ドラマ『相続探偵』第1話「或る小説家の遺言」を司法書士が徹底解説!

ドラマ『相続探偵』第1話「或る小説家の遺言」を司法書士が徹底解説!
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 3

赤楚衛二さん主演のドラマ『相続探偵』(毎週土曜 夜9:00~)が話題になっていますね。

『相続探偵』は、同名の漫画を原作とするドラマで、その名の通り「相続」をめぐる人々の人間模様や、遺産を巡るミステリーが織り込まれた作品です。法律知識がベースになりながらも、エンターテインメント性が高く、専門知識がない方でも楽しめるような構成になっています。

今回の解説では、司法書士の視点から、この『相続探偵』第1話「或る小説家の遺言」の内容を深掘りし、現実の相続で役立つ知識に絡めてご紹介します!


ドラマ『相続探偵』とは…

ドラマ『相続探偵』は、原作:西荻弓絵、作画:幾田羊による同名の漫画を原作としたヒューマンミステリーです。
主人公の灰江七生(演・赤楚衛二)は、元弁護士でありながら、現在は相続専門の探偵として活躍する変わり者の男。
そんな彼が、「遺言書は愛する人に出す最後の手紙」という信念のもと、コミカルかつ痛快に、遺産相続に関する難解な事件を解決していくのが本作の要点となっています。


1章 『相続探偵』第1話「或る小説家の遺言」の概要

1-1. 第1話「或る小説家の遺言」あらすじ(ネタバレなし)

大物ミステリー作家・今畠忍三郎が他界し、彼の遺産をめぐる相続問題が浮上します。
今畠は、自身の秘書を長年務めていた桜庭真一に全財産を相続させるというビデオメッセージを遺していました。
この「遺言」を巡る法的な問題や、家族間の葛藤、桜庭の真意などが絡み合い、物語が展開していきます。

ここに注目!

この作品の最大の見どころは、単なる法律ドラマではなく、探偵による謎解きの要素が組み合わされている点です。
相続問題は非常にデリケートであり、現実でも争いになりやすい分野ですが、ドラマではそれをサスペンス風に描くことで、視聴者の興味を引く仕掛けが施されています。

例えば、この第1話では、ビデオメッセージという遺言の形式が法的に有効かどうかが、謎解きの主要な要素として物語の中心になっています。
相続・法律に詳しい方も、そうでない方も、「どうなるんだ?」と結末が気になる筋書きでした。


2章 司法書士が解説!相続に関する重要ポイント

2-1. ビデオメッセージの遺言は有効か?

『相続探偵』第1話「或る小説家の遺言」では、ミステリー作家が遺した「ビデオメッセージによる遺言」の扱いが重要ポイントとなっていました。
しかし、結論からいうと、ビデオによる遺言は有効ではありません。法的に有効な遺言をするためには、特定の形式を満たす必要があるためです。

民法では、以下の3種類の遺言が正式なものとされています。

  • 自筆証書遺言(本人が全文を自筆し、署名・押印する)
  • 公正証書遺言(証人2名の立ち会いのもと、公証人が作成する)
  • 秘密証書遺言(内容を秘密にして作成し、公証人に存在の認証を受ける)

ビデオメッセージや音声記録だけでは、これらの要件を満たさないため、単独では法的効力を持ちません。しかし、裁判などで遺言者の意思を証明するための補助的な資料として用いられる可能性はあります。

2-2. 複数の遺言書がある場合の効力

故人が複数の遺言書を遺していた場合の扱いも、ドラマ中の重要な要素となっていました。

遺言書が複数発見された場合、基本的には最新の日付の遺言書が有効とされます。
ただし、後の遺言書が前の遺言書の一部を取り消すものではなく、補完する形になっている場合は、両方が部分的に有効になることもあります。

サンプルケース:遺言書が2通存在した場合……
ある男性が、2015年に「長男にすべての財産を譲る」と自筆証書遺言を作成。その後、2019年に「全財産を妻に譲る」との遺言書を公正証書遺言で作成。しかし、長男は2015年の遺言を主張し、家庭裁判所で争うことに……。
この場合、公正証書遺言が有効とされ、長男の請求は認められないことになります。

3章 視聴者の疑問に司法書士が答えます!

Q1. ビデオ遺言は本当に意味がないの?

ビデオ遺言そのものに法的効力はありませんが、遺言の意思を証明するための参考資料になることはあります。たとえば、相続人が「遺言書は偽造されたものだ」と主張した場合、ビデオ遺言が本人の意志を補強する証拠として使われる可能性があります。

Q2. 遺言書を作るなら公正証書遺言が一番いいの?

公正証書遺言は公証役場で公証人が作成し保管するため、法的に最も確実でトラブルを防ぎやすい方法です。ただし、費用がかかる点がデメリットになります。

Q3. 遺言書がない場合はどうなる?

遺言書がない場合、相続は民法の法定相続分に沿って行われることになりますが、

  • 相続人が多いと揉めるリスクが高い
  • 財産分割でトラブルが生じる可能性がある
  • 家庭裁判所の調停に発展するケースも多い

といったリスクがあります。

こうした問題を防ぐためには、できれば司法書士や弁護士に相談し、生前に遺言書をしっかり作成して残しておくことが重要です。


4章 相続の知識を深める豆知識コーナー

4-1. 遺言書の種類とメリット・デメリット

遺言書の種類

メリット

デメリット

自筆証書遺言

費用がかからない

要件不備で
無効になるリスクがある

公正証書遺言

法的に確実

作成に費用がかかる

秘密証書遺言

内容を秘密にできる

要件不備で
無効になるリスクがある

4-2. 遺言書を適切に保管する方法

遺言書を紛失すると無効になってしまうため、安全な保管が重要です。

  • 公証役場で保管する(公正証書遺言)
  • 信頼できる司法書士や弁護士に預ける
  • 法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する

まとめ

『相続探偵』の第1話では、遺言書の有効性や相続のルールが分かりやすく描かれていました。

本記事で紹介したように、実際の法律ではビデオ遺言は無効ですが、証拠として活用される可能性はあります。また、遺言書の形式や保管方法によって相続のスムーズさが変わるため、事前に適切な準備をしておくことが重要です。

次回のエピソードも楽しみにしながら、相続の知識を深めていきましょう!

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