ドラマ『相続探偵』第9話「三つの遺言書」を司法書士が徹底解説!

ドラマ『相続探偵』第9話「三つの遺言書」を司法書士が徹底解説!
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

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赤楚衛二さん主演のドラマ『相続探偵』(毎週土曜 夜9:00~)、物語はいよいよクライマックスですね。

『相続探偵』は、同名の漫画を原作とするドラマで、その名の通り「相続」をめぐる人々の人間模様や、遺産を巡るミステリーが織り込まれた作品です。法律知識がベースになりながらも、エンターテインメント性が高く、専門知識がない方でも楽しめるような構成になっています。

今回の解説では、司法書士の視点から、この『相続探偵』第9話「三つの遺言書」の内容に絡めて、現実の相続で役立つ知識をご紹介します!


ドラマ『相続探偵』とは…

ドラマ『相続探偵』は、原作:西荻弓絵、作画:幾田羊による同名の漫画を原作としたヒューマンミステリーです。
主人公の灰江七生(演・赤楚衛二)は、元弁護士でありながら、現在は相続専門の探偵として活躍する変わり者の男。
そんな彼が、「遺言書は愛する人に出す最後の手紙」という信念のもと、コミカルかつ痛快に、遺産相続に関する難解な事件を解決していくのが本作の要点となっています。

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1章 『相続探偵』第9話「三つの遺言書」の概要

1-1. 第9話「三つの遺言書」あらすじ(ネタバレなし)

育ての父・和宏の無実を証明するため、相続探偵の灰江七生(赤楚衛二)は、フリーの記者・羽毛田香(三浦貴大)と手を組む決意をします。灰江の標的は、実の父親であり法曹界の重鎮・地鶏健吾(加藤雅也)でした。

当時の事故は不可抗力だったにもかかわらず、世論や裁判の流れを意図的に操作された結果、和宏は過失を問われました。事件の裏に地鶏の影があると確信した灰江は、当時の裁判を再調査し、真実に迫っていきます。

ここに注目!

今回の第9話では、相続に関する直接的な法律問題は多くありませんでしたが、タイトルにもある「三つの遺言書」というワードや、作中での登場人物の行動から、遺言書の保管や取り扱いについて考える良い機会といえます。

遺言書は作成するだけでなく、「どう保管するか」がとても重要です。保管方法によっては、せっかくの遺言書が見つけてもらえなくなる可能性もあるため、相続においては見逃せないポイントです。


2章 司法書士が解説!相続に関する重要ポイント

2-1. 遺言書の種類ごとの保管方法

遺言書には主に以下の3つの形式があり、それぞれ保管方法や手続きが異なります。

自筆証書遺言

本人が全文、日付、署名を自筆で記し押印した形式。

【保管方法など】

  • 自宅や金庫などに保管する場合は、紛失や改ざんのリスクがある
  • 2020年からスタートした「法務局による保管制度」を利用すれば、検認手続きが不要に

公正証書遺言

公証人が遺言者の口述をもとに作成し、公証役場で保管される形式。

【保管方法など】

  • 原本は公証役場に保管され、遺言者や相続人には写し(正本・謄本)が交付される
  • 紛失や偽造のリスクが極めて低く、安全性が高い

秘密証書遺言

本人が作成した遺言書を封をした状態で公証役場に持参し、存在だけを証明する形式。

【保管方法など】

  • 公証人は内容を確認せず、本人が保管する
  • 紛失のリスクがあり、実務ではあまり用いられていない

2-2. 検認手続とは?

検認とは、家庭裁判所が遺言書の存在と状態を確認し、その後の偽造や変造を防ぐために行う手続きです。

【検認が必要なケース】

  • 自筆証書遺言(法務局に預けていないもの)
  • 秘密証書遺言

【検認が不要なケース】

  • 法務局に保管されている自筆証書遺言
  • 公正証書遺言

検認はあくまで形式的な確認であり、遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。


3章 視聴者の疑問に司法書士が答えます!

Q1. 遺言書を自宅で保管するのは危険ですか?
可能ですが、紛失や改ざんのリスクがあるため、できるだけ法務局や信頼できる第三者に保管を依頼するのがおすすめです。

Q2. 法務局の保管制度ってどんなもの?
自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度で、2020年から開始されました。検認が不要になるほか、紛失や改ざんのリスクを大幅に減らせます。


4章 相続の知識を深める豆知識コーナー

遺言書の保管方法と検認の有無まとめ

遺言の種類

保管場所・方法

検認の要否

自筆証書遺言

自宅・金庫で保管、
信頼できる第三者に託す等

必要
(法務局保管なら不要)

公正証書遺言

公証役場で保管

不要

秘密証書遺言

自宅・金庫で保管、
信頼できる第三者に託す等

必要


まとめ

『相続探偵』の第9話は、相続問題そのものからは少し離れたストーリーでしたが、「三つの遺言書」というタイトルや作中の描写をきっかけに、遺言書の保管と検認という相続実務の中でも重要なポイントについて振り返ることができました。

遺言を残す際は「どこに保管するか」も慎重に検討し、必要であれば専門家に相談することをおすすめします。次回のエピソードも楽しみにしながら、相続の知識を一歩ずつ深めていきましょう!

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