- 相続放棄を依頼したとき弁護士と司法書士ではどちらが安いのか
- 相続放棄を弁護士・司法書士に依頼したときの違い
相続放棄とは、プラスの遺産もマイナスの遺産も一切相続しなくなる手続きです。
故人が多額の借金を遺していた場合は、相続放棄を検討すると良いでしょう。
相続放棄は家庭裁判所での申立てが必要であり、自分で手続きをするのではなく弁護士や司法書士に依頼される方もいます。
弁護士と司法書士に依頼した場合の費用は、一般的には司法書士の方が安くなることが多いです。
相続放棄の費用を少しでも抑えたい人は、司法書士への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、相続放棄の申立てを弁護士と司法書士に依頼した場合、どちらが安いのかを解説します。
目次
1章 相続放棄を依頼した場合の弁護士・司法書士費用はどちらが安い?
相続放棄は自分で手続きも可能ですが、失敗したときのリスクが大きいため司法書士や弁護士に相談する方も多くいます。
相続放棄を弁護士や司法書士に依頼した場合の費用相場は、下記の通りです。
- 弁護士:10〜20万円
- 司法書士:5〜10万円
一般的には、司法書士に接続放棄の手続きを依頼した方が弁護士に依頼するよりも安くすむことが多いです。
ただし、司法書士と弁護士の報酬は自由に設定できるので、依頼先の事務所や法人によっても異なります。
また、単価の低い仕事を嫌がる弁護士も一定数いるので、弁護士に断られて司法書士へ相談に行く人もいるようです。
2章 相続放棄を弁護士・司法書士に依頼したときの違い
相続放棄を弁護士や司法書士に依頼するときには、費用だけでなく、手続きをすべて依頼したいのか、債権者とトラブルになりそうかを含めて依頼先を検討しなければなりません。
結論から言うと、相続放棄後に債権者とトラブルになりそうでないケースや依頼費用をできるだけ抑えたいケースは司法書士に依頼するのがおすすめです。
本章では、相続放棄を弁護士、司法書士に依頼したときの違いについて解説します。
2-1 【共通】相続放棄前後の手続き・行為についてもアドバイスをもらえる
弁護士、司法書士に相続放棄を依頼した場合、相続放棄の前後にまつわる様々な手続きをアドバイスをもらえます。
相続放棄をする際には、遺産を使用、処分しないように細心の注意を払わなければなりません。
というのも、遺産を使用、処分してしまうと、相続する意思があるとされ相続放棄が認められなくなってしまうからです。
遺産の使用、処分とみなされる行為は、下記のように様々なものが含まれます。
- 故人の預貯金の引き出し・解約
- 故人の自宅の解体・売却
- 故人の遺産から借金・未払料金を支払う
- 故人の携帯電話を名義変更・解約する
- 故人の車を使用・処分する
- 遺品整理や形見分けをする
故人の自宅の片付けや賃貸契約の解除など、大家さんや管理会社から言われるがまま行ってしまうと、相続放棄が認められない恐れもあるのでご注意ください。
相続放棄を弁護士や司法書士に依頼すれば、手続きそのものだけでなく、こういった行為ひとつずつに対して行っても大丈夫かどうか、どのように進めれば良いかをアドバイス可能です。
2-2 【共通】相続放棄以外の解決方法も考えてもらえる
相続放棄を弁護士や司法書士に依頼すると、相続放棄を含めた様々な選択肢のうち、最も適した方法を提案してもらえます。
故人の借金を相続しない方法としては、相続放棄だけでなく限定承認と呼ばれる方法もあります。
限定承認とは、故人のプラスの遺産の範囲内でマイナスの遺産を受け継ぐ制度です。
故人が借金を遺しているものの先祖代々受け継いできた土地を相続したいといったケースでは、相続放棄ではなく限定承認を選択した方が良いケースもあります。
相続の方法や借金への対処法には様々なものがあり、自分に適したものを選ぶには専門的な知識や経験が必要です。
相続放棄や借金問題に精通した司法書士や弁護士に相談すれば、あなたに合った方法を提案してもらえます。
2-3 【司法書士】相続放棄の費用を抑えられる
相続放棄にかかる費用を少しでも抑えたいのであれば、弁護士ではなく司法書士に依頼するのがおすすめです。
本記事の1章で解説したように、一般的には弁護士よりも司法書士野報酬の方が安く設定されているからです。
中には「司法書士は安い分、代行してくれる部分が少ないんじゃないの?」と心配される人もいるかもしれません。
確かに、司法書士は弁護士と異なり代理人にはなれないので、家庭裁判所への出頭などはご自身で行う必要があります。
しかし、司法書士でも必要書類の収集や相続財産調査、申述書の作成といった1番手間がかかる部分は代行できるので、少し自分が行動する必要があるとしても費用を抑えたい人には向いています。
【自分で相続放棄の申立てをするのはおすすめできない】
相続放棄の費用をできるだけ抑えたいと考えた場合、そもそも専門家に依頼せず自分で手続きすればいいのかと考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、専門家の立場から言わせていただくと自分で相続放棄の申立てをするのはおすすめできません。
というのも、自分で相続放棄の申立てをすると、相続放棄前後に行う様々な手続きや作業について相談できないからです。
自己判断で故人の自宅の片付けや車の処分をした結果、相続放棄が認められなくなったなんてならないように司法書士や弁護士に依頼することをおすすめします。
2-4 【弁護士】相続放棄の手続きをすべて代行してもらう
相続放棄にまつわる手続きをすべて代行してもらいたい場合は、司法書士ではなく弁護士に依頼することがおすすめです。
弁護士であれば、依頼者の代理人として活動できるため下記の行為もすべて弁護士が行えます。
- 家庭裁判所への出頭
- 照会・回答書への記入
仕事が忙しく家庭裁判所に行くのが難しい、故人との関係が悪く一切相続手続きに関わりたくない、故人のことをできるだけ考えたくもないケースでは弁護士に依頼すると良いでしょう。
一方、司法書士に依頼した場合は上記の行為はできないものの、申述書の作成や照会・回答書に回答する際のアドバイスは行えます。
司法書士に依頼する場合は、どんな行為を自分で行う必要があるのか、司法書士に任せられる部分は何かを確認しておくと安心です。
2-5 【弁護士】債権者と揉めた場合に対処してもらえる
相続放棄をしただけでは債権者が納得してくれずトラブルになりそうな場合は、最初から弁護士に依頼するのが良いでしょう。
弁護士であれば、依頼者の代理人として債権者対応まで行えるからです。
とはいえ、相続放棄後にすべての債権者とトラブルになるわけではなく、債権者によって対応がある程度変わってきます。
- 債権者が金融機関や消費者金融:相続放棄後に督促が来ることはない
- 債権者が闇金や知人・友人:相続放棄後も督促が続く可能性がある(法律に従わず、無茶な要求をしてくる可能性がある)
債権者が金融機関や消費者金融であれば、相続放棄後にトラブルが起きにくいため、司法書士への依頼で事足りる可能性が高いです。
一方、故人が闇金や個人から借金をしていた場合は、トラブルに備え弁護士に依頼することをおすすめします。
まとめ
相続放棄の申立てを依頼できる専門家は弁護士と司法書士であり、一般的には司法書士の方が費用が安いことが多いです。
専門家に支払う報酬をできるだけ抑えたいのであれば、司法書士に依頼するのが良いでしょう。
一方で、債権者とトラブルが起きそうな場合やすべての申立て手続きを対抗してもらいたい場合は、弁護士に依頼することをご検討ください。
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