
- 抵当権抹消登記と相続登記は同時にできるのか
- 抵当権抹消登記と相続登記を申請する順番
- 抵当権抹消登記・相続登記の申請方法
相続登記とは、故人名義となっている不動産を、相続人名義に変更するための登記手続きです。
抵当権抹消登記とは、住宅ローンなどの完済によって消滅した抵当権の登記を、不動産登記簿から削除する手続きです。
不動産を相続する際、「抵当権の登記が残ったままになっているが、相続登記と同時に抹消できるのか?」と疑問に思う方は少なくありません。
実務上は同時申請も可能ですが、登記の順番を誤ると手続きが滞る恐れがあるのでご注意ください。
本記事では、相続登記と抵当権抹消登記を同時に行う際の進め方について解説します。
目次
1章 抵当権抹消登記と相続登記は同時にできる?
相続登記と抵当権抹消登記は同時に申請することが可能です。
登記原因や必要書類が異なるものの、登記申請書を2通作成し、同時に法務局へ提出することで、ひとつの窓口でまとめて処理してもらえます。
ただし、実務的には「どちらを先に行うか」といった順番が重要です。
次の章では、抵当権抹消登記と相続登記を申請する順番についてケース別に解説していきます。
2章 抵当権抹消登記と相続登記を申請する順番
抵当権抹消登記と相続登記を同時に申請する場合、抵当権がいつ消滅していたかが重要となります。
ケース別に詳しく見ていきましょう。
2-1 相続開始前に抵当権が消滅していた場合
相続が発生する前に住宅ローンを完済し、すでに抵当権の効力が消滅しているケースなどでは、①抵当権抹消登記を先に行う方法と、②相続登記を先に行う方法の両方が考えられます。
しかし、実務上は相続登記を先に行う方が望ましいでしょう。
抵当権抹消登記は登記名義人が行う必要があるため、故人名義のままでは申請手続きが煩雑になるからです。
そのため、まずは相続登記を行い、所有者を故人から相続人へ変更し、その後に抵当権抹消登記を申請すれば、書類の整合性がとれ申請がスムーズに進みます。
2-2 相続開始後に抵当権が消滅した場合
故人が住宅ローン返済中に亡くなり、住宅ローンが団体信用生命保険(団信)によって完済され、抵当権が消滅したようなケースでは、相続登記を行ってから抵当権抹消登記を行う必要があります。
抵当権が抹消されたタイミングは相続開始後であり、抵当権抹消登記の権利者となるのは相続人と考えられるからです。
3章 抵当権抹消登記・相続登記の申請方法
抵当権抹消登記も相続登記も必要書類を揃え、不動産の住所地を管轄する法務局に提出します。
それぞれの申請方法や必要書類を見ていきましょう。
3-1 抵当権抹消登記の申請方法
抵当権抹消登記の申請方法や必要書類は、以下の通りです。
| 手続きする人 |
|
|---|---|
| 手続き先 | 不動産の住所地を管轄する法務局 |
| 費用 |
|
| 必要書類 |
代理人が申請する場合には、以下の書類も追加で必要
|
3-2 相続登記の申請方法
相続登記の申請方法や必要書類は、以下の通りです。
| 手続きする人 |
|
|---|---|
| 手続き先 | 不動産の住所地を管轄する法務局 |
| 費用 |
|
| 必要書類 |
など |
4章 抵当権抹消登記も相続登記も司法書士に依頼できる
抵当権抹消登記や相続登記は、どちらも司法書士に依頼できます。
自分で行うこともできますが、どちらを先に申請すべきか悩む方も多いですし、戸籍の収集や登記申請書の作成に時間を取られるケースも多く見られます。
特に、相続登記の場合、戸籍の不備や記載漏れ、遺産分割協議書の書き方の誤りなどで修正を求められることも少なくありません。
司法書士に依頼すれば、これらの手続きを一括で行ってもらえるため、登記の順番や必要書類の不備を気にする必要はなくなります。
「どちらを先にしたらいいかわからない」「法務局に行く時間が取れない」という場合は、司法書士に任せて確実に登記を完了させることをおすすめします。
まとめ
相続登記と抵当権抹消登記は同時申請が可能ですが、実務上では相続登記を先に行います。
相続登記や抵当権抹消登記はどちらも法務局にて行えますが、必要書類が多く、相続不動産の数や場所によっては手間がかかることもあるでしょう。
自分で手続きを進めるのが不安な場合には、司法書士に依頼すれば、登記の順番や必要書類の準備もすべて任せられます。
グリーン司法書士法人では、相続登記についての相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。








