相続放棄にかかる費用は?費用を抑える方法・負担する人物について

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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 6
 この記事でわかること

  • 相続放棄にかかる費用の内訳・相場
  • 相続放棄の費用を負担する人物は誰か
  • 相続放棄の費用を抑える方法

相続放棄とは、故人のプラスの財産もマイナスの財産も一切相続しなくなる手続きです。
相続放棄をすれば、故人の借金の返済義務を受け継がずにすみます。

相続放棄をするには、家庭裁判所に申立てをする必要があり、申立て費用や書類収集費用、司法書士・弁護士に支払う報酬などの費用がかかります。

自分で相続放棄の申立てをすれば専門家に支払う報酬を抑えられますが、失敗したときのリスクが大きいのであまりおすすめできません。

本記事では、相続放棄にかかる費用はいくらか、費用を抑える方法や高額になるケースを紹介していきます。
相続放棄については、下記の記事で詳しく紹介しているので、よろしければ合わせてお読みください。

相続放棄とは?検討すべきケース3つや手続きの流れ・注意点まとめ

1章 相続放棄にかかる費用はいくら?

相続放棄をする際には、家庭裁判所で申立てが必要であり、下記の費用がかかります。

費用の内訳相場・金額
戸籍謄本などの書類収集費用数千円程度
(故人と相続人の関係によって異なる)
手数料収入印紙800円分
(相続人1人につき)
連絡用の郵便切手代数千円程度
司法書士・弁護士への報酬弁護士:10〜20万円程度
司法書士:5〜10万円程度
合計数千円〜20万円程度

なお、相続放棄の期限を過ぎている場合、手続きが複雑になるので専門家への依頼が必須であり、依頼費用も高額になります。
ケース別の費用相場を詳しく見ていきましょう。

1-1 自分で相続放棄する場合

自分で相続放棄する場合、専門家への報酬が発生しないため相続放棄の費用を抑えられます。
故人と相続人の関係にもよりますが、数千円程度で相続放棄できる可能性が高いでしょう。

内訳相場・金額
戸籍謄本などの書類収集費用数千円程度
(故人と相続人の関係によって異なる)
手数料収入印紙800円分
(相続人1人につき)
連絡用の郵便切手代数千円程度
合計数千円〜1万円程度

ただし、故人の孫や甥・姪が相続放棄するケースでは必要書類の数が増えるため、書類収集費用もその分高額になります。

兄弟姉妹が相続放棄する方法:手続きの流れと必要書類を徹底解説

1-2 司法書士に相続放棄を依頼する場合

司法書士に相続放棄を依頼した場合、1-1で紹介した実費に加え司法書士に支払う報酬として約5〜10万円が追加でかかります。

内訳相場・金額
戸籍謄本などの書類収集費用数千円程度
(故人と相続人の関係によって異なる)
手数料収入印紙800円分
(相続人1人につき)
連絡用の郵便切手代数千円程度
司法書士への報酬5〜10万円程度
合計6〜11万円程度

相続放棄の期限が迫っている場合や必要書類の収集、相続財産調査も依頼する場合は更に高額になる可能性もあります。

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1-3 弁護士に相続放棄を依頼する場合

弁護士に相続放棄を依頼する場合も、1-1で紹介した実費に加えて、弁護士に支払う報酬約10〜20万円がかかります。

内訳相場・金額
戸籍謄本などの書類収集費用数千円程度
(故人と相続人の関係によって異なる)
手数料収入印紙800円分
(相続人1人につき)
連絡用の郵便切手代数千円程度
弁護士への報酬10〜20万円程度
合計11〜21万円程度

一般的に、弁護士に支払う報酬は司法書士より高額になるとされています。
代理人としてすべての手続きを代行してもらいたい場合や相続放棄後に債権者とのトラブルが起きそうな場合は、弁護士に依頼すると良いでしょう。

※「相続放棄の費用は弁護士と司法書士ではどちらが安いですか?」の未公開記事と内部リンクでつないでください。

1-4 相続放棄の期限を過ぎてしまっている場合

https://green-osaka.com/online/renunciation-of-inheritance/inheritance-waiver-deadline

相続放棄には「自分が相続人になってから3ヶ月以内」という申立て期限が設定されています。

相続放棄の申立て期限が過ぎてから手続きする場合、司法書士や弁護士が作成する「上申書」と呼ばれる書類も提出しなければなりません。
上申書には、相続放棄の期限を過ぎてしまったやむを得ない事情を書いてもらいます。

上申書を提出すれば、家庭裁判所が個別の事情を考慮して期限が過ぎているものの相続放棄を認めるべきか判断してくれます。
相続放棄の期限を過ぎてから申立てする場合、上申書の作成が必要になり手続きが複雑になるため司法書士・弁護士の報酬が高額になりやすいです。

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2章 相続放棄の手続き費用を払うのは原則として申述人

相続放棄の申立て費用は、申述人が払うケースが多いです。
とはいえ、法律で申述人が払わなければならないと決められているわけではないため、年長者や相続人の1人がまとめて支払っても問題はありません。

特に、家などの不動産や事業を相続人の1人に承継させるため、残りの相続人が相続放棄する場合、遺産を受け継ぐ相続人が相続放棄の費用を負担することも多いです。

このあたりはケースバイケースなので、相続放棄の経緯や相続人の事情によって相談するのが良いでしょう。

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3章 相続放棄の費用を抑える方法

相続放棄の費用を抑えたいのであれば、自分で相続放棄の申立てをするのが確実です。
ただし、後述しますが司法書士や弁護士に相談すれば相続放棄や相続手続きに関連するあらゆる手続きのアドバイスをもらえるので、相続放棄が失敗するリスクを軽減できます。

相続放棄の費用を抑えるには、下記の方法をお試しください。

  1. 自分で相続放棄の手続きをする
  2. 法テラスを利用する
  3. 司法書士・弁護士の相見積もりを取る
  4. 相続人全員がまとめて手続きを依頼する

それぞれ詳しく紹介していきます。

3-1 自分で相続放棄の手続きをする

自分で相続放棄の申立てをすれば、司法書士・弁護士に支払う報酬をゼロにできます。
故人の配偶者や子供など必要書類が少なくてすむケースやトラブルが起きなさそうな場合は、自分で手続きすることを検討しても良いでしょう。

しかし、専門家の立場から言わせていただくと、自分で相続放棄の申立てをするのはリスクがあるので、あまりおすすめできません。
というのも、遺産を使用、処分してしまうと相続放棄が認められなくなってしまうからです。

遺産の使用、処分にあたる行為には故人の自宅の片付けや賃貸契約の解除なども含まれるため、相続放棄をする場合、様々な行為や手続きを慎重に進める必要があります。
司法書士や弁護士に依頼すれば、相続放棄野申立てだけでなくこういった様々ナ手続き野進め方について相談できます。

どうしても専門家に支払う費用を抑えたいのであれば、戸籍謄本などの書類収集を自分で行うなど依頼内容を減らす工夫をしてみましょう。

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3-2 法テラスを利用する

相続放棄を司法書士や弁護士に依頼する費用を用意できないのであれば、法テラスの利用もおすすめです。

法テラスには「民事法律扶助制度」と呼ばれる制度があり、相続放棄の弁護士費用を抑えられ、分割払いもできるようになります。
ただし、民事法律扶助制度を利用するには、資産要件や収入要件を満たす必要があるので、すべての人が利用できるわけではありません。

3-3 司法書士・弁護士の相見積もりを取る

相続放棄を司法書士や弁護士に依頼する場合、複数の事務所に相談し相見積もりを取得するのがおすすめです。
司法書士や弁護士の報酬は自由に設定できるため、依頼先の事務所や法人によって費用が変わってくるからです。

複数の事務所に相談し相見積もりを取得すれば、費用や担当者の相性・提案力などを比較検討できます。

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3-4 相続人全員がまとめて手続きを依頼する

司法書士や弁護士に払う報酬をできるだけ抑えたいのであれば、相続人全員がまとめて手続きを依頼するのもおすすめです。
同じ相続について複数人の相続人がまとめて相続放棄を依頼すると、報酬を割り引いてくれる事務所や法人もあるからです。

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4章 費用がかかっても相続放棄を司法書士・弁護士に依頼するメリット

自分で相続放棄の手続きをすれば、司法書士や弁護士への報酬を抑えられますが、相続放棄前後の諸々の手続きや行為について相談できず不安な気持ちを抱えてしまうこともあるでしょう。
最悪の場合、相続放棄前後の行為によって、相続放棄が認められなくなり数百万円近い借金を背負ってしまうリスクもあります。

相続放棄を司法書士・弁護士に依頼するメリットは、下記の通りです。

  • 相続放棄前後の様々な手続き・行為の進め方を相談できる
  • 相続放棄の手続きを代行してもらえる
  • 相続放棄を含めたあらゆる解決方法を検討してもらえる

それぞれ詳しく解説していきます。

4-1 相続放棄前後の様々な手続き・行為の進め方を相談できる

司法書士や弁護士に相続放棄を依頼すれば、相続放棄の申立てだけでなく前後の様々な手続きや行為についても相談可能です。
下記の行為は、遺産の使用・処分にあたり相続放棄が認められなくなる恐れがあります。

  • 自宅の片付けをする
  • 遺品整理や形見分けをする
  • 故人の遺産から借金や未払費用を支払ってしまう
  • 故人の車を使用してしまう
  • 故人の携帯電話の名義変更、解約をしてしまう

司法書士や弁護士に相続放棄を相談すれば、上記の行為に問題はないのか、どのように進めればいいのかまで教えてもらえます。

4-2 相続放棄の手続きを代行してもらえる

司法書士や弁護士に相続放棄を相談、依頼すれば、申立て手続きや必要書類の収集を代行してもらえます。
故人の相続財産調査まで行ってもらえるので、故人の借金がいくらあるかわからず相続放棄すべきか迷っている場合は依頼した方が良いでしょう。

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4-3 相続放棄を含めたあらゆる解決方法を検討してもらえる

相続放棄に精通した司法書士や弁護士であれば、故人の借金や相続についてあらゆる解決方法を提案してもらえます。
故人が借金を遺している場合、相続放棄だけでなく限定承認も可能ですし、単純に遺産を相続したくないだけであれば相続分の放棄でも対処できるからです。

また、相続人が故人の借金の保証人・連帯保証人になっていた場合、相続放棄をしても解決できないので債務整理も検討する必要があります。
借金問題や相続について熟知した司法書士、弁護士であれば、個々の状況に合った解決方法を提案可能です。

相続放棄を検討中の方へ。実績がある、経験がある。だから確実でスピーディー。

まとめ

相続放棄をするには家庭裁判所への申立てが必要であり、手数料や書類の収集費用、司法書士・弁護士への報酬などがかかります。
必要書類の数が多い場合や相続放棄の期限が迫っている、期限を過ぎた場合には、費用が高額になるのでご注意ください。

自分で相続放棄すれば専門家に支払う報酬を抑えられますが、相続放棄に失敗してしまうリスクが上がるのであまりおすすめできません。

司法書士や弁護士に相談すれば費用はかかるものの、相続放棄前後に行う手続きや行為についてもアドバイス可能です。

グリーン司法書士法人では、相続放棄についての相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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