「父から先祖代々持っている山を相続するかもしれない…山の相続ってこのまま受けてもいいの?」
訪れたことのない山林の相続の話が出たときに「本当にこのまま引き受けていいのか」漠然とした不安を抱える方は多いかと思います。
山林の相続の話が出たときの選択肢は、特定の1人が相続するか、相続放棄するかのいずれかになります。
このときに「とりあえずみんなで分けようかな」と、安易な気持ちで相続を進めることは危険です。山林の相続には、他の不動産とは異なり、下記のような隠れたリスクがあるからです。
家族だけでは誰が山林を引き受けるのかでもめやすく、下記のように建設的な解決ができないケースが多いです。
【山林の相続で家族だけの解決が難しいケース例】
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だからこそ、山林の相続問題に強い専門家とともに、ご家族が納得できるかたちを見つけることが大切です。
本記事では、グリーングループの司法書士である中川が、山林の相続の方法や手続き手順、山林の相続特有の難所をまとめて解説します。ご家族全員が納得できる山林の相続をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1章 山林の相続は基本的に「特定の一人が相続する」か「相続放棄」の2択になる
冒頭でも触れたように、山林の相続は特定の1人が相続するか、相続放棄するかの2択になります。
資産価値のある山林なら活用できるかもしれませんが、そうでない場合は安易に相続を進めると将来後悔する可能性があります。
ここでは、山林を相続する方法の概要や注意点を詳しく解説するので、どのような方法を検討できるのか把握しておきましょう。
1-1 特定の一人が相続する
山林の相続は、責任を負う覚悟のある特定の1人が相続するのが主流です。将来のトラブルを防ぎながら「誰が管理責任を負うのか」を明確にできるからです。
山林の相続では「とりあえず兄弟で共有登記をする」と考えてしまうケースがありますが、下記のように将来トラブルになることも少なくありません。
【兄弟での共有登記のトラブル例】 地方にある実家の裏山(約2,000平米)を相続したAさん、Bさん兄弟。 当時は「価値もなさそうだから、とりあえず平等に2分の1ずつで名義を変えよう」と共有名義で相続登記を済ませました。 しかし、ある年の大型台風により山林の木が数本倒れ、ふもとの民家の屋根を直撃。所有者には管理責任があるため、被害者から損害賠償を請求されてしまいました。 遠方に住むBさんは「自分は管理に関わっていないから払いたくない」と主張し、誰がいくら損害を負担するのかで、兄弟間に決定的な亀裂が入ってしまいました。 |
山林を相続すると、維持管理費、固定資産税などの費用負担や、管理責任が発生します。
共有名義にしてしまうと事例のように「誰がどの程度負担をするのか」で揉めやすく、大きな亀裂を生む可能性があるでしょう。
そのため、相続をする段階で安易に共有名義にせずに、特定の1人に絞ることが主流です。
ただし「3章 山林の相続は「誰が重荷を引き受けるのか」の押し付けあいになりやすい」で触れますが、山林を相続した人の負担が大きくなり過ぎないように、他の財産を含めて調整するなどの工夫が必要です。
1-2 山林の相続を放棄する
子供や孫などの相続人が「山を相続したくない」と考える場合は、相続を放棄することも検討できます。
しかし、下記のような理由から、今すぐに山林の相続を放棄することは非常に難しいのが現状です。
| 山林の相続放棄が難しい理由 | 概要 |
| 山林だけ相続放棄ができない |
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| 相続後に一方的に放棄できない |
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例えば、山の所有者が亡くなり、山以外にも預貯金やアパートなど他の財産があったとしましょう。「価値の分からない山だけは相続放棄したい」と思っても法律上認められず、他の財産も相続放棄しなければなりません。
また、一度相続してその後に手放せばいいと思っても、一方的に不動産の所有権を放棄できません。このように、山の相続を放棄すること自体が難しいのが現状です。
「どうしても山を手放したい」と考えている場合は、相続した後に売却できる可能性があるのかを事前に探っておきましょう。
山林の相続登記に強いグリーングループでは、グループ内の不動産会社と連携して速やかにで売却可能性を判定できます。
【グリーングループだからできる売却可能性の判定チェック】
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単に相続登記の手続きをするのではなく、グループ内の不動産会社と連携しながら、相続する山をどうにかして手放せないかの道筋を一緒に探します。
「相続予定の山があるけど、できれば売却したい」「一番いい方法で手放したい」とお考えの場合は、まずはグリーングループにその思いをお聞かせください。
▼山林の相続に強いグリーングループの特徴は下記で詳しく解説しています
2章 山林を相続する時に行う手続き
山林を相続するときは、下記の手順で手続きをします。
山林を相続するときの手続きは、自力で行うと想像以上に手間がかかります。どのタイミングで何をするべきか確認してみましょう。
2-1 市区町村への所有者届出の手続きを行う
山林を相続したら、90日以内に市区町村に「所有者の届出」をしなければなりません。その際、相続を証明する戸籍謄本や山林の位置を示す図面などの書類が必要です。
届出をしないと10万円以下の罰金が科される恐れがあるので、早急に役所に連絡して手続きをしましょう。
【所有者の届出をする前に筆数(山林の区画)を正確に調査する】 山の相続では書類上の情報だけでなく「隠れた土地」を正確に調査して特定する必要があります。 本人は「2筆しか相続していない」と思っていても、古い公図(土地の図面)を辿って調べると、実際には10筆の土地が隠れているケースがあるのです。 正しく筆数を把握しておかないと、将来山を手放そうとしたタイミングで手続きが複雑化して、大きな問題になる可能性があります。 だからこそ、所有者の届出をする前に「相続する筆数は自身の認識と合っているか」を確認してから進めるようにしましょう。 |
2-2 法務局で名義変更の手続きをする
山林を相続したら、「所有名義」を変更しなければなりません。名義変更は、法務局で行います。
名義変更手続きに必要な書類は、主に以下の通りです。
- 亡くなった人の出生から死亡時までの戸籍謄本類
- 住民票の除票
- 相続する人の住民票
- 印鑑登録証明書 など
なお、必要書類は遺言書によって登記するのか、遺産分割協議書によって登記するのかでも変わってきます。
相続登記手続きについては、こちらの記事に詳しく解説しているのでご参照ください。
2-3 森林組合に相続の報告をする
山林を相続した場合、森林組合に報告をして売却や管理の希望を伝えておくことをおすすめします。
売却や管理の意向を示しておけば、森林組合が山林の買手や借り手を見つけてくれる可能性があるからです。
自分一人で山林活用をするのは難しいので、森林組合の力を借りましょう。また、山林などの財産を相続した場合には、相続税申告が必要になる場合があります。
3章 山林の相続は「誰が重荷を引き受けるのか」の押し付けあいになりやすい
山林の相続の手続きは何とか自力でできたとしても、本当の難所は「将来にわたる維持管理の負担や損害賠償リスクなどの重荷を、家族全員でどう納得して分担するか」という点です。
ここまで述べてきたように、山林の相続は多くの場合、特定の1人に相続することになります。
十分な資産価値のある山林ならいいですが、そうでない場合は誰がこの重荷を引き取るのか押し付けあいになり、家族だけでの解決が困難になるでしょう。
ここでは、なぜ山林の相続は家族での解決が難しいのか詳しく解説します。安易に相続を進めてしまい後からトラブルにならないためにも、参考にしてみてください。
| 山林の相続は家族での解決が難しい理由 |
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3-1 管理責任が付きまとい事故や災害で損害賠償責任を問われるため
山林を相続すると、そこで起こるすべてのトラブルに対して管理責任を背負うことになります。
何となく相続した山林でも、下記のようなことが起こると、相続をした人の責任が問われるのです。
【山を相続した場合の管理責任の例】
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例えば、台風で山林の木が倒れて民家の屋根を直撃した場合、山林の所有者として数百万〜数千万円単位の損害賠償責任を問われる恐れがあります。
また、山林の管理のために木を1本切るだけでも数万〜数十万円の費用がかかり、維持管理をしていくだけでも大きな負担になるのです。
このように、山林の相続はただ所有すればいいわけではなく、管理責任が付きまとうので「誰がその責任を背負うのか」で押し付け合いになるケースが見受けられます。
3-2 固定資産税の支払い負担を強い続けることになりやすいため
次に、山林の所有者であり続ける限り、毎年固定資産評価額に応じた固定資産税を払う必要があり、金銭的な負担がかかることがあげられます。
住宅や土地など活用できる不動産であれば、固定資産税を払っても「所有者が住める」「所有者が土地を貸し出せる」などのメリットがあります、
しかし、山林の場合は利活用がしにくく、所有者は毎年維持管理費や固定資産税を払っているだけの状態に陥りやすいです。
金銭的な負担が大きくなるという側面からも、誰が重荷を引き受けるのかの押し付け合いになりやすいのです。
このような金銭的な負担を考慮して預貯金を多めに相続するなど、他の財産を含めて調整することが非常に重要です。
3-3 手放すのが非常に困難なため、不平不満が生まれやすいため
「1-2 山林の相続を放棄する」でも触れましたが、山林は手放すことが非常に困難です。下記のようにさまざまな方法を模索しても、簡単に手放せないケースが多いです。
| 山林を手放す方法 | 手放せない理由 |
| 山林を寄付する |
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| 山林を売却する |
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| 相続土地国庫帰属制度を利用する (国に土地を返す制度) |
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例えば、国に土地を返す相続土地国庫帰属制度を利用するには正確な測量が必要ですが、境界が曖昧な山林の測量は物理的・金銭的にハードルが高いです。
それだけでなく、相続土地国庫帰属制度の申請が通りにくい背景もあります。
2026年の相続土地国庫帰属制度の利用状況は、下記のように帰属した森林はわずか186件です。
申請すれば必ず受け入れられるものではなく、不承認や取り下げになる可能性があるのです。
| 相続土地国庫帰属制度の申請状況 | 申請・承認した件数 |
| 申請のあった山林 | 850件 |
| 帰属した森林 | 186件 |
参考:法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」※2026年5月31日現在の数値です
このように、一度山林を相続してしまうと「手放したくても手放せない」状況に陥るため、家族で誰が重荷を引き受けるのか解決が難しくなります。
4章 山林の相続登記に強いグリーングループではもめやすい山林の相続を円満解決へと導きます
ここまで解説してきたように、山林の相続は通常の不動産とは異なる背景があります。
「誰がこの重荷を引き受けるか」という押し付け合いになりがちな山林の相続は、当事者同士の話し合いだけで円満にまとめるのは極めて困難です。
だからこそ、ご家族だけで抱え込まず山林特有の厳しさを熟知したうえで最適な解決策を提案できるグリーングループへご相談ください。
グリーンでは、相続手続き・税務・不動産のプロが連携し、不公平感のないご家族が納得できる円満解決を目指します。
| グリーングループの強み |
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ただ相続登記の手続きをするだけでなく、山林の相続登記ならではの課題を理解してご家族に寄り添い最適な解決策をご提案します。
「この山林をどうすればいいのか」と不安を抱えている方こそ、ぜひ私たちの強みをご覧ください。
4-1 隠れたリスクを調査して将来のトラブルを避けるための最適な相続プランをご提案します
山林の相続では、固定資産税の納税通知書だけを見ても分からない下記のようなリスクが潜んでいます。
【山林の隠れたリスク】
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山林の相続で最悪なのは「よくわからないまま引き継ぎ、後から地獄を見る」ことです。
実際に「5筆くらいだろう」と思っていた林野が43筆に分かれており、整理をしながら相続登記を完了させた事例があります。
| 「5筆のはずが43筆に」複雑な共有名義の相続登記を完了させた事例 |
Bさんは、自宅の土地を含めて「5筆くらいだろう」という認識で相続登記を進める予定でした。 しかし、自宅の宅地を除くほとんどの林野が、近隣にお住まいの方々との共有名義になっており「一体誰が、どの土地を、どれくらいの割合で所有しているのか」が分からない状態だと発覚。 目前に迫る相続登記の義務化に対応できないばかりか、この複雑な問題を次世代に先送りしてしまうことになりかねません。 この機会にすべての相続関係を明確にし、きちんと整理しなくてはならないという切実な思いでグリーングループにご依頼されました。 <グリーングループだからできたこと>
相続登記が完了してBさんから「ここまでやってもらえて本当に助かった」との言葉をいただきました。 自力では解決が難しい状況であっても、今までの実績や経験、各プロフェッショナルとの連携をしながら、納得できる方法を模索して相続登記完了へと導いた事例です。 この事例は下記で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。 |
この事例のように土地の数(筆数)の漏れが後から発覚すると、整理に時間と労力がかかります。
グリーングループでは無料相談の段階から必要に応じて、
- 古い公図を用いた隠れた筆数の特定
- Googleマップ等を活用した立地リスクの確認
などを徹底的に行います。
あえて、相談者にとって都合の悪い事実を包み隠さずお伝えすることで「本当にその山林を相続すべきか」「誰が引き受けるのが最も安全か」をご家族全員で現実的に話し合う土台を作ります。
4-2 山林をはじめ年間約2,000件の相続登記実績。家族全員が納得できる円満解決へ導きます
山林の相続登記の法務局での手続き自体は比較的シンプルであり、専門家に頼まずとも完了できます。
山林の相続登記の本当の難所は「将来にわたる維持管理の負担や損害賠償リスクなどの重荷を、家族全員でどう納得して分担するか」という合意形成です。
グリーングループでは、山林をはじめとした相続登記を直近1年間※で1,979件受任しています(※2025年3月18日~2026年3月17日)。
特定の1人に山林を押し付けるのではなく、山林を引き受ける代わりに預貯金を多めに相続してもらうといった遺産分割をすることで、不公平感のない遺産分割を設計してご提案することが可能です。
家族だけでは解決が難しい問題だからこそ、豊富な経験のある第三者が介入することで、家族全員が納得できる円満解決へと導きます。
▼グリーングループが解決した山林の権利問題の事例は、下記でまとめています。ぜひご覧ください
4-3 グループ内不動産会社がいらない山林の売却手段を徹底的に追求します
「維持費ばかりかかるし管理責任も怖いから、とにかく山林を手放したい」という場合は、いらない山林を手放すための出口戦略が必要になります。
グリーングループは単なる書類作成にとどまらず、下記のようにグループ内の不動産会社と連携し、相続した山林をどうにかして手放すための道筋を一緒に探します。
| 山林を手放すための支援 | 概要 |
| 速やかに売却可能性を判定 |
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ご家族や次世代に「一生手放せない負の遺産」を押し付けないためにも、プロの視点でご家族の将来を見据えた戦略をご提案します。
このように、グリーングループは今まで多くの山林の相続に向き合ってきたからこそ、ご家族の現状や要望をしっかりと把握したうえで、将来を見据えた納得できる解決へと導きます。
「山林の相続をするつもりだけど、どうすればいいのか悩んでいる」など、まずは今の状況やお悩みをお聞かせください。プロの視点で問題解決のお手伝いをさせていただきます。
平日9時〜20時 / 土日祝9時〜18時まで営業。年末年始以外は営業しております。
まとめ
本記事では、山林の相続の方法や難所を解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇山林の主な相続方法は下記の2つ
- 特定の一人が相続する
- 山林の相続を放棄する
〇山林を相続する時に行う手続きの手順は下記のとおり
- 市区町村への所有者届出の手続きを行う
- 法務局で名義変更の手続きをする
- 森林組合に相続の報告をする
〇山林の相続は家族での解決が難しい理由は下記のとおり
- 管理責任が付きまとい事故や災害で損害賠償責任を問われるため
- 固定資産税の支払い負担を強い続けることになりやすいため
- 手放すのが非常に困難なため、不平不満が生まれやすいため
山林の相続は単に手続きをするだけでなく、家族が納得できるように進められるかが難所になります。
山林の相続に少しでも不安を感じたら、山林の相続に強いグリーングループにお気軽にご相談ください。


















