抵当権抹消登記と相続登記は同時にできる?申請の順番について解説

抵当権抹消登記と相続登記は同時にできる?申請の順番について解説
facebookでシェアする Twitterでシェアする このエントリーをはてなブックマークに追加する LINEでシェアする
司法書士山中泉

 監修者:山中泉

この記事を読む およそ時間: 3
この記事でわかること

  • 抵当権抹消登記と相続登記は同時にできるのか
  • 抵当権抹消登記と相続登記を申請する順番
  • 抵当権抹消登記・相続登記の申請方法

相続登記とは、故人名義となっている不動産を、相続人名義に変更するための登記手続きです。
抵当権抹消登記とは、住宅ローンなどの完済によって消滅した抵当権の登記を、不動産登記簿から削除する手続きです。

不動産を相続する際、「抵当権の登記が残ったままになっているが、相続登記と同時に抹消できるのか?」と疑問に思う方は少なくありません。
実務上は同時申請も可能ですが、登記の順番を誤ると手続きが滞る恐れがあるのでご注意ください。

本記事では、相続登記と抵当権抹消登記を同時に行う際の進め方について解説します。

2024年4月から相続登記義務化!手続きしないとどうなる?

1章 抵当権抹消登記と相続登記は同時にできる?

相続登記と抵当権抹消登記は同時に申請することが可能です。
登記原因や必要書類が異なるものの、登記申請書を2通作成し、同時に法務局へ提出することで、ひとつの窓口でまとめて処理してもらえます。
ただし、実務的には「どちらを先に行うか」といった順番が重要です。

次の章では、抵当権抹消登記と相続登記を申請する順番についてケース別に解説していきます。

相続登記とは?義務化・手続き・必要書類・費用を司法書士が解説
抵当権抹消とは?手続き方法や必要書類・費用を登記のプロが簡単解説

2章 抵当権抹消登記と相続登記を申請する順番

抵当権抹消登記と相続登記を同時に申請する場合、抵当権がいつ消滅していたかが重要となります。
ケース別に詳しく見ていきましょう。

2-1 相続開始前に抵当権が消滅していた場合

相続が発生する前に住宅ローンを完済し、すでに抵当権の効力が消滅しているケースなどでは、①抵当権抹消登記を先に行う方法と、②相続登記を先に行う方法の両方が考えられます。

しかし、実務上は相続登記を先に行う方が望ましいでしょう。
抵当権抹消登記は登記名義人が行う必要があるため、故人名義のままでは申請手続きが煩雑になるからです。

そのため、まずは相続登記を行い、所有者を故人から相続人へ変更し、その後に抵当権抹消登記を申請すれば、書類の整合性がとれ申請がスムーズに進みます。

2-2 相続開始後に抵当権が消滅した場合

故人が住宅ローン返済中に亡くなり、住宅ローンが団体信用生命保険(団信)によって完済され、抵当権が消滅したようなケースでは、相続登記を行ってから抵当権抹消登記を行う必要があります。

抵当権が抹消されたタイミングは相続開始後であり、抵当権抹消登記の権利者となるのは相続人と考えられるからです。

抵当に入っている土地の名義変更手続き|土地相続時の選択肢とは

3章 抵当権抹消登記・相続登記の申請方法

抵当権抹消登記も相続登記も必要書類を揃え、不動産の住所地を管轄する法務局に提出します。
それぞれの申請方法や必要書類を見ていきましょう。

3-1 抵当権抹消登記の申請方法

抵当権抹消登記の申請方法や必要書類は、以下の通りです。

手続きする人
  • 不動産を相続した方
  • 代理人
手続き先 不動産の住所地を管轄する法務局
費用
  • 登録免許税:不動産の数1個あたり1,000円
  • 司法書士への報酬:1件につき10,000~20,000円程度
必要書類
  • 抵当権解除証書
  • 銀行からの委任状
  • 登記済権利証または登記識別情報通知
  • 登記申請書

代理人が申請する場合には、以下の書類も追加で必要

  • 登記申請に使用した印鑑
  • 受け取る人の免許証等の本人確認書類
  • 委任状
抵当権抹消手続きにかかる費用相場|司法書士に依頼すべき?

3-2 相続登記の申請方法

相続登記の申請方法や必要書類は、以下の通りです。

手続きする人
  • 不動産を相続した方
  • 代理人
手続き先 不動産の住所地を管轄する法務局
費用
  • 登録免許税:不動産の固定資産税評価額×0.4%
  • 司法書士への報酬:1件につき数万円程度
必要書類
  • 登記申請書(法務局HPからダウンロードできます)
  • 故人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 故人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 印鑑証明書
  • 遺言書

など

法務局での相続登記は難しい?自分で行う手順と司法書士に依頼するメリット

4章 抵当権抹消登記も相続登記も司法書士に依頼できる

抵当権抹消登記や相続登記は、どちらも司法書士に依頼できます。
自分で行うこともできますが、どちらを先に申請すべきか悩む方も多いですし、戸籍の収集や登記申請書の作成に時間を取られるケースも多く見られます。

特に、相続登記の場合、戸籍の不備や記載漏れ、遺産分割協議書の書き方の誤りなどで修正を求められることも少なくありません。

司法書士に依頼すれば、これらの手続きを一括で行ってもらえるため、登記の順番や必要書類の不備を気にする必要はなくなります。
「どちらを先にしたらいいかわからない」「法務局に行く時間が取れない」という場合は、司法書士に任せて確実に登記を完了させることをおすすめします。

【相続登記義務化】相続登記を司法書士に依頼するメリットデメリットを解説
相続登記h2バナー

まとめ

相続登記と抵当権抹消登記は同時申請が可能ですが、実務上では相続登記を先に行います。

相続登記や抵当権抹消登記はどちらも法務局にて行えますが、必要書類が多く、相続不動産の数や場所によっては手間がかかることもあるでしょう。

自分で手続きを進めるのが不安な場合には、司法書士に依頼すれば、登記の順番や必要書類の準備もすべて任せられます。

グリーン司法書士法人では、相続登記についての相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

お知らせ

           

YouTubeチャンネル「やまちゃんの5分でわかる相続チャンネル」がいよいよ9月1日から始動します!
高齢のご両親がいらっしゃる方にとって「相続」を考える必要があるけど、何から準備すればいいのかわからない。 そんな方に毎日5分観るだけで相続の全てを"やまちゃん先生"がわかりやすく解説します。

遺産相続の無料資料請求

この記事を読む およそ時間: 3

遺産相続の無料資料請求

  • 遺産相続の流れ
  • 相続人調査
  • 相続関係説明図の作成
  • 要注意の相続のケース
  • 遺産分割協議書の作成
  • 名義変更手続の方法
  • 相続税の申告
  • 遺言書の作成
  • 後見について
  • 贈与について

相続について話し合うきっかけに!

グリーン司法書士法人作成の遺産相続ガイドブックのイメージ

生前にする相続対策、亡くなってからの相続手続について、わかりやすく解説させていただいております。遺産相続ガイドブックが相続を自分の問題と捉えて、対策を始めるきっかけになったり、相続手続の手助けとなれば幸いです。

無料ダウンロードはこちら

相続登記h2バナー

不安なことは、
グリーン司法書士法人にご相談ください。
一緒に、最適な相続対策を考えていきましょう。

グリーン司法書士法人の強み

01
過去5年間の相続相談実績は約5,000件!
日本有数の実績で安心して任せられる。
02
サポート内容の広さと相談窓口の一元化を実現!
独自のネットワークでどこよりも早い迅速対応!
03
蓄積されたノウハウを元に相談者一人一人にあった提案が可能!

100名を超える相続のプロが徹底サポート

  • ・相続手続きといっても何から始めればいいのかわからない
  • ・しっかりとした遺言書を作成したい
  • ・認知症などの生前対策をしておきたいけどよくわからない

グリーン司法書士法人では相続に関する悩みや疑問をしっかりとお聞きし、理想の相続実現をサポートします。

相続に関して少しでも不安や疑問があればお気軽にお問い合わせください。

お電話での無料相談はお気軽にお問い合わせください。無料相談予約受付ダイヤルは0120-002-110

※「記事をみた」とお伝えください。

365日24時間いつでもメール無料相談