死亡保険金を兄弟の1人だけが受け取った場合に、兄弟で分けることは可能です。しかしながら、死亡保険金は「受け取った人の財産」として扱われるため、それを兄弟に渡すのは「贈与」となり贈与税の対象となるため注意が必要です。
本記事では、死亡保険金を兄弟で分けるときに知っておくべきことを網羅的に解説します。要点は以下のようになります。
| 死亡保険金を単独で受け取った方向け |
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| 死亡保険金を受け取れず不公平感を感じている方向け |
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| 死亡保険金を子どもに平等に渡したい親御さん向け |
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税務署は、相続税や贈与税が正しく申告・納税されているかどうかを独自に調査できる強い権限を持っています。
そのため、「死亡保険金を兄弟で分ければいいや」「公平になるようにこっちで調整すればいいよね?」と安易に分けてしまうと、後から「申告漏れ」を指摘されてペナルティを課されるリスクがあります。
「知らなかった」では済まされない大きなトラブルを防ぐために、本記事を通して死亡保険金の正しい扱い方や税金への対策をしっかりと学んでいきましょう。
目次
1章 死亡保険金を兄弟で分けることは可能だが贈与税がかかる
まず結論から言うと、故人が亡くなって受け取った死亡保険金を、兄弟で分けることは可能です。
しかしながら、「受け取った死亡保険金」は相続財産ではなく「受取人固有の財産」となるので、兄弟同士で分けた際に贈与税がかかります。
死亡保険金を分けることは遺産分割ではなく、受取人の財産である死亡保険金を「他の兄弟に贈与した」として扱われるからです。
受け取った死亡保険金を兄弟で分けて贈与税がかかる具体例 【状況】
長男が自分だけ死亡保険金を受け取ったことを心苦しく思い、受け取った1,000万円のうち、次男に300万円、三男に300万円を渡したとします。 この場合、長男が受け取った死亡保険金1,000万円は受取人固有の財産なので、自分の財産を兄弟に「贈与した」ということになり、贈与税が発生します。 ※死亡保険金は、遺産分割の対象となる相続財産ではない点に注意が必要です。 この場合の贈与税は「(300万円−110万円)×10%=19万円」となり、次男・三男は翌年の2月1日から3月15日までの期間に、贈与税の申告・納税をしなければなりません。 |
※なお、贈与税には年間110万円の基礎控除額が設けられており、兄弟が受けた贈与の年間合計金額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。例えば、長男が受け取った保険金から次男と三男にそれぞれ100万円ずつ分けたケースでは、基礎控除の範囲内となるため、それ以外に受け取る贈与がなければ贈与税の申告や納税は不要です。
このように相続人たちが死亡保険金を分け合うと、相続税とは別に贈与税がかかってしまう恐れもあるので注意が必要です。
贈与税がかかることを知らず期限内に申告や納税をしないと、延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生するので注意しましょう。
贈与税の基礎や無申告のペナルティを詳しく解説した、以下の記事もご一読ください。
【死亡保険金を受け取った人向け】受け取った死亡保険金を分けるかどうかは そもそも故人の死亡後に受け取った死亡保険金は、家族と分け合う必要はありません。死亡保険金は亡くなった人の相続財産ではなく、受取人固有の財産として扱われるからです。 死亡保険金は遺産分割の対象になりませんし、亡くなった人が遺言書で「兄弟で均等に分配すること」など死亡保険金の分割方法を指定しても従う必要はありません。 一方で、受け取った死亡保険金(自分の財産)を「兄弟に分けたい」と自分の意思で贈与を決めるのは自由です。自分の財産を誰にどのように分けるかは原則として自分が決めることができるからです。 まとめると、「死亡保険金を兄弟で分けてもいいのか?分ける必要はあるのか?」という質問の答えは、「分ける義務は無いが、受け取った人が分けたいなら分けて良い」ということになります。 |
【死亡保険金を受け取れず不満を感じている人向け】 死亡保険金は「受取人固有の財産」なので、残念ながら、受け取った人が兄弟に分ける義務はありません。 また、死亡保険金は原則として遺留分の計算対象にも含まれませんので、遺留分侵害額請求をすることもできません。(※遺留分とは、亡くなった人の子どもなど一定の相続人が、法律上最低限受け取ることができる取り分のことです。) しかしながら、もしも相続財産の額に対して死亡保険金があまりに高額な場合には、特別受益や遺留分の対象に死亡保険金を含められる場合があります。 特定の相続人だけが高額な死亡保険金を受け取っていて不信感がある場合には、特別受益や遺留分の対象になるか確認するため、相続トラブルに詳しい司法書士や弁護士に相談するのが良いでしょう。 |
2章 兄弟間の不公平感をなくすなら死亡保険金ではなく他の相続財産で調整するのが賢明
兄弟間で不公平感をなくしつつ余計な税金(贈与税)を払わないためには、「受け取った死亡保険金を分ける」のではなく、「他の相続財産の分け方で調整する」のが賢い方法です。
なぜならば、遺産分割の受け取り方を調整する形であれば、前述の贈与税を発生させずに全体の受取額を平等にできるからです。
死亡保険金を分けるのではなく遺産分割で調整する具体例 【状況】
上記の例で、遺産に預貯金が3,500万円ある場合、以下のように遺産分割をすれば不公平感をなくすことができます。
この場合、長男から次男・三男への贈与はないため、贈与税はかかりません。そのため、死亡保険金を兄弟で分けるよりも、死亡保険金はそのままにして、他の相続財産で調整することで、余計な贈与税がかからずに済みます。 |
このように、死亡保険金を分けることにこだわらず、遺産分割で調整する方が、余計な贈与税がかからずに済むのでおすすめです。
【注意】遺産分割での調整は専門家に相談しながら行うのがおすすめ 保険金以外の財産(預貯金や不動産など)でバランスを取る方法は非常に有効ですが、一般の方が自己判断で行うには難易度が高い場合があります。 なぜなら、遺産分割協議書の書き方を間違えて税務署から「実質的な贈与ではないか」と疑われたり、不動産などの適正な評価額を見誤って結局誰かが損をしてしまったりする恐れがあるからです。 【具体的な注意点】
正確な相続税計算・申告は非常に難易度が高く、安易に自己判断で進めてしまうと、見落としを完全に防ぐことは困難です。グリーングループでは司法書士・税理士・行政書士が連携し、家族全体で手元に残る現金を最大化するための最適なサポートを行っています。まずは無料相談をご活用ください。 電話で気軽に聞きたい方はこちらをクリック |
3章 兄弟同士で死亡保険金を分けるための生前対策方法
死亡保険金を兄弟同士で分け合うと贈与税がかかる恐れがあるので、死亡保険金も兄弟で公平にしたい場合は生命保険加入時点で下記の対策が必要です。
- 子供たちを共同受取人とした生命保険に加入する
- 子供たちそれぞれを受取人とした生命保険に加入する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1 子供たちを共同受取人とした生命保険に加入する
生命保険加入時に長男のみを受取人とするのではなく、子供たち全員を共同受取人にすれば公平に死亡保険金を分けられます。
死亡保険金の受取人を複数人にするには、生命保険加入時に申込書の受取人に子供全員の氏名を記載した上で持分を指定します。
なお、すでに加入している生命保険の受取人を子供1人だけではなく子供たち全員に変更することも可能です。
詳しい手続きに関しては、加入予定の生命保険や加入している生命保険によって異なるので確認してみましょう。
ただし、死亡保険金の受取人を子供たち全員にする場合でも振込先の口座はひとつと決められていることが多いです。
そのため、子供たちの中で代表で死亡保険金を受け取る人物を決める必要があります。
子供たち全員を共同受取人にしたにもかかわらず、代表者が残りの兄弟に保険金を分配しない場合は、下記の方法で死亡保険金の持分を主張できます。
- 民事訴訟
- 支払督促
- 少額訴訟
- 民事調停
ただし、自分たちで請求や手続きをするのは現実的ではないので、相続トラブルに詳しい弁護士に相談するのが良いでしょう。
3-2 子供たちそれぞれを受取人とした生命保険に加入する
死亡保険金を受け取る代表者を決めるのが難しい場合や兄弟同士でトラブルが起きそうな場合は、受取人ごとに生命保険に加入するのも選択肢のひとつです。
それぞれの子供たちを受取人にした生命保険に加入しておけば、自分が亡くなった後に兄弟同士が保険金を分配する手間を減らせます。
4章 死亡保険金を受け取ったときの注意点
家族や親族が亡くなり死亡保険金を受け取ったときには、相続税の計算対象に含めることなどに注意しなければなりません。
死亡保険金を受け取ったときの注意点を2つ解説します。
4-1 死亡保険金はみなし相続財産に含まれる
死亡保険金は受取人固有の財産ですが、みなし相続財産に該当し相続税の課税対象に含める必要があります。
死亡保険金は遺産ではないものの故人の死亡が原因で発生するお金と考えられるからです。
死亡保険金のみを受け取った場合でも、相続税の申告や納税義務が発生する恐れがあるのでご注意ください。
なお、死亡保険金を相続人が受け取った場合は「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が適用されます。
参考:国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
非課税枠の計算や相続税の計算が難しい場合は、相続税に精通した税理士に相談するのが良いでしょう。
「みなし相続財産」や死亡保険金の相続税について詳しく解説した、以下の記事もご一読ください。
4-2 相続放棄をしても死亡保険金を受け取れる
死亡保険金は相続財産ではなく受取人固有の財産のため、相続放棄をしても受け取れます。
相続放棄とは最初から相続人ではなかったとする手続きであり、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しなくなります。
例えば、亡くなった人が多額の借金を遺していた場合は相続人が借金の返済義務を負わなくてすむように相続放棄を検討することが多いです。
ただし、相続放棄後にすべての死亡保険金を受け取れるわけではなく、受け取れるのは受取人が長男もしくは配偶者などと指定されているもののみです。
一方で、死亡保険金の受取人が故人の場合や相続人とされているとき、若しくは決まっていないときは、相続財産に該当するため、相続放棄をする相続人は受け取れなくなってしまいます。
このように、相続放棄後の死亡保険金を受け取って良いかの判断はケースバイケースであり、判断には専門的な知識が必要な場合もあります。
「死亡保険金を受け取ってしまい、相続放棄できなくなってしまった」なんて事態を避けるために、相続放棄時には司法書士や弁護士に相談しながら対応していきましょう。
相続放棄時の扱いについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
5章 死亡保険金を含む相続を「3士業一体」でサポートするグリーングループにお任せください
死亡保険金を含む複雑な相続があった場合には、「どう分ければ公平なのか」「遺産分割協議書にどのように書けばいいのか」など複雑な判断を求められることがあります。
後悔のない円滑な相続を実現するためには、税務・相続手続き・不動産のすべての視点から総合的にサポートできるグリーングループにぜひご相談ください。
ここからは、グリーングループにご依頼いただいた場合のメリット・強みについて、分かりやすく解説していきます。
5-1 年間442件の相続税申告手続き実績あり。相続税申告を万全にサポート
死亡保険金を含めた複雑な遺産分割において、税務署から疑われる確率を下げるには、相続分野に特化した専門家に相談することが非常に有効です。
相続税申告は数ある税務の中でも特に専門的な知見が必要とされる分野であり、遺産分割の進め方や各種特例の適用要件を正確に把握して申告書をまとめなければ、後から税務署より思いがけない指摘やペナルティを受けるリスクがあるからです。
グリーングループでは、年間442件(1日1件以上)の相続税申告案件の手続きを行う中で蓄積された最新のノウハウを駆使し、税務調査が入る確率を抑える申告書を作成することが可能です。
グリーングループが相続税申告に強い理由
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安易な自己判断による書き間違いや論点の見落としを防ぎ、家族の大切な財産を適切に守るためにも、相続手続きと税務を同時にカバーできる当グループにぜひご相談ください。
5-2 将来を見据えた二次相続対策や事前対策も強い
相続が発生した後の手続きだけでなく、将来必ず発生する二次相続や生前からの事前対策も含めてトータルで損をしない設計ができることも、グリーングループが持つ大きな強みです。
相続が発生してしまえば、後から保険の受取人を変えるなどの生前対策は一切できません。また、目先の税金をゼロにすることだけを考えて「配偶者控除」を活用すると、逆に将来の子供たちの相続税が跳ね上がってしまう「二次相続の落とし穴」に陥るリスクがあります。
グリーングループが提供できる二次相続対策・事前対策の例
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将来にわたって最も多くの現金を家族の手元に残すための最適なプランを立てるためには、目先の数字にとらわれずに長期的な視野を持ってシミュレーションすることが大切です。
二次相続について基礎から詳しく解説した、以下の記事もご一読ください。
5-3 財産調査も不動産登記もワンストップで相続手続きを完結できる
戸籍集めによる相続人の特定から、民法上・税務上の財産調査、納税資金を確保するための不動産売却、遺産分割協議書の作成、最終的な不動産登記にいたるまで、すべての相続手続きを窓口一つで一括完結できることも、3士業一体のグリーングループが持つ大きな強みです。
相続には「税額計算(税務)」と「名義変更(相続手続き)」の両方の視点が不可欠であり、不動産の売却や各種手続きをそれぞれ別々の窓口にバラバラに依頼すると、連絡の手間が増えるだけでなく「みなし相続財産」の確認漏れや納税資金のショートといったトラブルが生じる恐れがあるからです。
グリーングループが提供できる3士業+不動産会社が一体のサポート内容
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相続手続き・税金・不動産が複雑に絡み合うスキームであっても、グループ内の緊密な連携によって一括サポートできる体制が整っています。
相続財産調査・相続税申告・登記は 相続に際してはさまざまな手続きが発生するため、相続人だけですべてを行うのが難しいケースがほとんどです。 当グループでは、司法書士・税理士・行政書士の3士業に加えて不動産会社までが一体となり、相続全般について後悔が残らないような最適解をご提案いたします。 「相続に関わる手続きをまるごと依頼したい」「分からないことが多すぎて何から相談したらいいか分からない」という方は、まずはご都合の良い手段でお気軽にお問い合わせください。 電話で気軽に聞きたい方はこちらをクリック |
まとめ
相続人が受取人として指定されている死亡保険金は受取人固有の財産として扱われるため、遺産分割の対象になりません。
そのため、兄弟のうち1人が受け取った死亡保険金を残りの兄弟に分配した場合、遺産分割ではなく死亡保険金を受け取った兄弟から他の兄弟への贈与として扱われてしまいます。
分配額によっては贈与税がかかる場合もあるのでご注意ください。
死亡保険金の受取額で兄弟が不公平感を持たないようにするには、相続財産の分け方(遺産分割)で調整するか、生前に生命保険の受取人を平等に指定しておく生前対策が有効です。
また、相続対策には生命保険の加入以外にもいくつか方法があるので、司法書士や弁護士などの専門家に相談しながら自分に合った方法で行うことが重要です。
グリーングループでは、税理士・司法書士・行政書士の専門家が一体となり、相続対策から相続税申告まで幅広く相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
そのため、死亡保険金は遺産分割の対象になりませんし、亡くなった人が死亡保険金の分割方法を指定しても従う必要はありません。
▶相続における死亡保険金の取り扱いについて詳しくはコチラ
ただし、死亡保険金はみなし相続財産として相続税の課税対象になります。
▶相続における死亡保険金の取り扱いについて詳しくはコチラ

















