてください。

遺言執行者とは|誰がなれる?選任方法や仕事内容を徹底解説【完全版】

1章 遺言執行者ができないこと

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するための相続手続きを単独で行う義務・権限を持つ人です。
遺言執行者には様々な権限が与えられていますが、相続税申告は相続人や受遺者の代わりに行うことができません。

相続税申告は、相続人および受遺者の固有の義務とされているからです。️

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2章 遺言執行者のみができること

子供の認知や特定遺贈、相続人廃除および取消は相続人や受遺者は行えず、遺言執行者のみが行える行為です。
下記の行為を遺言で指定したい場合は、遺言執行者を必ず選任しておきましょう。

  1. 特定遺贈
  2. 子供の認知
  3. 推定相続人の廃除や取り消し
  4. 一般財団法人設立を目的とする財産の拠出

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 特定遺贈

不動産など特定の財産を相続人以外に相続させる特定遺贈の実行は、遺言執行者のみが行えます。
民法改正以前は、遺言執行者でなくても相続人全員で実行できるとされていました。

しかし、民法改正により遺言執行者がいれば、遺言執行者が単独で名義変更などの手続きを行えるため、相続人と受遺者のトラブルを回避可能です。

特定遺贈とは?メリット・デメリットや包括遺贈との違いを簡単解説
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2-2 子供の認知

遺言書では非嫡出子の認知も行えますが、認知に関する手続きを行えるのは遺言執行者のみです。
遺言書で非嫡出子の認知について記載しておけば、認知された子供は他の実子と同様に相続人になり、故人の遺産を受け継ぎます。

故人が遺言書で子の認知に関する記載をしていた場合、遺言執行者は就任後10日以内に認知届けの提出が必要です。
万が一、故人が遺言執行者を選任していなかった場合は、相続人等による家庭裁判所への遺言執行者選任の手続きをしなければなりません。

2-3 推定相続人の廃除や取り消し

遺言で推定相続人の廃除や取り消しをする場合、廃除および取り消しの手続きは遺言執行者しか行えません。
相続人の廃除とは、自身に対して不利益になる行為や、著しく不快にさせる行為をした人の相続権を剥奪する制度です。

相続人廃除が認められた場合、その相続人は一切の相続権を失い、遺留分の請求も行えなくなります。
ただし、相続人廃除は故人の希望のみで行えるわけでなく、下記に該当する行為がなければ認められません。

  • 故人を虐待した
  • 故人に対して重大な屈辱を与えた
  • 故人の財産を不当に処分した
  • ギャンブルなどの浪費による多額借金を故人に返済をさせた
  • 度重なる非行や反社会勢力へ加入した
  • 犯罪行為を行い有罪判決を受けている
  • 故人と婚姻関係にあったにもかかわらず、愛人と同棲するなど不貞行為を働いている
  • 財産を目的とした婚姻をした
  • 財産目当ての養子縁組をした

遺言で相続人廃除や取り消しを行う場合は、家庭裁判所で手続きが必要なため、遺言執行者を選任しなければなりません。

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2-4 一般財団法人設立を目的とする財産の拠出

自分が亡くなった後に遺産を世の中のために使うため財団を立ち上げてほしい場合、一般財団法人の設立を希望する人もいるでしょう。
一般財団法人の設立や財産の拠出は、遺言執行者のみが行えます。

遺言で一般財団法人の設立に関する意思を記載する方法は、下記の通りです。

  • 遺言書に一般財団法人設立に関する意思を明記しておく
  • 一般財団法人の定款に定める内容を記載しておく
  • 設立に必要になる拠出金300万円を用意しておく
  • 遺言執行者を選任しておく

相続発生後、指定された遺言執行者は速やかに定款の作成や公証役場での認証などを行います。
その後も、拠出金の払込、理事や監事の選任などを行います。

なお、すでに設立されている一般財団法人やNPO法人への寄付などであれば、遺言執行者でなくても行えます。


3章 遺言執行者でなくてもできること

包括遺贈や寄与分の指定などの下記の行為は、遺言執行者でなくても相続人が行えます。

  1. 包括遺贈
  2. 寄与分の指定
  3. 信託の設定
  4. 祭祀継承者の指定
  5. 生命保険金の受取人変更

ただし遺言執行者がいれば、相続人ではなく遺言執行者が上記の行為を行うため、遺族の負担を減らせますし相続人や受遺者によるトラブルを避けられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1 包括遺贈

相続財産の全部または一定の割合を指定して相続人以外に財算を遺す包括遺贈は、遺言執行者でなく相続人でも実行可能です。
包括遺贈を受けた受遺者は、相続人と同等の権利や義務を負うため、遺言執行者の選任は必ずしも必要ありません。

包括遺贈とは?特定遺贈との違いやメリット・デメリットについて

3-2 寄与分の指定

寄与分とは、故人の介護や事業の手伝いなどを長年してくれた相続人が他の相続人よりも多く財産を相続できる制度です。
寄与分が認められれば、法定相続分よりも多く遺産を相続できる可能性があります。

寄与分の指定に関しては、遺言執行者でなく相続人でも実行可能です。

例えば、介護を長年にわたりしてくれた長女に対して寄与分を設定したい場合は遺言執行者は必ずしも必要ではありません。
ただし、他の相続人が寄与分について反発しそうであれば、司法書士や弁護士などの専門家を遺言執行者に指定しておく方がトラブルが起きるリスクを減らせるのでおすすめです。

寄与分とは?誰がどんなときに請求できる?要件や請求方法まとめ️

3-3 信託の設定

自分が亡くなった後に信託を行ってほしい場合は、遺言書にその旨を記載可能です。
信託とは、委託者(遺言者)が個人もしくは法人(受託者)に財産を預け、管理や運用、処分してもらうことです。

遺言による信託を行うのであれば、生前のうちに受託者になってもらう人と打ち合わせを行い、信託契約を結ぶことや内容について理解してもらうケースが一般的です。
遺言書にて信託について記載し遺言執行者を選任していた場合、遺言執行者は受託者として指定された人物について信託を引き受けるかの回答期限を設定できます。

3-4 祭祀継承者の指定

仏壇や家系図などは祭祀財産と呼ばれ、相続財産には含まれず祭祀継承者が受け継ぎます。
祭祀継承者は遺言にて指定可能であり、遺言によって指定された人物は拒否できないため、遺言執行者でないと行えない手続きなどはありません。

ただし、遺言執行者が指定されていた場合は、遺言執行者が祭祀財産の承継手続きを行います。

祭祀財産とは?相続上の取り扱いと承継方法。相続税の節税対策になる?

3-5 生命保険金の受取人変更

遺言書では、生命保険金の受取人の指定や変更も行えます。
ただし、遺言による生命保険金の受取人変更があった場合、相続発生後に保険会社に受取人の変更の連絡や手続きをしなければなりません。

生命保険金の受取人変更の連絡および手続きは、受取人として指定されていた人物が自分で行えます。


4章 遺言執行者を選任する方法・必要書類

本記事の2章で解説した内容を遺言書に記載したい場合や相続人や受遺者のトラブルや負担を減らしたい場合は、遺言執行者を指定しておくのが良いでしょう。
遺言執行者を選任する方法は、下記の3つの方法があります。

  1. 遺言書で指定する
  2. 第三者に指定してもらう
  3. 家庭裁判所に指定してもらう

トラブルや遺族の負担が少ないのは、遺言書にて遺言執行者を指定しておく方法です。
遺言執行者を指定する場合の記載方法は、下記の通りです。

遺言執行者の指定方法

なお、指定された人が相続発生後に自分が遺言執行者であると知って困惑しないように、遺言作成時には必ず遺言執行者に指定する旨を伝えておきましょう。


5章 遺言執行者を専門家に依頼するメリット

遺言執行者は相続人や親族に依頼もできますが、相続人同士のトラブルを避けたいケースは、司法書士や弁護士などの専門家に依頼するのが確実です。
相続に詳しい司法書士や弁護士を遺言執行者に指定するメリットは、下記の通りです。

  1. 遺言書の内容を確実に実行できる
  2. 相続手続きがスムーズに進む
  3. 相続人同士のトラブルを回避できる

特に、遺言書作成を依頼した司法書士や弁護士を遺言執行者として指定すれば、遺言を作成したときの気持ちや意図を専門家に代弁してもらいます。
遺族に遺言書の趣旨を理解してもらいやすくなりますし、遺族の負担やトラブルも減るので、ぜひご検討ください。

遺言執行者は相続人でも問題ない|注意すべきトラブルも紹介
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まとめ

特定遺贈の実行や子供の認知、相続人廃除や取り消しは遺言執行者でないと行えません。
そのため、これらを遺言書で記載したい場合は、遺言執行者も指定しておきましょう。

遺言執行者を選任していないと、相続人が家庭裁判所にて遺言執行者の選任申立てが必要な可能性があり、手間と時間がかかります。

誰が遺言執行者になるかで相続人同士のトラブルが発生する可能性もあるでしょう。
遺族の負担を減らし、遺言書の内容を確実に実行したいのであれば、遺言書に遺言執行者を指定しておく、専門家を遺言執行者として指定するのがおすすめです。

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