タンス預金はなぜダメ?相続税対策にならず税務署にバレる理由を解説

タンス預金はなぜダメ?相続税対策にならず税務署にバレる理由を解説
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 4

自宅で現金を保管するタンス預金は、相続発生時に税務署にばれる可能性が高く、相続税対策としては不向きです。
税務署にタンス預金の申告漏れがばれると、重加算税や延滞税などがかかり余計に税金を支払う必要があります。

また、タンス預金は金額や存在を証明できる証拠がないので、相続人間でのトラブルの元にもなりやすいです。
何かあったときの当座の現金を自宅に保管しておきたいのであれば、数十万円程度にとどめておきましょう。

本記事では、タンス預金がなぜダメなのか、税務署にばれてしまう理由を解説していきます。
相続税については、下記の記事でも詳しく紹介しています。

相続税の計算方法を詳しく解説【自分で相続税を計算しよう!】

1章 タンス預金とは

タンス預金とは

タンス預金とは、自宅で現金を保管する家庭内に保管することです。
かつては、実際にタンスに現金をしまっていたので「タンス預金」という名称が使われていますが、実際には仏壇や金庫、引き出しなど自宅で貯金している現金を総称してタンス預金と呼びます。

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2章 タンス預金がダメな理由5つ

高額なタンス預金は相続発生時に税務署にばれる可能性が高く、相続税対策には不向きです。
他にも、以下の理由で高額なタンス預金はおすすめできません。

  1. 相続税対策にはならない
  2. 相続トラブルにつながる恐れがある
  3. 利息がつかない
  4. 災害・盗難・紛失リスクがある
  5. インフレリスクがある

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 相続税対策にはならない

タンス預金は持ち主が亡くなった際に、相続税の課税対象財産として扱われます。
相続税の計算および申告に含める必要がありますが、タンス預金は税務署にばれないと考え、計算や申告に含めない人も中にはいます。

税務署は、亡くなった人や相続人の資産の動きや所得を管理しているので、高額なタンス預金を相続税申告時に隠してもばれる恐れがあります。
タンス預金の申告漏れがばれると、重加算税や延滞税などペナルティが課されるのでご注意ください。

2-2 相続トラブルにつながる恐れがある

タンス預金は銀行口座に預けているお金や不動産などと異なり、金額や所在について証明できる証拠がありません。
そのため、亡くなった人のタンス預金を最初に発見した遺族が持ち逃げしてしまう恐れもありますし、反対に「タンス預金があったのではないか」と他の相続人が同居家族を疑う可能性もあります。

相続人の一人が財産の持ち逃げをする、もしくは相続人同士で遺産隠しを疑い出すと遺産分割協議が進まなくなり相続手続きに時間がかかります。

また、遺産分割協議完了後に故人が遺したタンス預金が見つかると、遺産分割協議のやり直しや相続税の修正申告が必要になるケースもあり非常に大変です。

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2-3 利息がつかない

タンス預金は銀行に預けているときと違って利息がまったく付きません。
ただし、銀行預金の金利は非常に低いので、タンス預金も銀行口座の預金も大差ないと考える人もいるでしょう。

2-4 災害・盗難・紛失リスクがある

タンス預金は、災害や盗難、紛失リスクがあります。
現金は火災保険や地震保険の補償対象外なので、災害により失っても補償を受けられません。
一方で、銀行口座に現金を預けておけば災害発生時にも、預金は守られます。

他にも、自宅で現金を保管しておくと盗難被害に遭う恐れもありますし、存在を忘れなくしてしまう可能性もあります。
タンス預金の存在を家族にも秘密にしていた場合、自分が亡くなった後に遺品整理をしていてタンス預金まで処分されるケースもゼロではありません。

2-5 インフレリスクがある

自宅で現金のまま保管しておくタンス預金は、インフレリスクに対応できません。
高額なタンス預金は一部を株式や不動産に換えるなど、インフレリスクにより財産が目減りしてしまうことに備えるのも良いでしょう。

一方で、タンス預金のように現金を手元に置いておくことは一定のメリットもあります。
次の章で詳しく見ていきましょう。


3章 タンス預金のメリット

クレジットカードやキャッシュレス決済など現金以外の支払い手段も増えてきましたが、タンス預金として現金を手元に用意しておくことには以下のメリットもあります。

  1. いつでも手元にお金を残しておける
  2. 相続発生時の銀行口座凍結への対策になる
  3. 銀行破綻のリスク対策になる
  4. 国に財産を把握されなくてすむ

それぞれ解説していきます。

3-1 いつでも手元にお金を残しておける

タンス預金として現金を自宅に置いておけば、いつでも必要なときに使用できます。
急にお金が必要になってATMに行くこともなくなりますし、営業時間外に預貯金を引き出してATMの手数料を取られることもなくなります。

病気やケガなどお金をおろせないときにも、当座の現金が手元にあれば手術費や入院費用などの支払いも可能です。

3-2 相続発生時の銀行口座凍結への対策になる

現金を自宅に保管しておけば、相続発生時に故人名義の銀行口座が凍結されても、遺された家族が葬儀費用や入院費用、当面の生活費に困らずにすみます。

銀行口座の凍結とは?口座名義人の死亡後に解除する方法と必要書類

3-3 銀行破綻のリスク対策になる

預貯金ではなくタンス預金として現金を保管しておけば、銀行の破綻リスクにも備えられます。
銀行が破綻したときには、利息の付く普通預金や定期預金は1,000万円までしか保護されません。

そのため、1,000万円を超える預金に関してはタンス預金として保管すれば、銀行が破綻したとしても失わずにすみます。
ただ、銀行破綻時の預金保護に関しては銀行ごとに1,000万円ずつ保証されています。
そのため、タンス預金で保管するのではなく複数の銀行に1,000万円ずつ預金する方法でも銀行破綻のリスクには備えることが可能です。

3-4 国に財産を把握されなくてすむ

2018年より、預金口座とマイナンバーの紐づけが始まり、国が個人の資産保有額を把握しやすくなりました。
2023年時点では証券口座など一部の口座を除きマイナンバーの登録は任意ですが、今後はすべての銀行口座とマイナンバーの紐づけが義務付けられる可能性もあります。

マイナンバーによって国に資産状況を把握されたくない場合には、リスクを考慮した上で自宅で現金を保管しても良いでしょう。


4章 タンス預金が税務署にバレる理由

本記事の2章で解説したように、税務署は相続発生時にタンス預金の存在に気付く可能性が高いです。
特に、100万円以上など高額なタンス預金に関しては税務署はかなりの確率で気付くでしょう。

税務署がタンス預金の存在に気付く理由は、下記の3つです。

  1. 相続発生時には故人だけでなく家族の口座も確認される
  2. 税務署は相続発生時に口座の過去の取引記録も確認する
  3. 相続税の無申告・過少申告が疑われるとお尋ねが入る

それぞれ詳しく解説していきます。

4-1 相続発生時には故人だけでなく家族の口座も確認される

相続発生時に税務署は亡くなった人の資産を調査しますが、家族や相続人にあたる人物の資産状況も調査します。

故人の銀行口座に大きな動きはないものの相続人や同居家族の銀行口座の残高が不自然に増えている、相続発生後に相続人が所得に合わない高額な買い物をしたケースでは、税務署がお尋ねや税務調査をしてくる可能性があります。

4-2 税務署は相続発生時に口座の過去の取引記録も確認する

亡くなったときに市区町村役場に提出する死亡届に記載されている情報は、税務署にも共有されます。
税務署が相続の発生を確認すると、故人の過去の取引履歴なども調査し、財産の動きに不自然な点がないかを調べます。

税務署は遺族の同意がなくても銀行に取引記録などを確認できるので、数年前に故人が大金を引き出していたケースなどはタンス預金がないか調査される可能性もあるでしょう。

4-3 相続税の無申告・過少申告が疑われるとお尋ねが入る

調査の結果、タンス預金などによる相続税の無申告もしくは過少申告が疑われると、税務署からお尋ねが相続人宛に届きます。
税務署からのお尋ねが届いた段階で、相続税の無申告もしくは過少申告が疑われると思って良いでしょう。

お尋ね後に修正申告がない場合には、本人もしくは担当税理士宛に連絡が届き、税務調査が開始される可能性が高いです。


5章 タンス預金が税務署にバレやすくなるのは100万円以上

先ほど解説したように、高額なタンス預金は税務署が相続発生時に調査を行うことによってばれる可能性が高いです。
とはいえ、相続発生後に銀行口座が凍結されることや急に現金が必要になるケースを考えると、自宅にまとまった現金を置いておきたい人も多いはずです。

緊急時に備え、タンス預金を用意しておくのであれば数十万円程度に留めましょう。
100万円以上のタンス預金は税務署にばれやすいですし保管リスクもあるので、銀行口座に預け入れることをおすすめします。

また、亡くなった人が高額なタンス預金を遺していたのを発見していた場合には、他の相続財産と同様に相続税申告をすれば問題ありません。


まとめ

100万円を超える高額なタンス預金は、税務署が相続税の調査をする際に発見される可能性が高いです。相続税の無申告もしくは過少申告はばれると重加算税や延滞税などのペナルティがかかり、余計に税金を納めなければなりません。
さらに、相続税の無申告もしくは過少申告が悪質だと判断されると、刑事罰の対象になる恐れもあるのでご注意ください。

タンス預金は相続税対策にならないだけでなく、相続トラブルの火種になる、紛失リスクがあるなどのデメリットもあります。
相続対策をしたいのであれば、司法書士や弁護士などに相談して適切な方法で行いましょう。

グリーン司法書士法人では、相続対策に関する相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

タンス預金はバレる?

タンス預金がバレる理由は主に下記の3つです。
・相続発生時には故人だけでなく家族の口座も確認される
・税務署は相続発生時に口座の過去の取引記録も確認する
・相続税の無申告・過少申告が疑われるとお尋ねが入る
▶タンス預金がバレる理由について詳しくはコチラ

タンス預金はいくらからバレる?

タンス預金は100万円以上からバレやすくなります。
▶タンス預金がバレやすくなる金額について詳しくはコチラ

タンス預金には税金がかかる?

亡くなった人が遺していたタンス預金も他の遺産同様に、相続税の課税対象となります。
なお、税務署は個人の資産の流れや金額をある程度把握しているので、タンス預金を申告しないでいると、税務署に指摘されるリスクがあります。

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