
- ペット葬儀の種類
- ペット葬儀をする流れ
- ペット葬儀費用の決まり方
- ペット葬儀の服装・持ち物
家族の一員として長年寄り添ってくれたペットの最期は、感謝とお別れの気持ちを込めて見送りたいと考える飼い主も多いのではないでしょうか。
近年では、ペット専用の葬儀サービスが増え、火葬や供養の方法も多様化しています。
ペット葬儀は、火葬方法やペットの種類、大きさによって費用も変わってくるため、複数の葬儀社に連絡して相見積もりを取ることをおすすめします。
本記事では、ペット葬儀の種類や当日の流れ、費用の決まり方について詳しく解説します。
1章 ペット葬儀の種類
ペットは、多くの家庭で大切な家族の一員として迎えられています。
そのため、最期のお別れも丁寧に行いたいと考える飼い主が増えており、ペット専用の葬儀サービスも下記のように多様化しています。
- 合同葬
- 立会葬
- 個別一任葬
- 訪問火葬
それぞれ詳しく解説していきます。
1-1 合同葬
合同葬とは、複数のペットを一緒に火葬し、合同供養塔などにまとめて納骨する形式の葬儀です。
葬儀費用を抑えられる点が最大の特徴で、火葬や供養は霊園や業者に一任することがほとんどであり、立ち会いや遺骨の返却はできないことが一般的です。
合同葬は「他のペットたちと一緒に旅立たせてあげたい」「費用をできるだけ抑えたい」といった考えをお持ちの方に適している葬儀方法といえるでしょう。
1-2 立会葬
立会葬とは、人間の葬儀と同様に、飼い主が火葬に立ち会ってお別れをする形式です。
出棺や炉前でのお別れ、火葬、収骨と一連の流れに参加でき、納骨や自宅での手元供養など、今後の扱いについても自分で選べる場合もあります。
立会葬は「最期まで見届けてあげたい」「しっかりと供養したい」と考える飼い主に適している葬儀方法のひとつです。
1-3 個別一任葬
個別一任葬は、火葬自体は個別で行われますが、立ち会いや収骨などには参加せず、業者にすべてを一任する形式です。
遺骨は後日返却されるため、自宅供養や納骨堂への安置を希望する方も利用可能です。
個別一任葬は、「見送るのはつらいけれど、きちんと個別で火葬してあげたい」「仕事の都合で立ち会えない」といった事情のある飼い主に適しているといえるでしょう。
また、立会葬に比べて費用はやや抑えられることが多くあります。
1-4 訪問火葬
訪問火葬は、専用の火葬車が自宅まで訪れ、敷地内や近隣の許可された場所で火葬を行うスタイルです。
出棺から火葬、収骨まで自宅で完結するため、移動の負担が少なく、高齢の飼い主や交通手段が限られている方にとっても利用しやすい方法です。
ただし、自宅が住宅街にある場合、近隣住民に配慮をした上で訪問火葬を手配しなければなりません。
もちろん、臭いや煙、音などが周囲に影響しないように配慮された車両が使用されますが、近隣住民への事前の説明や業者との打ち合わせが重要となってきます。
2章 ペット葬儀をする流れ
ペット葬儀の種類はいくつかありますが、葬儀社の手配から火葬、供養までは、下記の流れで行うことが一般的です。
- ペットを安置する
- ペット葬儀社に連絡する
- 火葬を執り行う
- 遺骨を埋葬もしくは自宅に持ち帰る
- 供養や手続きを行う
それぞれ詳しく解説していきます。
STEP① ペットを安置する
ペットが亡くなったら、まずは安らかに眠れるように丁寧に安置します。
ペットの遺体をきれいに拭き、毛並みを整えた上で、箱やタオルの上に寝かせましょう。
特に、夏場は腐敗が早く進むため、保冷剤などをお腹辺りに当てて、体温の上昇を防ぐことが大切です。
場合によっては、エアコンを使って室温を下げることも行いましょう。
安置する期間は、通常1日から2日程度が目安となります。
火葬の日程が決まるまでの間、静かな場所で家族が集まり、最期のお別れの時間を過ごすのも良いでしょう。
STEP② ペット葬儀社に連絡する
安置ができたら、信頼できるペット葬儀社を探して連絡をします。
インターネットでの検索や、動物病院の紹介などを通じて候補を見つけ、電話やメールで問い合わせてみましょう。
葬儀社に連絡、相談をする際には、下記のことなどを伝えておくとスムーズです。
- ペットの種類・大きさ
- 火葬方法の希望
- 希望日時
- 遺骨の引取り可否
上記に加え、料金体系が明確かどうかや、追加費用が発生しないかなどを確認しておくと良いでしょう。
時間的余裕がなく難しい場合もありますが、複数の業者に相談して見積もり依頼を出してもらうことをおすすめします。
STEP③ 火葬を執り行う
火葬の当日には、葬儀社が指定の場所までペットを迎えに来てくれる場合もありますし、飼い主が直接火葬場に連れて行くこともあります。
火葬方法は、事前に選んでおいた形式で進行し、下記のような方法で行われます。
- 立会葬
- 個別一任葬
- 合同葬
立会葬を選んだ場合は、最後のお別れの時間が設けられ、お花や好物を添えて見送れる場合もあります。
火葬後は骨壺への収骨を行い、希望に応じて自宅に持ち帰るか、納骨堂などに預けるかなどを選びます。
STEP④ 遺骨を埋葬もしくは自宅に持ち帰る
遺骨を受け取った後は、下記のような方法で弔います。
- 専用のペット霊園に埋葬する
- 納骨堂に預ける
- 自宅で手元供養する
- 庭などに埋葬する
家族の希望に沿って決めるのが良いでしょう。
近年では、自宅に骨壺を安置する手元供養や、遺骨の一部をペンダントやキーホルダーに加工し、常に身につけて供養するといった形を選択される方も増えてきています。
どの方法を選んでも、ペットを想う気持ちに正解はないので、自分たちが納得できる形で弔いましょう。
STEP⑤ 供養や手続きを行う
葬儀が完了した後も、定期的に供養を行うことで、心の整理をつけやすくなります。
ペット供養の方法も、下記のようにいくつかあります。
- 霊園での合同供養祭に参加する
- 自宅で写真に手を合わせる
なお、飼い犬が亡くなった場合、死亡から30日以内に自治体に届け出をしなければなりませんので、忘れずに手続きしましょう。
3章 ペット葬儀費用の決まり方
ペット葬儀の費用は、ペットの種類や大きさ、葬儀形式によって大きく変わってきます。
小型犬や猫であれば1万円から数万円程度が一般的な相場となります。
ペット葬儀の費用を決める基準には、主に以下の通りです。
- 火葬の種類
- ペットの種類
- お供えの有無
- メモリアルグッズの作成有無
- 地域
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1 火葬の種類
ペット葬儀の費用に大きく関係する項目のひとつが「火葬の種類」です。
他のペットとまとめて火葬される「合同葬」は、最も費用を抑えられる形式であり、ペットの種類によっては数千円~1万円程度で利用できる場合もあります。
一方、飼い主が火葬に立ち会い、個別に火葬・収骨を行う「立会葬」では、2万円〜5万円程度になるのが一般的です。
「個別一任葬」も立会いはしないものの個別火葬であるため、それなりの費用がかかります。
自宅に火葬車が来る「訪問火葬」も利便性が高い反面、車両の手配や出張費がかかるため、費用はやや高めになる傾向があります。
大切な家族の一員であるペットを丁寧に弔ってあげたいと思う場合には、葬儀の種類や費用相場についても事前に調べておくと良いでしょう。
3-2 ペットの種類
ペット葬儀の費用は、火葬するペットの種類や体の大きさによっても決まります。
一般的に、大きなペットほど火葬にかかる時間や燃料が多く必要になるため、費用も高くなる傾向があります。
例えば、小型犬や猫、ウサギなどの小動物であれば1〜2万円程度で済むことが多いですが、大型犬や大型動物の場合は5万円以上になることもあります。
ペット葬儀社によっては、体重や体長によって細かく料金が設定されているため、見積もりを依頼する際にはペットのサイズを正確に伝えることが大切です。
3-3 お供えの有無
ペット葬儀でも、人間の葬儀と同様に、お花やおやつなどのお供え物を用意できることがあります。
葬儀社がオプションとして用意してくれる場合もありますし、ペットが好きだったおやつを飼い主が準備する場合もあります。
ペット葬儀社にお供え物の手配を依頼すると、数千円〜1万円ほど追加費用が発生するケースもあります。
そのため、葬儀を依頼する際には、プランの中にお供え物が含まれているかどうかや、いくらかかるかについて確認しておきましょう。
3-4 メモリアルグッズの作成有無
近年では、遺骨やペットの毛を使ったアクセサリー、写真入りの位牌などといったメモリアルグッズを作成するサービスも増えています。
葬儀と併せてメモリアルグッズを作成してもらう場合には、1万円〜数万円程度の追加費用がかかることが一般的です。
ペットの遺骨をペンダントなどにして持ち歩きたい場合には、費用と相談して、メモリアルグッズの作成を検討しても良いでしょう。
3-5 地域
ペット葬儀を依頼する地域によっても、費用相場が変わってきます。
都市部では、土地代や人件費が高いため、同じ内容の葬儀でも地方よりも費用が高くなる場合があります。
また、そもそもの問題として、地域によって選べるペット葬儀社の数も変わってくると理解しておきましょう。
都市部では価格が高い傾向がある一方で、ペット葬儀社の数も多く、様々な葬儀社の中から自分に合った会社を選べる場合があります。
一方、郊外や田舎では、ペット葬儀社の数が少なく、価格やサービス内容がある程度固定化されていることもあります。
離れたペット葬儀社に依頼すると、移動費もかかってくるため、なるべく地元に根付いた葬儀社に依頼するのが良いでしょう。
4章 ペット葬儀の服装・持ち物
ペット葬儀に参列する際、「どんな服装で行けばよいか」「何を持っていけばいいのか」と悩む方も多いでしょう。
ペット葬儀では、人間の葬儀ほど厳密なマナーは求められませんが、家族の一員の最期を見送る大切な儀式であることには変わりません。
周りの方に失礼のないように配慮しつつ、自分たちの気持ちにも寄り添った準備を整えておくことが大切です。
本章では、ペット葬儀の服装や持ち物について、詳しく解説していきます。
4-1 ペット葬儀の服装
ペット葬儀では、人間の葬儀ほど格式ばった服装は必要ありません。
しかし、葬儀の場であることに変わりはないため「派手すぎず、落ち着いた色合いと清潔感のある服装」を意識することが望ましいとされています。
例えば、必ずしも喪服を着る必要はないものの、黒や紺、グレーなどのダークカラーの服を選ぶのが良いでしょう。
他にも、露出の少ない服装や柄の目立たないシャツやカーディガンなどを選ぶのが無難です。
ジーンズや派手な柄のTシャツ、サンダルなどは避けることをおすすめします。
特に、ペット霊園で葬儀を行う場合や、立会葬に参加する場合は、周囲のご家族やスタッフへの配慮も必要です。
4-2 ペット葬儀の持ち物
ペット葬儀に持参するものも葬儀の形式や希望によって異なりますが、一般的には以下のようなものを準備しておくと安心です。
持ち物 | 備考 |
---|---|
お花や好物のおやつなどのお供え物 | 持参できるかどうかや、火葬の際にお棺に入れられるものを葬儀社に確認しておく |
写真や思い出の品 | 火葬に入れず、手元に置いておくことも可能 |
ハンカチやティッシュ | 感情がこみあげてくる場面もあるため、持っておくと安心できる 家族の分も持っておくと良い |
小銭や葬儀費用 | 葬儀費用の支払いについて、葬儀社に事前に確認しておく 当日現金払いの葬儀社も多いので注意する |
替えのタオルや保冷剤(自宅安置の場合) | 飼い主が遺体を自宅から葬儀場に連れていく場合、タオルや保冷剤を多めに持っておくと安心 |
雨具・防寒具(天候によって) | 天気が悪い場合や冬の時期の葬儀では持参すると安心 ペット霊園は自宅から離れた郊外にあることも多いため、現地の天気も確認しておく |
まとめ
ペットの葬儀は、合同葬や立会葬、個別一任葬、訪問火葬など、飼い主の希望や状況に応じて様々な形式があります。
費用は火葬の方法やペットの種類・大きさ、地域などによって変動します。
地域によって相場が異なる場合もあるので、複数の葬儀社に連絡して見積もりを取り、費用やサービス内容を比較検討してみると良いでしょう。
また、葬儀時の服装や持ち物、当日の流れについて確認しておくと、当日は慌てずにペットの最期を見送ることができるはずです。