相続税申告って不要?不要かの確認方法と自己判断が危険なケース

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相続税の手続きを進めるなかで、

「相続税って、財産がそれほど多くなければ申告不要って聞いたけど、本当?」
「申告しなくて大丈夫だと思っていて、後から『申告が必要です』と指摘されることはない?」

と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、相続が発生したケースの約9割は、相続税の申告が不要です。

令和6年分の相続税申告状況にうち申告不要だった割合を表したグラフ

参考:国税庁「令和6年分相続税の申告事績の概要」

なぜなら、相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」分の基礎控除があるため、相続財産の課税価格がこの基礎控除額以下であれば、原則として相続税の申告は必要がないからです。

しかし、土地や骨董品など相続した資産の評価額を低く見積もっていたり、生命保険金や生前贈与など申告対象となる財産を見落としていたりすると、「基礎控除内だと思っていたのに、実際は申告が必要だった」ということになりかねません

実際に、自分では申告不要と思っていたものの、専門家に相談した結果、申告が必要と判明したケースもあります。

グリーングループへご相談いただいたあるご相談者様は、当初「基礎控除内に収まる」と考えていました。しかし、専門家が土地や建物の評価額を確認したところ、基礎控除額を50万〜60万円ほど上回り、相続税の申告が必要なケースであることが分かりました。

この方は、グリーングループへご相談いただいたため、申告が必要なことに気づけましたが、もし申告不要と自己判断していた場合、下記のような無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されていたかもしれません。

相続税の申告を放置したことによるペナルティ

そのため、「申告は不要だろう」と自己判断するのではなく、本当に基礎控除内に収まっているかを慎重に確認することが大切です。

そこで本記事では、相続税申告が不要かどうかを確認する4つのステップや、申告不要と自己判断すると危険なケース、相続税が0円でも申告が必要になる特例について解説します。

本記事を最後まで読めば、ご自身の状況で相続税申告が必要か不要かを判断できるようになります。ぜひ、最後までご覧ください。


1章 相続税申告が不要なケースは約9割!

実際に相続税の申告が必要になる人は全体の1割で、約9割の人は相続税の申告が不要です。

これは、相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」分の基礎控除があり、相続財産がこの基礎控除以内であれば、申告自体が不要となるためです。

【法定相続人の人数ごとの基礎控除額早見表】

法定相続人の人数ごとの基礎控除額早見表

実際に、国税庁が公表している令和6年分の統計によると、相続案件約160万件のうち、相続税の課税対象となったのは約16万6,000人で、全体の約10.4%でした。

ただし、この10.4%は実際に相続税が課税された割合です。5章でお伝えする配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用し、相続税額が0円となった申告は含まれていません。これらの「税額0円でも申告が必要なケース」も含めると、申告書が提出された割合は約12.9%です。

参考:国税庁「令和6年分相続税の申告事績の概要」

つまり、約9割の相続では相続税の申告が不要ということになります。

◆価値が分かりにくい財産を相続する場合は注意

特に、土地や有価証券、貴金属、骨董品など、価値が分かりにくい財産を相続する場合は注意が必要です。

相続人が「それほど価値はないだろう」と考えていた財産でも、相続税評価額や鑑定結果によっては想定以上の価値となり、基礎控除額を超えて相続税の申告が必要になるケースがあるためです。

例えば、都心やその近郊に自宅を所有している場合は、思いのほか土地の評価額が高く、相続税の申告が必要になるケースも珍しくありません。

こうしたケースについては、後述の「3章 申告不要と自己判断すると危険な4つのケース」で詳しくご紹介します。

このように、約9割の相続では申告不要ですが、自分が申告不要に当てはまるかどうかは、財産の内容や相続人の人数によって異なります。そのため、自己判断せず、まずは申告が必要かどうかを確認することが大切です。

相続税の申告が必要になるケースについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

相続税が課税される人は約1割!想定よりかかる割合と対策

2章 相続税申告が不要かどうか確認する方法4ステップ

「9割は不要とはいえ、自分はどうなんだろう?」と気になる方も多いでしょう。そこでここからは、相続税申告が不要かどうか確認する方法をお伝えします。

相続税の申告が必要かどうか判断するには、次の4ステップで確認します。

【ステップ1】基礎控除額を計算する
【ステップ2】相続財産を洗い出し、評価額を算出する
【ステップ3】課税価格を計算する
【ステップ4】課税価格が基礎控除額以内か確認する

この4ステップ目で、遺産の課税対象となる価格(課税価格)が「基礎控除」の範囲内に収まっていれば、基本的に相続税の申告は不要です。では、1つずつ確認していきましょう。

2-1 【ステップ1】基礎控除額を計算する

最初に相続税の基礎控除を計算します。

基礎控除額は、以下の計算式で求められます。

【相続税の基礎控除】

 

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

相続税の基礎控除額の例

例えば、法定相続人が3人(配偶者と子供2人)の場合、相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」となります。

この場合、ステップ2で計算する課税価格が4,800万円以内であれば、相続税は申告不要です。

相続税の基礎控除については、以下の記事でも詳しく解説しています。

相続税の基礎控除とは?計算や控除の仕組みをわかりやすく解説

2-2 【ステップ2】相続財産を洗い出し、評価額を算出する

続いて、相続財産を漏れなく洗い出し、それぞれの評価額を算出します。

課税価格は相続財産の評価額をもとに計算するため、相続財産を漏れなく把握し、各評価額を正しく算出することが重要です。

まず相続財産を洗い出す際は、下記のように相続税の対象となる財産だけでなく、差し引ける財産も確認します。主な内容は以下のとおりです。

プラス相続とマイナス相続になる相続財産の例

【課税価格のもととなるプラス財産とマイナス財産】

プラス財産
本来の相続財産亡くなった人が所有していた財産
(例:土地や建物、預貯金、有価証券など)
みなし相続財産亡くなった時点では被相続人の財産ではないが、相続税では相続財産と同様に扱われる財産
(例:死亡保険金や死亡退職金など)
相続時精算課税制度による贈与財産(※)生前に「相続時精算課税制度」を利用して贈与された財産
生前一定期間内に贈与された財産(※)亡くなる前の一定期間内に贈与された財産
マイナス財産
非課税財産相続で取得しても相続税がかからない財産
(例:墓地・仏壇、一定額までの死亡保険金・死亡退職金など)
債務・葬式費用亡くなった人の借入金や未払い金などの負債や、葬儀にかかった費用

※なお、相続時精算課税制度による贈与財産や生前一定期間内に贈与された財産は、申告が必要かどうかを判断する際に見落としやすいポイントです。これらについては「3章 申告不要と自己判断すると危険な4つのケース」で詳しく解説します。

洗い出した財産は、財産ごとに定められた方法で評価額を算出します。評価方法は財産の種類によって異なり、国税庁の「財産評価基本通達」で定められています。

例えば、預貯金は預貯金残高、不動産は相続税評価額、有価証券は一定の評価方法によって金額を算出します。

このように、課税価格を正しく算出するためには、相続財産を漏れなく洗い出し、それぞれの評価額を正しく算出することが大切です。

2-3 【ステップ3】課税価格を計算する

次に、ステップ2で算出した評価額をもとに、課税価格を計算します。

課税価格が基礎控除額を超えるかどうかで、相続税の申告が必要かどうかを判断します。 

課税価格の計算式は次のとおりです。

【課税価格の計算式】

 

(本来の相続財産+みなし相続財産+相続時精算課税制度による贈与財産+生前一定期間内に贈与された財産)-(非課税財産+債務+葬式費用)=課税価格

実際に、評価額をもとに課税価格を計算すると次のようになります。

【相続財産の課税価格計算例】

 

◆プラス財産

  • 本来の相続財産:4,000万円
  • みなし相続財産(死亡保険金など):500万円

 

◆マイナス財産

  • 非課税財産:200万円
  • 債務・葬式費用:300万円

 

◆課税価格の計算

プラス財産(4,000万円+500万円)-マイナス財産(200万円+300万円)
=課税価格4,000万円

このように、評価額をもとに課税価格を算出したら、次のステップで基礎控除額と比較します。

参考:国税庁「No.4152 相続税の計算」

2-4 【ステップ4】課税価格が基礎控除額以内か確認する

最後に、ステップ1で算出した基礎控除額と、ステップ3で算出した課税価格を比較します。

課税価格が基礎控除額以内であれば、原則として相続税の申告は不要です。一方、課税価格が基礎控除額を超える場合は、原則として相続税の申告が必要になります。

例えば、

 

  • 基礎控除額:4,800万円
  • 相続財産:3,500万円

 

であれば、課税価格が基礎控除額以内のため、相続税の申告は不要です。

 

一方、

 

  • 基礎控除額:4,800万円
  • 相続財産:5,000万円

 

の場合は、課税価格が基礎控除額を超えるため、原則として相続税の申告が必要です。

このように、4つのステップで申告が必要かどうかを判断できます。

◆次のケースは自己判断せず慎重に確認しましょう

ただし、下記のような場合は、相続税の要否を自己判断で決めてしまうと、申告漏れや特例の適用ミスにつながるおそれがあるため、慎重に確認する必要があります。

  • 故人の資産について詳しく知る人がいない
  • 評価が難しい財産が含まれている
  • 一定期間内の贈与を受けている
  • 生前に相続時精算課税制度を利用している

これらのケースについては、「3章 申告不要と自己判断すると危険な4つのケース」で詳しく解説します。

また、配偶者控除や小規模宅地等の特例を利用することで「相続税額が0円になる場合」でも、特例を適用するためには相続税申告が必要です。「税金がかからないから申告も不要」と判断してしまうケースも多いため、注意しましょう。

特例を利用するケースについては「4章 配偶者控除や小規模宅地等の特例を利用するなら申告が必要なため注意」で詳しく解説しますので、合わせてご確認ください。


3章 申告不要と自己判断すると危険な4つのケース

相続税の申告が不要と自己判断すると、危険なケースが4つあります。
「相続税はかからない」と思っていても、把握していない財産が見つかったり、亡くなる前に受けた贈与が影響したりして、実は申告が必要になるケースがあるためです。

具体的には、以下のようなケースがあります。 

  • 把握できていない相続財産があった
  • 不動産やその他の財産に想定以上の価値があった
  • 相続開始前一定期間内の生前贈与があった
  • 相続時精算課税制度を利用していた

これらを見落とすと、本来は申告が必要だったにもかかわらず申告漏れとなり、後から追加で相続税や加算税・延滞税の納付が必要になる可能性があります。

そのため、ご自身に当てはまるケースがないか、一つずつ確認しておきましょう。

3-1 【ケース1】把握できていない相続財産があった

申告不要と自己判断すると危険なケースの一つ目が、把握していない相続財産が後から見つかるケースです。 

相続税は、すべての相続財産をもとに課税価格を計算しなければいけません。そのため、把握していない財産が後から判明すると、課税価格が基礎控除額を超え、申告が必要になる場合があります。

例えば、故人が資産の内容や保管場所を家族に伝えていなかったことで、相続人が知らない故人の預金口座や、過去に購入していた株式などが後から見つかることも決して少なくありません。

実際に、グリーングループにご依頼いただいたお客様の中には、タンスの下にあったお菓子の缶の中から2億円もの現金が出てきたことや、1本数百万円の価値がある日本刀、70万円の価値がある骨董品が自宅から見つかったこともありました。

このようなケースもあるため、相続税の申告が不要か判断する際は、把握している財産だけで判断せず、相続財産に漏れがないかを慎重に確認することが大切です。

💡 相続財産を漏れなく確認するためのポイント

 

相続財産を確認する際は、預金通帳や確定申告書、固定資産税の納税通知書、証券会社の取引報告書などを確認しましょう。

 

ご自身で調査するのが難しい場合や、漏れなく確認したい場合には、相続に精通した司法書士や行政書士に調査を依頼するのが良いでしょう。

相続財産について基礎から知りたい方は、以下の記事もご一読ください。

相続財産とは|対象の財産と対象にならない財産をわかりやすく解説

3-2 【ケース2】不動産やその他の財産に想定以上の価値があった

次に紹介するのは、相続した不動産や、故人が所有していたさまざまな財産に想定以上の価値があり、申告が必要となるケースです。

相続税は購入したときの価格や現在の売買価格ではなく、相続税評価額をもとに課税価格を計算します。そのため、自分では「それほど価値は高くない」と思っていた財産でも、相続税評価額では想定より高く評価されることがあります。

例えば、市街地の土地や利用状況によっては、想定より高い評価額となり、課税価格が基礎控除額を超えることがあります。

◆相続人が配偶者と子供1人の合計2人で、基礎控除が4,200万円の場合

「3,000万円程度だろう」と考えていた土地の評価額が6,000万円だと、基礎控除を大幅に超えるため申告が必要になります。

実際に、グリーングループで担当したお客様の中に、東京都のかつては栄えていなかったエリアの土地が、現在の評価額では1億円や2億円にまで跳ね上がっていたケースがありました。

そのほか、ただの古びた瓶だと思っていたものが鑑定の結果70万円の価値がある骨董品だと判明したケースや、故人が昔購入した金が現在の相場で査定すると5,400万円もの価値となり、それだけで基礎控除を大幅に超えてしまったケースもあります。

不動産や預貯金、骨董品など、相続した財産については「価値はそれほど高くなさそう」といった印象だけで判断せず、相続税評価額を確認したうえで申告の要否を判断しましょう。

3-3 【ケース3】相続開始前一定期間内の生前贈与があった

次に紹介するのは、故人が亡くなる前の一定期間内に行われた生前贈与を相続税の計算に含めず、申告不要と自己判断してしまうケースです。

相続開始前一定期間内(適用時期によって3年または7年)に相続人へ行われた贈与は、「生前贈与加算制度」により、原則として相続財産に加算して相続税を計算する必要があるためです。

例えば、亡くなる前の数年以内に、以下のようなお金や財産のやり取りがあった場合、その内容や金額によっては、相続税の計算対象に含まれることがあります。

【生前贈与の例】

 

  • 親から住宅購入資金としてまとまった金額の援助を受けた
  • 結婚・出産のタイミングで現金を受け取った
  • 親から車を無償で譲り受けた
  • 毎月生活費の仕送りを受けた など

そのため、亡くなる前の一定期間内に贈与があった場合は、相続税の申告が不要かどうかを慎重に確認することが重要です。

参考:国税庁「No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」

生前贈与加算について詳しく知りたい方は、以下の記事もご一読ください。

生前贈与加算とは?2023年の税制改正内容や対象者を解説

3-4 【ケース4】故人が相続時精算課税制度を利用していた

最後に紹介するのは、故人が生前に相続時精算課税制度を利用していたケースです。この場合も、申告不要と自己判断するのは危険です。

なぜならこの制度を利用した贈与分は、相続税の課税価格として計算する必要があるためです。

◆相続時精算課税制度とは

生前にまとまった金額の贈与(最大2,500万円まで)を受けても、贈与された時点では贈与税がかからない制度です。ただし、その後の相続の際に、その贈与された分も含めて相続財産としてまとめて計算し、相続税を精算しなければいけません。

相続時精算課税制度の対象のため相続税申告が必要になる例

例えば、遺産が基礎控除内だったため申告不要と判断していたものの、生前贈与2,000万円が相続時精算課税制度の対象だったため、その分が加算され、結果として相続税申告が必要になるケースがあります。

実際に、グリーングループにご依頼いただいた方の中には、相続手続きを進めるなかで、亡くなったお母さまが生前贈与や相続時精算課税制度を利用していたことが判明したケースもありました。このような場合、当初把握していた財産よりも相続税の計算対象となる財産が増え、相続税申告の要否を見直す必要が生じます。

そのため、生前にまとまった金額の贈与を受けていた場合は、相続時精算課税制度の利用有無も含めて過去の贈与を確認し、相続税申告の要否を慎重に判断することが重要です。

相続時精算課税制度については、以下の記事でも詳しく解説しています。

生前贈与は2500万円まで贈与税が非課税|相続時精算課税で節税は可能?

参考:国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」

「わが家は本当に申告不要で大丈夫?」と少しでも不安が残る方は、
一度専門家に相談しよう

ここまで読んで、「うちは本当に申告不要と言い切れるのかな」と、少しでも不安が残る方は、一度専門家に確認してもらうのが一番の近道です。

お伝えしてきたとおり、相続税の要否を判断するには、自分では気づきづらい危険なケースが潜んでいることもあります。

もし自己判断が間違っていて、後から税務署に「やっぱり申告が必要だった」と指摘された場合、ペナルティとして余計な税金がかかってしまうリスクもあります。ペナルティの内容については、「5章 相続税申告が不要か判断が難しい場合は専門家へ相談しよう」で解説しています。

このようにならないためにも、専門家へ直接状況をお話しいただくことで、それまでの複雑な疑問や懸念点が短時間で整理できます。

実際、グリーングループにご相談いただいた方の中には、財産総額が基礎控除額とほぼ同額で判断に迷っていたものの、ご相談いただき申告の要否を整理できたケースもあります。

このように専門家に相談するだけで「わが家の場合は本当に申告が不要なのか」という判断ができ、これから具体的に何をすればいいかがはっきりと分かるでしょう。

グリーングループでも、気軽にご利用いただける90分の無料オンライン相談(全国対応・土日も受付)を実施しています。

相談したからといって依頼しなくても問題ありません。まずはお気軽にお問い合わせください。

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4章 配偶者控除や小規模宅地等の特例を利用するなら申告が必要なため注意

配偶者控除や小規模宅地等の特例を利用する場合は、相続税の申告が必要です。

・配偶者控除:配偶者が相続する財産について、一定額まで相続税がかからなくなる制度

▼詳細はこちら

相続税の配偶者控除とは?1.6億円まで非課税になる制度を徹底解説

・小規模宅地等の特例:自宅などの土地の評価額を大きく減らせる制度

▼詳細はこちら

小規模宅地等の特例とは?要件や計算例、手続きをわかりやすく解説

これらの制度は期限内に申告を行うことで適用されるため、結果として相続税が0円になる場合でも申告が必要になります。

例えば、配偶者が基礎控除を超える規模の財産を相続する場合でも、配偶者控除を適用することで相続税が0円になるケースがあります。しかし、この控除は申告を行うことで適用されるため、申告を行わない場合は控除が受けられず、相続税が発生する可能性があります。

なお、これらの制度を適用せずとも、相続税の対象にならないなら申告は一切不要です。

配偶者控除や小規模宅地等の特例を利用する場合は、相続税が0円になる場合でも申告を行わなければ特例が適用されないためご注意ください。

参考:国税庁「No.4158配偶者の税額の軽減」国税庁「No.4124相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」


5章 相続税申告が不要か判断が難しい場合は専門家へ相談しよう

ここまで読んで、「自分は申告不要で合っているのだろうか」「自分だけで判断しても大丈夫だろうか」と感じた方は、相続税に詳しい税理士へ相談することをおすすめします。

お伝えしてきたように、相続税申告が必要かどうかは、相続財産の評価額や、生前贈与の有無、相続時精算課税制度の利用状況など、専門知識がなければ判断が難しい要素が数多くあるためです。

また、誤って「申告不要」と自己判断した場合、後から申告漏れが判明し、下記のようなペナルティが発生する可能性もあります。

申告が必要なのに申告しなかった場合のペナルティの例

例えば上記のように、税額100万円分の申告が必要にもかかわらず期限内に申告をせず、1年後に処理した場合、ケースによっては、約5万〜25万円の「無申告加算税」+「延滞税」が発生します。

中には、「少額であればばれないのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、基本的には税務署に把握されると考えたほうが良いでしょう。そして、税務署から無申告を指摘されると、本来納める税金に加えて、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課され、納税額が増えてしまいます。

税務署が相続税の申告漏れを把握できる理由や、無申告加算税・延滞税などのペナルティについては、「相続税がばれない方法はない!バレる4つの理由とペナルティを解説」で詳しくお伝えしています。

特に、次のようなケースでは、専門家に確認したうえで申告の要否を判断すると安心です。

【相続税申告の要否を専門家に相談したほうが良いケース】

 

  • 財産額が基礎控除額に近い
  • 土地や収集品、宝石、金など評価額が分かりにくい財産がある
  • 生前贈与を受けている
  • 相続時精算課税制度を利用している
  • 配偶者控除や小規模宅地等の特例を利用したい

相続税申告の要否を誤って判断すると、後から修正申告や追加納税が必要になる場合があります。少しでも判断に迷う場合は、専門家へ相談して、正しく申告の要否を確認しましょう。


6章 相続税申告が不要か迷ったら、グリーングループの90分無料相談をご利用ください

「本当に申告は不要なのか」「見落としている財産はないか」と少しでも不安が残る方は、一度グリーングループへご相談ください。

グリーングループでは、90分の無料オンライン相談を実施しています。現在の状況をお伺いしながら、相続税申告の要否を判断するために確認すべきポイントを整理します。

相続税申告が必要かどうか迷っている段階でもご相談いただけますので、「まだ資料が揃っていない」「何を確認すればよいか分からない」という方もお気軽にご利用ください。

◆グリーングループなら迷っている段階でも安心して相談できる3つの理由

・年間400件を超える相続税申告案件の手続き経験があるから
年間400件を超える相続税申告案件の手続きをサポートしており、日々さまざまな相続案件に携わっています。豊富な経験をもとに、見落としやすいポイントも確認しながら、申告が必要かどうかを適切に判断します。

・ご自身では気づきにくい財産や確認事項まで整理するから
相続税申告の判断には、手元の書類だけではなく、故人様の財産状況やご家族からのお話も重要です。グリーングループでは、預貯金や不動産などの財産だけでなく、資産管理の状況や生前のお金の動きなども確認しながら、申告要否を判断します。

・資料が揃っていない状態でも相談できるから
「まだ必要な書類が分からない」「何から準備すればいいか分からない」という状態でも問題ありません。現在分かる範囲で状況をお話しいただければ、専門スタッフが必要な確認事項を整理し、今後の対応を一緒に考えます。

実際にグリーングループへご相談いただき、不安を解消し、相続税申告の要否を確認した事例を2つご紹介します。

実際にグリーングループに相談いただいたお客様事例(1)

◆基礎控除内だと思っていたものの、専門家の確認で相続税申告が必要と分かった事例

亡くなったご主人の財産は、不動産と預貯金でした。相続人である奥様は、固定資産税評価証明書をもとに計算し、「基礎控除の範囲内に収まりそうだ」と考えていました。

しかし、「もし計算が間違っていて、申告漏れを指摘されたらどうしよう」という不安から、グリーングループへご相談いただきました。

そこで、不動産を相続税評価額で改めて確認したところ、財産総額が基礎控除額を50〜60万円ほど上回っていることが判明したのです。そのため、グループ内の相続税専門の税理士と連携し、相続税申告と不動産の名義変更を並行して進めました。

その結果、約5か月ですべての手続きを完了し、申告漏れの不安を解消したうえで、相続税申告や名義変更を進めることができました。

実際にグリーングループに相談いただいたお客様事例(2)

◆家族信託を含む複雑な財産を整理し、相続税申告が必要と正しく判断した事例

この事例では、自宅のほかに複数の土地や証券があり、財産の全体像が掴めていませんでした。さらに「家族信託」を設定していた財産もあり、仕組みの複雑さから申告の要否すら分からず、申告期限が近づくことに不安を感じていました。

そこで、グリーングループの司法書士が先に財産を詳しく調査し、家族信託の財産も含めた正確な財産目録を作成します。その結果、相続税の申告が必要であることが分かったため、連携する税理士へ引き継ぎ、相続税申告書の作成と不動産の名義変更を並行して進めました。

その後、複雑な財産調査から相続税申告、証券の現金化までを一括でサポートし、ご依頼者様に大きな負担をかけることなく約6か月で手続きを完了しています。

この事例の詳細は、「財産の詳細不明、家族信託も。相続税申告の要否不明の状況から、税理士と連携し手続きを完了させた事例」をご覧ください。

このように、グリーングループでは「申告が必要かどうか分からない」という段階からご相談いただけます。

「もしかすると、自分が知らない財産や見落としがあるかも」と思ったら、
まずはグリーングループへご相談ください。

「うちの親に限って生前贈与なんてないと思うけれど、本当は私が知らないだけかもしれない。」

「財産は預貯金と自宅だけだと思っているけれど、見落としているものがあるかもしれない。」

このように少しでも気になることがあれば、自己判断せず、お気軽にグリーングループへご相談ください。

グリーングループでは、自宅から気軽にご参加いただける90分の無料オンライン相談(全国対応・土日も受付)を実施しています。

「分からないことをちょっとだけ聞いてみたい」「まずは安心したい」という動機でも全く問題ありません。専用アプリの準備も不要ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

遺産総額が相続税の基礎控除を下回る場合には、相続税の申告は必要ありません。
ただし、相続財産には様々な種類があるので、遺産総額を計算する際には相続財産調査に漏れがないよう注意しなければなりません。

また、控除や特例を適用した結果、相続税がかからなくなったとしても、相続税申告が必要な場合もあるのでご注意ください。

相続税申告をはじめとする相続手続きに不安がある場合には、相続に精通した専門家に相談することをおすすめします。

グリーングループでは、相続手続きについての相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。


よくあるご質問

Q相続税申告では住民票や印鑑証明書の提出は不要ですか?
Aマイナンバー確認用の住民票を除き、住民票は原則不要ですが、遺産分割協議書を提出する場合(特例の適用時など)は、相続人全員の印鑑証明書が必須となります。
また、相続関係を証明する戸籍謄本等は必ず提出が必要です。
Q相続税申告では残高証明書の提出は不要ですか?
A法律で義務付けられているわけではありませんが、亡くなった日時点の正確な残高を証明するため、実務上は金融機関が発行する残高証明書を取得して添付するのが一般的です。
発行には数週間程度かかることもあるので、早めに準備しておくことをおすすめします。
Q相続税申告では遺産分割協議書の提出は不要ですか?
A法定相続分と異なる割合で遺産分割する場合や、配偶者控除の特例や小規模宅地等の特例を適用する場合には、遺産分割協議書を提出する必要があります。
一方、相続人が1人しかいない場合や、法定相続分で遺産を相続するのであれば遺産分割協議書の提出は必要ない場合があります。
Q遺産がいくらまでであれば相続税はかかりませんか?
A遺産総額が相続税の基礎控除内に収まれば、相続税はかかりません。
相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
ただし、遺産総額が基礎控除額を上回っていても、控除や特例を適用した結果、相続税がかからなくなるケースもあります。

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