DNA鑑定で父子鑑定できる?鑑定の目的や流れ・種類について

DNA鑑定で父子鑑定できる?鑑定の目的や流れ・種類について
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 4
この記事でわかること

  • DNA鑑定では父子鑑定を行えるのか
  • DNA鑑定で父子鑑定をする目的
  • DNA鑑定で父子鑑定をする流れ・精度

DNA鑑定は、親子関係を科学的に確認するための有力な手段として広く利用されています。
特に、父子鑑定は、家庭内の安心を得るためだけでなく、認知請求や親子関係不存在確認などの法的手続き、さらには移民申請などのためと幅広い目的で利用されています。

本記事では、父子鑑定の流れや種類、費用や期間の目安、精度について解説します。


1章 DNA鑑定では父子鑑定を行える

DNA鑑定とは、血液や口腔粘膜などの遺伝子情報を比較し、親子関係の有無を高精度で明らかにする手続きです。
DNA鑑定の中でも、最も多く行われているものが父子鑑定であり、DNA型の一致率は99.99%以上と非常に高い精度を誇ります。

近年は、家庭でできる簡易検査キットから、裁判や行政手続きに用いられる法的効力を持つ鑑定まで、幅広い方法が存在しています。

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2章 DNA鑑定で父子鑑定をする目的

DNA鑑定で父子鑑定を行う場合、以下のような目的が考えられます。

  • 親子関係を確認する
  • 法的手続きの証拠を用意する
  • 移民申請の書類を用意する

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 親子関係を確認する

父子鑑定の最も一般的な目的は、親子関係を明らかにすることです。
出産後に父親が自分の子であるか不安を抱いた場合や、未婚の母が子供の父親を確認したい場合などに活用されます。

また、子供自身が成人後に「自分の実父を知りたい」と考えて鑑定を希望するケースもあります。
家庭内の不安や疑念を解消し、心理的な安心を得るという意味でも、父子鑑定の役割は大きいといえるでしょう。

2-2 法的手続きの証拠を用意する

DNA鑑定の結果は、法的手続きの証拠として利用されることがあります。
例えば、認知請求や親子関係不存在確認の訴え、不貞行為による慰謝料請求に関連する裁判では、親子関係の有無を裏付ける客観的な資料が求められます。

ただし、DNA鑑定の結果を裁判上の手続きの証拠として提出する場合には、適切な鑑定方法や鑑定機関を選定しなければなりません。

2-3 移民申請の書類を用意する

父子鑑定は、移民申請など国際的な場面でも利用されます。
例えば、日本に居住する外国人が子供を呼び寄せたい場合や、海外で生まれた子供の国籍申請を行う場合に、親子関係を証明する資料としてDNA鑑定が求められる場合があります。
特に、出生証明書や戸籍上の記録だけでは関係を十分に証明できない場合にDNA鑑定の結果が使用される場合があります。

移民局や大使館に提出する際には、国際的に認められた検査機関を通じて鑑定を受ける必要があるのでご注意ください。


3章 DNA鑑定で父子鑑定をする流れ

DNA鑑定により、父子関係を確認するには、以下のような流れで手続きを進めます。

  1. 検体を採取する
  2. DNAの抽出の分析をする
  3. 結果の報告を受ける

それぞれ詳しく解説していきます。

STEP① 検体を採取する

まずは、DNAを含む検体(サンプル)を採取します。
最も多く利用されるのは口腔内の粘膜で、綿棒のような専用スワブで頬の内側をこするだけで十分なDNAを採取可能です。
血液や毛髪、爪なども検体として使用できますが、口腔粘膜が手軽で精度も安定しているため標準的に用いられています。

家庭用の簡易検査では、送付されたキットを使って自宅で採取し、検査機関に郵送します。
一方、法的効力を持たせる場合は、身分証明書の提示や立会人の確認のもとで採取が行われ、不正がないことを証明できる形式を取らなければなりません。

STEP② DNAの抽出と分析をする

検体が検査機関に到着すると、DNAを抽出して分析が行われます。
分析では、父親候補と子供のDNA型を比較し、複数の遺伝マーカーの一致度を確認します。

現在の技術では15~20か所以上の遺伝マーカーを調べるのが一般的であり、これにより父子関係が存在する場合は99.99%以上の確率で特定が可能です。
逆に、親子関係が存在しない場合も99.9%以上の確率で否定できます。

分析は数日から数週間で完了しますが、機関によっては短期間で結果を出すオプションを選択できる場合もあります。

STEP③ 結果の報告を受ける

分析が終了すると、検査機関から結果が報告されます。
報告方法は郵送や電子データなど依頼時に選択でき、証明書形式で発行されるのが一般的です。

家庭用の簡易鑑定では「父子関係がある/ない」という結果のみが通知されることが多いのに対し、法的効力を持つ鑑定では、詳細な分析データとともに公式の鑑定書が作成されます。


4章 DNA鑑定の種類

DNA鑑定には大きく分けて①私的鑑定と②法的鑑定の2種類があります。
どちらもDNAを分析して親子関係の有無を調べる点では同じですが、利用目的や結果の効力が大きく異なります。

そるぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1 私的鑑定

私的鑑定とは、家庭内での確認や個人的な安心を得る目的で利用される鑑定です。
市販されているDNA鑑定キットを購入し、自宅で口腔内粘膜を採取して郵送する形式が一般的です。

結果は数日から1週間程度で通知され、「父子関係がある/ない」というシンプルな内容が示されることがほとんどです。
費用も比較的安価で、数万円程度から利用できます。

ただし、私的鑑定の結果は裁判や行政手続きでは証拠として認められないのでご注意ください。

4-2 法的鑑定

法的鑑定は、裁判や調停、入管手続きなどの公的な場面で利用されることを前提とした鑑定です。
検体採取の際には、専門機関や病院で本人確認を行い、立会人の下で採取するなど、不正が入り込まないよう厳格な手続きが求められます。

結果は詳細な報告書として作成され、裁判所や行政機関に証拠として提出することが可能です。

法的鑑定は私的鑑定に比べて費用が高く、数十万円程度かかる場合もあります。
また、結果が出るまでに数週間から1か月程度を要することが一般的です。


5章 DNA鑑定の精度はどれくらい?

DNA鑑定の精度は非常に高く、科学的に信頼性のある手法とされています。
現在の技術では、複数の遺伝マーカーを比較することで、親子関係がある場合には99.99%以上の確率で特定できるとされています。
一方、親子関係がない場合でも99.9%以上の確率で否定できるため、誤判定が生じる可能性は極めて低いといえるでしょう。

ただし、鑑定精度の高さは、検査に使用する検体の状態にも左右されます。
口腔粘膜のように新鮮で十分なDNAが含まれるサンプルであれば問題ありませんが、毛髪や爪などの場合、DNAが劣化していると解析が難しくなる場合があります。


6章 DNA鑑定で父子鑑定をするのにかかる費用・期間

DNA鑑定で父子鑑定を行う際には、依頼方法や鑑定の種類によって費用や期間が大きく異なります。
本章では、では、一般的な費用相場と期間の目安について整理します。

6-1 費用相場

DNA鑑定の費用は、簡易な私的鑑定か、裁判などで利用できる法的鑑定かによって大きな差があります。

鑑定の種類費用相場
私的鑑定3万~7万円程度
法的鑑定10万~20万円程度

ただし、鑑定費用は依頼先の機関やオプションの有無によっても大きく変わってきます。
できるだけ費用を抑えたい場合には、複数の鑑定機関を比較検討してみることをおすすめします。

6-2 期間の目安

DNA鑑定の結果が出るまでの期間も、依頼方法や検査機関によって以下のように異なります。

鑑定の種類費用相場
私的鑑定1週間から10日程度
法的鑑定数週間から1ヶ月程度
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まとめ

DNA鑑定による父子鑑定は、私的鑑定と法的鑑定のいずれでも極めて高い精度を誇り、利用目的に応じて大きな役割を果たします。
費用や期間は鑑定の種類によって異なりますが、正しい手続きを選ぶことで、家庭内の安心材料となるだけでなく、裁判や行政手続きの確かな証拠として活用できます。

親子関係の確認に迷った際には、弁護士などの専門家や専門機関へ相談することが重要です。

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