火葬費用・葬儀費用のお金がないときの対処法|費用を抑える方法とは

火葬費用・葬儀費用のお金がないときの対処法|費用を抑える方法とは
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司法書士中川 徳将

 監修者:中川 徳将

この記事を読む およそ時間: 5

家族や親族が亡くなったときには、火葬や葬儀の手配が必要になります。
しかし、中にはお金がないため、火葬費用や葬儀費用を工面するのが難しいケースもあるでしょう。

火葬費用や葬儀費用を用意するのが難しい場合は、費用を親族で分担して払う、亡くなった人の生命保険金や遺産から払うなどの選択肢が考えられます。

火葬費用や葬儀費用の支払いに不安を感じている場合は、葬儀の内容を吟味し費用を抑える工夫も必要です。
例えば、必要ないオプションを外す、火葬や葬儀のランクを下げれば費用を節約できます。

本記事では、火葬費用や葬儀費用のお金がないときの対処法および火葬・葬儀費用の相場を解説していきます。

また、家族や親族が亡くなったときには葬儀の手配だけでなく様々な手続きをしなければなりません。
家族や親族が亡くなったときに行う手続きの流れは、下記の記事で詳しく解説しているのでご参考にしてください。

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1章 火葬費用・葬儀費用のお金がないときの7つの対処法

火葬費用や葬儀費用を支払うのが難しいときには、費用を親族で分担することや故人の遺産や生命保険金から払うことも検討しましょう。
具体的には、下記の方法をご検討ください。

  1. 費用を親族で分担する
  2. 自治体から受け取れる葬祭費・埋葬料で支払う
  3. 故人の生命保険金から支払う
  4. 故人の遺産から支払う
  5. 葬儀ローンを利用して支払う
  6. カードローンを利用して支払う
  7. 葬祭扶助制度を利用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1 費用を親族で分担する

喪主や施主のみで火葬費用や葬儀費用を払うのが難しい場合は、費用を親族で分担することも検討しましょう。
葬儀費用を支払うのは慣例では喪主や施主が多いものも、法律などで決められてるわけではないからです。

そのため、家族や親族で葬儀費用の支払い方法について相談しておき、収入や年齢に応じた金額をそれぞれ支払うのでも問題ありません。

1-2 自治体から受け取れる葬祭費・埋葬料で支払う

亡くなった人が後期高齢者医療保険や国民健康保険に加入していた場合、自治体から葬祭費を受け取れます。
葬祭費の金額は自治体によって異なりますが、一般的には2~7万円程度のことが多いです。

また、亡くなった人が全国健康保険協会(協会けんぽ)や組合健保・共済組合などに加入していた場合は、一律5万円の埋葬料を受け取れます。

通夜や告別式を行わずシンプルな火葬式(直葬)のみであれば、葬祭費や埋葬料で火葬費用をある程度賄えるはずです。

なお、葬祭費や埋葬料は自動的に支払われるわけではなく、申請が必要です。
申請から葬祭費や埋葬料の受取に1~2ヶ月ほどかかる場合もあるため、早めに手続きしておくのが良いでしょう。

1-3 故人の生命保険金から支払う

亡くなった人が生命保険に加入していた場合、生命保険金から火葬費用や葬儀費用を支払うのでも問題ありません。
生命保険金を受け取るには、保険会社指定の請求書や住民票、戸籍謄本など様々な書類が必要です。

そのため、生命保険金を火葬費用や葬儀費用の支払いに充てたいのであれば、故人の死亡後すぐに生命保険金の請求をすることをおすすめします。

1-4 故人の遺産から支払う

故人が預貯金などの遺産を遺しているのであれば、遺産から火葬費用や葬儀費用を支払えます。

ただし、遺産から火葬費用や葬儀費用を支払う場合は、故人の銀行口座の凍結に注意しなければなりません。
銀行などの金融機関は口座名義人の死亡を確認すると、銀行口座の凍結をし預貯金の入出金や口座引き落としなどは一切行えなくなってしまいます。

自治体に提出した死亡届が金融機関に共有されることはないので、火葬費用や葬儀費用を故人の預貯金から払う場合は、銀行口座の凍結前にまとまった金額を引き出しておきましょう。

万が一、故人名義の銀行口座が凍結されてしまった場合は相続財産の仮払い制度を利用できます。
相続財産の仮払い制度とは、相続人全員の合意がなくても限度額までであれば預金を引き出すことができる制度です。

仮払い制度を利用すれば「相続開始時の口座残高×1/3×相続人の法定相続分」までの金額を引き出せます。
ただし、仮払い制度による各銀行の引き出し上限額は150万円なので、150万円を超えて引き出す場合は複数の銀行で手続きしなければなりません。

銀行口座の凍結とは?口座名義人の死亡後に解除する方法と必要書類

1-5 葬儀ローンを利用して支払う

葬儀費用は数十万円から100万円以上かかることも多いため、葬儀ローンによって分割払いすることも可能です。
まとまった現金を用意するのが難しい場合に利用を検討しましょう。

葬儀ローンの利用は葬儀社から行うのが一般的ですので、まずは確認してみることをおすすめします。
葬儀ローンには審査があることや審査には1日から数日程度かかる場合があることにもご注意ください。

1-6 カードローンを利用して支払う

カードローンによる借金はお金の使い道を問われないため、葬儀費用の支払いにも問題なく使用可能です。
カードローンの利用や借金に抵抗がある人もいるかもしれませんが、消費者金融の中には初回利用者の利息を取らない会社もあります。
そのため、借り入れ条件によっては先ほど紹介した葬儀ローンよりもお得な可能性があります。

故人の生命保険金が数日以内に振り込まれる場合など、まとまった現金を用意するアテがある場合はカードローンの利用を検討しても良いでしょう。

1-7 葬祭扶助制度を利用する

家族や親族が火葬費用や葬儀費用を捻出するのが難しい場合は、葬祭扶助制度の利用もおすすめです。
葬祭扶助制度とは、喪主や遺族が火葬費用や葬儀費用を支払えないときに国が負担してくれる制度です。

ただし、葬祭扶助制度はすべての人が利用できるわけではなく、遺族が経済的に困窮している場合や生活保護を受給中の場合のみ利用できます。
また、葬祭扶助制度を利用した場合、基本的に通夜や告別式は行われず火葬式(直葬)となります。

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2章 火葬費用や葬儀費用の相場

通夜や告別式を行わず火葬のみを行う直葬であれば、費用は10~20万円ほどかかることが多いです。
そして火葬だけでなく通夜や告別式を行うのであれば、葬儀の規模や参加者の人数によって費用が大きく変わります。

火葬費用や葬儀費用の相場は、下記の通りです。

火葬・葬儀の種類費用相場
火葬式(直葬)10~20万円
家族葬70~100万円
一般葬150~200万円

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 火葬式(直葬)の費用相場

通夜や告別式などを行わず火葬のみを行うのであれば、費用は10~20万円程度かかります。

火葬式(直葬)の費用の内訳は、主に①火葬場に支払う費用②葬儀社へ支払う費用です。
このうち、火葬場に支払う費用は利用した火葬場が公営か民営かで大きく変わってきます。
葬儀社へ支払う費用についても、契約したプラン内容やオプションの有無によって費用が変わってきます。

そのため、通夜や告別式は不要と考えたが、故人のためを思ってオプションを付けたら結果として高くなってしまったとなる可能性もゼロではありません。
火葬式を行い葬儀にかかる費用を抑えたいのであれば、予算を設定しその中でやりくりする意識を持つことも大切です。

2-2 家族葬の費用相場

限られた人数だけで行われる「家族葬」にかかる費用相場は70~100万円程度です。
家族葬の場合、参列者も知り合いが多いため気を遣わずに葬儀を行えるため、喪主の負担が少ないメリットもあります。

ただし、家族葬では参列者が少ないため、香典が少なくなり費用のほとんどを家族や親族で支払うケースも珍しくありません。

2-3 一般葬の費用相場

家族や親族だけでなく、故人の友人知人や職場関係の人にも参列してもらう「一般葬」にかかる費用相場は150~200万円程度です。
一般葬では通夜と告別式の2日に渡って行うため、寺院費用や会食費用も2日分かかります。

想定以上の人数が参加すると、予定より費用がかさんでしまう可能性がある点や葬儀の規模が大きくなったことにより喪主の負担が増えてしまう恐れにも注意しておきましょう。

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3章 火葬費用・葬儀費用を抑える方法

家族や親族で火葬費用を工面するのが難しい場合、火葬費用や葬儀費用を少しでも抑えるように工夫することが大切です。
具体的には、下記の4つの方法を検討しましょう。

  1. 公営の火葬場を利用する
  2. 火葬式(直葬)を行う
  3. 必要ないサービスやオプションは断る
  4. 複数の葬儀社で相見積もりを出してもらう

それぞれ詳しく解説していきます。

3-1 公営の火葬場を利用する

火葬場には公営と民営があり、公営の方が費用が安くすむことがほとんどです。
ただし、公営の火葬場を利用する際には故人や遺族の住所地などで利用料金や利用の可否が変わってきます。

そのため公営の火葬場を利用する際には、火葬場もしくは提携している葬儀社に問い合わせて利用条件や費用について確認してみるのが良いでしょう。

3-2 火葬式(直葬)を行う

火葬費用や葬儀費用を少しでも抑えたい場合は、火葬式(直葬)を行いましょう。
葬儀の規模が大きくなり参列者が増えればそれだけ費用がかさむからです。

火葬式(直葬)であればプランの内容やオプションの有無にもよりますが、10~20万円程度ですむこともあります。

3-3 必要ないサービスやオプションは断る

葬儀や火葬にはいくつかのランクが用意されていることや各種サービスが用意されていることが多いです。
こういったサービスやオプションのうち、必要がないものを断ればその分だけ火葬費用や葬儀費用を節約可能です。

葬儀社や火葬場の中には、あらかじめオプションやサービスを含めた見積書を用意する場合もあるため、見積書の内容を確認し不明点は問い合わせてみるのが良いでしょう。
問い合わせた結果、故人や自分たちに不要なサービスであると判断した場合は抜いてもらえば費用を抑えられます。

3-4 複数の葬儀社で相見積もりを出してもらう

火葬や葬儀をする際には、複数の葬儀社で相見積もりを出してもらいましょう。
相見積もりを出してもらえば、最も費用の安い葬儀社を選ぶこともできますし、同価格帯でもより自分たちの希望に合う葬儀社を選べる可能性があるからです。

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まとめ

火葬費用や葬儀費用を支払うのが難しい場合は、喪主や施主だけでなく親族全体で費用を分担することも検討しましょう。
他には亡くなった人の生命保険金や遺産から火葬費用、葬儀費用を支払うのでも問題ありません。

ただし、銀行が口座名義人の死亡を確認すると、故人の銀行口座を凍結してしまうのでご注意ください。
銀行口座が凍結された場合は、一定額までであれば仮払い制度を利用して故人の預貯金を引き出し可能です。
故人の預貯金を全額引き出したい場合は、必要書類を揃え預貯金の解約手続きを行うしかありません。

火葬費用や葬儀費用の支払いや遺された家族での生活に不安を感じている場合は、相続手続きを速やかに完了させ故人の遺産を活用していきましょう。
相続手続きを自分たちで行うのが難しい場合や何から行えばよいかわからない場合は、相続に詳しい司法書士や行政書士に相談することをおすすめします。

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