ドラマ『相続探偵』第2話「その女、危険につき」を司法書士が徹底解説！

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赤楚衛二さん主演のドラマ『相続探偵』（毎週土曜 夜9:00～）、皆さんはご覧になっていますか？

『相続探偵』は、同名の漫画を原作とするドラマで、その名の通り「相続」をめぐる人々の人間模様や、遺産を巡るミステリーが織り込まれた作品です。法律知識がベースになりながらも、エンターテインメント性が高く、専門知識がない方でも楽しめるような構成になっています。

今回の解説では、司法書士の視点から、この『相続探偵』第2話「その女、危険につき」の内容を深掘りし、現実の相続で役立つ知識に絡めてご紹介します！

ドラマ『相続探偵』とは…

ドラマ『相続探偵』は、原作：西荻弓絵、作画：幾田羊による同名の漫画を原作としたヒューマンミステリーです。
主人公の灰江七生（演・赤楚衛二）は、元弁護士でありながら、現在は相続専門の探偵として活躍する変わり者の男。
そんな彼が、「遺言書は愛する人に出す最後の手紙」という信念のもと、コミカルかつ痛快に、遺産相続に関する難解な事件を解決していくのが本作の要点となっています。

1章　『相続探偵』第2話「その女、危険につき」の概要

1-1. 第2話「その女、危険につき」あらすじ（ネタバレなし）

灰江のもとに、大手生命保険会社の担当者と少女が訪れます。彼らの依頼は、資産家である亡き島村武三の遺産相続に関するものでした。
武三の後妻・紗流が全財産を相続することになっていますが、その経緯に不審な点があるというのです。
調査を進めるうちに、灰江は紗流が持つ「筆跡を完璧に模倣する能力」に注目します。相続に関する重要な書類が本当に武三自身によって書かれたものなのか、その真偽を確かめることが、事件の鍵となっていきます。

ここに注目！

この第2話では、「相続欠格」という法律上の制度が重要なテーマとなっています。
特定の不正行為を行った相続人が、法律上当然に相続権を失う制度が物語の核心となっており、視聴者にとっても非常に興味深いポイントとなっていました。

2章　司法書士が解説！相続に関する重要ポイント

2-1. 相続欠格とは？

相続欠格とは、被相続人（相続の対象となる故人のこと）や他の相続人に対して一定の不正行為を行った相続人が、法律上当然に相続権を失う制度です。

民法第891条には、以下のとおり相続欠格事由が定められています。

これらの行為を行った者は、相続欠格者として相続権を失うだけでなく、受遺者（遺贈を受ける人）にもなれません。

2-2. 筆跡の模倣による遺言書の偽造も欠格事由となる

ドラマの第2話では、相続欠格と合わせて、筆跡の模倣も重要な要素となっていました。

遺言書の内容が被相続人の本当の意思を反映しているかどうかは、相続の現場でもしばしば問題になります。
筆跡を偽装し、遺言を自分に有利に変更しようとする行為は、民法第891条第5号（遺言書の偽造・変造）に該当します。そのため、その行為が発覚すれば、その者は相続欠格となり、相続権を失うことになります。

3章　視聴者の疑問に司法書士が答えます！

Q1. 相続欠格になった人の子供は相続できるの？

はい、相続欠格になった人の子供は代襲相続（親のかわりに相続人になること）が可能です。つまり、欠格者に子供がいる場合、欠格者に代わって子供が相続人になります。

Q2. 相続人でなくなるのは欠格だけ？

いいえ、「相続放棄」や「相続人の廃除」もあります。

• 相続放棄：相続放棄は、相続人が自らの意思で相続権を放棄する制度です。家庭裁判所に申立てを行い、受理されると初めから相続人でなかったことになります。一度放棄すると撤回はできず、また、期限（相続開始を知った時から3か月以内）を過ぎると、原則として放棄できなくなります。
• 相続人の廃除：相続人の廃除は、被相続人が遺言または生前の家庭裁判所への申立てによって特定の相続人を相続から除外する制度です。適用されるのは、相続人が被相続人に対して著しい非行（虐待や重大な侮辱など）を行った場合に限られます。家庭裁判所の審判が必要で、相続放棄と異なり、相続人本人の意思ではなく、被相続人の意思で行われる点が特徴です。

4章　相続の知識を深める豆知識コーナー

4-1. 相続欠格・相続放棄・相続人の廃除の違い

相続のトラブルを防ぐためには、それぞれの制度を正しく理解し、適切に対応することが重要です。

まとめ

『相続探偵』の第2話では、「相続欠格」という相続における重大なルールがテーマとして取り上げられました。 

不正な手段で遺産を得ようとすると、法的に相続権を失うリスクがあることが、このエピソードでは印象的に描かれています。

相続に関する疑問や不安がある場合は、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。次回のエピソードも楽しみにしながら、相続の知識を深めていきましょう！