贈与を受けるとかかるのは贈与税|所得税や住民税がかかるケースとは

贈与を受けるとかかるのは贈与税|所得税や住民税がかかるケースとは
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司法書士日野 修亮

 監修者:日野 修亮

この記事を読む およそ時間: 4
 この記事を読んでわかること

  • 贈与を受け取ると所得税や住民税が課税されるのか
  • 贈与財産に対して所得税や住民税がかかるケース
  • 贈与を受けたときの税金に関する注意点

贈与を受け取ったときに税金がかかることは理解しているものの「何の税金がかかるんだろう」と疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。
贈与を受けたときに課税されるのは「贈与税」であり、所得税や住民税は課税されません。

ただし、贈与財産によって利益が発生した場合や贈与財産を売却し利益が出た場合は、その利益に対し所得税や住民税がかかります。
また、生命保険金を受け取った場合は契約者と被保険者、保険金受取人が誰かによってかかる税金が異なるのでご注意ください。

本記事では、贈与を受けたときの所得税と住民税の取り扱いについて解説します。
贈与税については、下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。

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1章 贈与税と所得税・住民税の違い

本記事の冒頭で解説しましたが、贈与を受けたときにかかる税金は贈与税であり、所得税や住民税は課税されません。
一方で、勤務先から給与を受け取ったときや事業により収入を得た場合には、所得税や住民税が課税されます。

贈与税と所得税、住民税について詳しく見ていきましょう。

1-1 贈与税とは

贈与税とは、個人から個人に財産を譲ったときにかかる税金です。
なお、贈与税を支払うのは贈与をした側ではなく、贈与を受け取った側です。

例えば、父親が息子に500万円の預貯金を贈与した場合は、息子に対して贈与税がかかります。

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贈与税は翌年2月1日から3月15日までに申告・納税が必要

贈与税は所得税や住民税と異なり、勤務先や税務署が自動で税額を計算してくれることはないのでご注意ください。
年間110万円を超える贈与を受けた場合は、翌年の2月1日から3月15日までに贈与税を申告しなければなりません。

また、贈与税の納税期限は翌年3月15日ですので、納税資金についても用意しておきましょう。
贈与税の申告および納税方法については、下記の記事で詳しく解説しています。

贈与を受けると申告が必要?申告・節税方法や相続税との違い

1-2 所得税・住民税とは

贈与税と同様に、所得税や住民税も個人に対してかかる税金です。
所得税や住民税は、その年の1月1日から12月31日までの間に発生した所得に対してかかる税金です。

所得は、下記のように10種類に分類されます。

  1. 給与所得
  2. 事業所得
  3. 利子所得
  4. 配当所得
  5. 譲渡所得
  6. 不動産所得
  7. 一時所得
  8. 退職所得
  9. 山林所得
  10. 雑所得

それぞれの所得は計算方法が異なりますが、原則としてそれぞれの所得を合算して申告する総合課税となっています。
一方で、山林所得など一部の所得については合算せず分離課税として申告する仕組みです。

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2章 贈与を受けるだけでは所得税・住民税はかからない

本記事で解説してきたように、贈与を受け取るときにかかるのは贈与税のみであり、所得税や住民税はかかりません。
贈与税も課税された上に、所得税と住民税がかかってしまうと二重課税になってしまうからです。

しかし、贈与財産によって利益が発生した場合は、利益に対して所得税や住民税がかかります。
次の章では、贈与により所得税や住民税がかかるケースを詳しく見ていきましょう。


3章 贈与財産に対して所得税や住民税がかかるケース

贈与財産自体には所得税や住民税はかかりませんが、贈与財産を取得したことにより利益が発生した場合は利益に対して所得税や住民税がかかる可能性があります。
贈与財産に対して所得税や住民税がかかるケースを詳しく見ていきましょう。

3-1 贈与財産によって利益が発生したケース

贈与財産によって利益が発生した場合は、利益に対して所得税や住民税がかかります。
例えば、賃貸用不動産を贈与してもらい、家賃収入を得た場合などが該当します。

このようなケースでは、家賃収入から経費を引いた金額に対して所得税や住民税が課税される仕組みです。

3-2 贈与財産を売却し利益が発生したケース

贈与財産を売却したことにより利益が発生した場合は、その利益に対して所得税や住民税が課税されます。
例えば、株式を贈与してもらい売却して売却益を得た場合などが当てはまります。


4章 贈与時の贈与税や所得税・住民税に関する注意点

贈与税は「贈与を受け取った側にかかる税金」であり、原則として贈与をした側に税金が課せられることはありません。
しかし、贈与がみなし贈与と判断されると、贈与をした側に譲渡所得税が課税されるので注意しなければなりません。

また、生命保険金を受け取った場合は、契約者と被保険者、保険金受取人が誰かによってかかる税金の種類が異なります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1 みなし譲渡と判断されると売主に譲渡所得税が課税される

個人から法人に行った贈与が「みなし譲渡」と判断されると、売主に対して譲渡所得税が課税されるのでご注意ください。
みなし譲渡とは、無償もしくは市場取引価格(相場)よりも低い価額で資産を譲渡した場合、時価で譲渡があったとみなされる税制上の規定です。

みなし譲渡と判断されると、譲渡をした個人は時価で売却したとして譲渡所得税を計算しなければなりません。
みなし譲渡と判断されるケースは、主に下記の通りです。

  • 建物や土地を譲渡するケース
  • 株式を譲渡するケース
  • 時価の半額未満で譲渡するケース
  • 預金を移動したケース
  • 生命保険の名義変更をしたケース
  • 借金を無利息・低利息でしたケース
  • 債務免除をしたケース

みなし譲渡と判断されないようにするには、税理士などに相談した上で譲渡や資産移動の手続きをする必要があります。
みなし譲渡については、下記の記事でも詳しく解説しているのであわせてお読みください。

みなし譲渡と判断されるケースやかかる税金まとめ!回避する方法とは?

4-2 生命保険金は契約内容によってかかる税金が異なる

生命保険金を受け取った場合、保険の契約内容によってかかる税金が異なるので注意しなければなりません。
生命保険金にかかる税金は、①契約者と②被保険者、③保険金受取人が誰かによって下記のように決まります。

契約者
(保険料を支払う人)
被保険者保険金受取人生命保険金にかかる税金
相続税
所得税
贈与税

上記のように、契約者と被保険者、保険金受取人がすべて異なるケースでのみ生命保険金に対して贈与税がかかります。

なお、生命保険金に対して相続税がかかるケースで相続人が生命保険金を受け取った場合、相続税の非課税枠を適用可能です。
保険契約の内容によってかかる税金の種類や税額が変わってくる可能性もあるので、生命保険加入時には保険金にかかる税金もシミュレーションしておくとよいでしょう。

生命保険金に贈与税がかかるケースとは?計算方法・申告方法も紹介
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まとめ

贈与を受け取ったときにかかるのは贈与税であり、所得税や住民税は課税されません。
そのため、多額の贈与を受けたとしても翌年以降の所得税や住民税の金額が上がることはないのでご安心ください。

ただし、贈与財産を運用、売却したことにより利益が発生した場合は、その利益に対して所得税や住民税がかかる可能性があります。
所得には複数の種類があり、それぞれ計算方法が異なるのでよく確認しておきましょう。

贈与税や贈与財産の運用、売却による所得税や住民税の計算が難しい場合は、税理士に相談することをおすすめします。

グリーン司法書士法人では、生前贈与についての相談をお受けしています。
初回相談は無料ですし、信頼できる税理士の紹介も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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