土地の所有者を調べるときには法務局で登記簿謄本を取得する、もしくはインターネットで登記情報提供サービスを確認するのがおすすめです。
なお、登記簿謄本の取得やインターネットで登記情報提供サービスを確認するのは、土地の所有者や家族以外の第三者でも可能です。
登記簿謄本の取得や登記情報提供サービスを確認する際には、事前に調べたい土地の地番を確認しておきましょう。
また、土地の所有者確認後に土地の名義変更手続きをしたい場合は、土地の所有者確認を司法書士に依頼するのがおすすめです。
司法書士であれば、土地の所有者を調べるのはもちろんその後の名義変更手続きまで一括で対応できます。
本記事では、土地の所有者を調べる方法を解説します。
目次
1章 土地の所有者を調べる方法とは
土地の所有者を調べる際には、登記簿謄本の取得や登記情報提供サービスの利用がおすすめです。
また、土地の所有者を調べるだけでなく土地の名義変更手続きまで行う予定であれば、司法書士に土地の所有者を調べてもらうのが良いでしょう。
土地の所有者を調べる方法は、主に下記の3つの方法があります。
- 法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する
- インターネットで登記情報提供サービスを利用する
- 司法書士に依頼する
それぞれの方法について詳しく解説していきます。
1-1 法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する
土地や建物など不動産の所有者は誰か調べる際には、法務局で登記簿謄本を取得するのが確実です。
登記簿謄本や登記事項証明書の取得は、土地の所有者や家族以外の第三者でも行えます。
例えば、相続した土地の所有者を確認したい場合や土地に関する書類を取得したい場合は、登記簿謄本を取得するのが良いでしょう。
登記簿謄本には所有者をはじめとする不動産に関する様々な情報が記載されています。
基本的には、登記簿謄本に記載されている「名義人」が土地の所有者となりますが、中には名義人に記載されている人物以外が土地を所有している場合もあるのでご注意ください。
例えば、名義人がすでに亡くなっているものの名義変更が行われていないケースや土地の贈与が行われたにもかかわらず名義変更されていないケースでは、名義人と現在の所有者が異なる可能性もあります。
登記簿謄本を取得する方法は、下記の通りです。
取得できる人 | 誰でも可能 |
取得先 | 全国各地の法務局 (オンラインや郵送でも請求可能です) |
費用 | 1通につき600円(窓口請求の場合) |
必要なもの | 特になし (土地の地番や建物の家屋番号がわかるとスムーズです) |
1-2 インターネットで登記情報提供サービスを利用する
登記簿謄本を取得する必要はなく、単純に土地の所有者のみを確認したいのであれば、インターネットで登記情報提供サービスを利用するのが手軽でおすすめです。
登記情報提供サービスとは、インターネット上で登記されている情報を確認できるサービスです。
登記情報提供サービスには当日限り利用できる「一時利用」と継続的に利用する人向けの「個人利用」が用意されています。
一次利用は申し込みした日に登記内容を閲覧できますが、個人利用は申し込みから利用できるまでに1週間程度かかるのでご注意ください。
一次利用もしくは個人利用を申し込む流れは、下記の通りです。
- 必要事項を入力して利用者登録を行う
- 対象となる土地の地番を入力する
- 登記情報の請求および決済をする
なお、登記情報提供サービスを利用して登記内容を確認する際には、下記の費用がかかります。
- 登記内容をすべて確認する:332円
- 不動産の所有者情報のみを確認する:142円
上記の他に、初回登録時には300円の登録手数料がかかります。
1-3 司法書士に依頼する
先ほど解説したように、登記簿謄本の取得や登記情報サービスによる確認は、土地の所有者だけでなく誰でも行えます。
そのため、司法書士に土地の所有者確認を依頼することも可能です。
とはいえ、土地の所有者情報の確認のみをしたいのであれば、わざわざ報酬を払ってまで司法書士に依頼する必要性は薄いでしょう。
しかし、土地の所有者を確認した後に名義変更が必要な場合は、司法書士に所有者の確認を依頼するのもおすすめです。
司法書士であれば、土地の所有者を調べるだけでなく、その後の名義変更手続きまで一括で対応可能です。
2章 土地の地番を調べる方法
インターネットで登記情報提供サービスを利用する際には、所有者を調べたい土地の地番が必要です。
また、法務局にて登記簿謄本を取得する際にも地番を知っていれば土地を特定しやすくなります。
土地の地番を調べる方法は、主に下記の通りです。
- ブルーマップを活用する
- 法務局に問い合わせる
- 公図を確認する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1 ブルーマップを活用する
地番を調べる方法のひとつに、株式会社ゼンリンが出版しているブルーマップを活用する方法があります。
ブルーマップとは、住宅地図に地番に関する情報を重ねたものであり、青色で印刷されているためブルーマップと呼ばれます。
ブルーマップは自分で購入するだけでなく、各法務局では管轄する土地のブルーマップを閲覧可能です。
ブルーマップで地番を自分で確認するのが難しい場合は、法務局にて職員が手伝ってもらえます。
なお、法務局に設置されているブルーマップは閲覧のみであり、コピーすることはできません。
2-2 法務局に問い合わせる
法務局に行ってブルーマップを閲覧するのが難しい場合は、法務局に電話で問い合わせると地番を教えてもらえる場合があります。
ただし、すべての法務局で地番に関する問い合わせを行っているわけではないですし、電話で土地に関する情報や場所を正確に伝えなければならない点に注意が必要です。
法務局に行くことができるのであれば、電話ではなく直接訪問して地番を特定するのが確実です。
2-3 公図を確認する
公図とは法務局に備え付けられている図面であり、土地の地番や形状、大きさを確認できます。
ただし、公図から地番を特定するには、一般的な地図と公図を比較した上で公図上で調べたい土地の場所を特定しなければなりません。
公図を読み解くのに慣れていない人が地番を特定するのは難しいので、他の方法が可能であればそちらで地番を特定するのが良いでしょう。
3章 土地の名義人と所有者が異なるときの対処法
本記事の1章で解説したように、土地の名義人=所有者が原則ですが、土地の状況によっては登録されている名義人と所有者が異なる場合があります。
土地の名義人と所有者が異なる場合は状況を整理して、現在の所有者にいたるまでの名義変更を遡って行わなければなりません。
例えば、亡くなった父が所有していた土地の所有者を調べたら、名義人が祖父だった場合を考えてみましょう。
このようなケースでは、そもそも祖父から父へと土地の名義変更が行われていないと推測でき、①祖父から父と②父から自分と2回分の登記申請をしなければなりません。
先祖代々にわたり登記申請が行われていなかった場合は、登記申請に必要な書類の数も多くなりますし、古い戸籍謄本の収集が必要な場合もあり、自分で行うのは現実的ではありません。
そのため調べた結果、土地の名義人と所有者が異なった場合は、状況を把握し必要な手続きを行うために司法書士に相談するのが良いでしょう。
まとめ
土地の所有者を調べるには、法務局で登記簿謄本を取得する、もしくはインターネットで登記情報提供サービスを利用するのがおすすめです。
土地の所有者を調べた後に名義変更手続きを行いたいのであれば、司法書士に所有者を調べる段階から依頼してしまっても良いでしょう。
なお、土地の所有者を調べた結果、登録されている名義人と実際の所有者が異なる場合は、状況やこれまでの経緯を詳しく調査する必要があるため、司法書士に相談するのがおすすめです。
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よくあるご質問
土地の所有者を調べる方法とは?
土地の所有者を調べる方法は、主に下記の通りです。
・法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する
・インターネットで登記情報提供サービスを利用する
・司法書士に依頼する土地の所有者を調べるのにかかる費用は?
法務局で登記簿謄本を取得して土地の所有者を調べる場合、窓口請求をすると1通につき600円かかります。