
赤楚衛二さん主演のドラマ『相続探偵』(毎週土曜 夜9:00~)、皆さんも楽しまれていますか?
『相続探偵』は、同名の漫画を原作とするドラマで、その名の通り「相続」をめぐる人々の人間模様や、遺産を巡るミステリーが織り込まれた作品です。法律知識がベースになりながらも、エンターテインメント性が高く、専門知識がない方でも楽しめるような構成になっています。
今回の解説では、司法書士の視点から、この『相続探偵』第3話「マリーアントワネットの相続」の内容を深掘りし、現実の相続で役立つ知識に絡めてご紹介します!
目次
ドラマ『相続探偵』とは…
ドラマ『相続探偵』は、原作:西荻弓絵、作画:幾田羊による同名の漫画を原作としたヒューマンミステリーです。
主人公の灰江七生(演・赤楚衛二)は、元弁護士でありながら、現在は相続専門の探偵として活躍する変わり者の男。
そんな彼が、「遺言書は愛する人に出す最後の手紙」という信念のもと、コミカルかつ痛快に、遺産相続に関する難解な事件を解決していくのが本作の要点となっています。
1章 『相続探偵』第3話「マリーアントワネットの相続」の概要
1-1. 第3話「マリーアントワネットの相続」あらすじ(ネタバレなし)
灰江とアシスタントの令子は、仲間の朝永の様子が最近おかしいのを心配していました。彼を尾行すると、朝永は猫カフェの店長・ソフィーに恋をしていることが判明します。
一方、灰江はコーヒー仲間で将棋道具店の店主・加藤香車から希少なコーヒー豆が手に入ったとの連絡を受け、朝永と共に香車の家を訪れます。
しかし、その3日後、香車が突然亡くなり、遺言書には「すべての財産をマリーアントワネット様に遺贈します」と記されていました。
この謎めいた遺言の真意を探るため、灰江たちは調査を開始します。
ここに注目!
この第3話では、「ペットへの遺贈」や「親族以外の第三者への遺贈」が重要なテーマとなっています。
ストーリー中、「マリーアントワネット」は故人の飼い猫の本名ではないかとの説が浮上します。しかし、ペットは法律上「物」として扱われるため、直接的に遺産を相続することはできません。
また、法定相続人ではない第三者に財産を遺贈する話も絡み、遺贈のルールについてわかりやすく学べるエピソードとなっていました。
2章 司法書士が解説!相続に関する重要ポイント
2-1. ペットへの遺贈は可能か?
日本の法律では、ペットは「物」として扱われるため、直接的に遺産を相続することはできません。
しかし、ペットの世話を任せる人(受遺者)に対して、遺言で財産を遺贈し、その財産をペットの飼育や生活費に充てるよう指示することが可能です。これにより、ペットの生活を間接的に保障することができます。
2-2. 親族以外の他人への遺贈
ドラマの第3話では、親族以外の第三者への遺贈も重要な要素となっていました。
故人の遺産は、普通なら配偶者や子供など、民法で定められた範囲の親族(法定相続人)が相続します。これに対して、遺言によって遺産を譲ることを遺贈といいます。
遺産を親族以外の第三者に遺贈することは法律上可能ですが、以下のポイントに注意が必要です。
- 遺言書の作成:遺言書がない場合、法定相続人以外の人は財産を受け取ることができません。公正証書遺言などの方式でしっかりと意思を残すことが重要です。
- 相続税の違い:親族以外の第三者に遺贈する場合、法定相続人よりも高額な相続税が課される可能性があります。
- 遺贈の実行管理:遺言執行者を指定し、遺贈の実行を確実に行うよう手配しておくと、トラブルを防ぐことができます。
3章 視聴者の疑問に司法書士が答えます!
Q1. ペットに直接遺産を残すことはできないの?
はい、法律上、ペットは「物」として扱われるため、直接的に遺産を相続させることはできません。
しかし、ペットの世話を任せる人に財産を遺贈し、その人にペットの飼育を依頼する形で間接的にペットの生活を保障することが可能です。
Q2. 親族以外の他人に財産を遺すにはどうすればいい?
遺言書を作成し、受遺者を明確に指定することが必要です。また、公正証書遺言を利用することで、より確実に遺贈を実行できます。
なお、第三者への遺贈は税負担が大きくなるため、専門家に相談することをおすすめします。
4章 相続の知識を深める豆知識コーナー
4-1. 「法定相続人の相続」と「第三者への遺贈」の比較
項目 | 法定相続人の相続 | 第三者への遺贈 |
---|---|---|
遺言書の必要性 | なくても相続できる(あった方が良い) | 必須(遺言がないと財産を受け取れない) |
相続税の負担 | 基本的に優遇される(多くの控除・特例・非課税枠) | 相続税額の2割が加算される |
遺言執行者の指定 | 相続人の場合でも指定推奨(スムーズに手続きを進めるため) | 指定推奨(遺贈を確実に実行するため) |
トラブルの可能性 | 相続人同士で話し合いが付かない可能性あり | 法定相続人から遺留分侵害額請求がある可能性あり |
手続きの複雑さ | 相続人同士の調整が必要 | 遺言書があれば比較的スムーズに進むが、遺留分への配慮が必要 |
まとめ
『相続探偵』の第3話では、「ペットへの遺贈」や「親族以外の第三者への遺贈」といった相続に関する重要なテーマが扱われました。
現実には、法定相続人以外の人に財産を遺すためには、適切な遺言書の作成や相続税の考慮が不可欠です。
相続に関する疑問や不安がある場合は、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。次回のエピソードも楽しみにしながら、相続の知識を深めていきましょう!