相続登記にかかる登録免許税の計算方法や納付方法を司法書士が解説

相続登記にかかる登録免許税の計算方法や納付方法を司法書士が解説
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司法書士日野 修亮

 監修者:日野 修亮

この記事を読む およそ時間: 6
 この記事でわかること

  • 登録免許税とは何か
  • 登録免許税を計算する流れ・計算方法
  • 登録免許税の納付方法

故人が遺した不動産を相続したときには、不動産の名義変更手続きが必要です。
不動産の名義変更手続きは、法務局にて相続登記を行います。

相続登記はタダで行えるわけではなく、登録免許税という税金がかかります。
また登録免許税は自動で計算されるわけではなく、相続登記時に自分で計算しなければなりません。

相続登記の手続きは登録免許税の計算や納付だけでなく、登記申請書の作成や必要書類の収集などを行わなければならず、大変手間がかかります。
自分で相続登記を行うのが難しい場合やミスなく手続きを終えたい場合は、司法書士に相続登記を依頼可能です。

本記事では、相続登記時の登録免許税の計算方法や納付方法をわかりやすく解説します。
相続登記に関しては、下記の記事もご参考にしてください。

【完全版】相続登記が自分でできる!司法書士直伝の簡単申請マニュアル

1章 登録免許税とは

登録免許税とは、不動産の名義変更手続きを行うときに課税される税金です。
不動産の名義変更手続きは不動産を購入、取得したときだけでなく、相続によって故人から相続人に名義変更するときにも行う必要があります。

相続によって不動産の名義変更手続きを行うことを「相続登記」と呼び、相続登記にかかる登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」で計算します。

なお、登録免許税は不動産の名義変更時にかかる税金であり、相続税とは別物です。
そのため、相続税を申告、納税した人も相続登記時には登録免許税がかかります。

2024年から相続登記が義務化されます

これまで相続登記は義務化されておらず、相続人の意思によって行うとされていました。
しかし、2024年4月からは相続登記が義務化され、相続発生から3年以内に相続登記をしない場合には10万円以下の過料が科される恐れがあります。

なお、相続登記の義務化は過去に発生した相続においても適用されます。
そのため、まだ相続登記がおすみでない土地をお持ちの人は早めに手続きをすませましょう。

相続登記は自分でも行えますが、司法書士に依頼すれば数万円程度で代行可能です。
グリーン司法書士法人でも相続登記に関する相談をお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。

相続登記の義務化は2024年4月!法改正で変更される4つのポイント

1-1 登録免許税がかかるケース

登録免許税は相続登記だけでなく、登記申請をしたときにかかる税金です。
登録免許税が発生するケースは、主に下記の通りです。

  • 売買や相続、贈与などによって不動産の所有権が移転するとき
  • 所有権保存登記をするとき
  • 抵当権や根抵当権を設定するとき
  • 配偶者居住権を設定するとき
  • 会社設立登記をするとき

なお、登記申請の内容によって、登録免許税の税率は異なります。
例えば、先ほど解説したように相続登記にかかる登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」ですが、贈与時の所有権移転登記にかかる登録免許税は「固定資産税評価額×2%」です。

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2章 相続登記の登録免許税を計算する流れ

登録免許税の金額は不動産の価値によっても変わりますし、登記の目的によっても変わります。
相続登記の際にかかる登録免許税を計算する流れは、下記の通りです。

  1. 相続した不動産の固定資産税評価額を調べる
  2. すべての不動産の評価額を合算する
  3. 合算額のうち1,000円未満の端数を切り捨て課税標準額を計算する
  4. 課税標準額に税率0.4%を掛ける
  5. 税額のうち100円未満の金額を切り捨てる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

STEP① 相続した不動産の固定資産税評価額を調べる

まずは、相続した不動産の固定資産税評価額を調べましょう。
相続登記の登録免許税は「相続した不動産の固定資産税評価額×0.4%」で計算するからです。

固定資産税評価額は、下記の方法で調べられます。

  1. 課税明細書
  2. 固定資産評価証明書

課税明細書とは、毎年4~5月頃に送られてくる固定資産税の納税通知書(振込用紙)についてくる書類です。
課税明細書には不動産の固定資産税評価額が記載されており、見本は下記の通りです。

課税証明書の例

故人宛に届いた課税明細書が見つからない場合は、固定資産評価証明書を用意する必要があります。
固定資産評価証明書とは、各市町村が管理している不動産評価額などの情報が記載された証明書です。

自治体ごとに細かいフォーマットは異なりますが、下記のサンプルに近いものが発行されます。

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固定資産評価証明書は市役所の市税課や政令指定都市クラスの市税事務所にて発行可能です。
固定資産評価証明書の発行方法は、下記の通りです。

発行できる人
  • 不動産の所有者もしくは同居の親族
  • 相続人
  • 代理人
発行先
  • 不動産の所在地を管轄する市町村役場
  • 都税事務所(不動産が東京23区内にある場合)
発行費用1物件300円程度
必要書類(相続後に取得するとき)
  • 死亡の記載がある故人の戸籍
  • 故人との続柄がわかる請求者自身の戸籍

なお、登録免許税の計算に使用する固定資産税評価額は最新のものを使用しなければなりません。
そのため、固定資産評価証明書を取得する際は、最新年度のものを用意しましょう。

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STEP② すべての不動産の評価額を合算する

相続した不動産の固定資産税評価額がわかったら、すべての不動産の固定資産税評価額を合算しましょう。

  • 固定資産評価額1,327万8,421円の建物
  • 固定資産評価額2,112万3,974円の土地
  • 固定資産評価額376万5,923円の土地

例えば、上記の不動産を相続して名義変更手続きをする場合は、3,816万8,318円の不動産に対して登録免許税がかかります。

STEP③ 合算額のうち1,000円未満の端数を切り捨て課税標準額を計算する

不動産の固定資産税評価額を合算したら、1,000円未満を切り捨て課税標準額を計算しましょう。
例えば、先ほどの例である3,816万8,318万円であれば、課税標準額は3,816万8,000円です。

なお、市区町村によっては固定資産評価証明書に記載されている評価額が、最初から1,000円未満の端数を切り捨てた額で記載されている場合もあります。

STEP④ 課税標準額に税率0.4%を掛ける

相続登記の登録免許税は「課税標準額×0.4%」で計算できます。
そのため、課税標準額が3,816万8,000円であれば登録免許税は「3,816万8,000円×0.4%=15万2,672円」が登録免許税の金額です。

STEP⑤ 税額のうち100円未満の金額を切り捨てる

最後に計算した登録免許税のうち、100円未満の金額は切り捨てます。
先ほど例であれば、15万2,600円が最終的な登録免許税の納税額です。


3章 イレギュラーな不動産相続時の登録免許税の計算方法

本記事の2章で解説した登録免許税の計算方法は、一般的な建物や土地を相続したときの計算方法です。
相続した不動産の価値が低く登録免許税が1,000円未満の場合や固定資産税がかからない土地を相続した場合は登録免許税の取り扱いが異なるのでご注意ください。

それぞれ詳しく解説していきます。

3-1 計算した登録免許税が1,000円未満の場合

本記事の2章で解説した方法で登録免許税を計算した際に、税額が1,000円未満の場合は一律1,000円の登録免許税を納めなければなりません。
登録免許税の最低税金額は1,000円と定められているからです。

田舎の土地を相続したケースなどでは、不動産の価値が低く登録免許税が1,000円未満になる場合もあります。

3-2 固定資産税がかからない土地を相続した場合

固定資産税がかからない土地であっても、登録免許税の課税対象になるので注意が必要です。
固定資産税がかからない土地とは、私道や墓地など公共性の高い土地などです。

固定資産税評価額がわからない土地を相続した際、登録免許税の計算が複雑になるので、自分で登記申請を行うのではなく司法書士に依頼するのがおすすめです。


4章 相続登記時の登録免許税を納付する方法

登録免許税は現金で納付するのではなく、金額分の収入印紙を購入して登記申請書に貼り付けて法務局に提出することで納付します。
収入印紙を購入できる場所は、主に下記の通りです。

  • 郵便局
  • コンビニ
  • 一部の法務局

なお、小さい法務局では収入印紙の販売を行っていない恐れがあるのでご注意ください。
コンビニでは200円程度の少額の収入印紙しか購入できないので、郵便局での購入がおすすめです・


5章 相続登記時の登録免許税の免税措置

相続登記時の登録免許税には、2つの免税措置が用意されています。
適用要件を満たせば登録免許税を節税できるので、不動産を相続したときには確認しておきましょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

5-1 相続により土地を取得した人が相続登記をしないで死亡した場合

相続により土地を取得したものの相続登記前に亡くなったケースなどでは、複数代にわたり土地の相続登記が行われていない場合もあります。
このような土地は相続登記の中間省略が認められておらず、過去の相続分も名義変更手続きが必要です。

相続により土地を取得した人が相続登記をしないで死亡した場合

しかし、令和7年3月31日までに相続登記を行えば、すでに亡くなった相続人へと名義変更する相続登記に関しては登録免許税が課税されません。
ただし、登録免許税の免税を受けるには「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と登記申請書に記載する必要があります。

相続登記の中間省略は原則不可!数次相続で認められるケースとは

5-2 相続した不動産の価額が100万円以下の土地の場合

相続もしくは遺贈によって取得した土地の課税標準額が100万円未満の場合、令和7年3月31日までに登記申請をすれば登録免許税がかかりません。


まとめ

土地や建物などの不動産を相続したときには名義変更手続きが必要であり、法務局で手続きをする際には登録免許税がかかります。
相続登記の登録免許税は「相続した不動産の固定資産税評価額×0.4%」で計算します。

固定資産税評価額が決められている土地であれば自分で登録免許税を計算できますが、固定資産税がかからない土地を相続した場合は計算が複雑になるので司法書士への依頼をご検討ください。

また相続した土地が先祖代々名義変更されていなかった場合は、すべての相続に対して登記申請が必要であり、手続きに手間と時間がかかります。
このような複雑なケースは自分で相続登記を行うことが難しいので、司法書士に相談しましょう。

グリーン司法書士法人では相続登記に関する相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですのでまずはお気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

相続登記の登録免許税はいくら?

相続登記の登録免許税は、固定資産税評価額×0.4%で計算できます。
▶相続登記にかかる登録免許税について詳しくはコチラ

相続登記の登録免許税はいつ払う?

登録免許税は、収入印紙を購入し、それを名義変更の申請書に張り付けて法務局へ支払います。
▶相続登記の登録免許税の納付方法について詳しくはコチラ

相続登記の登録免許税はどこで払いますか?

登録免許税は現金で納付するのではなく、金額分の収入印紙を購入して登記申請書に貼り付けて法務局に提出することで納付します。
▶登録免許税の納付方法について詳しくはコチラ

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