
赤楚衛二さん主演のドラマ『相続探偵』(毎週土曜 夜9:00~)、放送もいよいよ折り返し地点ですね。
『相続探偵』は、同名の漫画を原作とするドラマで、その名の通り「相続」をめぐる人々の人間模様や、遺産を巡るミステリーが織り込まれた作品です。法律知識がベースになりながらも、エンターテインメント性が高く、専門知識がない方でも楽しめるような構成になっています。
今回の解説では、司法書士の視点から、この『相続探偵』第6話「笑福湯の生前相続」の内容を深掘りし、現実の相続で役立つ知識に絡めてご紹介します!
目次
ドラマ『相続探偵』とは…
ドラマ『相続探偵』は、原作:西荻弓絵、作画:幾田羊による同名の漫画を原作としたヒューマンミステリーです。
主人公の灰江七生(演・赤楚衛二)は、元弁護士でありながら、現在は相続専門の探偵として活躍する変わり者の男。
そんな彼が、「遺言書は愛する人に出す最後の手紙」という信念のもと、コミカルかつ痛快に、遺産相続に関する難解な事件を解決していくのが本作の要点となっています。
1章 『相続探偵』第6話「笑福湯の生前相続」の概要
1-1. 第6話「笑福湯の生前相続」あらすじ(ネタバレなし)
相続探偵の灰江七生(赤楚衛二)は、借金取りに追われるさなか、馴染みの銭湯『笑福湯』へ。そこは4代目主人・ケンジイこと福田健治(本田博太郎)が営む、地域の憩いの場でした。
しかし、時代の流れとともに利用者が減り、経営は苦境に。娘夫婦には経営を継ぐ意思がなく、銭湯の存続は厳しい状況にありました。
そんな中、孫娘の真央(恒松祐里)が「銭湯を守りたい」と名乗り出ますが、事態は思わぬ方向へと進んでいき……。
ここに注目!
この第6話では、「経営権の生前贈与」と「財産を狙う詐欺への対処」が重要なテーマとなっています。
事業承継の際には、生前贈与を活用することで、相続税対策やスムーズな経営権の移行が可能となります。
しかし、財産を巡る話には詐欺やトラブルのリスクも付き物です。遺産や経営権の移転を進める際には、法的手続きを慎重に進めることが求められます。
2章 司法書士が解説!相続に関する重要ポイント
2-1. 経営権の生前贈与とは?
本人の存命中に、自身の資産を親族などに贈与することを「生前贈与」といいます。町の銭湯などの小規模事業者の場合、経営権(株式など)や資産の生前贈与を行うことで、相続時のトラブルを未然に防ぎ、事業の円滑な継承が期待できます。
ただし、ドラマの作中でも言及されているように、生前贈与には贈与税が課される場合があり、税務上の注意が必要です。
なお、事業承継に際しては「事業承継税制」の活用が可能です。この制度を利用することで、一定の要件を満たせば贈与税・相続税の負担を軽減できる場合があります。
2-2. 詐欺などの被害を防ぐには?
高額の資産をめぐる相続や生前贈与においては、身内の揉め事のみならず、外からのトラブルが舞い込むリスクもあります。詐欺師が近づき、不当に財産を奪おうとする事例も少なくありません。
そのため、
- 公正証書で贈与契約を結ぶ
- 信頼できる専門家(司法書士・弁護士)に相談する
- 不動産の売却などに際しては複数の情報源を確認する
といった対策を講じることが重要です。
3章 視聴者の疑問に司法書士が答えます!
Q1. 生前贈与と相続、どちらが有利?
生前贈与は、経営権の円滑な移行や相続税対策に有効ですが、贈与税が課される点に注意が必要です。
一方、相続は贈与税がかからないものの、相続税の負担や相続人どうしのトラブルが生じる可能性があります。個々の状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
Q2. 相続のトラブルを避けるには?
相続手続きや不動産取引を行う際は、信頼できる専門家(司法書士や弁護士)に相談することが最善です。
また、不審な提案や高額な手数料を要求される場合は、慎重に対応し、複数の情報源を確認することが大切です。
4章 相続の知識を深める豆知識コーナー
4-1. 生前贈与と相続の比較
項目 | 生前贈与 | 相続 |
---|---|---|
税金 | 贈与税が課される | 相続税が課される |
手続き | 贈与契約の締結が必要 | 遺産分割協議が必要 |
トラブルのリスク | 相続人の間の不公平による争いの可能性 | 相続人同士の争いの可能性 |
先述のように、生前贈与と相続のいずれにおいても、財産(遺産)を狙う第三者による詐欺などのリスクは付いてまわります。事前に家族内でしっかりと話し合い、財産の所在や価値、利用法などについて意思を共有しておくことが大切です。
まとめ
『相続探偵』の第6話では、「経営権の生前贈与」や「財産を狙う詐欺への対処」がテーマとなり、事業承継の難しさが描かれました。
現実においても、遺言や贈与契約によって財産の承継を明確にしておくことは非常に重要です。
相続や生前贈与に関する疑問や不安がある場合は、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。次回のエピソードも楽しみにしながら、相続の知識を深めていきましょう!