兄弟名義の土地に家を建てることはできる?トラブル例も解説

兄弟名義の土地に家を建てることはできる?トラブル例も解説
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この記事でわかること

  • 兄弟名義の土地に家を建てることはできるのか
  • 兄弟名義の土地に家を建てるメリット・デメリット
  • 兄弟名義の土地に家を建てたことにより起きるトラブル例

兄弟名義の土地に家を建てること自体は法律上認められており、建物と土地の名義が異なるケースも珍しくありません。
しかし、家は一度建てたら簡単には動かせないため、土地の権利関係が複雑な場合は将来トラブルにつながる可能性もあります。

特に、名義人が亡くなった後には権利関係が大きく変化するので、慎重に判断することが大切です。
本記事では、兄弟名義の土地に家を建てる際に知っておくべきメリット・デメリット、起こりやすいトラブルについて解説します。


1章 兄弟名義の土地に家を建てることは可能

結論を言うと、兄弟名義の土地に家を建てることは可能です。
日本の不動産制度では、「土地」と「建物」の名義は一致していなくても問題なく、建築確認も取得できますし、建物登記も行えます。

例えば、兄が所有する土地の上に弟が自宅を建て、建物のみ弟名義で登記することも法律上認められています。
法律上は、使用貸借という契約に基づいて、弟が兄の土地を無償で借りている扱いになります。

ただし、土地と建物の名義が異なるケースでは、トラブルが起きるリスクもあるので、建築時には慎重に判断しなければなりません。

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2章 兄弟名義の土地に家を建てるメリット・デメリット

兄弟名義の土地に家を建てれば、使用していない土地を有効活用できる一方で、デメリットもあります。
本章では、兄弟名義の土地に家を建てるメリットとデメリットを見ていきましょう。

2-1 兄弟名義の土地に家を建てるメリット

兄弟名義の土地に家を建てるメリットは、主に以下の通りです。

  • 土地代が不要なため初期費用を大きく抑えられる
  • 使用していない土地を有効活用できる

建物を建てる側のメリットとしては、土地を新たに購入する必要がなく、住宅取得にかかる総費用を大幅に節約できます。
昨今、土地価格は高騰しており、都市部では土地代だけで数千万円に達することも珍しくありません。兄弟名義の土地を利用すれば、建築費に資金を集中し、理想の住まいを実現しやすくなるでしょう。

また、土地の所有者側にとっても使用しておらず管理コストのみかかっている土地を使用してもらえるメリットがあります。

2-2 兄弟名義の土地に家を建てるデメリット

兄弟名義の土地に家を建てると、以下のようなデメリットもあります。

  • 住宅ローン審査が厳しくなる可能性がある
  • 兄弟の関係悪化につながるリスクがある
  • 相続が発生すると状況が一変する可能性がある

建物を建てる本人が土地を所有していない場合、金融機関は返済不能時の担保価値を確認しづらく、住宅ローン審査が厳しくなる傾向があります。

また、土地名義人と建物所有者が異なると、「固定資産税は誰が払う?」「使用料はどうする?」といった問題が発生することも多々あります。曖昧なまま家を建てると、後から意見が食い違い、関係が悪化するケースもあるでしょう。

加えて、土地や建物の名義人が亡くなると、その不動産は相続財産となり、相続人が複数いる場合は共有状態になります。
相続人が不動産の売却を希望した場合など、立ち退きトラブルに発展する恐れもあります。


3章 兄弟名義の土地に家を建てたことにより起きるトラブル例

兄弟名義の土地に家を建てると、土地と建物の名義人が異なる状態になり、以下のようなトラブルが起きる恐れがあります。

  • 兄弟に立ち退きを求められる
  • 住宅ローンの審査が通らない
  • 固定資産税を誰が支払うかで揉める
  • 相続発生時に揉める

それぞれ詳しく解説していきます。

3-1 兄弟に立ち退きを求められる

もっとも深刻なトラブルのひとつが、土地の名義人である兄弟から突然立ち退きを求められるケースです。

そもそも土地は兄弟の所有物であり、無償で使用貸借をさせてもらっているだけでは、建物所有者であっても法的に強い立場には立てません。
賃貸借であれば借地借家法という法律で借り手は手厚く保護されていますが、使用貸借にはその規定は適用されないので、兄弟が気が変わり「土地を売りたい」「自分も使いたい」と言い出すと、建物所有者は立場が非常に弱くなります。

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3-2 住宅ローンの審査が通らない

建物を建てる本人が土地を所有していない場合、金融機関にとっては担保価値が不安定になるため、住宅ローン審査はどうしても慎重になります。
特に、兄弟名義の土地は、親名義の土地よりも金融機関が「安定性に欠ける」と判断しやすいため、審査が通りにくい傾向があります。

住宅ローン審査時に、金融機関は土地名義人の同意書や借地契約、地代設定、契約期間などを厳しくチェックします。
場合によっては、審査に時間がかかったり、審査に落ちてしまう可能性もあるでしょう。

3-3 固定資産税を誰が支払うかで揉める

土地には毎年「固定資産税」が課税されますが、その納税義務者は土地の所有者です。
しかし、家を建てて住むのは建物所有者であるため、「固定資産税をどちらが払うべきか」という問題で揉めることが多くあります。

  • 「土地の所有者(名義)は兄だから、固定資産税も兄が払うべきだ」と主張する弟
  • 「実際にその土地住んでいるのは弟なんだから、固定資産税は負担してほしい」と主張する兄

このように立場によって意見が食い違い、後々不満が蓄積して関係悪化につながるケースが珍しくありません。
特に、固定資産税を誰が負担するか事前に決めていない場合、数年後に突然請求されたり、遡って支払いを求められたりするといったトラブルも起こり得ます。

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3-4 相続発生時に揉める

兄弟名義の土地利用に大きなリスクが生じるのが、名義人である兄弟が亡くなったときです。
土地が相続財産となり、兄弟の配偶者や子供など複数の相続人がその土地の権利を取得します。

建物を建てていたとしても、その土地に長く住んでいたとしても、土地が「他人の共有物」になり立ち退きを命じられる恐れもあるでしょう。

土地の名義人が亡くなると、以下のような問題が生じることもあります。

  • 使用貸借や賃貸借契約の継続を拒否される
  • 地代の値上げや契約条件変更を求められる
  • 土地を売却したいと言われる
  • 相続人同士が土地の処分で揉め、交渉に巻き込まれる

このように、相続をきっかけに立ち退き問題に発展することもあり、兄弟が存命のうちは良好だった関係が悪化する事例も多く見られます。

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4章 兄弟名義の土地に家を建てるときに確認すべきこと

兄弟名義の土地に家を建てる際には、以下のような情報を確認しておきましょう。

  • 土地の名義は誰なのか
  • 固定資産税を誰が負担するのか
  • 兄弟同士の合意をどのような形で残すのか
  • 土地・建物の所有者が亡くなったときはどうするか

それぞれ詳しく解説していきます。

4-1 土地の名義は誰なのか

最初に絶対確認すべきことは、土地の名義人と持分割合です。
誰が所有者なのか、共有の場合は「兄が3分の2、弟が3分の1」といったように、持分の割合はどうなっているのかを必ずチェックしておきましょう。

「兄の単独名義だと思っていたが、実は兄弟全員の共有状態だった」という可能性もゼロではありません。

共有名義の不動産は、名義人全員が同意しないと活用や売却が難しくなります。
兄弟複数人で土地を共有状態で所有している場合には、将来的なトラブルを避けるためにも、建物を建てる際は慎重に判断しなければなりません。

4-2 固定資産税を誰が負担するのか

兄弟名義の土地に家を建てた場合、固定資産税は誰が負担するのかも必ず確認しておきましょう。

土地にかかる固定資産税は、あくまで名義人が納税義務者とされています。
しかし、実際に土地を利用して家を建てるのは兄弟であるというケースでは、双方の間で費用負担を明確にしておかないとトラブルに発展します。

取り決め内容として考えられるのは、主に下記の通りです。

  • 名義人が全額負担する
  • 家を建てる側が実質的利用者として負担する
  • 年額の半分を折半する
  • 地代の中に固定資産税相当分を含める

どれが正解というわけではなく、兄弟の関係性や経済状況によって妥当な形は異なります。
いずれにせよ、曖昧なままにしておくと後から「固定資産税の支払いを求められた」「何年も遡って請求された」といった問題が起きるため、建築前に必ず話し合い、文書にまとめておきましょう。

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4-3 兄弟同士の合意をどのような形で残すのか

土地の使用に関する合意は、兄弟同士であっても必ず書面で残しておくことをおすすめします。
契約書には、以下のような内容を盛り込むと安心です。

  • 契約期間
  • 地代の有無や金額、支払方法
  • 固定資産税の負担者
  • 増改築の可否
  • 契約終了時の扱い(立退料の有無など)

兄弟だからといって曖昧にせず、第三者に見せても誤解のないレベルで契約内容を明記しておくと安心です。

4-4 土地・建物の所有者が亡くなったときはどうするか

相続トラブルを避けるためにも、土地や建物の所有者が亡くなったときの承継先も考えておきましょう。
可能であれば、遺言書の作成など相続対策をしておくこともおすすめします。


5章 兄弟名義の土地に家を建てる際にしておきたい相続対策

兄弟名義の土地に家を建てる際には、万が一の事態に備え、以下のような方法で相続対策をしておくと良いでしょう。

  • 遺言書の作成
  • 家族信託の利用
  • 生前贈与

それぞれ詳しく解説していきます。

5-1 遺言書の作成

土地や建物の所有者が亡くなったときに相続トラブルが起きるのを防ぐために、遺言書を作成しておきましょう。
遺言書があれば、土地や建物を誰に相続させるかを指定できます。

例えば、兄名義の土地の上に弟が自宅を建てる場合、兄が遺言書で「土地は弟に相続させる」「土地を弟に使用させることを相続人に承継させる」といった内容を残すことで、弟が住み続ける権利を守りやすくなります。

遺言書がない場合、土地や建物は故人の配偶者や子供などの法定相続人に分割され、共有状態になってしまいます。
共有者が増えると、土地の使用などについて意見が割れやすく、故人の兄弟が住み続けることが難しくなる可能性もあるでしょう。

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5-2 家族信託の利用

家族信託の基本的な仕組み

土地の所有者が生きているうちから土地の管理や運用、処分を任せたいのであれば、家族信託を利用しましょう。
家族信託とは、信頼する家族に自分の財産の管理や運用、処分を任せる制度です。

家族信託を利用するメリットは、主に以下の通りです。

  • 土地の所有者が認知症になっても土地の管理や利用を継続できる
  • 土地や建物の所有者が亡くなった際に、不動産を受け継ぐ人物を指定できる

家族信託は遺言と異なり、自分だけでなく、さらにその次の世代の財産の承継先も指定できる点がメリットです。
例えば、家族信託を利用すれば土地の承継先を「兄 →弟→兄の子供」といったように長期的に指定できます。

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5-3 生前贈与

生前贈与によって、兄弟から土地を譲り受ければ、相続トラブルも回避できます。
生前贈与をすれば、土地と建物の名義人が異なる状態も解消されるので、住宅ローン審査も通りやすくなるでしょう。

ただし、年間110万円を超える贈与を受けると、贈与税が課税される恐れがあります。
土地の評価額によっては、贈与税の負担が重くなるので、事前に税額をシミュレーションしておきましょう。

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まとめ

兄弟名義の土地に家を建てることは可能ですが、土地の所有者と建物の所有者が異なることで、住宅ローン審査が通りにくくなったり、固定資産税を誰が負担するかで揉めてしまう恐れがあります。

このようなトラブルを避けるために、事前に契約内容を明確にし、固定資産税や地代の扱いを文書化することが大切です。
また、遺言書や生前贈与などで、相続発生後の対策もしておくことをおすすめします。

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よくあるご質問

兄の土地に家を建てると贈与税はかかりますか?

兄の土地に家を建てる場合、贈与税がかかるかどうかはケースバイケースです。
基本的に、兄の土地に弟や妹が家を建てただけでは、すぐに贈与税が課せられるわけではありません。
建物は弟の名義で登記されますし、土地自体は兄の所有のままだからです。
一方、兄が土地の所有権の全部または一部を弟や妹に移した場合には贈与税が課せられる可能性があります。

兄の土地に家を建てる場合でもローン審査は通りますか?

結論として、兄名義の土地でも住宅ローン審査を通すことはできます。
しかし、通常より厳しくなると考えておきましょう。
多くの金融機関は建物を建てる人物と土地の名義人が異なることをリスクとしてとらえるためです。
兄弟間の場合は、親名義の土地に建てるケースよりも金融機関が慎重になるといわれているのでご注意ください。

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