贈与税の時効は6~7年!時効成立が現実的ではない理由とは?

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司法書士日野 修亮

 監修者:日野 修亮

この記事を読む およそ時間: 4
 この記事を読んでわかること

  • 贈与税の時効は6〜7年
  • 贈与税の時効が成立しにくい理由
  • 贈与税の無申告がバレたときのペナルティ

贈与税には時効があり、通常であれば6年、悪質なケースでは7年と設定されています。
ただし、贈与税が無申告だった場合、そもそも贈与自体が成立せず時効も認められないことが多い点にご注意ください。

贈与が無効になってしまうと、贈与財産を相続財産に加えなければならず、相続税対策をした意味がなくなってしまう恐れもあります。

贈与税の無申告を避けたいのであれば、家族間の贈与であっても生前贈与に詳しい専門家に依頼して手続きを進めるのが良いでしょう。
本記事では、贈与税の時効は何年なのか、時効成立が難しい理由を解説します。

贈与税については、下記の記事で詳しく解説もしているので、あわせてお読みください。

【2024年最新版】贈与税の基礎知識|改正内容や計算方法とは

1章 贈与税の時効は6~7年

贈与税の時効は原則として6年ですが、脱税など悪質なケースでは時効が7年に延長されてしまいます。
「6〜7年の間、税務署から指摘を受けなければ、贈与税を払わなくてすむのな」と考えた人もいるのではないでしょうか。

しかし、実際には贈与税の無申告については、そもそも贈与が成立していないと考えられることが多く、時効が成立という考え方もされないことが多いです。

贈与税の時効が成立しにくい理由については、本記事の2章で詳しく紹介していきます。

1-1 贈与税の時効の起算点は「贈与の翌年3月16日」

贈与税の時効の起算点

贈与税の時効の起算点は、贈与が行われた日ではなく、贈与の翌年3月16日です。
これは、贈与税の納税期限が贈与の翌年3月16日であることが理由です。

例えば、令和6年7月1日に贈与を受けた場合、贈与税の時効の起算点および時効成立日は下記の日付となります。

時効の起算点令和7年3月16日
時効成立日令和13年3月15日
(悪質だと判断されると、令和14年3月15日)
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2章 贈与税の時効成立が現実的ではない理由

本記事の1章で解説したように、贈与税の時効は6〜7年ですが、実際には時効は成立しにくくなっています。
贈与税の時効が成立しにくい理由は、下記の通りです。

  1. 贈与が成立していないと時効も成立しない
  2. 贈与についての証拠がないと時効が成立しない
  3. 贈与についての証拠があっても時効が成立しない
  4. 贈与税の無申告は最終的に相続税の税務調査でバレる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1 贈与が成立していないと時効も成立しない

贈与税の時効が成立しないケースで多いのは、そもそも税務署に贈与の事実を認めてもらえないケースです。
贈与には贈与者と受贈者の合意が必要とされています。

しかし、子供や孫名義で預金をし親や祖父母が管理する名義預金が行われていたケースや贈与者がすでに亡くなっていて合意があったか確認できないケースでは、贈与を認めてもらえない可能性もあるでしょう。
贈与を認めてもらえなかった場合、名義預金や過去の贈与は相続財産として扱われるため、贈与税ではなく相続税の課税対象になります。

名義預金とは?税務調査で指摘されるケースや対策方法まとめ

2-2 贈与についての証拠がないと時効が成立しない

受贈者と贈与者の合意が確認でき贈与の事実は認められたとしても、贈与契約書を作成していない場合は時効が成立しない可能性があります。
贈与契約書を作成していないと、贈与が行われた日および贈与税の時効の起算点がわからないからです。

このような事態を防ぐために、家族間の贈与であっても必ず贈与契約書を作成しておくことをおすすめします。

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2-3 贈与についての証拠があっても時効が成立しない

贈与契約書を作成していても、贈与税の時効が成立しない可能性も残されているので注意しなければなりません。
税務署は贈与契約書に記載されている内容が正しいかどうか、贈与契約書の内容通りに受贈者と贈与者が合意していたかを疑うからです。

実際に、過去にはこのような贈与が行われ、税務署が裁判を起こし贈与契約書が無効になった事例があります。

  • 贈与時には公正証書により贈与契約書を作成していた
  • 贈与から7年以上経過し、時効を迎えた後に不動産の名義変更手続きを行った

上記のケースでは、贈与契約書が無効と判断され、贈与税の時効も成立しませんでした。

2-4 贈与税の無申告は最終的に相続税の税務調査でバレる

贈与税の無申告を税務署に指摘されなかったとしても、最終的に贈与者が亡くなったときに相続税の税務調査が行われ過去の贈与の無申告がバレる可能性も高いです。
税務署は個人の資産状況や資産の流れをある程度把握していますし、金融機関などに対して調査も行えるからです。

例えば、税務署が亡くなった人の口座の流れを確認し多額の預貯金を引き出している場合は、贈与がなかったか疑われるでしょう。

加えて、相続税の税務調査では亡くなった人だけではなく相続人の資産も調査されます。
そのため、相続人が本人の収入では到底購入できないような資産を所有している場合や預貯金が多い場合も亡くなった人からの贈与が疑われます。

このように、贈与税の無申告について税務署から指摘されなかったとしても最終的には、贈与者が亡くなったときにバレてしまう可能性が高いです。

税務署が個人の銀行口座を調べる方法!お尋ねが入りやすいケースとは

3章 贈与税を申告しなかったときのペナルティ

贈与税の無申告がバレてしまうと、本来納めるべきだった贈与税だけでなく無申告加算税や延滞税などのペナルティが発生してしまいます。
贈与税を申告しなかったときに発生するペナルティは、下記の通りです。

無申告加算税
  • 贈与税の申告をしないでいると発生するペナルティ
  • 税務調査の前に自主的に申告すれば発生しない
  • 税率は5~15%
延滞税
  • 贈与税を期限内に納めなかった場合にかかるペナルティ
  • 税率は期間ごとに異なる
  • 令和6年時点での税率は7.3%~14.6%
重加算税
  • 意図的に財産隠しなどを行っていた場合に発生するペナルティ
  • 無申告の場合の税率は40%~50%

なお、贈与税の無申告が悪質だと判断されると、脱税として扱われるため刑事罰に問われる恐れもあります。

贈与税の申告義務を知らなかったときも取消不可!無申告のペナルティ
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まとめ

贈与税の時効は6~7年と設定されていますが、実際には時効が成立するケースはほぼないといえるでしょう。
仮に贈与税の無申告を指摘されなかったとしても、贈与者が亡くなったときに贈与を否認されることもあります。
その場合、贈与財産を相続財産に加えて相続税を計算しなければならない恐れもあるでしょう。

このように、生前贈与により相続税対策をする際には、自己判断で行うのではなく適切な方法で手続きを進め贈与税を正しく申告することが大切です。
税金や法律についての専門的な知識が必要になる場合もあるので、生前贈与を行うときには贈与や相続に詳しい専門家に相談しましょう。

また、贈与契約書を作成するときは、自分で作成するのではなく、司法書士や弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。

グリーン司法書士法人では、生前贈与や相続対策についての相談をお受けしています。
初回相談は無料ですし、信頼できる税理士の紹介も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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