NISA口座にある株式・投資信託にも相続税がかかる!評価方法とは

NISA口座にある株式・投資信託にも相続税がかかる!評価方法とは
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 3

亡くなった人がNISA口座にて運用していた投資商品は相続財産に含まれ、相続財産の課税対象です。
NISA口座で運用されていた株式などは相続発生日までの含み益は非課税になります。

一方で、相続発生日より後に受け取った配当金は20.315%の税金がかかります。
このように、NISA口座で保有していた投資商品は相続時の取り扱いが複雑なので、税金計算や相続手続きに注意が必要です。

本記事は、相続発生時のNISA口座の取扱いや相続手続きを解説します。

亡くなった人が所有していた株式の相続手続きは、下記の記事でも詳しく解説しているのでご参考にしてください。

株所有者の死亡後、そのまま放置する5つのリスクと手続き方法

1章 NISA口座にある上場株式等の相続税の取扱い

NISA口座では上場株式などを運用できますが、口座名義人が死亡した場合、NISA口座で保有されていた投資商品も相続財産に含まれ相続税の課税対象となります。
相続税を計算する際には、NISA口座内の投資商品の相続税評価額を計算する必要があります。

1-1 上場株式等の相続税評価額の計算方法

上場株式の相続税評価額は下記の金額のうち、最も低い金額です。

  • 相続開始日(亡くなった日)の終値
  • 相続開始日の当月の終値の月平均額
  • 相続開始日の前月の終値の月平均額
  • 相続開始日の前々月の終値の月平均額

なお、上場株式の月平均額を計算する際には、その月のすべての取引日の終値の平均値をもとに計算します。

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2章 NISA口座の相続時の取扱い

NISA口座で投資商品を運用していた人が亡くなった場合は保有していた投資商品の相続税評価額の計算以外に、遺産分割や相続人に名義変更する手続きなどが必要です。
また、NISA口座による非課税措置が続くのは口座名義人が死亡するまでという点にも注意しましょう。

NISA口座の相続時の取扱いで特に意識すべき点は、下記の4点です。

  1. 相続発生時までに発生した含み益には所得税・住民税がかからない
  2. 相続した株式・投資信託は相続人のNISA口座に移管できない
  3. 相続した株式・投資信託の取得価額は相続発生時の時価となる
  4. 相続発生後に発生した配当金には税金がかかる

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 相続発生時までに発生した含み益には所得税・住民税がかからない

NISA口座による運用益や配当金の非課税措置は、口座名義人が亡くなるまで続きます。
そのため、相続発生時までに発生した含み益に関しては所得税や住民税がかかりません。

具体例とともに確認してみましょう。

  • 取得時:80万円
  • 相続発生時の時価:100万円

上記のケースでは「100万円-80万円=20万円」の含み益に関して所得税や住民税が課税されることはありません。

2-2 相続した株式・投資信託は相続人のNISA口座に移管できない

亡くなった人名義のNISA口座で運用されていた株式や投資信託は相続財産に含まれるため、相続人への名義変更手続きが必要です。
なお、株式や投資信託を名義変更することや別の証券口座に移すことを「移管手続き」と呼びます。

移管手続きの際には、亡くなった人がNISA口座で保有していたとしても、投資商品を相続人のNISA口座に移すことはできません。
相続人が投資商品を受け継ぐ際には課税口座である一般口座もしくは特定口座に移管する必要があります。

そのため、相続人が株式や投資信託を受け継いだとしても非課税で運用し続けることはできません。
また、移管手続きの際には同一銘柄を相続人の特定口座と一般口座に分けて移管することはできない点にもご注意ください。

2-3 相続した株式・投資信託の取得価額は相続発生時の時価となる

相続人が株式や投資信託を受け継ぐときの取得価額は「相続発生時の時価」になり、取得日は「相続発生日」となります。
相続が発生した時点で亡くなった人のNISA口座を一旦精算し、相続人が特定口座もしくは一般口座で取得したと考えるとわかりやすいでしょう。

NISA口座の非課税措置は口座名義人が亡くなった時点で終了するため、相続発生から相続人の証券口座に移管するまでに発生した含み益に関しては20.315%の税金がかかります。

具体例を見てみましょう。

  • 故人が株式を取得:80万円
  • 相続発生時の時価:100万円
  • 移管日の時価:110万円

上記のケースでは、相続発生時の含み益20万円には税金がかかりません。
一方で、移管時と相続発生時の時価の差額10万円に関しては「10万円×20.315%=20,315円」の所得税および住民税がかかります。

2-4 相続発生後に発生した配当金には税金がかかる

NISA口座の非課税措置は相続発生日までなので、故人が亡くなった後に発生した配当金は20.315%の税金がかかります。


3章 NISA口座の相続手続きの流れ

亡くなった人がNISA口座で株式や投資信託を運用していた場合は、相続人の特定口座もしくは一般口座へ移管しなければなりません。
株式や投資信託の相続手続きの流れは、下記の通りです。

  1. 遺言書の有無を確認する
  2. 相続人を調査する
  3. 亡くなった人が利用していた証券会社や所有していた投資商品を特定する
  4. 遺産分割協議をする
  5. 投資商品の名義変更手続きをする

株式や投資信託の名義変更手続きは、証券会社に必要書類を提出して行います。
証券会社ごとに必要書類や手続き方法が異なるので、まずは亡くなった人が利用していた証券会社を特定しましょう。

亡くなった人が利用していた証券会社を特定する方法は、主に下記の3つです。

  1. 故人の自宅で証券会社に関する書類を探す
  2. ネット証券であれば故人のスマホやパソコンも確認する
  3. 証券保管振替機構(ほふり)に情報開示請求を行う

証券保管振替機構とは、証券を預かり保管している機関であり、開示請求書と必要書類を郵送すれば、亡くなった人の取引情報を教えてもらえます。

相続発生時に故人が利用していた証券会社がわからないときの対処法
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まとめ

亡くなった人がNISA口座で投資商品を運用、保有していた場合は相続手続きや相続税の計算が必要です。
相続手続きでは亡くなった人のNISA口座から相続人の証券口座に投資商品を移す必要がありますが、相続人のNISA口座に移すことはできないのでご注意ください。

またNISA口座の非課税措置が適用されるのは、口座名義人が死亡するまでです。
そのため、口座名義人の死亡後に発生した含み益や受け取った配当金は20.315%の税金がかかります。

家族や親族が亡くなったときには、株式や投資信託の手続きだけでなく、様々な手続きを行わなければなりません。
何から手続きを始めればよいかわからない場合やミスなくスムーズに手続きを完了させたい場合は、相続に詳しい司法書士や行政書士への相談もご検討ください。

グリーン司法書士法人では、相続手続きに関する相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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